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予約の取れないジンギスカン屋が目指す羊肉の普及とは

4周年を迎えた羊SUNRISE麻布十番店。近年はマスコミへの露出も増え「予約の取れないジンギスカン屋」として国内でも有名になりました。これから羊SUNRISEの飲食事業はどのような方向に向かうのか、関澤社長に思いを伺いました。

食のプロからも評価される店へ成長

-飲食店としての羊SUNRISEは4年間でかなり認知が広がりましたね

そうですね。麻布十番店に関しては出店から4年経って、ジンギスカン屋として国内でも有数の立ち位置を作ることができたとは感じています。

-麻布十番に出店したのはどのような流れだったんですか

まずは都内に出店するのが第一条件でした。私が修行していたのが北海道に本店がある新橋のジンギスカン屋だったので、出店エリアとしても新橋、銀座、新宿、渋谷、池袋等のいわゆる繁華街は当然候補にはなりました。

ただ最初の時点でも客単価5,000円以上になるようなジンギスカン屋を考えていたので、3,000円で飲み食いしたい層が集まるエリアは違うなと。相場より高い価格設定のジンギスカンでも躊躇なくお金を出せる層が集まるエリアを絞りました。

客単価が高く飲食店が集まっているエリアで、しかも周囲にジンギスカン屋がないのが麻布十番だったというわけです。

-麻布十番に店を出して現在までで気持ちの変化はありましたか

僕はもともと大衆的なお店が好きだったんですが、麻布十番に出店してすぐ感じたのが「クオリティを求められる街だな」ということ。本当に美味しい羊肉を出しているということ自体はすぐに評価していただけたと感じています。あとはお店の雰囲気や接客の仕方だったりを工夫して、街に合わせて進化をしてきました。

著名人や美食家などの拡散力が強い人がお店に来ていただけたことで、お店が成長するスピードが早くなったと思います。嬉しかったのはある時期から第一線で活躍するシェフの方々がプライベートで食事に来てくれるようになったこと。私自身は飲食ど素人から羊業界に入ったので、提供している羊肉がプロにもしっかり認められたのは格別の思いでしたね。

今後は羊SUNRISEの起源としての麻布十番店は大切にしつつ、店舗という場所にとらわれない展開をしていきたいと考えています。

飲食店プロデュースやアウトドアと掛け合わせた事業を展開したい

-場所にとらわれない羊SUNRISEとは具体的には?

一つの方向性として今後も展開していきたいのが、コンサルとして飲食店をプロデュースするやり方です。すでにある飲食店を羊SUNRISEにすることで、店舗運営が軌道に乗るまでの時間を大幅に短縮できます。先日つくばにオープンしたHOTPOT羊SUNRISEはまさにこの形態です。

他には「羊SUNRISEをいつでもどこでも持ち運べる」という感覚での体験型ジンギスカン提供ですね。例えば筑波山でキャンプとサウナとジンギスカンを組み合わせたツアーを企画する。茨城県の魅力も伝えられますし、エンターテイメントやライフスタイルとしての羊を感じていただけると考えています。ジンギスカンは野外との相性がとても良いので、麻布十番まで来れなくてもキャンプなら店の味をある程度再現できますし、アウトドアの魅力も感じていただける。

-なぜこのような方向性に向かおうと思ったのでしょう

4年前の開業時点では全国10店舗の直営店を作ることを目標にしていました。しかし麻布十番店を運営していく中で難しいなと感じまして。直営店を1店舗作るのに必要な経営資源や精神的なエネルギーの大きさって凄まじいんです。ましてや羊SUNRISEは低価格の飲食チェーン店とはやり方が違うので、クオリティやスタッフのモチベーションの維持にすごくコストがかかります。

それであればゼロから自分でお店を作るよりは、羊SUNRISEの飲食店経営のノウハウを必要としていたり、羊への想いに共感してくれるところにコンサルとして入ってプロデュースした方が、お店を成功させられる勝算が高いと思ったんです。

持ち運びできる羊SUNRISEに関しては、場所が固定された飲食店というあり方に限界を感じるというか窮屈だなと。ジンギスカンがアウトドアと相性が良いのであれば、どんどん外に出ていろんなサービスやエンターテイメントと掛け合わせられるじゃないかと可能性を感じています。これに関しては私が現地に出向いてキャンプやイベントに参加すればその場が羊SUNRISEになると考えています。

※飲食店コンサルに関してはこちらもどうぞ
つくばから茨城の魅力を全国に発信!羊SUNRISEが地方と首都圏の橋渡し役に

ゴールは常に「羊文化の普及」

-これらの取り組みの先には何があるのでしょう

これは最初から一貫していて「日本に羊文化を普及すること」です。直営店を時間とコストをかけて立ち上げるよりは、すでにある飲食店をプロデュースする方がたくさんの店舗に関われますし、お客様が羊肉を食べる機会も増えます。ライフスタイルやエンターテイメントと羊を掛け合わせることで、羊という動物に興味を持ってもらえたり認知度が高まります。

4年間でたどり着いた答えは「日本人が羊と関わる機会を増やすことが大切」ということです。そのためには麻布十番店をモデルケースとして大切にしつつ、もっと気軽に羊肉を食べてもらえるような方法も考えていかなければなりません。

既存の飲食店という枠に縛られずに、羊肉の美味しさを日本全国の皆さんに広めていく事業展開をしていきたいですね。

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