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事業成長と共にプロダクトを支える、SmartHR PMM の「イマ」を聞いてみた

こんにちは。SmartHR 広報のたけべです。

2年ほど前の2019年9月に、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)にインタビューをしました。当時はPMMを解説した記事が世に多くなかったこともあり、Googleの検索1位に表示されるなど記事への反響は大きく、PMM職への注目度の高さを感じる1本となりました。

当時4名だった組織が11名になったと聞き、 “SmartHRのイマのPMM” を知るべく、改めてインタビューを実施することに。今回話を聞いたのは、入社1ヶ月半〜1年4ヶ月の全4名です。
SmartHRのPMMの皆さん、大きくなったチームで今、何をしているのか教えて!

インタビュイー(SmartHR PMM 4名)

岡田 遥(おかだ はるか)
・2020年3月にSmartHR入社。
・1社目のモバイルコンテンツ提供会社から社内ベンチャー企業へ出向し、複数の女性向けアプリやWebメディアの企画・マーケティングを推進。SmartHRは2社目。

埜村 勇斗(のむら ゆうと)
・2020年4月にSmartHR入社。
・1,2社目は、コンサルティング会社でのコンサルティングと営業、CS活動を行う。3社目でスタートアップでの執行役員を務め、SmartHRは4社目。

高松 泰嗣(たかまつ やすし)
・2021年2月にSmartHR入社。
・1社目は、人材紹介会社で営業とキャリアアドバイザーとして勤務。2社目のデジタルマーケティング会社でのPdMを経て、SmartHRは3社目。

後藤 栞(ごとう しおり)
・2021年5月にSmartHR入社。
・1社目は、会計事務所での会計・労務を担当。2社目のWeb・アプリ制作会社でのディレクターを経て、SmartHRは3社目。

※記事内の写真は、撮影時のみマスクを外しています

SmartHRのPMM組織の、「イマ」の体制とミッション

ーー さっそくですが、「SmartHRにおけるPMMの役割」を教えてください。

岡田:私たちPMMのミッションは、「事業成長のために “何が売れるか” を考え “どう売るか” に責任を持つこと」です。具体的には、開発とビジネスのハブとして、お客さまからのフィードバックを元にPDCAを高速に回し、PdM(プロダクトマネージャー)と協働することで、新プロダクトや新機能といった “人が欲しいもの” を作り続けます。

また、「どう売るか」に加え「どうしたら活用できるか」も一緒に考えています。プロダクトの価値をお客さまに正しく伝えるため、お客さまと直接接点を持つビジネスサイドのメンバーに「最新で正確なプロダクト情報」を提供。これにより、メンバーの自己判断と主体的な行動(※社内では「自律駆動」と呼んでいます)を促し、事業成長に貢献しています。

▲SmartHR PMM・岡田 遥

ーー 4名から11名へと大きく増員していますが、現在のPMMはどのような体制ですか?

岡田:2019年は4名、2020年に7名に増え、2021年6月現在は11名です。2020年からは「ユニット」というチーム体制を敷き、各ユニットでミッションの達成を目指しています。

既存のプロダクトの「10→100」の成長に寄与する業務とプロジェクトの推進に関わるユニットが2つと、新規プロダクトの「0→1」企画や「1→10」のグロースを推進するユニットが1つの、計3ユニットです。

ーー どういったバックグラウンドを持つメンバーがいますか?

岡田:これまでのキャリアでは、カスタマサーサクセスやPdMをしていたメンバーがいますね。「初めて経験するBtoBサービスがSmartHR」という方もいます。

私は前職ではWebメディアを運営しており、マーケティングの他、たまに “なんちゃってPdM” をしていました。人事領域もSaaS(Software as a Service)もPMMも初めての状態でSmartHRに入社しました。

ーー PMMの経験者ばかりというわけではないんですね。では、SmartHRのPMMにおける「2021年のミッション」を教えてください。

埜村:岡田さんのコメントと重なりますが、 “何が売れるか” と “どう売るか” を考え抜きながら私たちは活動しています。PMMのパフォーマンスが高まることで新しいビジネス展開も、既存事業のスケールも早めることができます。そのため、SmartHRの新たな柱となる “売れるプロダクト” を生み出すことと、売り方を研ぎ澄ませて市場展開のスピードを早めることの両方がミッションです。

元々PMMが「たらい回し」の結果からできた組織でもあるので、他部門の課題を拾うことでお客さまの課題発見や解決に活かすことも目指しています。

▲SmartHR PMM・埜村 勇斗

ーー 現在のPMM組織にとって、「課題」だと感じることは何ですか?

埜村:うーん、そうですね。一言では言い表せませんね(笑)。

登録企業数の増加に合わせて既存機能の改善スピードをもっと早めなければいけませんし、新機能を生み出す必要もあります。また、組織が急拡大中のため、プロダクトの価値を社内に届ける仕組みをブラッシュアップし続ける必要があり……つまり、事業の成長に伴い課題は増え続けています。でも、その分やりがいも大きいですね。

既存領域と新規領域の違いと、その中でのPMMの役割

ーー 岡田さんの話の中で「既存」という言葉が出てきましたが、「既存領域」とは何でしょうか?

埜村:「既存領域」は人事労務領域のことで、対する「新規領域」は人材マネジメント領域を指します。つまり、SmartHRがもともと展開している領域を「既存」、これから展開していく領域を「新規」と呼んでいます。

両領域で下図の業務が発生しますが、既存と新規で割合が異なります。
例えば「新規領域」は、0からプロダクトを作るのでそもそもの課題の有無や、SmartHRでその課題を解決すべきなのか、競合とはどのように差別化していくのか……といったマーケット調査と、売上計画やプライシング・販売戦略の検討の割合が多くなります。

対して「既存領域」は、すでに市場やユーザーの課題を明確にとらえていたり、プロダクトがリリース済みで価格も決まっていることから上記の比率は高くありません。
また、「既存領域」は、すでに多くのお客様が利用している機能なので、その分多くのご要望をいただきます。もっとお客様の課題を解決できるように、機能改善や新機能の企画、サポートコンテンツの拡充といった、計画的に進める業務の割合が多くなります。

ーー 既存領域の目的と業務内容について、もう少し詳しく聞かせてください。

高松:既存のコアプロダクトを成長をさせ、お客さまの課題をさらに解決することが目的です。SmartHRというサービスはすでにマーケットフィットしていると思っていますが、まだまだSmartHRの機能として足りておらず、向上させたい部分はたくさんあります。

その理由の1つ目は、大企業でもご利用いただくようになったことで、課題の種類が変わってきたこと。2つ目は、既にご利用いただいている企業の皆さまの状況や、社会状況の変化によって、課題の捉え方が変わると共に新たな課題が生まれたこと。

私たちPMMは、課題や要望を分解し、整理して開発にバトンを渡します。その後開発される機能のサポートをしながら、どのようにお客さまに伝えるかを考え、社内調整や進行確認を行っています。

▲SmartHR PMM・高松 泰嗣

ーー では、新規領域ではどうでしょうか?

埜村:ざっくり分けると、市場調査をしながら仮説を立て、お客さまにヒアリングをしながら新しい機能の企画をする「0→1」フェーズと、ローンチしたプロダクトを市場に浸透させつつ、さらなる拡大の土台を作る「1→10」フェーズの仕事が多いですね。

前者は、企画した機能をどのような価格でどのようなお客さまにどうやって売るかの販売戦略や、ローンチまでの計画や推進、ベータ版の提供やプレセールスなども含みます。後者は、売り方をブラッシュアップして売りやすくしたり、プロダクトを拡大させていくための仕組みを作ったり、要望を整理することで売れるプロダクトに磨き込むものです。

入社1ヶ月〜1年半で担当する業務と、各自のミッション

ーー 入社年次の異なる4名ですが、「日頃担当している業務」と「どのようなミッションを持っているか」の2点を聞かせてください。

後藤: 私は入社して1ヶ月半ですが、オンボーディングと並行して、いくつかのプロダクトのリリースタスクのサポートを行っています。

入社前のオファー時には、ビジネスサイドのメンバーやお客さま向けに、「既存プロダクトのアップデート情報」や「今後リリース予定の機能」の情報を届ける業務を依頼されました。現在はサポートとして行っていますが、いずれは私が主体となって情報伝達をしていくことが期待されています。

日々進化するSmartHRの価値をお客さまに届けることで、最大限に活用いただける情報発信をしていくことも、「どう売るか」に責任を持つPMMの重要な役割だと考えています。

▲SmartHR PMM・後藤 栞

高松:私のミッションは、SmartHRを選び継続利用していただくために、既存領域をよりよいサービスにすることです。入社して5ヶ月目と後藤さんの次に日が浅いですが、まずは先輩たちを手伝いながら業務を覚えました。最近は既存のプロダクトの申請機能やSSO/SAML機能を担当しています。

今後控えている大規模なプロジェクト推進も担当しており、お客さまの要望を分析しヒアリングで深堀りし、どのような機能にしていくのかをまとめ、PdMへつなぎます。その他、情報を公開するにあたって、「お客さまのどんな反応が想定されるのか?」「どのように回答すべきか?」といった情報を取りまとめることで、カスタマーサクセス(CS)や営業チームが安心してお客さまとコミュニケーションできるよう準備します。

埜村:私のミッションは「人材マネジメント領域をSmartHRの新たな柱として確立すること」です。業務は、営業・CS・企画の3つの側面を持ちます。

まず、営業的な観点としては、お客さまに伝わりやすいようにプロダクトの価値を整理して、マーケティングメッセージや提案での訴求内容を決め、マーケティングや営業メンバーに展開。
次に、カスタマーサクセス的な観点としては、オンボーディングや価値提供のプロセスや仕組みを整備して、CSメンバーがお客さまをサクセスに導けるようにサポートしています。
最後に、企画的な観点としては、ゼロから新しい機能の企画をしています。また、人材マネジメント領域へのビジネス展開の戦略も考えています。

▲左から順に、高松・岡田・後藤・埜村

岡田:私は既存領域で「SmartHR本体の基盤を構築し、お客さまに人事データベースとして活用いだくための機能の企画推進・活用促進」をミッションとしています。その中で、SmartHRをハブとして他システムと連携しやすくする機能企画の推進を担当しています。お客さまからの “機能へのフィードバック” を開発に活かすための仕組み作りとして「プロダクト特化のコミュニティ」を立ち上げました。

最近では、PdMと共同でSmartHRの中長期の姿やロードマップの検討を進め、お客さまの要望を可視化し分析を行うことで、優先順位検討を行いました。プロダクトの中長期的な戦略や会社の意思決定に関われるところもPMMの魅力の1つだと思います。

ーー 「プロダクト特化のコミュニティ」含め、全プロダクト横断関連の施策について教えてください。

岡田:新規・既存領域問わず、「ビジネスサイドのメンバー向けにプロダクトの情報を正しく届けること」と「お客さまから定期的に開発フィードバックをもらえる仕組みを作ること」の2つを、PMMとして全プロダクト横断で進めています。

1つ目の「情報を正しく届けること」ですが、既存プロダクトのアップデート情報をキャッチアップしやすい仕組みづくりが大切だと思っています。情報の質がプロダクトによってばらけてしまわないよう、全機能横断でキュレーションをして定期的に届けています。具体的には、社内ドキュメントを使ったプロダクトの情報を集約したポータルの運営や、リリース内容の定期告知です。

2つ目の「お客さまからのフィードバック」は、SmartHRはお客さまからのフィードバックをもとに機能開発を進めているため、既存・新規領域問わず、新機能や新プロダクトのためのヒアリングとインタビューを随時行っています。
また、1:1のヒアリングやインタビューだけでなく、SmartHRの機能フィードバックに積極的にご協力いただいているお客さまをご招待し、お客さまと一緒にSmartHRの開発を進めるコミュニティを立ち上げました。直近では、開発途中の新機能について開発チームと複数のお客さまが直接議論するイベントを開催しました。

ユーザーの声、もっと聞きたい!スプリントレビューにユーザーを招待した話 - SmartHR Tech Blog
こんにちは!PM(プロダクトマネージャー)のgackeyです。 新機能を公開する前のレビューやドッグフーディング、もっとうまくやりたいな〜と悩んだこと、ありませんか。SmartHRは、人事労務の方々に日々使っていただく業務システムなので、A/Bテストを気軽に行うことができません。また、うっかり使いづらい状態で出してしまっても、気軽にやり直しはできないプロダクトです。 ...
https://tech.smarthr.jp/entry/2021/06/19/170000

SmartHRを転職先として選んだワケ

ーー 比較的最近ご入社された後藤さんと高松さんにお聞きしますが、SmartHRに入社した理由は何でしょうか?

後藤:SmartHRを知ったのは社長の宮田さんのブログや、オープン社内報でした。Twitterで流れてくる記事を読むたびに、「社員が生き生きと働いている会社だなあ」と思っていたんですね。SmartHRのプロダクトについても調べてみると、これまた使いやすそうで。会計事務所でクライアント企業の年末調整の代行をしていた身からすると、感動を覚えるほどのわかりやすさでした。

SmartHRが掲げている「Employee First.」というサービスビジョンは、プロダクトはもちろんのこと、SmartHR社全体に流れている雰囲気だと感じました。だからこそ、生き生きとした記事ばかりなんだなあ、と。こんな風に生き生きと働きながら、価値のあるプロダクトを作ってみたいと思い、応募しました。

▲PMM 11名のオンラインミーティングの様子

高松:プロダクトが中心の会社であり、世の中によりインパクトを与えられる分野であり、これから大きな変化が出るであろうHR業界だったこと。また、これまでの自分のキャリアを活かし、さらに新しい経験ができそうだと思ったことも大きいです。

ーー 入社前後での会社への印象のギャップはありますか?

後藤:社内報などの雰囲気がとても楽しそうだったため、悪く言えば「浮ついているのかな?」とも見えたのですが、お客さま目線での意見や数字に真摯に向き合っていて、 “良い厳しさ” のある環境だと思いました。これはいいギャップでしたね。

個人の失敗を責めるようなことはなく、互いにリスペクトを持って、楽しくゆるいSlackコミュニケーションを取りながらいい環境で働けていると思います。

PMMの採用を進める理由と、一緒に働きたい人とは

ーー PMMは現在「絶賛採用中」とのことですが、なぜ採用を進めているのでしょうか?

埜村:SmartHRをもっと早くより良いプロダクトにして、より多くのお客さまに価値を届けるためです。登録企業数の増加に伴い、お客さまが求める価値や機能も増えています。PMMはプロダクトを作り、市場に届け、それを磨き込む仕事なので、一緒にプロダクトを良くし新しい価値を提供する仲間を探しています。

▲左から順に、 埜村・後藤・高松・岡田(なぜか真顔な埜村さん)

ーー 採用を進める上での課題感と、どんな人と一緒に働きたいかを教えてください。

埜村:B to B SaaSのPMMの経験を持つ方がまだあまり多くなく、PMMという職種の認知度も低いと感じています。その上で、幅広い業務領域を遂行するスキルが求められる仕事のため、出会える候補者様の母集団が決して多くないことが課題です。

B to B SaaSのPMMの経験を持つ方はもちろんですが、それ以外でも「人が欲しいと思うものをつくろう」という気持ちでプロダクトの企画・開発に携わっていた方や、営業・CSの経験をお持ちでプロダクトのビジネス展開を俯瞰して推進できる方には是非ご応募いただけると嬉しいです。

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