Relicでは、プロジェクトマネージャー(以下、PM)を積極的に募集しています。今回は、エンジニアとしてRelicに入社後、PMにキャリアチェンジした成宮 吉将(なるみや・よしまさ)を取材。PMとしてだけでなく、グループのマネージャーという仕事の面白さも聞いてきました。
話を整理し、前に進める舵取りが得意。それがPMに合っていたのかも
ーー成宮さんは、前職ではWeb関連のエンジニアではなかったそうですね。Relic入社までの経歴を教えて下さい。
大学院を卒業し、現在社会人9年目の33歳です。(2023年6月時点)
電気通信系の専攻で、新卒で大手電機メーカーNECに就職しました。業務用のスイッチや、ルーターなどを通信事業者様に販売する仕事で、みなさんが普通の生活では絶対に目にしないとてつもない大きさのスイッチなどを扱っていましたよ。
入社して4年目の後半から、NEC社内の新規事業チームに異動となり、社内のアセットを活かしつつ、事業検討を行いました。社内プロジェクトではありましたが、仮説を立ててそれを検証していくプロセスに加えて、従来の仕事とは比べ物にならないスピード感に触れ、新規事業の立ち上げ自体は非常に面白く、もっと深く関わっていきたいという思いを抱くようになりました。
また、その際に外注でアプリを作ったのですが、自分でアプリを作ることができればより早く、希望通りのアウトプットができると、独学やオンライン講座をフル活用して、プログラミングを勉強し、業務外の時間でプロダクトを作成したりするようにもなりました。
ーーそこからどうしてRelicにエンジニアとして転職しようと思ったのですか?
仮に社員が10人前後といった小規模な会社に行くのは、実践経験がないという面で不安がありました。
かといって、大企業ならではの苦労のようなものは前職で十分感じていましたので、ちょうどよい規模のベンチャー企業としてRelicを受けてみたのです。
自分の経歴や、個人的にエンジニアの勉強をしてきたこと、新規事業への思いを面接官だったRelicのボードメンバーである大庭、黒木が真剣に聞いてくれたことが、私の目にはとてもポジティブに映りました。
前職で配属された新規事業立ち上げは、面白かったものの、うまく事業化する事ができませんでしたので、新規事業の立ち上げはどうすべきなのか、それを専門とする会社にはどんなノウハウがあるのかを知りたいと思い、エンジニアに挑戦できる環境+新規事業というキーワードがはまって、Relicに転職を決めました。
ーー念願叶ってエンジニアになったけれど、Relic入社後にPM(プロジェクトマネージャー)にポジションを変更されたそうですね。
イノベーションマネジメントのプロセスを一気通貫で管理できる、『Throttle』を担当した頃がひとつの契機になりました。
私がエンジニアとしてプロジェクトにアサインされた時点では、すでにサービスはリリース済みで、現在サービスのメイン機能となっている「フレームワーク機能(一問一答の形で質問に答えていくと、ビジネスモデルキャンバスなどのフレームワークの形で自動でアイデアが整理される機能)」を準備しているタイミングでした。
アイディアがあるものの、チーム内でなかなか要件定義や実装が前に進んでいないことが気になってしまって、ついプロジェクト管理的な役割にも手を出したんです。
後から考えれば、ここが大きなターニングポイントとなりました。
手前味噌ではありますが、このThrottleでの経験が、私がRelic社内で活躍できるようになったきっかけだといえます。
思い返せば、学生時代から、学生団体の代表をやったりして、話を整理し前に進めるのが得意でした。
さらに、前職は規模が大きい会社でしたので、要件定義や仕様書でキッチリと関係者の認識を揃え、スケジュール通りの進捗を厳守するようにトレーニングしてきました。
人生、どこで何が役に立つのかはわかりませんね。そういったRelic入社前の経験が下地となったのは間違いありません。
PMの仕事をするようになったら、自分にはエンジニアよりもプロジェクトを管理・推進する立場が向いていると自覚しまして、自然とポジション変更となりました。
ーーRelicには、Throttleのような「自社開発」と、クライアントの「支援案件」の両方がありますよね。どちらもPMが要となりますが、成宮さんはどちらに入られるのでしょうか。
両方担当しますが、私個人としては支援案件のほうが印象深いですね。
お客様から頼られるのがやりがいに繋がり、プロジェクトの成功に向けて次々と前倒しに準備をするからでしょうか。先方も新規事業ということで少数精鋭かつアツい気持ちで仕事に向かってくださる方であることが多く、先方+Relic社員がワンチームになって仕事に向かっているときは楽しいです。
生来のものや過去の経験もあって、私はお客様やメンバーとコミュニケーションを取りながらプロジェクトそのものを軌道に乗せるのが上手いと評価いただいているようです。そのぶん大きな課題にぶつかっているプロジェクトにアサインされることもありました。プロジェクトの立て直し自体は大変ですが、周囲から「成宮だったら、その状況を立て直す実力がある」という期待をしてもらっているということなので、うれしくはありますね。
過去のRelicでは、プロジェクトの進捗管理や要件定義については、エンジニアが兼任してきた役割でした。ただ、PMという役割を明確に設定するようになってから、Relic全体として、進捗の管理ができていなかった、要件定義が甘かったなどという初歩的な失敗が明らかに減りました。
会社が扱う案件数が順調に増えていることに伴って、専任ポジションでPMを設置する決定をしたのですが、この決定は、現在のところうまくワークしていると思います。エンジニアやデザイナーといった「プロダクトを作る人」はもちろん不可欠なのですが、全体を牽引できる人や旗振りができる人、すなわちPMというポジションも重要なんだなと実感しています。
ーー現在、PMはどこの会社でも引く手あまただと聞きますが、成宮さんの思う、「RelicでPMをやる魅力」を教えて下さい。
まず、Relicという会社全体としては、ミッションどおり、様々な挑戦をさせてもらえるとてもいい環境です。
私が入社した頃のRelicはWebアプリの開発しか実施していなかったのですが、最近では、お客様のニーズはもちろん、これまでRelicが扱ってこなかったモバイルアプリにも挑戦してみたいという社員の声を反映してモバイルアプリの専門チームが新設されたことが印象的な“挑戦”でしたね。
PMというポジションにフォーカスすると、「新規事業」というのは、すなわちなにも決まっていないということなので、工夫の余地が大きいところが面白いポイントだと思います。
私は、お客様のふわっとした要望が、だんだんと固まっていき、輪郭が見えてくる瞬間が好きなんです。
はじめの要望は壮大で、とても予算内・期日内には実装できそうになくても、よく話を聞いて、本当に必要な機能だけに絞ったら予算内で実現できたときなど、とてもやりがいを感じますね。
また、開発PMの立場からでも新規事業の成功にもっと寄与する方法があると思っています。
たとえば、以前社内のプロジェクトで、ユーザーの情報を検索する機能を実装したが、よくよく考えればその機能はユーザー規模が一定値を越えなければ効果が少ないため、初回リリース時に実装しなくてもよかった…といったことがありました。
新規事業開発は新しいことをしようとするので、こんな機能があったらいいなとついつい機能や要件が多くなりがちです。
その際に開発の知見があって費用対効果が分かる開発PMが、今回の検証やリリースで実現したいことを達成するために本当に必要な機能は何かを把握することで、無駄に事業の予算を使いすぎること無く、マーケティングなどもっと事業にとって本当に適切な部分に予算を割くことが可能になると考えています。
自分が新規事業の成功確率を上げる。それがたとえ1%でも
ーー成宮さんは、Relicでどのような人と一緒に働きたいですか?
PMでもエンジニアでも、決まった仕様通りに作るのではなく、プロダクトやプロジェクトのためになることを考えながら実装したい人。
特に、いま「仕様通りに作って」と言われていて、フラストレーションを抱えていたり、自分なりのアイディアを温めている人は、ぜひRelicでその才能を開花させてほしいです。
先程言った通り、エンジニアやPMは実際に開発段階のサービスの一番近くにいる人ですから、その人の意見は尊重したいと思っているんです。
また、事業やサービスを作ることではなく、伸ばすこと、事業として成功させることに興味をもてる人。たとえば、エンジニアのポジションからでも、マーケティングや事業計画にどんどん口出ししてください。
それぞれのポジションを遠慮なくオーバーラップして、どうしたら事業を伸ばせるかを全員が考えた結果、なんとか結果を出せる、それが「新規事業」だと感じています。
特に、将来的には「フロントエンドエンジニア」「サーバーサイドエンジニア」といった区分けではなく、新規事業を成功させることができるエンジニア「新規事業エンジニア」というポジションをRelicで創っていく。そういう目線を持った方と、一緒に働けたらうれしいです。
ーー最後に、成宮さんのこれからの目標を教えて下さい。
作り始める段階で、失敗するプロジェクトを1%でも減らしたい。
Relicが請け負ったプロジェクトが、事業として成功する確率を少しでも上げたいと思っています。
新規事業という特性上、すべてのプロジェクトがうまくいくわけではなく、Relicのメンバーが作ったサービスも市場にフィットせず、クローズという結末になることもあります。
それは新規事業という事業ドメインの特性上、避けて通れないことです。
ただ、やはり自分が作ったサービスがうまくいっている、そういう時って仕事が楽しいですよね。自分が作ったサービスを家族や友人に自慢したいですよね。
そういった成功経験を、Relicのメンバーみんなができるようにする。それがいまの自分の原動力です。
「Relicに相談すれば新規事業がうまくいく」
そんなイメージを日本中に浸透させたいと思っているし、日本から素晴らしい新規事業が産まれるよう、これからも努力したいです。