ライフプランナーのNさんは臆することなく自分の意見を力強く発言する人です。その伝え方にはいつも熱がこもっており、勢いもあるので、「怖そうな人だな」と思っていました。
一緒に仕事をするようになって最初の年は直接の接点が少なく、オンライン会議でNさんが他のライフプランナー達と話をする様子を見ているだけでした。仲の良さそうなメンバーでしたが会議中にNさんが発言すると緊張感が走る、そんな場面が多々あったのです。
2年目になると、役割が変わったことでNさんとの関りは一気に増えました。最初は「こんな厳しそうな人と仲良くなれるだろうか。うまくやっていけるだろうか。」と、とてもソワソワしていたのです。しかし、いざ直接のコミュニケーションが増えると、Nさんがとても優しい人であることにすぐ気が付きました。
ミーティングが終わるといつも「今日もありがとう」というメールをくれます。システムの不具合や私のミスなどで何かうまく行かないことがあると「気にしなくて良いからね」とフォローしてくれます。仕事では後輩に、プライベートでは近所の子どもたちに、自分の知識や経験を惜しむことなく伝授します。そして、仲間の話になると真っ先に目を真っ赤にしてしまうほど、涙もろい人でもあります。
ある日、遠方の会場で会議と懇親会を行った帰りに、数人で、コンビニで買い物をしてから宿泊先へ戻りました。夜遅い時間で焦っていたせいか、私は自分用に購入した水を受け取り忘れてしまいました。自分の部屋に戻ってしばらくしてからそのことに気が付きNさんに連絡をすると、「部屋の前に置いておいたよ」と返事が返ってきました。ビックリして部屋の扉を開けると、足元にペットボトルが・・・色々と気を遣わせてしまったのだろうと思います。申し訳なさを感じながらも、サンタクロースからプレゼントをもらったような気分になりました。
Nさんは、自ら「自分は口が悪いから」と言うほど、口調は少しぶっきらぼうです。もしかすると、Nさんのことを、以前の私のように「怖い人」と思っている人は多いかもしれません。けれど、Nさんを信頼するお客さま、Nさんを支える仲間、Nさんを頼る後輩の数が、Nさんの本来の優しさを物語っている。2年もかかってしまったけれど、多くの人を惹きつけるNさんの魅力に、私も気づくことができました。