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サイバー、エニグモ、リクルート…そしてセブ島へ。名だたるIT企業での活躍後、なぜセブ島を選んだのか。

サイバーエージェント、エニグモ、そしてリクルート。名だたるIT企業で事業開発をしてきた、シードテック社でCMOを勤める宇佐美さんにインタビューを行いました。


■登場人物:宇佐美章(うさみあきら)
2004年にサイバーエージェントに新卒入社。その後、創業期のエニグモ、変革期のリクルートで新規事業の責任者を務める。2017年にはリクルート全社員を対象にした表彰”FORUM ENGINE”を受賞する。2019年にネクシード(現シードテック)へCMOとして参画。15年間の新規事業開発の経験が強み。

「本気出せばなんでもできる」と思っていた勘違い野郎。新卒時代、それを根っこから否定された経験が今に生きている。

ー今はどんなお仕事をされていますか。

宇佐美:シードテック社のスクール事業の責任者をしています。予算管理、戦略策定をはじめとして、どんなサービスを作るか、どのようにお客様に販売するか、どのように組織を作るかなど多岐にわたります。


ーバックボーンについてもお伺いしたいのですが、学生時代はどのように過ごされていましたか?

宇佐美:子供の頃は野球少年でした。親が毎晩テレビで野球を観ていて、それで興味をもっていたことがきっかけです。「面白いから練習する、練習するから上手くなる、上手くなるから面白い」という感じで、野球ばっかりしていました。小学校の時にはキャプテンを務め、中学校では神奈川県でベスト4になりました。なのですが、高校の時に野球から離れてしまいました。強豪の多い神奈川県から甲子園に行ける可能性に対して、高校生活3年間の全てを捧げるのは割りに合わなそうだなと考えたんです。若者らしくない考え方ですね(笑)。


ー新卒ではサイバーエージェント社にご入社されます。どうしてサイバーエージェントを選んだのでしょうか。

宇佐美:人が良かったからです。もともと別の会社にエンジニア職で内定をもらっていて、そこに入社するつもりでした。ところが、内定者懇親会で同期になるはずだった人たちとはじめて会って「なんだか違うな」「この会社で楽しく働く自分がイメージできないな」と感じてしまいました。ちょうどそのタイミングでサイバーエージェントに勤めていた大学の先輩から誘ってもらい、サイバーエージェントの選考を受けることができました。面接時に話した人事の方や、先輩社員たちがイキイキと仕事をしていて、カッコよくて、「ここで一緒に働きたい」と強く思いました


ーそうだったんですね…!そこからはすぐにご活躍を?

宇佐美:いいえ、全く…。人生で一番大きな挫折を社会人1年目にしました。学生の時には「今は本気を出していないだけで、本気出せばなんでもできる」と本当に思っていたんです。勉強も本気を出せば東大に入れると思っていたし、野球も本気を出せばプロにだってなれると思っていた。そんなふうに考えていたなか、社会人になって人生ではじめて”仕事”というものに対して本気を出したんです。

…そこで圧倒的な成果をあげられるはずだったのですが、全く成果が出なかったんです。愕然としました。勉強にも、野球にも本気を出せなかったのは自分だし、本気を出しても東大にもプロにも行けなかったんだと気がつきました。本当にショックでした。

ただ、1年目に自分なりに本気で頑張れたこと、自分は何ができて、何ができないのかを知れたことは財産になりました。できることを活かして、自分が得意なところで闘うということを大事にしようと考えるようになって。野球でも弱者が頭を使って勝つ野村監督の「ID野球」が好きで、そこからもインスパイアされた気がします。月末に行われる業績発表の場で、みんなの前に出て褒められるにはどうすればいいかを考えました。

売上総額の1番を狙うのは難しいだろうと考えて、もう一つのKPIであった「新規顧客の獲得数」に狙いを定めました。そうして全社で1番になることができました。それが仕事における最初の成功体験でした。


事業責任者として実績を積んだ。成長市場で自分も成長し続けたい。

ーその後はどのようなことをされていたのでしょうか。

宇佐美:エニグモに社員1号として転職しました。入社してまもなくして事業責任者を任されたのですが、その事業は成功に導いたことが大きな自信となりました。

その後、リクルートに入社して、位置情報を用いたビジネスを立ち上げるというミッションを渡されて。その事業もまた成功させることができて、リクルート時代には全社員4万人を対象にした表彰である"FORUM ENGINE”という賞をいただきました。トロフィーがティファニー製だったのには驚きました(笑)。


ーそんなご活躍をされた後にシードテックにジョインされますね。その経緯を教えてもらえますか。

宇佐美:リクルートに入社したのが30歳。30代のうちに転職をする前提で、自分は人生を賭けてなにがしたいのかを働きながらずっと考えていました。シードテックの前に働いていた3社のことが好きで、尊敬しているので、そこからヒントを探りました。その3社の共通点として、”インターネット業界”という成長市場でビジネスをしている点が重要だと考えました。逆に衰退している市場や成長が止まっている市場でビジネスをするのはとても難しいだろうとも考えました。そして、次なる成長市場として”東南アジア”に目をつけて、旅行や出張で頻繁に訪れるようになりました。

インターネット業界はしばらく伸び続けていくでしょうが、同時に参入プレイヤーも多く、競争は激しくなっていくとも考えました。一方で”東南アジア”が伸びているということを知っている人は多い一方で、まだ飛び込んでいる人が少なく、まだ十分に先行者メリットを享受できると考えたんです。

“東南アジア”でのキャリアを考えている時に、英語のスキルアップのためにセブ島留学をしました。その学校がネクシード(現シードテック)だったんです。留学での体験は想像を超えるほど強く心に刻まれました。加えて、留学時にネクシードの社員向けに研修をさせてもらう機会があったですが、そのときに「いいメンバーが揃っているな」と思ったんです。“東南アジア”であることに加えて、素晴らしいサービスを提供していて、いい仲間がいる。私の望む条件が全て揃っていると思い、留学の最終日に、ネクシードの社長に「一緒に働きたいです」とメールしました。


目の前で自分が関わった人が涙するとき、また自分もアツくなれる。

ーご入社されてからはどんなことを感じますか?

宇佐美:これまではインターネットの仕事をしていたので、自分が提供するサービスを利用されているユーザーの顔が見えなかったんですよね。何百万人とか何千万人という大人数に対して広告を掲載して、数字は見えるのですが、顔は見えないという。

一方で、シードテックで働くようになってからはお客様の顔を近くで見ることができることが本当に新鮮で。自分が創ったサービスがこれだけ喜んでもらえるのか、と感動しました。留学された方が卒業するときに涙してる姿を見ると、こちらまで泣けてきます。そんなときにやりがいを強く感じますね。今はフィリピンがロックダウン下にあり留学は提供できないので、オンラインでサービスを提供していますが、留学のときの”距離の近さ”を可能な限り再現し、残していきたいと考えています。

加えて、会社のメンバーに関しては、やはりいい仲間が揃っているなと思います。組織上の部署の区分けはあれど、「これは自分の仕事じゃない」と言うようなことは全く無くて。つまらない足の引っ張り合いがないというのは本当に貴重なことだなと思います。転職して起こる不幸の9割は人間関係だと思うのですが、シードテックにはそのリスクがありません。すごいことだと思います。


ー未来についてお伺いします。シードテックで、宇佐美さんはどんな未来を創りたいですか?

宇佐美:一緒に働く仲間、勉強している生徒さん、卒業生も含めて、シードテックに関わってくれる人たちで”マフィア"を作りたくって(笑)。”ペイパルマフィア”と言われるようなコミュニティがありますよね、あんな感じでシードテックマフィアを作りたいんです。シードテックに関わる人たちがコミュニティを形成し、社会への影響度を高めていくことで、良い循環を作っていきたいです。というのも、自分がサイバーエージェントやリクルートにいたことで恩恵をたくさん受けてきたからというのが大きくあって。仕事でもプライベートでも、元サイバーエージェント、元リクルートというつながりだけで信頼のある状態で物事が進むことが多くて、とても生きやすいなと思ったんです。そういうつながりに強く感謝していますし、だからこそ次にリレーしていくという意味で、シードテックもそういうコミュニティであれるような未来を創っていきます。


ー最後に、どんな方に入社していただきたいですか?

宇佐美:「素直でいいやつ」ですかね。「元気があればなんでもできる」じゃないですが、「素直であれば成長できる」「いいやつであれば苦労も一緒に乗り越えられる」と思っています。

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