大学院で河川工学を学んだ理系出身の大西。しかし、まったく別の仕事を選んだ。なぜユニークなキャリアを選択したのだろう。彼のキャリア選択の原点を聞いてみた。
―――自己紹介をお願いします。
大西邦彦(おおにしくにひこ)と申します。
国立大学の大学院を修了後、人材紹介会社を経て友人と起業をしましたが、方向性の違いで退任することになりました。その後プルデンシャル生命にご縁をいただき、今に至ります。
―――プルデンシャル生命に入社するまでのキャリアについて教えてください。
学生時代、初めて就活を始めた時は東京を拠点に会社説明会に参加しました。
「日本を元気にする」というキャッチコピーを掲げていた人材系の会社が目に止まり、入社することを決意しました。
そこで出会った仲間と起業をして、営業を担当していたのですが方向性の違いからその会社を抜ける決断をしました。
その時の私には、やりたいことがありませんでした。そして少し自分自身について考えてみようと思ってはじめた仕事が、日雇いの土木作業員です。
その仕事をしながら過ごしていたら、プルデンシャル生命の支社長が声をかけてくださいました。
実は、父が顧客だったこともあって、父が私の話をしたらしいのです。
―――プルデンシャル生命への入社の決めては何だったのでしょうか。
声をかけてくれたのは地元から少し離れた場所の支社でした。知り合いがいない環境で営業の仕事を始めるのは難しいと思ったので、はじめは断るつもりでした。
ただ、時間をかけて考えた時に「挑戦したい」と思っている自分がいることに気がつきました。
親に相談すると「やりたいなら、やればいいよ」と言ってくれました。
応援してくれる人、協力してくれる人が一人でもいるならやってみよう、そういう人を少しずつ増やしていけばいい、そう思えたので、入社を決めました。
「あの時、やっておけばよかった」という後悔は、二度としたくなかったんです。
―――入社後の顧客開拓はどのようにされていましたか?
入社したてのライフプランナーは紹介依頼からはじめるケースが多いのですが、私はテレアポからはじめました。
いろんな会社のホームページを見て、コンタクトをとるという方法です。
私のキャリアは少し変わっているので、それを逆手にとることにしました。
独特なキャリアの中に何かしらの共通点を見出すことで、お客さまに興味を持ってもらい、話を聞いてもらうことができました。
テレアポには、一社目の人材紹介会社での経験が生きたと感じています。それが当たり前だと思えるほど、ひたすらテレアポしていたので…
―――ライフプランナーとして活躍する中、営業所長になろうと思ったきっかけは何でしたか?
子どもが生まれたことです。
返りを打とうと奮闘する、生まれたばかりの子どもに「頑張れ!頑張れ!」と声をかけていました。その時、ふと「自分は頑張っているだろうか?」という疑問が浮かんだのです。
必死だった入社1年目と比較して、2年目以降はコツを掴んで、少し手を抜いているという自覚がありました。プルデンシャル生命のことは好きだし、ライフプランナーはやりがいのある仕事だと思っていました。しかし、熱量が足りていなかったのです。
そのような状態の自分を棚に上げて、子どもに「頑張れ」と言いたくないなと思いました。
―――営業所長への挑戦に不安はありましたか?
ありませんでした。
営業所長を経験した先輩方のお話を聞いていて自分も挑戦したいと思いましたし、家族の応援もあったので不安よりもやってみようという思いが強かったです。
ふと、一社目に入社した会社のキャッチコピーが「日本を元気にする」だったことを思い出したのです。
プルデンシャル生命に入社する直前、「日本を元気にする」の“日本”とは何のことだろう、と考えるタイミングがありました。私自身の回答は「自分と、自分の周り」でした。さらに言うと、“周り”とは自分の大切な人たちのことです。営業所長になって営業所のメンバーを増やすことで、その範囲を広げることが出来ると考えたのです。
―――営業所長の仕事内容とやりがいを教えてください。
現在は採用、育成、営業所のマネジメント全般をおこなっています。
その中でも採用と育成がおもしろいと感じます。出会った人の経験からその人のポテンシャルを知ることが楽しいです。
仮に採用に至らない場合でも価値観を共有することで、別の方をご紹介いただくこともあります。
育成でも、はじめは心許ないと感じていた人が、ふとした拍子にぐっと成長することがあるので、成長の瞬間を見たときにやりがいを感じます。
一方で、人がどう考えているかを読むことは難しいので実際は大変だと感じることは多いです。大変な仕事ではあるものの、面白さも感じています。だから続けられているのだと思います。
―――メンバーと関わる中で、心がけていることはありますか?
基本を学んだ後は自由にさせてみることを大事にしています。自分で考えて行動できるようであってほしいので。
営業は実験と同じく、仮説・検証の繰り返しだと思っています。
少しずつパラメーターを変えることで、自分のとった行動の何が良かったのか、悪かったのかをお客様の反応を見ながら毎回確認していきます。
若いときは、「自分はこんなに●●しているのに、なんで…」と、うまくいかない原因が外側にあると思い込んでしまうこともありますが、本当の原因は自分にあります。
どこかのタイミングで、そのことに気づくことで成長できるのではないでしょうか。
私は失敗を経験した方が、人としても営業パーソンとしても成長できると信じています。
こちらがメニューを決めてしまうと、案外、育成はうまくいきません。本人が自分の意思でトライしている状況を作ることを心がけています。
―――大西さんは、どのような人と仕事をしたいですか?
一定レベル以上のやりきった経験がある人と仕事したいです。
よく私たちは「頑張ります」と言いますが、その尺度は人によって違います。
私が思う「頑張る」とは、例えるなら、全国大会に行くためのトレーニングです。
それはプロ意識と言い換えてもいいかもしれません。プロとアマチュアの違いは、突き詰めるかどうか。自分にOKを出す基準が高いかどうかではないでしょうか。
私はそのような人に、可能性を感じます。仮に採用に至らなくても、価値観や方向性が近ければ、どこかで何かご一緒できることがあるかと思います。
―――大西さんがプロを意識したきっかけがあれば、教えていただけますか?
支社長の影響が大きいと感じます。
トップの空気感のようなものを持っていますが、自ら「プロ」という言葉を使うわけではありません。
ひとつの方法を押し付けることはなく「そのときはこのような状況だったので、このやり方をした。でも、いまの状況に合わせると別のやり方がいいと思う。」というニュートラルな考え方をされます。
時と場合に合った最善をとるのがプロだと思います。ですから、私の営業所のメンバーが他の営業所の所長にアドバイスを求めることがあっても、当然です。得意不得意は人によって違いますし、そうすることによって最大の結果を得られると考えています。
―――これから、どんなチームを作っていきたいと考えていますか?
メンバーの一人ひとりが本当にやりたいことを実現できるチームでありたいです。
プルデンシャル生命の掲げる大枠の価値観に共感しつつ、「これが正しい」「これがいい」と個々のライフプランナーが信じることをやれる環境をつくっていけたらいいですね。
学生時代に毎年行っていた無人島キャンプにいた年配の男性が「なんでもいいから一番になれ」と言っていました。どこにでもいる“普通のおじさん”のように見えましたが、実はものすごい実績の持ち主だったことが後に分かったのですが...
私はめずらしいキャリアを歩んできました。その選択ができた原点は、この無人島体験にあるのかもしれません。
この男性のような“突き抜けた大人”との出会いがあったから、他の人と違うことに躊躇がなかったのではないでしょうか。みんながそうである必要はありませんが、“突き抜けた大人”がたくさんいるチームができたら、おもしろいと思っています。
―――いまキャリア選択に迷っている人へのアドバイスがありましたらお聞かせください。
職種は器でしかありません。キャリアを選択するというよりも、「自分が本当にやりたいことは何か」を大切にすべきだと思います。そして、それに真っすぐ挑戦すること。
プルデンシャル生命へ入社する以前、人材紹介会社勤務を経て友人と起業しましたが、当時の私がやりたかったのは「会社を作ること」だけだったのです。それよりも大事なのは「どうしてもやりたいと思える事業があるか」でした。それが私には無かったのです。
一方で、今は生命保険会社に勤務しながら、「保険もしくはライフプランナーの採用・育成を通じて自分自身がやりたいこと」を突き詰めて考えることができています。起業や転職をしなくても、プルデンシャル生命にいればやりたいことができると感じるのです。自分がやりたいと思うことに正直でいることは、自分を大切にすることでもあります。それがキャリアにもつながるのではないでしょうか。
営業所長になる直前、仕事への熱量が足りていない時期がありました。挑戦をしていなかったのです。その時は何も面白いと感じなかったしワクワク感もありませんでした。挑戦とは自分のためにするものだと思っています。ぜひ「迷ったらやる」を常に意識して、自分のための挑戦をしていただきたいです。
―――最後に大西さんの夢をお聞かせください。
私の夢は、未来ある人との接点を作ることです。学生の頃に経験した、無人島キャンプのように、子どもたちが突き抜けた大人に出会う機会を作れたらと思っています。
先日、会社のメンバーとバーベキューをしたら、その中にバーベキュー場まで88キロの距離を自転車で来た人がいました。トライアスロンのトレーニングの一貫だったようです。プルデンシャル生命にはそのようなおもしろい人がたくさんいます。
型破りな挑戦ができる大人が増えたら、世の中はおもしろくなると思いませんか。
ベテランの先輩たちが「負けたくない」と思えるほどの刺激を与えられる、若いメンバーを育てたいです。