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【対談】デジタルヘルススタートアップにおいて開発チームは何を解決するのか?

※写真撮影時のみマスクを外して撮影を行っています。


萩原「こんにちは。今回の記事は私がインタビュアーとなって、開発部長を務める朝倉さんとの対談形式で開発部が新たに設定した『開発部ミッション』についての話を聞きたいと思います。朝倉さん、よろしくお願いします。」

朝倉「よろしくお願いします」

※写真撮影時のみマスクを外して撮影を行っています。

2つの開発部ミッションの設定の背景

萩原「最初の質問ですが、今回MystarのUXコンセプトを受けて、新たに2つの開発部ミッションを設定されたかと思います。この背景についてお話をいただけますでしょうか?」

朝倉「はい。組織や事業規模、解いている問題が徐々に大きくなっていくにつれて、開発に取り組んでいるメンバーが日々の業務の中でやっていることの方向性や目指すべきところ、提供すべき価値は何なのか?がボヤやけてしまうようになってきたことが背景にあります。」

朝倉「開発部長としての自分の意思決定がないと動かないという部分や細かい意思決定の点でも上長に相談しなければならないなど、朝倉ボトルネック問題を解決したいと思ったのがミッションをつくった一番の理由です。開発部のメンバーやプロダクト開発に携わる一人ひとりが自律的に成果を生み出せる組織に近づけていきたいと思っています。」

ユーザーのwillにコミットする

萩原「ありがとうございます。2つあるミッションを一つずつ深掘っていきたいのですが、まず一つ目のミッションである『ユーザーのwillにコミットする』についてです。どのような背景でこのミッションが決まったのですか?」

朝倉「『will』とは何か?が肝だと思っているのですが、『will』を“ユーザーが実現したい未来の形”と定義しています。この未来の形とは、顕在化している実現したい希望であることもありますし、ユーザーの中には病気を患い、明るい未来をなかなか想像できない方もいます。そういった方にもプロダクト、サービスとして関りを持つ中で病気とうまく付き合いながらもポジティブに前向きに生きていける未来を想像できる支援ができればと思います。」

朝倉「本当はこうしたい!といった想いを引き出し「willの言語化」や「will実現までのロードマップの可視化」がプロダクトで表現できることが理想です」

萩原「顕在化しているwillはもちろん、潜在的なwillも引き出し支援する。特に後半の潜在的な「willの言語化」の部分が非常に重要でチャレンジングなキーワードだなと思いました。このチャレンジにおいて、どのようにテクノロジーを活用して取り組んでいくか?について今考えているプランはありますか?」

朝倉「例えば、Mystarで関われる期間は6か月間だけですが、その後も人生は長期で続きますし、病気ともうまく付き合い続けていく必要があります。病気を抱える方の中には、将来のライフプランが想像できずにどうしても思考が「今」に閉じてしまう方もいらっしゃいます。そうした方に対しても今の健康づくりを長期で続けることでどのような効果が期待できるか?やお孫さんの結婚式に出るためには?などライフイベントと紐づけて将来を想像できるような仕掛けをプロダクトの中で表現するなどもチャレンジしたいと考えています。」

萩原「確かに6ヵ月の健康づくりの取り組みの中で、伴走する医療専門職ともう少し先の未来を一緒に想像したり、その後の人生を具体的に感じる中で希望を見出すことができると素敵ですね。疾病発症予測シミュレーションや健康づくり効果の可視化というと味気ないですが、それ以上の明るい未来を想像できるプロダクトになっていくとPREVENTが作りたい世界観に繋がりますね!」

行動変容を加速する

萩原「もう一つのミッションである『行動変容を加速する』についても聞かせてください。」

朝倉「Mystarのサービスでは、主に医療専門職がユーザーとのコミュニケーションの中で行動変容を支援します。この過程でプロダクトが価値を発揮できるポイントは3つあると思っています。一つ目は、行動変容が最速で起きる仕組みをつくること(スピード)、二つ目は、行動変容が起きるユーザーの数を増やしていくこと(ボリューム)、最後に行動変容による健康行動の量を最大化すること(効果量)の3つです。」

朝倉「開発部としては、このスピード、ボリューム、効果量の3つの最大化をもってPREVENTからユーザーに届ける行動変容のスループットを増やすことに貢献したいと思っています。スループットとは、コンピュータやネットワーク機器が単位時間あたりに処理できるデータ量やデータ転送速度などを示します。Mystarの文脈で言うと、PREVENTがMystarを通してユーザーに健康を届ける“速度”や“総量”の最大化を目指すことをミッションとしています。」

萩原「なるほど。プロダクトで今のサービスの価値に掛け算をしていく役割をするということですね?」

朝倉「そうです。今のMystarアプリは、①チャットや目標表示などの『コミュニケーション機能』と②日々の生活習慣を記録し可視化する『ライフログ機能』の大きく二つの機能を持っています。ここに健康を促す効果はなく、医療専門職とユーザーを繋ぐことによってはじめて健康を生み出す効果が生まれています。」

朝倉「これからは、ユーザーと医療専門職の間に位置するMystarというプロダクトを介することによって、健康行動・行動変容の効果が増幅する、掛け算を生み出していけるよう開発を進めていきたいと思っています。」

萩原「これまでは、データを通過させ適切に届けるイメージが近かったですし、次のステージのチャレンジになりますね。」

朝倉「そうです。これまではMystarが生活習慣改善支援のサービス自体の抵抗にならないような取り組みが中心でしたが、蓄積されてきているデータにもとづいたアルゴリズムの開発や情報の可視化・強調、健康行動を促進する新しい機能追加などによって、行動変容のスループットを増やしていきたいと考えています。」

萩原「まさに『行動変容を加速する』をミッションとして、プロダクトで健康を生み出していくフェーズにワクワクします。」

今後の開発組織の成長戦略

萩原「最後の質問ですが、この2つのミッションは新しいチャレンジですし、実現に向けては、組織の成長も非常に重要になってくるように思います。今後の開発組織の成長戦略を聞かせてください。」

朝倉「組織の成長戦略については、自分自身もまだ正解が見えてなく、非常に頭を悩ませているところであり、メンバーとともに作っていこうと思っているところでもあります。ただ、一つ思っているのは、「モノをつくる」のではなく「コトを成す」ことができる組織体型にしていきたいと思っています。」

朝倉「『このプロダクトを作っています』はエンジニアの仕事ではあるかもしれませんが、あくまでプロダクトをつくることはHow toの部分であり、ユーザーやクライアント、もしくは社内のメンバーが抱えるイシューを解像度高く深く理解し、その解決に責任をもつチーム構造に変えていきたいと思っています」

朝倉「これはあくまで『チーム』の話です。エンジニアやデザイナー一人ひとりには専門性や強みがあります。その専門性や強みを補完しあうことによって、共通のKPIや解決すべきイシューもったチームとして、同じベクトルで取り組めるような体制をイメージしています。」

萩原「弊社の特徴として、エンジニアや医療専門職のみでなく、ホスピタリティの非常に高いカスタマーサポートチームやコンサルティングに長けたセールスチームなど多岐にわたる専門性の高いスタッフが多く在籍していますからね。また、ほとんどのプロジェクトが部門横断的に課題ベースで招集されているのもPREVENTならではのようにも思います。」

朝倉「そうなんです。その専門性をうまく融合させて、エンジニアのみでは完結しないプロジェクトチームでのコラボレーションやその専門性をうまくプロダクトに落とし込むことでKPIの達成やイシューの解決に向かっていく、そのような組織への移行が開発部ミッションの達成には不可欠だと思っています。」

萩原「ありがとうございます。私も他のチームや全社を巻き込みながら開発チームが高いパフォーマンスを発揮できるよう支援していきたいと改めて思いました。」

萩原「今日はお時間をいただいてありがとうございました。2つの開発部ミッションの設定によって、開発部が何に向かって、何を解こうとしているのか非常にクリアになっていくように感じました。」

朝倉「こちらこそありがとうございました。」

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