現在、Relicでは地方拠点を全国各地に展開しています。今回の記事では、そのなかでもRelicではじめての地方開発拠点としてオープンした和歌山イノベーションラボの所長、高橋 洋地(たかはし・ようじ)にインタビュー。和歌山での暮らしから、Relicの地方拠点で働く面白さやそのメリットまで、様々な話を聞くことができました。
サッカーに打ち込んだ学生時代。プログラミングと出会い、人生が激変
ーーまずは、「和歌山イノベーションラボ」所長である高橋さんのご経歴を教えてください。
兵庫県姫路市出身で、実は和歌山にはこの「和歌山イノベーションラボ」への入社がきっかけで移住してきました。
大阪体育大学 体育学部出身で、学生時代は体育会サッカー部に所属し、プロサッカー選手を目指していました。大学在学中には、プレーヤーとして以外にも、スポーツビジネス(クラブチームの経営や運営等)を専門として研究していました。
ここまでの経歴でおわかりになると思いますが、学生時代は情報系の学部でも理系でもありませんでしたし、ましてやプログラミングやWeb開発に触れたこともありませんでした。大学卒業を控えて就職活動を行いましたが、目標としていたスポーツ関連の団体等への就職は叶わず、事務機器販売会社の営業職に内定。同時に、当時、「会社員の副業」が注目されていたこともあって、内定先の会社で営業として働く傍らなにか副業がしたい、自分も手に職を持ちたいと考えました。そこで、プログラミングに興味を持ち、オンラインプログラミング学習サービスを始めてみました。
結果的に、このプログラミングとの出会いは、私にとって大きな転機となりました!基本スキルを学んだあとに、大阪のWeb制作会社で学生インターンを経験し、各種ホームページの制作や防災メディアの開発案件に携わりました。インターンとして仕事をするうち、こちらの仕事のほうが自分にあっていると感じて、内定を辞退して、そのままインターン先の制作会社に入社。そこでフロントエンドエンジニアとしてのスキルを磨きました。
それから約3年間、新卒で入社した会社でホームページ制作等の仕事をしていましたが、もっと自身の技術や知識の幅を広げたい、フロントエンドだけでなく、SaaSプロダクトの開発に携わる環境であればそれが可能なのではないかと考え、転職活動を始めます。その転職活動のなかで、Relicの「和歌山イノベーションラボ」に出会いました。
ーー和歌山が地元なのかと思っていました。なぜ、縁もゆかりもない和歌山の求人に応募したのですか?
まずはじめに、Relicの事業内容に魅力を感じたこと。「新規事業」というキーワードにワクワクしましたし、和歌山イノベーションラボに転職すれば、当時の希望通り、自身のスキルをさらに向上させることができると思ったのです。
それまでフロントエンドエンジニアとしての経験を積んできて、それ以外の分野にも挑戦したかったので、次のステップとしてSaaSプロダクトの開発やサービス設計まで担当できるRelicの仕事はぴったりだと感じました。
実は、私以外にも和歌山オフィスのメンバーは、実に様々な来歴なんですよ。私のように、和歌山にはゆかりがないが、イノベーションラボの仕事に興味を持って応募してくれた人や、Relic東京本社で採用され、地方勤務を希望して和歌山に配属された人、もちろん地元が和歌山で県内のIT関連企業から転職してきたメンバーもいます。
ただ、和歌山という土地柄もあり比較的関西圏の出身者が多く、オフィスは毎日わいわいと活気にあふれている印象です。
ーー和歌山イノベーションラボでは、実際にどのような仕事を担当しているのでしょうか。
和歌山イノベーションラボは、新規事業のデジタルプロダクトの開発拠点。現在約10名(2023年6月時点)のメンバーは全員がエンジニアやプロジェクトマネージャー(PM)で構成されています。
実は、Relicでは「拠点ごとにプロジェクトを担当する」「和歌山イノラボの担当案件」といった仕事の振り分けはされません。東京の本社、あるいは各地方拠点で獲得したひとつのプロジェクトに対し、スキルや稼働状況を鑑みて全国の拠点からエンジニアやデザイナーがアサインされてます。プロジェクトごとに、あの人は福岡、この人は富山…と、毎回新しい出会いもあり、刺激的です。リモートでも支障なく働けて、開発プロジェクト単位で稼働する「エンジニア」という職種の特権かもしれませんが、この方法はとても働きやすいと感じています。
私個人という視点でお話すると、現在、私は和歌山イノベーションラボの所長を務めながら、転職時の希望通り、Relicの自社プロダクトである「ENjiNE」や、クライアントと共創している「カンガエMAX。」といった、SaaSプロダクトの開発に携わってきました。
直近の2023年6月からは、制作系の案件のプロジェクトマネージャー(PM)を担当しています。案件のスムーズな進行、リリースまでの責任を負うポジションで、前職の経験も活かして、Webサイトやランディングページの制作などを中心に担当。最近ではRelicホールディングス内のScalehackのコーポレートサイトや、新規事業プロジェクトの告知用ランディングページの制作を行いました。
担当している案件の内容やアサイン方法からも分かっていただけるように、Relicでは、地方拠点所属であっても自分が関わる案件の内容や難易度は、東京本社と遜色がありません。そのため、人事制度や給与といった待遇は本社や大都市部の拠点と変わりありません。詳細は後述しますが、これは非常にありがたいですし、地方拠点勤務ならではのメリットです。
ーー高橋さんは、和歌山での暮らしの満足度が高そうですね!実際に、和歌山で就業してみていかがですか?
和歌山で働くことについては、非常に満足しています。
Relicに限らず、UターンやIターンを含めた地方での就職には素晴らしい利点もあれば、気をつけるべき点もあると思いますが、特に和歌山での暮らしについて、私が気に入っているのは以下のポイントです。
ひとつめは、「和歌山の自然」。私は大都市の人混みや喧騒が苦手なのですが、ここではのびのびとした生活が送れます。さらに、海も、山も、川も近い。自然に囲まれた環境で暮らすことができます。アウトドア活動が好きな方にとっては嬉しいかもしれませんね。
ふたつめは、「行政や周りの方の、子育てに対する姿勢」。私はよく休日などに図書館でプログラミングの勉強をしているのですが、子供向けの施設の運営にはかなり力を入れていると感じます。蔦屋書店がプロデュースして話題になった和歌山市民図書館や、絵本の蔵書が豊富な海南nobinosなど、子ども向けの施設のクオリティがすばらしい。さきほどの豊かな自然環境も相まって、子育て中の人やファミリーにとって魅力的な環境が整っています。
最後に、「給与と物価」。私のように、都市部の案件をリモートで対応するといった働き方であれば、東京と遜色ない報酬や福利厚生を得ることも可能になります。先述のように、Relicでは報酬形態は地域によって差がありませんから、結果として県内では比較的高水準の収入を得ることも可能になります。家賃などは、東京の半分〜1/3程度で済みますし、その他の物価も安いため、自然と可処分所得が多くなります。地方で働くことで、経済的な余裕を持ちながら生活することができますよ。
また、地域の企業や住民の方との交流があるのも地方拠点ならではの面白さです。例えば、昨年の12月には、和歌山県内の大学生約80名を対象にプログラミング実習の講師を務めましたし、和歌山イノベーションラボ全体として地元の学生向けのプログラミングコンテストを主催したりもしています。
和歌山の方々に、少しでもWeb開発の面白さや楽しさを伝えられたらと思い、このような活動に取り組んでいます。こういった経験ができるのも、地方拠点の魅力のひとつと言えるでしょう。
ーー対して、覚悟しておいたほうがいいことなどはありますか?
東京に比べると、どうしても日常生活の中で得られる刺激は少ないと感じるかもしれません。特にIT企業への就職や学生インターンシップを希望する場合、地方在住だと選択肢が限られますし、東京では簡単にアクセスできるエンジニア向け勉強会や技術交流会への参加が難しかったりもします。大都市に比べて日々触れられる情報はやはり制限されてしまいますから、自分から積極的に情報を取りに行く姿勢も大切ですね。
そういった意味では、地方に居住しながら、仕事を通して最先端の技術に触れられるRelic地方拠点というのは貴重な存在と言えますね。
ーー最後に、和歌山イノベーションラボ全体として、また高橋さん個人としての目標を教えてください。
まず和歌山イノベーションラボの目標として、「和歌山イノベーションラボが独自のエコシステムを築き、成長するサイクルを産み出すこと」を目指しています。今後、和歌山オフィス単独で取り組めるような事業を開始し、利益を生み出す。そして、そこで得た資金を採用活動に投資して、また良いエンジニアを採用する。そうやって、和歌山オフィス全体を拡大、成長させていきたいですね。
実は、いまちょうどその最初の一歩となるような、新規事業のアイデア出しをしているところなんです。地方在住の学生のプログラミングに対するモチベーションを高めることで、地域の活性化に貢献したいという思いは和歌山オフィスのメンバーが共通で持っているので、地方在住の学生エンジニアを対象としたプラットフォームの展開を企画しようとしています。
また、個人としては、より多くのプロジェクトでPMの役割を担っていくのが直近の目標。最近では、実際にコードを書くよりも、開発知識を持ったPMとしての仕事のほうが、自分の力を発揮できると感じているのです。
Relicには、実装のスピードや工夫、知識量といった面で、自分よりも数段優れた技術力を持つエンジニアが数多くいます。私は彼らの力を借りて優れたプロダクトを作り、事業を成功に導く存在になりたいと思っています。自分自身もコードが書けるという技術への理解に加えて、これまでサッカーを通じて培ってきたコミュニケーション力や積極性、そして最後にはプロジェクトを絶対に成功させるぞという「気合い」も欠かせない!
自分にしかない力を活かして、PMとして経験を積んで行こうと思います。
これから、中途採用・新卒採用を問わず、新規事業をつくりたい意欲のある方やRelicのミッション、ビジョン、バリューに共感してくれる方にぜひお会いしてみたいと思っています。
Relic和歌山イノベーションラボのサイトにも熱い思いを詰め込んでありますので、ぜひご覧になってください!
https://relic.co.jp/company/branch_office/wakayama_innovationlabo/