スキルアップAIに興味を持ってくださりありがとうございます。
代表インタビューvol.2では売上が一気に100倍に拡大し、業界内でも信頼を獲得していった過程をお話します。
創業背景などをお話したvol.1をお読みで無い方は、合わせてぜひご覧ください。
AIを広げるプラットフォームを作る。超大手データ活用企業を飛び出し、スキルアップAIを創業したワケ。
ー小さく始めたAI勉強会でしたが、事業化する転換点はいつだったのでしょうか
AIについての勉強会を開催している中、受講者の一人から日本ディープラーニング協会(JDLA)が認定プログラム事業者を探していると教えてもらいました。JDLAではAIエンジニアの登竜門とも言えるE資格(エンジニア資格)試験を開始するにあたり、同試験の受験資格を得るための教育プログラムを提供する事業者を探していました。
講師をしていた小縣に相談し、これまでの勉強会の知見を活かせると判断、すぐにJDLAに連絡をしました。その週内にはJDLA運営事務局の方とお会いし、詳細なお話を伺いました。認定基準を高く設定していることから、問い合わせは多いものの、認定を出せる事業者がまだいないということでした。
最初に認定を取った事業者の教育の質がその後の認定にも影響すると思いましたので、何としても第一号を取って、業界の質向上に貢献したいと思いました。小縣が講座の開発担当、私が開催形式や受講の流れの検討など運営面担当と役割分担を行い、1ヵ月半程度で完成させ、無事目的としていたJDLA認定プログラム1号を取得することができました。
この時は私も小縣も別の企業に所属している立場だったので、本当に情熱と勢いを持って進めていたなと思います。勢いは開催計画にも現れていて、まだ全く実績がない中、東京・名古屋・大阪の3都市で複数回を計画しました。
この時、事業としてやっていける感覚が持てましたので、AI人材育成事業を行う株式会社として現在のスキルアップAIを立ち上げました。
認定プログラムの受講料は30万円/人と高額でしたので、開催地である東京・大阪・名古屋で複数回説明会を開催し、内容をしっかり説明していきました。幸いなことに、説明会を受けた方がどんどん受講申し込みをしてくれました。
このとき売上が一気になんと100倍に拡大していました。毎晩夜中まで決済確認やお礼メールの送信業務を行うようになり、大阪や名古屋での説明会後は、帰りの新幹線の中で対応していて、疲れすぎて途中で寝てしまうこともよくありました。このころはまだまだ手弁当での運営が続いていました。
オペレーションが確立していない中、ペア割、学割、新卒割、早割、紹介割、MLセットなどオプションを大量に作りすぎてしまったため、作業ミスが発生してしまったことも今では良い思い出です。ただし、この点をしっかりと改善したいと思いましたので、前職の同僚でオペレーション構築が得意な伊澤(現スキルアップAI取締役)に手伝ってもらうようになりました。
私に加え、AI・ディープラーニングに関する講座開発や講師の中心に小縣、オペレーションやマーケティングなど運営面の中心に伊澤が揃ったところでスキルアップAI拡大の下地が出来たと思っています。それぞれ得意分野を持った良いチームが構築できました。
すぐにAI人材育成事業だけでやっていけるとは思っていませんでしたが、自分が価値を感じることのために実力を100%傾けた方が良いと思うようになり本業として勤めていた会社を退職し、スキルアップAIに注力していくことになります。
ーAI人材育成というのは当時まだニッチな領域だったと思いますが、そこに100%注力しようと思ったのはなぜでしょうか
今でこそ全てのビジネスパーソンがAIやデータサイエンスの基礎知識を身に付けるべきという話を良く聞きますが、当時はまだ一部のエンジニアやデータサイエンティストのためのものでした。
ですが、かつてパソコンが普及し、誰もが使いこなすようになった流れがあったように、AIも将来的に多くの人が使えて当たりまえの時代が来ると予想しました。
またロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏、アンドリュー・スコット氏執筆の『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略』に示されていたように、人生100年時代が始まると学びのあり方も変わってきます。
これまでは20歳前後までを学びの期間とし、その学びの貯金を使って職業人生を歩むモデルが考えられていました。しかし寿命の伸長や科学技術の進歩のサイクルが早まったことで、20歳までの学びの貯金では職業人生を最後まで走り切れなくなってきます。
ビジネスの現場で輝き続けるためには、社会人になっても学び続ける時代がくることは大いに予測できました。
AIというのはこれから科学技術や経済が発展していくために欠かせない要素だと思いましたので、時代の先端で活躍する人、活躍したい人の学びを支援することは、社会的な価値も事業的な価値も両立するものだと考えました。
多くの人がスキルアップAIでAIを始めとした先端技術を学び、ご自身のご所属先などで活躍する。次のチャレンジをする際にはより上位の講座で勉強してもらう。そういったスキルアップのプラットフォームになりたいと考えました。