<プロフィール>
関 淳生 | ラクスル事業部DTP部部長/オペレーション統括部部長
大学院卒業後、消費財メーカーの「P&G」に入社。商品サイトや社内システムの設計に携わる。その後、広告メディアの「リクルート」へ。システム開発や、高校生向けの進学情報サイトの企画、組織マネジメントと幅広い業務を担当。14年間所属し、2020年7月にラクスルに入社。
―まず、ラクスルのDTPがどういった部署なのか、教えてください。
お客様からいただいた印刷用入稿データのチェックを行う部署です。印刷物は、お客様からのデータそのままでは印刷できないんですよ。文字が印刷範囲からはみ出ていないか、サイズは適切かなどのチェックを行い、印刷工場での印刷に適した形へのデータ変換を行う必要があります。その一連の作業を行っているのがDTPです。
印刷データは作ること自体が難しいので、ネット印刷を初めてご利用されるお客様、初めてデザインデータを作られたお客様はチェック内容が多くなることもあります。間違ったデータで工程が進まないよう、ラクスルのDTP部署ではより正確なチェックが求められます。
―ラクスルのDTPの組織体制を教えてください。
大きく推進グループと企画グループの2つのグループがあります。
推進グループは30人ほどが所属しており、実際にデータチェック業務を実行していく組織です。ほかにもキャパシティ管理、体制のマネジメントといった業務を担っています。
企画グループは10人ほど。日々のデータチェックがスムーズに進むように、ルール・マニュアルを作り、生産性改善を行う業務を担っています。ラクスルはお客様から毎日大量の印刷データをお預かりしています。当たり前のことですが、そのデータチェックには誰がやっても同一レベルが求められます。
同一レベルのチェックを実現するにはどうすべきかを考えるのが、企画グループの役割です。
例えば、お客様のデータのどの部分をチェックし、どのような内容であればOKとするのかといったルールを定める仕事はその一つです。他にも、日々新商品・新サービスが出てくるので、それに対応するルール・マニュアルの作成や、DTPオペレーターが作業しやすくなるためのツール作成を担当しています。
―ラクスルのDTPが目指していることは?
大きく2つ。まずは既存商品のデータチェックをしっかりやっていくことです。もう一つは、新商品のデータチェックのやり方を確立していくことです。
いまある既存商品のデータチェックは「多くの量を」「手際よく」「ミスなく」行われる必要があります。
一方、新商品は作業フローが決まっていないので、データチェック自体をどう作っていくか、オペレーションの設計から取り組みます。オペレーションを作りながら進めていくため、「スピードをもって」「柔軟に」取り組んでいく必要があります。この2つは求められることが違います。例えるなら“利き手”が違うようなもので、その両方ができる“両利き”のDTP部でありたいと思っています。
私たちが“両利き”のDTPになることで、お客様には「ラクスルは常に新商品が出ているし、これまでの商品も常に磨かれている」と感じていただきたい。そして「次もラクスルに頼もう」と思っていただけるよう、データチェックの面からサービス作りに関わっていきます。
<プロフィール>
嶋田 風海 | ラクスル事業部DTP部DTP推進グループ SV(スーパーバイザー)
大学卒業後、食品会社に入社。デザイナー職を希望して入社するも、実際は店舗運営を担当。印刷業に携わりたいと、2018年ラクスルに入社。現在はDTP部SVとして、オペレーターのマネジメントが主な業務。
―ラクスル入社までのキャリアを教えてください。
大学卒業後は、洋菓子を取り扱う会社で店舗の運営職をしていました。パッケージのデザインを志望していましたが、実際には店頭に立ったり、併設の工場で製造に携わったり。デザインの仕事はほとんどなく、僕がやりたいこと以外の業務での苦労が多くて、これが自分のやりたいことなのかと疑問が強くなり、転職を決めました。
―ラクスルに入社したのは、デザイナーを目指すうえで印刷業に携わりたいという思いから?
そうですね。デザインの仕事に近づけるよう、ある程度業種は絞りました。でも実を言うと、ラクスルのDTPオペレーターへの応募は興味本位な動機が大きかったです。採用ページを読み、「DTPオペレーターっていう仕事があるんだな、面白そうだな」と思ったのがきっかけ。大学で学んだのが情報領域だったので、業務で使用する(Illustratorなどの)Adobeのソフトにもなじみがあり、チャレンジしやすい状況もありました。ただ未経験から始めても活躍している人はたくさんいて、ラクスルのDTPには、出版社の雑誌編集者、文房具メーカーのデザイナー、IT企業のカスタマーサポートのオペレーターなど多彩な経歴の持ち主がいます。現在7割ぐらいは女性です。
―DTPとデザイナーの仕事は異なりますが、いまの仕事の面白みはどういったところに感じていますか?
今、SVとしてチームを率いる中で、マネジメントの面白さにも気づき始めました。最近だとデザインに関しては、仕事か、もしくはプライベートでそのうちなにかを作れたらいいなくらいの気持ちになって、自分の中で挑戦したいことの軸が変わったんだと思います。
いまの仕事の面白みとして一つ目に挙げられるのは、SVの立場でメンバーと話すこと。ミーティングや1on1を通じて、同じデータチェックの業務をしていてもメンバーがそれぞれ色々なことを考えながら対応していると気付きました。それらの意見を集約して、より良いオペレーションを考えるといった面白さがあります。
二つ目はラクスルの社風なのだと思いますが、物事の取り組み方にスピード感があり、様々な仕事を任せてもらえること。現在まで3年働いていますが、マンネリせず、楽しく仕事ができています。
三つ目は、風通しが良いこと。ラクスルでは入社してすぐの段階でも、1オペレーターの意見をきちんと吸い上げてくれたことが強く印象に残っています。データチェック業務の中で、新商品の反響、お客様からの要望などの現場感は、実際に対応しているメンバーが一番よくわかっている。僕がオペレーターとしてデータチェックしていたころは、その点を意識してSVが意見を吸い上げ、それをどう精査し、どういう流れで結果につながったのか、きちんと共有してくれました。意見がしっかり通って実際にオペレーションに反映されるのは面白くもあり、働いていて気持ちが良い部分だなと思います。
―他社とラクスルのDTPの違いはどんなところに感じますか?
一つ一つのオペレーションフローに対して、部全体で常によりよく改善していく仕組みが為されているところでしょうか。データチェック業務を行う推進グループと、ルールやマニュアルの整備をする企画グループが連携をとって、どうしたらミスを減らせるか、効率よくデータチェックを行えるのかを常にブラッシュアップし続けています。フローが固まったら終わり、リリースできたら終わり、という姿勢はない。オペレーションの見直し自体は他社でもあると思っていますが、全員から意見を引きだすのはラクスル特有で、風通しのよさが社風としてあるからこそ実現できるスタイルだと思います。
―それを感じた具体的なエピソードはありますか?
データチェックの過程で、お客様の注文仕様通りに変換した印刷用データをアップロードする工程があるのですが、注文内容と印刷用データの仕様に差異のあるままデータをアップロードしてしまったときに、DTPチームに通知が飛んでくる、というシステムを企画グループと技術チームが用意してくれました。
もちろんDTPのメンバーは注意深くデータをチェックして操作をしていますが、ワンクリックで進む作業もあるので、一日何十件も見ていると押し間違えや確認漏れも出てしまう。
人の目に加えて、システムの目が入ることで、100%の精度に近くになる。
会社として、新しいリリースだけでなく、既存部分も仕組みを変えて、精度を上げるべきところにきちんと目を向けてくれているなという安心感・信頼がありましたね。
―ラクスルDTPならではの仕事の面白さは?
一般的にオペレーション組織は、変化がある中で「コストはそのまま(あるいは減らして)生産性を上げたい」みたいに言われることは多いと思います。
ラクスルでもどんどん新規事業が立ち上がってくるので、既存領域で何も変えないまま対応をしていると現場はパンクしてしまいます。
そんな状態の中でラクスルでは、仕組みを変えてコストを下げ、生産性を上げる"攻め"の姿勢が随所で見られます。
組織として一丸となりそういった取り組みがあるので、やることに無駄がないことに個人的に魅力を感じています。
―そんなラクスルDTPにはどんな人が向いていますか?
データチェックが僕たちの業務の基盤なので、まずは丁寧にコツコツとデータチェックに集中できる人。
また、新商品やサービスが次々リリースされていくので、データチェックをしながら自分でオペレーションの問題点を見つけて提案できるような、
改善意識の高い方はDTPの業務内容にも社風にもマッチするんじゃないかなと思います。