RITのメンバーを紹介するインタビューシリーズ第12弾は、エンジニアの川野翔太郎です。大手コンサルティングファーム在籍時はITコンサルタントとして活躍し、その後エンジニアに転身をした自身のキャリアについて語ります。
プロフィール
川野翔太郎
立教大学理学部を卒業後、アクセンチュアにて大規模システムのアーキテクチャ構築、RPAによる業務改革、在庫管理システムの開発を経験。 2021年3月よりRITに参画。着想力、プロトタイピングとバックエンド技術をコアに新規事業の立ち上げを支援する。
ゴリゴリとコードを書き、システム全体を見られる環境を求めて転職を決意
―新卒で入社した会社を選んだ理由ついて教えてください。
新卒のときは、「ITで最先端のビジネスができる」「自分が成長できる環境」「お客さんにとって最適なものを提供できる仕事」というように、会社選びの軸を3つ置いていました。最終的にアクセンチュアに決めましたが、その理由として、アクセンチュアはITコンサルティング会社として常に新しいものを生み出していることと、10年分の経験を3年でできると謳っていて、成長環境があったこと、あとは自社製品を持っていなくて、お客さんに合わせたベストな提案できる会社だなと思ったことです。これが自分の軸とすごい合っていると思い、アクセンチュアに決めました。
―アクセンチュアではどのような業務を担当していましたか。
やっていたことは大きく二つで、大規模なシステムの開発、設計、実装、リリースまでと、もう1つが業務コンサルのような仕事で、RPAを使って業務プロセスの効率化するという仕事をしていました。お客様とお話して業務上時間がかかっているところを見つけて、そこにRPAを組み込んで業務時間を削減するみたいなことですね。僕の場合、ITコンサルとして入社しましたが、当初から開発をやりたい、コードを書きたいと希望を出していたので、エンジニア寄りのITコンサルという立ち位置でしたね。
―なぜ転職しようと思ったのですか?
もっと開発のコードをごりごりと書いていきたいという思いがあったからです。当時のプロジェクトはオフショア開発だったので、設計は日本でやり、フィリピンや中国で開発、テストは日本という形でした。パソコンの画面で見ているものがエディタではなく、エクセルやTeamsがメインであり、あまりコードが書ける環境ではありませんでした。開発に関わっていた時期もありましたが、開発中のシステムで使うミドルウェアを設定していくようなもので、製品の範囲内に閉じた開発をしている感じであり、自由度が低いものでした。
―ほかにも転職しようと思った理由があるのですか?
はい。もう一つの理由として、小さいシステムで全体に関われるほうが楽しいと思ったからです。アクセンチュアのプロジェクトは、システムの規模が大きく、開発からリリースまでのサイクルが長いという特性がありました。大規模システムのため、例えば全体で100個機能の開発があっても、チームでは10個程度の機能しか見られなくて。もっと全体を見られれば、地に足ついて知識をつけられるのではないかなと思ったことです。システム全体として、どういった仕組みや実装になっているのか見えづらい、システムをリリースするまでのサイクルが長いといった部分に、自分の中でモヤモヤしたものを感じていました。ただ、アクセンチュアでは他社ではできないようなさまざまな経験をさせてもらって非常に感謝しています。開発環境も今ではアジャイルに小さくリリースするスタイルを取り入れているようです。
散歩が趣味。よく近所の土手を歩きます。
採用ペルソナど真ん中。RITを選んだ理由は会社の方向性と自分の志向がマッチしていたから。
―アクセンチュアを退職後、何をしていましたか?
モヤモヤの積み重ねと仕事が忙しかったため、何か自分で作りたいと思ったときに、アウトプットする時間も取れなかったので、環境を変えたい気持ちが大きくなり「起業したい」と会社を飛び出しました。稼ぎのためにWeb制作から勉強し始めたのですが、想像以上にものを作れない自分に気づき、G’s ACADEMYというエンジニア起業家養成スクールで半年ほど学ぶことにしました。このスクールは世界を変えうるプロダクトと起業家を輩出してきた実績があり、自分のエンジニア像にマッチしていました。他のスクールは転職のためにプログラムを学ぶという印象でしたが、そこはプログラミングを手段として学び、起業すること・雇用を作り出すことを推していて、他のスクールとは絶対的に違うと感じました。実はRITにもこのスクール出身者が僕を含めて3人いますよ。
―なぜRITを転職先に選んだのですか?
そうですね。転職の際に考えていた軸として、その当時は課題とその解決策があったときに、解決策を具現化できるような人間になりたい、モノは作れるようになりましたが、技術的負債だらけでもっと美しいコードを書けるようになりたいと思っていました。そのためには、サービスのUI/UXを設計できたり、インフラを含めた適切なアーキテクチャを組めたうえで、技術的負債のないように実装もできるといったスキルを得たいと考えていました。RITは「アイデアとテクノロジーで一人ひとりの想いを形に」というミッションを掲げていて、新規事業を0→1で作る時、ビジネスとデザイン、テクノロジーを掛け合わせて、三位一体として作っていくという考えに共感しました。また、1人のエンジニアが担当する領域が広く、クライアントからサーバーサイド、インフラまで、つまり一番ユーザーに見えるところから、裏のアーキテクチャまで関われる環境がありました。しかも経験豊富なCTOのもとで。僕が得たいスキルや環境とかなりマッチしていたのでRITを選びました。
あともう一つは、転職時にいただいた資料にあったRITの採用ペルソナが「コンサルティング企業に勤めていて、自分で何か事業をしたくて、エンジニアになりたい人」みたいなこと書いてあったんですよね。“これ俺じゃん”って思って(笑)。ペルソナにしっかりはまっていたというところに、すごい安心感が得られたというのもあり、入社を決めました。
―今、仕事は充実していますか?
はい、充実しています! 入社を決める際に、何かこう、仕事と自分の得たいスキルのマッチ度までは想像できてなかったのですが、実際に入社して仕事をはじめてみて、仕事の方向性と得られるスキルが合致していて、開発全体を見ることができ、開発だけでなくビジネスやデザインのこともすごい考えさせられるので、すごい力になっていると感じています。最近はAIやデータサイエンスに特化した CtoCの学習コンテンツの売買プラットフォームの開発やビルメンテナンス業界に特化したクラウド型施工管理システムの開発などに携わっています。空いた時間を使って資格の勉強や書籍を読んだりして、つい先日はAWSの資格を取りました。
アフリカのマラウイ湖にて。ビーチバレーに混ざってきました。
SIerやコンサル出身でコードを書きたい、起業したい。かつての自分と同じ境遇の人には絶好の環境
―RITのいいところを教えてください。
やっぱり、ビジネス・テクノロジー・デザインを三位一体で考えていて、エンジニアでもビジネスやデザインの領域もしっかり理解するようにを求められますし、デザイナーの方でもテクノロジーとかビジネス領域の理解を求められます。常にものづくりに関わる三つの領域で考えて習慣付けられるところがいいところですよね。それができると、デザインしている段階で、テクノロジー観点で何かこうした方がいいということが言えたり、より良いものを作ることができる。僕はデザイン思考を踏まえるとやっぱりそこは分離しないで考えるべきだと思っています。フェーズで分けて関わる人が変わってしまうと、いいものが作れないことがありますから。そこを最初から最後まで同じタスクフォースで継続して見ていくことで、本当にいいものを作れるのではないかなと考えていて、それを実践できるのはRITのいいところだと思っています。
―RITにむいているタイプはどんな人ですか?
自分と同じ境遇というか、SIerやコンサルティング会社にいてコードを書きたい、起業したいと考えている人はハマると思いますね。シンプルに、SIerやコンサル会社にいて、もっと短いサイクルでコードを書きたい方とか、全体が見えないから、小さいシステムで全体が見えるところで開発したいという方は、スキルの指向性が、すごい合っていると思うのが一点です。
あと一点付け加えると、給与面がすごくいいと思います。ITコンサルからエンジニアに転職すると、最初は実務未経験なので給料が半分ぐらいまで落ちることがあると思います。でもRITだと、会社として新規事業のコンサルティングをしているので、エンジニアではありますけど、お客さんとうまくコミュニケーションをとって、仕様に落としていくという意味では、転職前のコンサル経験が活きるところだと思っています。半分エンジニアで半分コンサルなので給与が落ちづらいイメージです。しかもそもそものRITの給料も高く設定されているので、なおさら転職時に給与が落ちづらい。僕も給料は落ちる覚悟で転職しましたが、昇進もあって今は前職の年収を越えたので、そういう意味でも心の充実はしていますね。
―これからの目標などがありましたら教えてください。
直近であれば、データベース設計やUI設計への理解を深めることですね。そこの設計がうまくいかないと上のレイヤーやその後の工程で手戻りでつらいなと感じることがあるので、まずその部分の力をつけていきたいです。あとは、まだまだ知らないことだらけなので、全方位で技術力をつけたいですね。業務で使うじゃなくても、プライベートで触るでもいいのですが、“それ使ったことあるよ”っていう状態にしたいです。(CTOの)福田さんは、相当知見が深い方で、“あれを使うならこういうふうに設計した方がいいよ”という具合にソリューションが本当にぱっと出てきます。それが理想の姿ですね。長い目で見た場合、個人でも企業でもいいのですが、世界を変えるサービスを作りたいなと思っています。今、アイデアとして政治関連のサービスを考えていて、ぼちぼちインタビューを始めているみたいな状況です。先日社内でインタビューに協力してくれる人を募ったら、一瞬で15人くらい手を上げてくれました。みんなでチャレンジを応援してくれる雰囲気もRITのよいところですね。
愛猫にいつも癒されています。