ベンチャー企業の創業メンバーの中に、ひとり目の社員として入社するのは勇気がいるものですよね。いまやメンバーが80名を超す規模になったRelic(レリック)ですが、創業当時はどのような様子だったのでしょうか。第一号社員でのエンジニアである佐々木淳一(ささき・じゅんいち)に聞いてみました!
記念すべき、Relic第一号社員がWantedlyインタビューに登場!
佐々木さんはRelicひとり目の社員だそうですね。まずは、会社との出会いや立ち上げ時ならではの苦労話を含め、当時のことを教えてください。
私は、2016年の4月に、創業メンバー(北嶋、大丸、江城、黒木、大庭)の誘いでDMM.comから転職し、Relicに入社しました。Relicの設立が2015年ですから、ほぼ立ち上げ直後のタイミングです。
当時は大手企業の参入もあって、クラウドファンディングに注目が集まり始めていたのですが、「チケット制」や「買い物かご」という、創業メンバーのほとんどがEコマース領域経験者という背景から発想される、ユニークなENjiNEのサービス設計に興味を持ちました。
また、自社サービスだけでなく他社のグロースを担う事業プロデュースやコンサルティングなどのソリューションも同時に展開するというアイデアを聞き、ここは従来のクラウドファンディング企業と違う!とRelicを見る目が変わりました。
さらに、エンジニアとしてCTOの大庭の技術力や知識が飛び抜けていると感じたため、この環境に身を投じれば自分の力も伸ばしていけると考えました。
当時、28歳。創業したばかりのベンチャーにチャレンジできるのはこれが最後だ!と、思い切って飛び込んだんです。
仕事に向かうスタンスが大きく変わった瞬間。
転職当時の苦労話でいうと……大学を卒業してからRelic入社まで、金融系システムのSIerやゲーム会社などでエンジニアとして仕事をしてきたため、「要件定義」をした経験がなかったのです。
転職直後にRelicで担当したのが、クラウドファンディングのサービスをSaaS化するというプロジェクトだったんですが、特にENjiNEのような、決済や個人情報周りを扱うサービスの設計は最初の挑戦としてはハードルが高かった。プロジェクトをスタートしたはいいものの、考慮漏れがあったり、大きな手戻りがあったりと、失敗してばかりでした。
それに当時は創業メンバー5名を除くとまだ社員は自分だけ。エンジニアである自分がなんでもやらなければならないという状況で、サービス設計から開発の進捗管理、決済代行業者の選定や契約まで自分でやりました。
そんな状況の中、前職ではDevとBizの職務が明確に分離されているプロジェクトで仕事していたこともあり、「どうしてコードを書ける人間が、契約締結をやっているんだ」という不満が日に日に蓄積していきます。
ある日、ついにCEOの北嶋と、CTOの大庭にそのストレスをぶつけたんです。
「Relicではビジネスサイドの人間がなすべき仕事をしていない」と。
そうしたら、「支えてやってほしい」といわれたんです。当時はまだ会社の立ち上げ期で、足元の資金を稼ぐためにビジネスサイドの人間は力を尽くして奔走している。役割を分担するのではなく、サービスのために佐々木ができることを全てやってほしい……。
ハッとしました。
これまでの社会人生活では、誰かが決めた要件に従ってただコードを書いていればよく、いま思えばどこか“他人まかせ”なスタンスでした。でも、このRelicという会社ではそんな姿勢ではダメなんだと気づきました。 また、実際に自分の責任のもとで判断しながら仕事を進めていくと、案外スムーズに、ストレスなく業務ができるのだということも知りました。
それまでは創業メンバーに付いていくことだけで必死だったのですが、仕事に対するスタンスを変えたことで自信もついたので、それ以来、前向きに業務に取り組む事ができています。
そこで仕事に対する取り組み方が大きく変わったんですね。その後、どんな風にプロダクトやサービスと向き合っているのでしょうか。
Relicに入り、ENjiNEを作ったことで、人生ではじめて、本当の意味で“プロダクトオーナー”になれたと思っています。
いまでは、社内のメンバーから「ENjiNEといえば佐々木さん」「ENjiNEでわからないことがあったらいったん佐々木さんに聞けばいい」と言ってもらえるまでになりました。オーナーというよりも、歩くwiki状態。そこまで、このサービスのことを知り尽くしている自信があります。
さらに、そこまでプロダクトにハマってくると、日常生活のなかでも「これはサービスに活かせそうだ」とか、「他社サービスのこの部分は参考にしよう」とか、仕事のことを考える機会が増えていく。Relicには日常的にこういった思考をしている人が多く、まさに机に向かっている時間だけが仕事ではないというのを日々感じています。
エンジニアも「会社を創る」一員に。
佐々木さんが、自社サービスであるENjiNEを愛しているのが伝わってきますね。今後はRelicやENjiNEをどうしていきたいですか?
ENjiNEをはじめとするクラウドファンディング周りだけでも、対応したいことや、温めているアイデアはたくさんあるので、まずはその実現をしたい。そのためにエンジニアは積極採用している状況です。 Relicでは、経験者はもちろん、この規模の会社にしては珍しく経験の浅いエンジニアの育成実績もありますから、エンジニアへキャリアチェンジしたいという方の挑戦も歓迎します。
また、サービス規模が拡大するのに伴って、足元もしっかり整えていきたいですね。
プライバシーマークを取得するなど情報セキュリティについてもそうですし、提携企業が増えてきたのでそろそろ経理周りの作業も完全自動化したいと思っています。
会社も創業から4年目、ENjiNEもリリースから3年目に突入し、実態に合わせて変化しないといけないことが各所に発生しています。事業も組織も拡大を続けている中、様々なバックグラウンドや考え方を持った社員が入社し、多様性に富んだ次のフェーズに突入しています。大きくなる会社を整えるフェーズというと、経営陣やバックオフィス社員だけがやればいいと思われがちですが、IT環境整備やセキュリティなどは技術的知識が必要で、そういった側面ではエンジニアでもできること・やるべきことがあるはずです。
技術についての知識はもちろんですが、上述のようなエンジニアリング以外の分野についても学びたい、挑戦してみたいという意欲の高い人に、今後のRelicを創る一員になってほしいと願っています。
一緒に事業を加速させたいひと、ぜひ一緒に働きましょう!