「そのお客さまは本当にいますか???」と言っても、オカルト話ではありません。ドキッと心当たりのある方ならわかるでしょう。「もしかしたら次は会ってもらえるかも」「成約になるかも・・・」というお客さまを、見込み客としてカウントしていませんか?という話です。
お客さまにお会いして、「そうですね。考えておきます」と言われ、次のアポが近づいたタイミングで電話をすると、「すみません、急用が入ってしまったので・・・」とキャンセルされる。なんとか次のアポを取り付けて再度お会いしてもまた、「考えてみます」の繰り返し。でも、次は大丈夫だろうという希望的観測で、自分の手帳は「成約見込み」という文字とアポで常に埋まっている。そして、いつまでたってもご契約に至らない・・・。そんなこと、ありませんか?
「そういうお客さまは、断りづらいので先延ばししているだけなんです」とトップ営業パーソンははっきり言います。
「そんなときは勇気を出して、『お話を本当にご検討いただいてもいいですか?』と、きちんと『営業』するべきです。そのほうが、お客さまの時間もムダにしないし、自分のためにもなります」
それでもし断られてもガッカリすることはない。逆にチャンスになるかもしれないとトップ営業パーソンは続けます。
「一歩踏み込んで聞くことで、お客さまはきっぱりお断りされるかもしれません。でも、それでいいんです。そうしたら『話はいかがでしたでしょうか?』と感想をうかがいます。良い感想であれ、悪い感想であれ、それはその後の自分の糧となりますから。そうすると中には『押し売りはしない人なんだね。自分は必要なかったが、自分の友人なら・・・』とご紹介くださるケースもありました」
断られるのはつらいけれども、つらい気持ちをいつまでも引きずってはダメとも。
「忘れる方法はただ一つ。新たなお客さまに会うこと。新たなお客さまから新たな展開が生まれた瞬間に『あれ何か辛いことあったかな?』と思える。すべてはお客さまのところに会いに行くこと。それしかないですよね」