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お客様に、「一緒にやっていく仲間」と見てもらえるか

<第4回>

エネルギー系総合商社での4年の経験を経て、2018年3月に入社した炭元宗一郎(すみもと・そういちろう)さんのストーリーです。

●スコラ入社と大学院入学のために上京!

2017年10月に大学院に合格しました。「転職しないと東京に行けない!」という条件もあり、11月からの3ヶ月で転職活動に取り組み、スコラ・コンサルトに入社が決まりました。

スコラの仕事は難しいです。かっちりとした定型ではなく、自分なりにいろいろと考えて動かなければいけない。初日のドレスコードなど服装も自分で考える。上司もいない。予定をどうするかも、自分で考えなければいけない。だから、何を学び、何をアウトプットするかも、手探りなところがありました。私は、大規模なプロジェクトに加わりましたが、自立して、自ら考えることの難しさや悩みも感じました。

一方、大学院では、スコラと異なる視点やソリューションが学べ、一般的なビジネスマンの見方を知ることができて、スコラと大学院を行き来で複眼的に見ることができたことは、体力的にはきついですが、精神的にはよかったと思っています。大学院では、いろいろな会社にいる人と密に横並びで話せます。高いポジションを持つような人とも、同業他社の人とも、悩みの宝庫である自分が、ノーバリアで話せ、一緒に考えられる貴重な機会です。そういう体験を通じて、視野が広がり、知見もでき、対応のバリエーションが広がる機会にもなっていると感じます。

スコラと大学院の両方があることで、ネットワークの広がりと仕事の仕方・ノウハウ蓄積の相互作用があります。この働き方を、OKしてもらっていることに感謝しています。

ただ、大学院に入るために、スコラに入社した訳ではありませんよ(笑)


●「“人と組織が機能する”ことを突き詰めたい」が出発点

前職は、年功序列の昔ながらの日本企業でした。入社当時から、いい先輩や仲間に恵まれていました。しかし、営業中心で、「若手が頑張っても給料が上がらない…」など不平不満が多く、やる気を失っている人も多いように感じていました。

そこで、入社1年目に「若手発の自主活動で組織を良くしよう」という思いで、勉強会を始めました。人事部長に声をかけてスポンサーになってもらい、本社で場所を借りて、同期に声をかけて始めました。自分で企み、仕掛けるのは、とても面白かったです。外部講師を呼んだり、社長にも直接交渉して来ていただいたり、直属の支店長も、この活動のスポンサーになってくれました。いろんな人が面白がってサポートしてくれました。この活動が、人や組織に興味を持つ私の原点になっています。

その後、3年目に経営企画部に異動になりました。「戦略をつくっても現場で実行されない」「人と組織が活きていないと会社が機能しない」「目標に向かってまとまっている感じがしない」ことを実感しました。自分は経営企画で、上層部に目を向けながら戦略をつくります。でも、その戦略をやろうにも、実行できないしがらみや状況が現場には存在しました。「人と組織を機能させて、戦略を描く人たちも、実行する人たちも、前向きに仕事に取り組むことってできないのかな…」。そのとき、若手発活動とは違う、本業での壁を目の当たりにしました。

そこから「いつの日か、『人と組織を機能させて、戦略と実行が両立する』ために、専門家として仕事ができたら…」と思い始めていました。そうすれば、自分の入社した会社では、実現できなかったけれども、違う会社に対して支援ができるかもしれない。「人と組織が機能することを突き詰めたい」というのが、スコラ・コンサルトに入るきっかけでした。

「人と組織が機能する」状態をつくっていくことは、自分にとって楽しいことです。中・高時代に生徒会長をした経験や、ずっとサッカーをやっていてチームや仲間との一体感を経験したことも大きいですね。目的を達成するために、お互いが高め合う。リーダーとしてチームを引っ張っていく方でしたが、「そのために何をやるか」自分で考え、実行に移すのが楽しかったです。いろいろやりましたが、自分から手を挙げることが多かったですね。

先ほど、お話した若手中心の活動しているころに、柴田さんの「どうやって社員が会社を変えたのか」(日本経済新聞出版社)を本屋で見つけました。「社長じゃなくても会社を変えられる。自分の会社を自分で良くすることができる」という視点・考え方に共感しました。すぐに、スコラのメールニュースを登録しました。企業変革本やコンサルタントの本はいろいろありましたが、「社員が変える」というのが、そのときの自分にとって手に取りやすかったですね。



●お客様に、「一緒にやっていく仲間」と見てもらえるか。

仕事の中で、喜びを実感する瞬間ですが、一つは、クライアントの事務局である年上メンバーの行動が変わったことです。その人は、当初、事務方に終始していたのですが、前線である現場に出てくれるようになって、役割認識が変化しました。その変化点は、飲み会で悩みを打ち明けられ、腹を割って話をした時だったと思います。大学の先輩だということもわかりました。それ以前は、年の差もあったので、どちらかというと「カウンターパートナーじゃない」感じでした。しかし、これを機に自分への見方も変わってきて、フラットに話ができて、その人の行動も変わったので、周りからもその人が認められ、私自身、本当に嬉しかったです。

もう一つは、通常は「さん」づけが多いのですが、クライアント先の事業部長から、「炭元、これどうする?」と呼び捨てにされることです。その事業部は、自分が中心になって対話の場を持っているのですが、呼び捨てにされることで、ぐっと距離が縮まった感じがありました。コンサルティングで職位の高い人と話すのは難しいことですが、自分が「思い」をもってやっているからこそ、自分の価値を認められるのは喜びです。アウトプットの質もありますが、自分の行動や言動は常に見られていることを意識しておかなければと考えています。

自分の強みは「俯瞰して見ることができる」ことと、「バランス感覚」だと考えています。「俯瞰」は、全体感をとらえて、その時に応じた必要なアクションや役割を取ること、「バランス感覚」は、必要に応じて変革の伴走者や当事者になれることです。社内でもお客様先でも、慌てない、動じなさはあると思っています。可愛げ不足とも言われますが。



●未来に向けて、考えていること

一つは、「スコラの貢献できる領域をどう広げるか」。

人と組織が活きるためには、戦略・ITインフラ・働き方・社会の変化などいろいろあって正解が見えにくい中、スコラ自体が、氷山モデルの下(思考行動パターン)から上(戦略・事業・制度など)まで、貢献領域を広げられるかどうか、ということを考えています。コミュニケーション・対話も、専門性が求められる面もあります。どこまで応えていけるようにしていくか、考えています。

もう一つは、「自分の提供価値をどう広げるか」。

自分自身、経験が浅い中、どこまでお客様に対して提供価値を出せるのか。人がやる気を出すきっかけは、資料のつくり方やお客様とお会いしての会話など、いろいろあります。自分はどちらかというと、企画する、枠組みをつくるのが得意です。一方、軸をつくること、思いを聞いて束ねることは、少し苦手というか、出し難い感じを持っています。

この仕事は正解がある訳ではないため、いろんな武器やスキルで対応しなければいけませんよね。経営者や事業部長ともしっかり話し込める人間性や能力がまだ、自分には充分ないし、難しい!というのが率直に感じているところです。

自分の「人の懐に入り込んでいける」というのも、良さと難しさがあります。相手から可愛っていただけるのは有り難いのですが、甘えではなく自分を律することも重要です。「第三者の視点を持つこと」と「当事者的に一緒に走ること」のバランスを、入社したころは難しく捉えていました。徐々に、どこが足りていないのかわかるようになってきたので、だいぶ気持ち的には楽になってきています。

そういう自分について、社内でいろいろな人と話し、相談できるのはありがたいですね。個として尊重してくれるメンバーがいて、一個人の悩みとして受けてくれます。ラインや横の壁がない組織であるスコラのいいところだと思います。



★大先輩Yさんから見た炭元さんの強み

相手の懐に入っていく力。年上の人のところにすっと入っていって、一見偉そうな感じなのに嫌われないという良さがあります。

プロジェクトで一緒に動いていますが、チームメンバーが10人近いため、部分部分になりがちなところを全体を広く見て、どこに課題があるのか、炭元さんの見方を提示してくれます。正解かどうかではなく、課題を出しての議論になるので、メンバーみんなが考えるきっかけになっていると感じます。意識してやってくれていますね。頼りにしています。

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