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誠勝、司書・学芸員志望者のための『キャリア教育プログラム』を開始~その真意を探る~

こんにちは!株式会社誠勝の最上です。

私たち株式会社誠勝は、デジタルアーカイブの構築と利活用を行う会社です。

そんな会社がこの度「司書・学芸員志望者のキャリア教育のための地域・企業史料データの利活用の研究」を新しいプロジェクトとしてスタートさせました。

こう聞くと、

「キャリア教育の研究?デジタルアーカイブの構築と利活用事業を行う会社がどうして?」           「そもそも何をやっているのか、これだけではいまいちピンとこない、、、」

と思う方も少なくないはず。

今回はこうしたギモンに少しでもお答えできるよう、研究を始めた背景や当社の思いをお伝えできればと思います。

司書・学芸員として、あるいはその資格を活かして違う分野で活躍したい!という方は、是非ご一読ください!



ー どういったことを研究するのか?

この研究は司書・学芸員志望者が「デジタルアーカイブ業界で新たなキャリアを見出せるようにするための教育」をテーマにしたもので、誠勝が司書・学芸員を雇用・育成する方針を打ち出したことで、開始いたしました。



ー なぜ、司書・学芸員なのか?

1つ目は、司書・学芸員志望者を取り巻く厳しい雇用環境です。

まず博物館学芸員資格の取得者の雇用環境に関していえば、1大学あたり平均で年間25人の資格取得者数に対し、就職者数は1人に満たず(※1)、また全国の公立図書館の職員は約76%が非正規採用(※2)となっているのが現状です。

私たちはこれまで、司書・学芸員をもつ大学との産学連携講義の機会等を得ましたが、こうした状況を知るにつれ、この問題を解決しなければならないと考えるに至りました。


※1 参考:文化庁「令和元年度博物館の機能強化に関する調査報告概要」p.5.

※2 参考:日本図書館協会「図書館非正規職員の処遇についてのお願い」



2つ目は2023年4月に約70年ぶりに施行された「改正博物館法」です。

改正博物館法の施行によって、博物館には「デジタルアーカイブの作成と公開」「教育・まちづくり・観光・福祉等の分野と連携し、地域社会へ貢献すること」が求められ、博物館が果たす役割が大きくなりました。



こうした博物館の機能の拡大にあわせ、そこで働く学芸員などの専門職にも、これまで以上にデジタルアーカイブの利活用や、地域活性化への貢献が求められることが予想されます。

もともと平成24年度から、司書・学芸員養成課程におけるデジタルアーカイブ関連科目の取扱いが大学側に求められていますが(※3)、こうした改正法施行の動きにより、司書・学芸員にとってデジタルアーカイブ領域の重要性が増していくでしょう。

すなわち、これは司書・学芸員の資格を活かして、デジタルアーカイブ業界でキャリアを見出す、というキャリアのバリエーションを広げるチャンスと捉えることができないでしょうか。


※3 参考:首相官邸「司書・学芸員養成課程におけるデジタルアーカイブ関連科目の取扱い」



ー デジタルアーカイブとの会社として、この取り組みにかける想い

前述の通り「改正博物館法」によって、博物館に「デジタルアーカイブの作成と公開」が求められ、「デジタルアーカイブ構築」の機運は高まってきています。

その一方で、震災アーカイブをはじめ、利活用できる人材が不足しているためにアーカイブの維持が難しく、閉鎖を余儀なくされているといった事象も生じています。

せっかくデジタルアーカイブを構築しても、それを活かすことのできる人材がいなければアーカイブ業界自体が縮小してしまうのです。

このような背景から株式会社誠勝は、デジタルアーカイブ業界の発展、ひいては「文化の継承」のために、「デジタルアーカイブの構築」と「利活用を見据えた人材の育成」という両輪で進めていく必要があると思い、キャリア教育プログラムの開発研究をするに至りました。



ー 何をやっていくのか? 

研究の開始に先立ち、昨年2023年9月、奈良県主催「サマーインターシップ・キャリア教育 in 奈良」に参画し、司書・学芸員志望者などの大学生・大学院生を受け入れ、デジタルアーカイブ利活用企画体験プログラムを実施しました。


▲「サマーインターンシップ・キャリア in 奈良(2023)」にて誠勝が実施したプログラム


学生には5日間という短い期間ではあるものの、デジタルアーカイブされた企業史料のテキストデータを用いて情報を分析、企業課題の解決のためのプレゼンテーションまでを行っていただき、教育プログラムに一定の手ごたえを得ました。

一方で、AI・機械学習を行う上で必要なテキストデータは校正が必要であったり、そもそも全文検索できる史料データが少ないなど、教育を実施する上で、データ基盤上の制限が存在するのも事実です。

今回の研究では、こうした制約条件の中で、「貴重史料を用いた地域・企業の課題解決を行う教育を実施する上で、何の要素が必要か?」「そうした教育に使えるテキストデータとしてどこまで校正が必要か」について、さらに研究を深めていくことを狙いとしています。

今後、研究成果でブラッシュアップされた教育プログラムをもって、さらなる司書・学芸員のキャリア形成に貢献していきたいと考えています。



私たちのミッションに共感する方へ

株式会社誠勝は「"文化を継承するアメーバ"を創る。」をミッションを掲げ、デジタルアーカイブが自走的に作られ、当たり前に利活用される社会の実現に取り組んでいます。

そして、その一環として、デジタルアーカイブの構築事業と利活用事例の形成に取り組んでいます。

これらのミッションと活動に共感し、一緒に仕事をしてみたいと思う方、是非まずは気軽に話を聞きにきていただければと思います!






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