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商業登記リーガルテックにおける3つの課題とチャンス

Photo by Scott Graham on Unsplash

前回のストーリーでは、知られざる登記リーガルテックの世界と題して、まだなじみの薄い商業登記(その中でも会社設立以外の、会社に変更が生じた時の登記申請)について紹介しました。

今回は、もう少し深堀りして変更登記という行為における課題や、課題の裏側にあるチャンスについて紹介したいと思います。

課題①登記ニーズを喚起するのが難しい

会社の変更登記は、会社経営において発生した変更のうち登記申請が法律で定められているからこそ申請します。この制度があることで、社外の人でも登記事項証明書などを通じてその会社の状況を知ることができ、円滑な経済活動に貢献しています。

経済活動においては重要な制度ですが、変更が生じた会社の人(なかでも代表者)からすれば制度の重要性よりも「やらなければならないからやる」という感覚が一般的です。経営における施策において「やりたくてやる=やってもやらなくても何も言われない」ことと「やらなければならないからやる=やらないと何らかの不利益がある」という分類があるなら、登記申請は後者に相当します。

最近はBtoBのサービスのテレビCMを見る機会が増えました。これらサービスは「気づいていないけどよく考えたら必要だな」「今のうちに始めておいたほうがよさそう」というように、CMによる認知を通じてニーズを喚起してWebサイトへの来訪などのアクションに繋げますが、登記申請は「今はニーズがない人に気づきを与えて態度変容につなげる」ことが難しい手続きといえます。

課題②利用頻度が限定的

とはいえ、世の中には「やらなくてはならない」ことを支援するサービスはたくさんありますし、その不便や不満を解決するサービスであれば使っていただけます。ただし、このような行為は使う人のモチベーションには期待できないので、やらざるをえない機会がどれだけ頻繁にあるかに左右されます。

変更登記申請では、役員変更や本店移転といった、比較的頻度の高いものでもせいぜい1〜2年に一度。つまり「やらなくてはならないけど、たまにしか発生しない」タイプの行為なのです。

テレビCMなどで大規模な認知獲得を行う場合、費用の回収のためにもLTVが計算しやすいビジネスモデルであることはマストになってきているともいえますが、登記は上記のような理由からどうしても利用機会が限られるという特性があります。

課題③不満やノウハウが蓄積されにくい

上述したような理由から、変更登記はそれをしなければならない人にとって確かに不満ではありますが「たまにしか発生しないし、その時を乗り切れればいいや」となりがちです。

「なんとしてでも解決したい!」という原動力になるほどのネガティブな感情がたまりにくかったり、個々の工夫がノウハウとして蓄積されにくいのです。そもそも司法書士に依頼すれば、不満すら発生することもないかもしれません。

でもこれら3つの課題はチャンスの裏返しでもあります

こんな課題を目にしてしまうと「変更登記って魅力のないマーケットなのかも・・」と思われるかもしれませんが、実はこれらはチャンスの裏返しでもあります。

ノウハウが蓄積されていないので、それをサービス化しようとするプレイヤーは限られますし、普通にプロモーションしようとすれば費用対効果も合わないかもしれません。サブスクリプションでの提供には合わず利用頻度を高めることも難しい・・

こんな状況がちょっとした参入障壁になっているともいえるのです。認知を増やし、潜在的に登記申請する接点を増やすことで独占できる可能性も十分あります。この先行者のいないマーケットに興味を持たれた方、ぜひお気軽にお話できればと思います。

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