ライフプランナーという仕事を選んだ理由（鹿児島支社・大窪美里）

――やりがいのある二つの仕事。ライフプランナーには、そこにはない魅力を感じた。

もう一度、証券業界で働こうと大窪は考えていた。証券会社に6年勤めた後、彼女が転職した先は、誰もがその名を知る世界的なブランド。そのトップセールスとして働く毎日は充実していた。ブランドの世界観を伝えてファンを増やし、顧客は彼女を指名して高価な商品を購入する。お客さまの趣味嗜好を把握し、気持ちを汲み取るのは得意だった。

「証券会社では形のないものを販売していたので、次は形のあるもの、それも一流品を扱ってみたいと思い転職しました。ただ、前職と同じ6年が経ってみると『ブランド品を売るのは簡単だな』と感じたんです。ブランドの魅力で売れている部分も大きいと思いますから。逆に、証券会社は最初のハードルが高いのですが、だからこそ買っていただいた時の達成感も大きい。もともと嫌で辞めたわけではなかったので、やはり自分は証券会社が好きだなと」

社会人一年目は、苦労の連続だった。会社名を名乗っただけで電話を切られることも、訪問先から泣きながら帰ることもあった。そんな時は、先輩の女性社員が心の支えだった。努力して資格をとり、総合職として男性の中で活躍する姿に憧れた。弱気な自分に負けたくないという一心でその背中を追いかけ肩を並べるまでになると、いつしか「ここで一人前になったら、どんな仕事だってできる」と話した支店長の言葉意味が分かるようになっていた。

「証券会社での経験があったからこそ、ラグジュアリーブランドの営業としても結果が出せました。多くの方にお会いする中で、お客さまの雰囲気から何を求めているのかを察知し、どのように接するべきかを判断できる力が身についていたんですね。でも一つ残念だったのは、お客さまと時間を共
有できるのが、店頭での短い間に限られてしまうことでした。大好きな方と、もっと深く
長くお付き合いをしたいと思っていました」

友人の紹介でプルデンシャル生命の営業所長と会うことになったのはそんな頃だった。保険会社のスカウトは前にも受けたことがあった。気乗りしない大窪だったが、生命保険の意義を熱く語る営業所長を前に、先入観がみるみる取り除かれていくのを感じた。

「社会人になってから交通事故と病気で入院したことがありました。自分の身がいつどうなるかは分からないと思っていましたし、その経験が役に立つと直感しました。お客さまに喜んでいただける商品を提供して、一生かけてお客さまと付き合っていける。これまでの職業では満たされないと感じていたものがここにはあるなと思ったんです」

一度は心を決めた大窪だったが、周囲は転職に反対だった。小さな不安が心の迷いとなった時、いつもの相談相手である父に意見を聞いてみた。すると返ってきたのは、大河ドラマの台詞だった。

「父から『お前、篤姫を見ていただろ』と言われて。“女の道は一本道にございます。さだめに背き、引き返すは恥にございます”とあっただろと（笑）。薩摩おごじょとして、ここで引き返してはならぬと入社を 決めました」

――商談のたび、自分の“家族”がどんどん増えていく感覚。

「一年目は証券会社と一緒。いや、それより辛かったかも。でも意外だったのは、不思議と孤独ではなかったことです。落ち込んでいると支社長がさりげなく声をかけてくれるし、先輩も励ましてくれる。難しい案件は、知識が豊富な営業所長が最後まで支えてくれました」

前職でお世話になった顧客には経営者が多い。彼らが抱える課題を解決したいと、大窪は多忙な仕事の合間をぬって努力を重ねた。調べても分からないことがあれば、支社の仲間だけでなく全国の支社や本社のスタッフに協力を仰ぎ、ともに解決策を導き出した。

「自分のために多くの人が動いてくれることに驚きましたし、感謝しました。また、今後もずっとお付き合いしたいと思っていた方のご契約をお預かりできたときは本当にうれしかったですね。この仕事は、商談のたびに自分の家族が増えていく感覚があるんです。お客さまのご結婚、お子さまの誕生といった人生の節目にかかわれるのが魅力です」

目標は常に新しいマーケットを開拓していくこと。ますます増えていく“ 家族”のために、これまで以上に役立つ存在になりたいと大窪は話す。

「人の話を聞くのが好きなんですね。だからか、お客さまも『なんか知らんけど、あんたには話してしまう』とおっしゃいます。これからもお客さまの悩みをたくさんうかがうと思いますが、その全てに対応できる自分になれたら、本当の意味で『役に立つね』と言っていただけるのではないかと思うんです。知識はもちろん、他人に貢献できる器の大きい人間になりたいと思っています」

●大窪　美里（鹿児島支社）

2010年6月 プルデンシャル生命入社（前職　ラグジュアリーブランド）

※本インタビューは、2020年12月時点の情報です。