「ありがとうの対義語って何だと思いますか?」
SAKIYOMIがインターン生(社内では「イノベーター」と呼んでいます)を採用する際に、僕が必ずしている質問です。みなさん、ちょっとだけ考えてみてください。
ごめんなさい?
失礼しました?
意外にパッと答えられる人って少ないんですよね。
僕の思う正解は「当たり前」です。「ありがとう」は「有り難う」であり、簡単には起きえないこと、すなわち「当たり前ではないこと」 が発生したときに「ありがとう」と伝えるようなところから始まっていると考えています。すなわち、ありがとうの対義語は「当たり前」という解釈になりますね。
前置きが長くなりました。どうも、SAKIYOMI人事責任者の樋田(といだ)です。
前述のように、SAKIYOMIの中では「ありがとう」という小学生でもわかるシンプルな概念や考え方、気持ちをものすごく大事にしています。これは年を経るにつれ、言い換えると「大人になる」につれ私たちが忘れがちなことを改めて思い返すという意に加えて、「ありがとう」と言われたら嬉しいからという単純な想いからです。
さて、今日はそんなSAKIYOMIのなかで実施されている2つの施策についてご紹介します。
感謝のアンケート
いつ頃からか忘れてしまいましたが、人事部主導で立ち上げたのが「感謝のアンケート」という仕組みです。これは週次でアンケートフォームが飛ばされ、特定の誰かに対して感謝を伝えられるというシンプルなもの。始まりのタイミングから少しずつ回答フォームが改修されたり、アウトプット形式が変わったりしていますが、なんだかんだで1年ほど続くSAKIYOMIの文化とも言える仕組みです。
↑Slackのワークフローに組み込み、いつでも送信できるように改良しました↑
感謝のアンケート、最初は回答者数が思ったよりも伸びず、惰性になってしまっている感覚もあったので「やめようかな・・・」と悩んだ時期もありました。
ただ、普段あたり前に感じてしまうことに感謝できる人間、この会社の成長スピードが速い中で日常に忙殺されそうな時にも、ふと振り返って周りに感謝できる人間でいたいよねと。
継続していくうちに、いつしか月間の感謝送付数が1,000近くまでに成長し、しっかりと会社の中に爪痕を残せるような施策にまで進化してくれました。
↑最初は100件も行かなかったところから...↑
↑2週間で500件近くにも!↑
↑感謝のアンケートが全社展開されたときのスレッドの様子↑
何人かに感謝のアンケートに回答する理由を聞いてみたのですが、その使い方は多種多様。「以前感謝をもらって嬉しかったから、次は私もそれを誰かに届けたい」「マネジメントの一環として、小さなメッセージを送る機会として使っている」「人間関係のこじれが以前あったから、誰かに感謝を伝えることを日課にしている」「感謝を伝えて眠りにつくと、次の日の寝起きが良い」などなど、それぞれの思惑の中で自由に使用されていることを発見しました。
まあ会社の中で施策がPMFに近づいている感覚ですかね。ただ、もう少しPMFには遠い感覚もあるので、アウトプットフォーマットを工夫したり、そもそも人間が根源に持っている感覚をチューニングしたりして、しっかりと文化として強固なものへ昇華させていきたいなと考えています。
ちなみに、SAKIYOMIは9割以上がエキスパート(業務委託メンバーのこと)で占めており、そのエキスパートメンバーが当たり前のように感謝のアンケートに回答してくれているということが驚きですよね。上述のアンケート、全てエキスパートメンバーからの回答結果なのです。
ちょっとだけ小咄。これもエキスパートメンバーにインタビューする中で衝撃を受けた発言なのですが、「なぜSAKIYOMIで働いているのですか?」という質問に対して「これまで10社近く渡り歩いてきた中で、SAKIYOMIが最も人間性を豊かにしてくれているから」という回答が出てきました。
感謝のアンケートはデフォルトの記載欄が3枠あるのですが、そのエキスパートメンバーはその3枠と向き合い、パッとその週に感謝を伝えたい人が3名思い浮かばない瞬間に「あぁ、今週は誰かに感謝を伝えられるほど深く関わりを持てなかった」と感じるそうです。僕もそこまでの意図を持ってこのアンケートをやり始めたわけではなかったのですが、何かしらSAKIYOMIで働く中での価値をこのアンケートに感じてくださっていることを知った時はとても嬉しかったですね。
#Excellent
SAKIYOMIにはフィードバック(社内では「フィードシェア」と呼んでいます)の文化が強烈に根付いており、その際にGoodとMoreで伝えるという考え方が設けられています。Goodは「良い点」、Moreは「改善できる点」という非常にわかりやすいもので、世の中に溢れているフィードバックの作法とさほど変わらないものと言えるでしょう。
ただ、SAKIYOMIにはそこに加えて独自に発達した「excellent」という文化が存在しています。excellentとは「それは思いつかなかった!」「そういう発想もあるのか!」「想像以上だ!すごい!」といったGoodに近いものにはなりますが、解釈としてちょっと別軸で設けられているものです。
どういうことかというと、「#excellent」とは、SAKIYOMIがミッションとして掲げている「新たな挑戦に成功体験を」に紐付いたもの」であると言えます。
誰かの新たな挑戦の一歩に「#excellent」。
小さな成功体験に、「#excellent」。
日々この積み重ねで、「#excellent」が溢れかえる会社はミッションの体現に直結するのです。
そして、それがより全社に伝わるように#ExcellentというハッシュタグをSlackの中に作り、誰かが誰かに#Excellentを送ったら自動的に他の人にも通知が飛ぶような仕組みが備えられています。わかりやすく言えば、Excellentを誰かがもらったら、それを他の人も最大限賞賛しようぜという状況が会社の中で作られているということですね。
また、シンプルな賞賛だけではなく、このexcellentからは自領域以外での事業インパクトの種が生まれることも。具体レベルで#Excellentは使用されますが、それをマネジメントクラスの目に止まると、横展開し、自領域でどう活用するのかを即座に考え、例えば自社マーケのコンテンツにしたり、オンラインコミュニティの活性化施策として転用したりと、#Excellentがハブになって情報が縦横無尽に駆け回っていくイメージです。
これもエキスパートとイノベーター、パートナー(SAKIYOMI正社員のこと)とに上下をつけず、皆公平にSlackのチャンネルに招待していることから生まれた副産物だと言えるでしょう。
最後に
何が正解で、何が不正解になるのかを決めるのは、この時代を生きる我々であり、ただひたすらに自分たちが正しいと思っていることを愚直に実行し続けるほか、選択肢はないと考えています。感謝であれ、excellentであれ、他社が「売上に寄与しないからやらない・真似しない」と排するものを、僕たちはこれからの世の中がより非合理的に動いていくことを考えて「正しい」と定義し、ひたすら前に進んでいくつもりです。
その先に何が待っているのかは誰にも理解できませんでしたが、感謝のアンケートも#Excellentも、ことSAKIYOMIにおいては正解になりました。あとはこれを社会に広げていき、世の中が感謝やexcellentに溢れることを願い、前に進んでいくだけかなと考える、今日この頃でございます。
今日、あなたは誰かに「ありがとう」と伝えることができましたか?