永田さんは、在宅勤務の制度をかなり積極的に活用されている印象があります。なにかきっかけはあったのでしょうか。
家族の存在が一つはありますかね。10:00~19:00というサーバーワークスの勤務時間帯はわりと一般的だとは思うんですけど、この時間帯でオフィス勤務をすると、家族と晩御飯を食べるのはまず無理です。だから、「フレックスとかちょっとずらした時間帯で働きたいな〜」という思いは前々からもっていました。そうしたら、入社半年後のタイミングで在宅勤務の制度、つまり「クラウドワークスタイル」制度ができました。せっかくの機会なので活用してみたというのが実際のところです。 「クラウドワークスタイル」は、都度、事前申請をし上長に認められた人のみ、会社以外の場所で仕事をしていいという制度。あくまでも「生産性向上」のための制度であり、福利厚生ではないことが前提のものです。ですので、働く場所がどこであろうがきちんと結果を出していかなければいけない厳しさもあります。 よって、家族と一緒に晩御飯を食べるために「クラウドワークスタイル」を利用することはできません。ですが、私のもうひとつの悩みとして、業務改善や自己啓発といった「未来への投資」の時間が確保できないことがありました。通勤時間の往復の2時間をこの「未来への投資」に充てることで、結果として「生産性向上」に繋がる成果が出せるのではと考えました。 とはいえ、通勤を伴う一般的な会社員生活を新卒から10年以上も続けていた自分がリモートワークで成果を出せるのか、不安はありました。しかし、実は大阪オフィスの環境がすでにこのクラウドワークスタイルのようなものでした。当時の大阪オフィスは社員が3名しかいないという圧倒的なマイノリティでした。しかもそのうち1人はだいたい営業で外回りをしていました。だから、オフィスにこそ行くけど、そこからは東京オフィスのメンバーや離れたお客様とのリモートワークという感じでした。そこで慣れて要領もつかんでいたので割とすんなり今の在宅勤務のスタイルに移行できました。
おおまかな1日の流れを教えてください。
家庭ではそれなりに家事を受けもっています。だから朝は洗濯やら子どもの保育園の送り迎えやらに8時過ぎくらいまでは追われます。もっとも、8時過ぎからは自分の時間として使いはじめることができるという言い方もできるかもしれません。それから1~2時間ほどは、社内業務の自動化を進めたり、プライベートで運営しているCodeDojo長岡京の準備等に取り組みます。私をはじめ「自分の子供にプログラミングを教える場を作りたい」人たちで運営しているコミュニティなのですが、こうした私事にも自己責任で取り組む時間を作れるのが裁量労働制の良さの一つといえるかもしれませんね。そうこうして10時くらいから本業に取り組みはじめるというのが日常の流れでしょうか。 日中、私の家族は仕事や学校でみんな留守にしています。他の家庭だと小っちゃい子や奥さんが家にいたりして、なかなか集中しづらいということがあるかもしれません。我が家に関してはそういったことはありません。また、TVやゲームのような誘惑もない。私の場合は一人の方が集中できて仕事が捗るので、みんなが留守にしている時間帯が勝負だと思っています。だから、だいぶ日中の張りは出ますね。 午後7時くらいには仕事を終えて、家族と一緒に晩御飯を食べます。そのあとは、自動化のタスクに取り組んだり、技術の勉強をすすめたり、第二ラウンドで本業に戻ったりといった感じです。この辺りの夜の時間の使い方については、状況に応じて柔軟に判断しています。
朝の時間や夕食後時間の使い方について。本業の構築案件や課長業以外のことに取り組む時間は意識して確保されているのでしょうか?
はい。クラウドワークスタイルでは往復だいたい2時間分の通勤時間を節約できることになります。この空いた時間を本業に回しちゃダメだという意識は強くありますね。もちろん、状況によっては本業に取り組まざるをえないこともあります。でも、できる限り未来のための投資の時間にに使いたいと思っています。 AWSのシステムインテグレーターとしてサーバーワークスがいくら先行しているといっても、「AWS自体の技術の進歩」や「他社のキャッチアップのスピード」はものすごいものがあります。会社として進化していけなければ、今の立ち位置を保っていられるかは時間の問題です。挑戦しようと考えて転職をしたのに、挑戦しないで自分も会社も変わらないでいてどうするという話です。そのために業務の自動化や効率化は大切な要素であり、地道に取り組まなければなりません。 業務の効率化・自動化・改善をどう進めるかを考えたり試行錯誤したりするためには、どうしても一定の時間を確保せざるをえません。案件の仕事と同時に考えるというのは無理です。だからこそ自分なりに腹をくくって、本業以外のことに取り組む時間を大切にしようとしている・・・ということになるのかなと思います。
社内では自動化といえば永田さんというところがありますよね。そもそもなぜ永田さんは自動化の業務に取り組み始めたのでしょうか。
2014年9月にサーバーワークスに入社し、2、3ヶ月でいくつかのプロジェクトを経験しました。最新の技術やSaaSツールを駆使した魅力的な仕事のやり方もある一方、昔ながらのSIらしい泥臭い作業もありました。そんな中、2014年の年末頃に有志による自動化タスクフォースが立ち上がったのがきっかけです。手戻りが少ない確実な設計をしたいとか、「刺身たんぽぽ」的な作業を減らしたいとかいった社内のニーズは私の入社以前からあったようです。ただ、当初は技術的にどう解決するかなかなかとっかかりがつかめなかったし、そもそもメンバーの多くは案件に追われてなかなか自動化に手を回せない状態が続きました。だから一時期はやめちゃおうかなと思ったこともあります。 でも、目先の話をしてしまうと、本業の構築業務以上に優先度が高いものってそうそうないわけですよ。だから、自動化業務のようなものはいつまでも先延ばしされることになってしまう。だから、何のために自分がサーバーワークスに転職したのかという原点を思い起こして頑張ってみました。続けてきた結果、今徐々に成果が出始めているというところです。
その原点というのは?
サーバーワークスへの入社を決める1〜2年前のことです。定期的に社外の勉強会に出ていたのですが、周りのエンジニアが自分より若いのにもかかわらず先をいっていることに焦りを覚えるようになりました。そんな中、刺激を受けた勉強会の一つがJAWS-UG だったんですよね。そのときのハンズオンで、初めてEC2を触って立ち上げてみて、自分が「世の中の流れに追いついていない」ということを痛感しました。 当時の私は、所属していた会社以外では生きていくことはできないという不安と、エンジニアとして自分はもっといまどきの技術で世界を幸せにできるんじゃないかという思いも抱くようにもなっていました。サーバーワークスは当時からAWSで先頭を走っていて、慣習にとらわれないで常に挑戦する文化がありそうでした。また、技術力あり発信力ありで一緒に切磋琢磨したいと思えるエンジニアが多数いました。だからこそ、サーバーワークスに入社を決めたんですよね。
なるほど。それでは、その自動化タスクの代名詞ともいえるYambda(ヤムダ)について伺っていきたいと思います。まず、社外の方にもわかるようにYambdaとは何か説明していただけますでしょうか。
Yambdaは一言で言えば、サーバーワークスのAWS導入支援業務に用いる設計・構築支援ツールです。 まず、YAML形式の独自の設定ファイルに、要件に応じたAWSの各種サービスの設定情報を記載します。 YambdaにこのYAMLファイルをアップロードすることで、
・顧客と共有が可能なMarkdown形式の設計書 ・JSON形式のAWS CloudFormation(※)テンプレート ※AWSが提供するAWS自動構築サービス ご参考)https://aws.amazon.com/jp/cloudformation/
の2つを生成することができます。 Excelのような型のない設計書フォーマットと異なり、YAMLは設定すべき項目が決まりきっています。そのため、結果として人に依存しない抜け漏れのない設計書の作成・共有が簡単になります。そして、顧客と共有した設計書と同一の環境を自動構築することができます。 これは、設計書ではなくYAMLをメタデータとすることによる利点と言えます。
ご参考)「地道にAWS構築自動化に取り組んでいるお話し」 http://blog.serverworks.co.jp/tech/2015/07/09/how_to_provision_aws_infrastructure_by_cloudformation/
Yambdaの現時点での完成具合はどの程度まで来ていると考えていますか。他の社員からは「構築作業時間がどんどん短くなっていて、お客様との細かい条件調整にだいぶ時間をかけられるようになった」というような声もちらほら聞きますが・・・。
実用に値するレベルにはなってきました。設計書の自動生成などに関しては手作業でおこなうよりかはだいぶマシになったのかなと思います。 ただ、まだまだ100点満点には程遠いです。まず、使う人にとって直感的に使える仕様になっていないのは大きな問題だと思っています。日々改善していきたいとは思っていますが、現行の仕様より何かよい仕様を思いつけばー今までの積み重ねを捨てることになってでもーそちらに思い切って方向転換したいです。 例えば現在採用しているCloudFormationから、別の新しいツールTerraformを試みたり、常に試行錯誤を繰り返しているところです。
今時点の出来栄えでも満足はしていないのですね。それでは、Yambdaの完成度が今以上にあがったとき、どんな未来が実現するか教えていただきたいです。
自動化を進めていけばヒューマンエラーをなくせます。確実性の高い作業を常に行えるようになることは会社の信頼に直結すると思います。 また、自動化によって時間をもっと節約できるようにしていきたいです。今は戦略顧客の対応だけで手一杯になってしまっているところがあります。ただ、時間に余裕ができればそれ以外の既存のお客様もフォローできて、より最新のAWS環境を提案し直すということも可能になると思います。エンジニア個々のレベルで言えば、新しい取り組みを試行錯誤するための時間をより多く割けるようになるかもしれませんしね。ただ、先ほども言ったとおり、そのレベルにいくまではまだまだやるべきことが多いです。
ありがとうございました。それでは、最後にYambdaをともに創りあげていくことになるかもしれない読者の方に一言よろしくお願いします。
入社直後の感想として、自由、とにかく自由な会社だなと感じていました。その感想は今でも変わっていません。やりたいことがあれば何でもチャレンジできる環境があります。また、皆、優しいというか外当たりが厳しい人があまりいないのも印象的です。 ただ、それゆえに難しいところがあるのも事実です。「こういうことやりたい」と言っても、誰も否定しません。上層部の許可がないとできないだとか、内規上できないだとか、この会社では言い訳ができません。だから、やりたいことをやりきる思いの強さが直に問われる環境であると言えます。 また、人が優しい・厳しくないということは、裏を返せば怒られたり詰められたり、他人の声をバネにした成長がしづらいということでもあります。その意味でも、自分で目標を立ててやったことを振り返る力、個人の自律力のようなものがとても問われる会社であると思っています。 逆にこういった環境に魅力を感じるような方にはうってつけの会社なのかなと思います。どんなに忙しくても、「(自動化など)未来への投資の時間はあくまで投資の時間だ」とけじめをつけてやってこれているのは、サーバーワークスのような環境だからということも大きいと思いますよ。 最後に。私はサーバーワークスに入社するまでインフラエンジニア・クラウドエンジニアとしての業務経験はゼロでした。エンタープライズJavaでの業務システム開発や情報システム部門寄りの業務がメインでしたが、当時の経験はサーバーワークスでとても活かされています。このように、サーバーワークスでは中途入社メンバーの多様な知見・経験を必要としています。先述のYambdaですが、私一人で開発しているのではなく、社内の有志メンバーの得意分野がうまく成果に結びついた証でもあります。この記事をご覧の皆様も、きっとご自身にしかできない何かをお持ちなハズです。我々と一緒に「クラウドで、世界を、もっと、働きやすく」していきませんか。
最後に
今回は新入社員の田斉がインタビューしました。 Yambdaについては永田さん自身は控えめな評価でしたが、技術課の現場からは「(wikiのAWS設計書の編集作業などから)解放されて、お客様との細かい調整をする時間にだいぶ回せるようになった!」などといった声が今時点でも多数上がっています。更にYambdaが便利になれば、より「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」できること間違いなし!これからのYambdaの発展には期待が高まるばかりです。 最後にお話があった「会社の自由さ」というのは新人ながらに感じています。現在従事中のOJTにしても、プログラムがみっちり定められているわけではないので、自分の意思次第でかなりアレンジが利く・やりたいことにチャレンジできるところがあります。一方で、日々の業務であっぷあっぷな日が続いているのも事実。永田さんに倣って、そんな中でも「未来への投資時間」を意識して確保できる社会人になっていきたいなと改めて感じました。
■人事より サーバーワークスには個性豊かなメンバーが多数在籍し、社員一人ひとりが働きやすい会社にしようと様々な取り組みを行っています。各拠点のオフィス見学だけでもOKですのでぜひ一度遊びにきてください。 また、毎月第3水曜日に中途採用イベント、サバノミソニを行っています。まずは、働くメンバーの"生"の声を聞いて頂ければ嬉しいです。自分の目で見て話を聞いて確かめて、チャレンジしたい!と思ってくださる方、大歓迎致します!!ご連絡お待ちしております。 recruit@serverworks.co.jp (採用担当 西川・佐久間) 採用HP