こんにちは。SBIビジネス・イノベーターの安達です。
弊社では、毎年新入社員が一通り研修を受けた後、一週間程かけて社内の各グループの業務を体験してもらっています。
その一環として、組織開発コンサルティンググループでは、新入社員に『組織開発』を体験してもらいました。
題して「もし新入社員が組織開発について理解を深めたら」
その体験内容について新入社員の声も交えながらレポートします。
当日の体験メニュー
- 本部体験の趣旨説明と組織開発チームの紹介
- What’s 組織開発 ???
- オリエン(メンバーから見本)
- オリエン資料の作成
- オリエン資料を使っての自己紹介
まずは、本日の体験会を担当するファシリテーター&メンバー2人から挨拶、本日の本部体験の主旨とねらいを説明し、「組織開発」について新入社員へレクチャーをしました。
対象となる「人」に施策を展開する「人材開発」
人と人との「関係性」に施策を展開する「組織開発」
大学を卒業したばかりの新入社員メンバーは、「人材開発」のことを尋ねると、具体的に「研修」だったり、「OJT」だったり具体的な内容まで出てきますが、「組織開発」のことを尋ねると、やはりなかなかイメージがわかいないよう。そこで、「人材開発」との対比を切り口に、「組織開発」の基本的な考え方や、捉え方について説明をしました。
新入社員たちは、この講義部分を聞いて以下のような感想をもったようです。
Q1:組織開発に関する冒頭の講義を聞いてどのように感じられましたか。
*人材開発と人と人の関係性(組織)に展開する組織開発の違いは納得できました
*最初は漠然と知っているだけだった組織開発について、正解がない
講義だけ受けてもなかなか実感しにくい感じが伝わってきますね。
人材開発とのアプローチ方法が違うといういことから、一定はイメージができた模様です。
次に、アイスブレイクの後、実際、組織開発の体験をしてもらうべく、チームビルディングの一環として、自己紹介を体験してもらいました。
新入社員たちは、これまで研修中お互いに軽く自己紹介をしている程度でまだまだ関係性を築いてない状態。
そこで、今後配属もばらばらになることから、同期の絆を深めてもらえるよう、我々が組織立ち上げ時やメンバーが途中で組織に参加した際に用いるフレームワークを用いた自己紹介を体験してもらいました。
まず私を含めたメンバー3名が自己紹介をします。
その前後の新入社員の気持ちはというと…
Q2:3名の自己紹介を見て、それ以前とその後の気持ちの変化を教えてください。
【見る前】
*他の企業の人事部に直接働きかけるような方たちってどういう人なのだろう
*少数精鋭のイメージを抱いていたため、研修前は非常に緊張
【見た後】
*人となりが分かって、安心感が高まりました。話をしやすくなり、聞きやすくもなりました。
*フレンドリーな自己紹介でかなり緊張が解れました。落ち着いてるけれど楽しい方々なのだなという印象を受けました。
なるべく緊張をほぐそうと最初から働きかけていたつもりですが、そこはやはり緊張をしていたとのこと。
しかし、実際に自己紹介をきいて人となりが分かることで、この体験に集中してもらえたようです。
私たちの自己紹介が済んだ後、そのスライドを参考に、新入社員たちにそれぞれ自己紹介用のスライドを作成してもらい、順番に自己紹介をしてもらいました。
Q3:ご自身で自己紹介用スライドを作成・発表し、同期の発表をご覧になる中で、どのような気持ちの変化があったか教えてください。
【発表前】
*自己開示は嫌いではないけれど、結局何も伝えられないのかなと思っていました。
*どこまで自分を開示するべきなのかわからない。この作成方法で大丈夫なのかな、、、
【発表後】
*知らないことが結構あったなぁ、今度○○について話そう。内面の差異が興味深かったです。
*趣味から性格が想像できる方や意外なことに興味を持っている方など様々な発見があり、同期への興味が深まりました。
相手への興味関心の高まりや、今後の関わり方について気持ちの変化があったようです。
一通り自己紹介と質問タイムが終わったところで、最後にメンバー同士でディスカッションをしてもらいました。
テーマは、「今回の体験を通じて、関係性が構築されるとどう成果につながるか」です。
Q4:メンバー同士の自己開示が進む(関係性が構築される)と、どう成果につながるかをみなさんでディスカッションしていただきました。ご自身の考えを教えてください。
*人間関係、雰囲気、環境という目に見えづらい要素と、給料や休日という目に見える報酬の両方が良いものでないと成果に繋がらないと思った。
*私は、「自己開示が進めば自分以外のメンバーの持つ考え方や力量を知ることができ、それに伴って信頼関係も構築される。すると役割の分担や委託がスムーズになるため成果につながる」と考えます。人が集まり、同じ環境・空間の中で成果という一つの目標を目指して活動する際には、それぞれが連携して効率的に動くことが求められます。だからこそ個人の性格や強みに合わせた役割の割り振りが必要であり、そのためにはまず互いを知って「この人にならこの仕事を任せられる」とメンバー同士で確認し合える関係を築くことが効果的なのではないかと感じました。
雇用条件等(X理論)への言及もありつつ、組織で成果を出すためには、その組織を構成するメンバー間の信頼関係が必要で、その見えづらい要素に対して一定働きかけることが重要であると体験的に理解してもらえたのではないかと思います。
まだ社会人経験がない上に、組織としても配属先ではなく、新入社員を1つのグループとして見立てた実験的な取り組みでしたが、「もし新入社員が組織開発について理解を深めたら」という問いに対しては、一定「組織開発」についての理解の深まりとともに、新入社員同士での結びつきを強めることには成功したのではないかと思います。
今はそれぞれの配属先で頑張っている新入社員たち。今後社会人生活を送る上で山あり谷ありだと思いますが、今回深めた同期の結びつきを大事にして頑張ってほしいと思います。