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<プロフィール>
ノバセル株式会社 システム開発部 データプロフェッショナルG Head 五百井 亮さん
IT系コンサルティングファームにてシステムの提案から設計・開発まで、システム開発受託に伴う幅広い業務を担った後、大手広告代理店に移りデータサイエンティストとしてアドテク系プロダクトの企画・開発やデータサイエンスを活用したプロジェクト推進等に携わる。
2021年6月にノバセル参画。データプロフェッショナルGのマネージャーとして、ノバセルのデータ利活用を牽引中。
古い商習慣にとらわれない、「ノバセル」に感じた可能性
― まずはノバセル参画までのキャリアを教えてください。
学生時代には統計の授業や演習などでRというプログラミング言語を触ったり、レポートや論文を書く際に多少データを見たりすることはありましたが、当時はそれほどデータに興味があったわけではありません。就職するにあたっては、専門的なスキルを身につけて働きたいとの思いがあり、IT系コンサルティングファームを選びました。ITコンサルタントとしての業務内容は、課題の要件定義や提案に留まらず、自分でもデータベースを設計したりプログラムを書いてアプリ機能の一部を作ったりと、システム受託開発の幅広いフェーズに関わるものでした。その後、事業会社での経験を積みたいと考え、当時注目されつつあったデータサイエンティストとして広告代理店に移り、アドテク系プロダクトの企画・開発などに携わっていました。
前職には5年ほど在籍し、新たな環境を模索する中でノバセルに出会いました。前職は、私が入社した段階で既にデータサイエンティストの組織ができあがっていたので、次は組織の立ち上げ期や、これからデータを活用していく強い意思のある会社で、自分の力を発揮して事業に貢献したいという思いがありました。ノバセルはまさに合致する環境で、興味を持ったのが参画の経緯です。
― 「ノバセル」参画の決め手はなんだったのでしょう?
当初、広告業界はもういいかなと思っていたんです。特にテレビCMは、後から出てきたインターネット広告と比べてもオープンに取引されているわけではなく、データサイエンスを活用して新しいことができるという印象を持っていませんでした。
でも、ノバセルはそんな状態に風穴を開けようとしています。しかも、印刷や物流といった全然広告と関係ないビジネスをやってきた会社から生まれた事業。だからこそ業界の古い商習慣などに縛られず、新しいことができるんじゃないかと感じたんです。年々売り上げも伸ばしているし、「ノバセル」というブランドも着実に浸透しつつあり、結果も出している。自分が抱いていた広告業界に対する印象を変えようとしているノバセルに出会い、せっかく広告業界で培った知見もあるし、こういうところだったらもう一回広告業界でやってみようかなと思えたことが決め手になりました。
あとは、選考の中でCTOと話をしたときの印象が良かったんですよね。風通しが良さそうで働きやすそうだなと感じたのですが、入社後もその時に受けた印象は変わらず、実際に風通しがよく働きやすい環境です。
分析だけが仕事じゃない!ノバセルのデータプロフェッショナルたちが担うデータにまつわるエトセトラ
― 「ノバセル」におけるデータサイエンティストの役割とは、どういうものなのですか?
データサイエンティストの主なロールは、データを活用した分析やモデリングです。例えば、過去の広告放映実績と同じ時期のコンバージョンがどのくらい発生したかという実績データをもとに、広告放映とコンバージョンの関係性をモデリングできれば、根拠のあるCM出稿計画が立てられるようになりますよね。また、代理店が担う広告出稿業務についても現在はかなり属人的かつ個人の経験則によるところが大きく、工数はかかるのに数字的根拠が薄いと感じます。それを、自動化による工数削減をするだけでなく、より効果の高いCMを打つことができるようにしたいです。つまり、誰でも簡単に広告出稿ができるようになることで属人化も排除され、時間や人やお金をもっと有効に使うことができるようになります。そういったモデルやロジックをエンジニアやストラテジックプランナー、カスタマーサクセスなど他部署のメンバーと協力しながら作っていくのがデータサイエンティストの業務です。
― データ分析やモデリング以外にデータプロフェッショナルGが担っているミッションはありますか?
データ活用の舵取りとそのための体制づくりです。ノバセルが掲げる「マーケティングの民主化」を実現するために“運用型”のテレビCMというサービスを提供しているのですが、これまでは可視化が難しかったテレビCMの効果を根拠をもとに効果測定と効果検証ができる状態にすることを目指しています。出稿したテレビCMにどういう効果があって、次にどう変えるべきかを理解・把握するためには「データを見る」ことが必要になってくるわけですが、そのためには私のようなデータサイエンティストという職種の人間だけでなく、社内外問わずノバセルに関わるあらゆる人々がデータに対するリテラシーを高く持つようにならなければいけませんし、必要なデータがすぐに使える状態になっていなければなりません。
データと一言で言っても、システムを動かすためにあるべきデータの姿と、分析をするためにあるべきデータの管理方法は違います。ノバセルはまだ発展途中の組織ですし、そういう環境を整えていくところから携わりたいと思って飛び込んだわけですが、分析するためにデータがどこに、どのような形で管理されるのが適切なのか、そういうルールをゼロから作るところも我々の重要な仕事です。今のデータの保管のされ方はノバセルアナリティクスというシステムが動くために必要な状態ではありますが、分析するために最適な状態ではありません。目下、システムを動かすためのデータ管理から、分析のためのデータ管理へ形を変えるところに取り組んでいるのですが、ここが整備されれば、エンジニアリングの知識がなくても、いろんな人がより気軽にデータにアクセスできるようになります。
データを分析する際にはエンジニアリングや統計の知識が必要なこともありますが、実はそれだけではなく、例えば「この業界のデータだからこういう傾向がある」といった現場レベルの知識や経験が非常に役に立つことが往々にしてあります。我々が間に入って対応するより、その分野に詳しい現場の人が直接データにあたれるようになった方が良い分析ができるようになることもありますし、アウトプットを出すまでのスピードも格段に上がります。各部署で必要なデータの抽出・分析ができるようになれば、データサイエンティストはより時間のかかる分析やモデリングなどに注力する、といった仕事の切り分けができると思っているので、そのためにもデータ整備には力を入れていますし、必要なデータをどこから取ってきてどう読み解けばいいのかといった他部署への啓蒙活動も同時並行で進めています。
現在所属するデータプロフェッショナルグループは2022年2月に新設されたばかりのチームなのですが、データサイエンティストの他、データアナリストやデータエンジニアなど、これまで個々で動いていたデータサイエンスに携わるメンバーが一つのグループに所属することで、データでノバセルの価値を高めるための“チーム”としての動きも期待されています。個別に対応している業務の中から汎用化につなげられるものはないかを検討したり、他部署からの依頼がデータサイエンスの知識が必要なものかそうでないものかを判断して業務を振り分けたり。グループができたことで見るべき領域がすごく広がりましたし、マネージャーとして自分自身がどう動くべきかも常に考えるようになりました。
― チームマネジメントにあたり、心がけていることなどはあるのでしょうか?
優秀なメンバーが技術的に尖った仕事に専念できるよう、私が巻き取れる雑務はどんどん巻き取っています。一方で、自分で手を動かした際の経験からフィードバックを得てチームづくりに活かすことも大事だと考えており、マネジメントをしながら自分で手を動かす分析業務も続けています。自分で行う分析業務、チームをうまく導くマネジメント業務、そして雑務と、うまくバランスをとったやり方を模索しているところです。
また、データプロフェッショナルGに限らずエンジニア組織においては、チームや組織全体としてスキルや経験のバランスが良くいろんなことができるのは大事だけど、個々のレベルでは必ずしもバランスが取れている必要はない、というのがCTOの考え方で、私も共感しています。バランスの取れた人ばかりが集まっても尖った部分がなくなってしまう。だから、ビジョンやミッションに共感して、「自分の強みはこれ」というものを持っている人にぜひ仲間になってもらいたいし、それぞれが強みをいかして活躍できるようサポート体制を作っていこうと思っています。
ノバセルは自分の取り組みが事業や業界にインパクトを与えているという実感が得られる最高の舞台
― 五百井さんはどんな時に仕事のやりがいや面白みを感じますか?
ノバセルに参画して、広告やメディア担当者の業務を自動化していく過程の中で、自分の提案や働きによって広告代理店のあり方を変えている、変えていけるという実感を日々リアルタイムで得られるところにやりがいを感じています。また、マネジメントの立場からは、いろんな強みを持った優秀なメンバーがいて、仕事も早く、学ぶところも多く、いい刺激をもらっています。自分一人でやっていると気づけなかったことに気づかせてくれるメンバーがいて、そのような環境で働けるというのは自己成長にも繋がるし、貢献も成長も感じられる本当にいい環境だなと思っています。
― 最後に、五百井さんから見たノバセルの魅力とは?
現在のチームメンバーの出身業界は様々ですが、私以外に広告業界出身者はいません。Bizと比べるとエンジニア系には広告系出身者は少なく、ゲーム業界、HRTech、ポイント事業といった幅広いバックグラウンドを持った人材が集まっています。データサイエンティストはこの5年くらいでメジャーになった職種ですが、データサイエンスが流行り出した背景には、様々な業界で、いろんなやり方で、今までバラバラにやっていたことを、“データ”という軸を通して見ると統一的に考えることができるよね、という考えがあってのこと。実際にチーム内でも「前の会社ではこんなやり方をしていたんですが、試してみませんか」という話は頻繁に出ますし、そういうところはすごくいいなと思います。
データサイエンティストにとって不幸なのは、「あそこの席にいるデータサイエンティストの人って、いつも難しいこと言っているけど何の役に立ってるのかわからないよね」などと言われ社内で厄介者扱いされたり、最悪の場合チームがお取りつぶしになったりすることです。「いくら難しいことを知っていたとしても、それをビジネスに結びつけて会社の役に立てられなければ会社にとって意味がない」という話なのですが、働く立場からしても、自分がやっていることが意味のないことだと辛いですよね。でも、ありがたいことにノバセルは自分達のやっていることに意味も感じられるし、ビジネス貢献について本気で向き合う環境です。データを使ったビジネス貢献、業界変革に興味がある人にとっては魅力的な会社だと思います。