私は現在、株式会社ピープルズのデザインアート雑貨事業の中で、新しいアートの楽しみ方を提案していくさまざまなプロジェクトを進めています。「アート」と聞くと、なんとなく格式高くハードルが高いものというイメージがありますが、もっと身近で日常に取り入れやすく、いろいろな楽しみ方ができるような、新しいモノやサービスの可能性を模索中です。
コロナ禍において新たに生まれたプロジェクトの一つに、アートポスターを販売する「LinkArt」というECサイトがあります。おうち時間の増加やリモートワークの普及によって、家で過ごす時間を快適に、自分好みの空間を作りたいという意識が高まる中で、その日の気分やシーンに合わせて気軽に楽しめるアートを提案したい、という、ある社員による新規事業アイディアが実際に採用され、2020年にスタートしたものです。現在90名以上のアーティストが参加して、約400点の作品を掲載しています。
いわゆる、インテリアショップなどでよく見かけるような、シンプル・モダン・北欧、といった、馴染みやすいスタンダード路線ではなく、それぞれのアーティストの個性を楽しめるような作品が集まっています。アーティストの知名度もさまざまです。単に他のショップとの差別化という意味だけでなく、たくさんの種類の中から自分だけのお気に入りを見つける楽しさを感じてもらいたい、そういったアーティストや作品と出会える場所でありたいという思いがあります。
また昨年末には、LinkArt初のイベントを京都で開催しました。たくさんのお客様にご来場いただき、また新たなアートの可能性を感じることができました。今後はアートポスターにとどまらず、日々のファッションを楽しむような感覚で、幅広い層の方がいろいろな角度から楽しめるようなものを生み出していきたいと思っています。
こういったプロジェクトを進める中で、私も自分なりのアートの楽しみ方を模索しています。もともと、ポストカードやショップカードを集めては壁に貼ったり吊るしたり、そうやって自分の好きな空間を作るのが好きでした。それと同じように、好きな色の額を買って、お気に入りのアーティストの作品を飾り、季節に合わせて中身を変えたり、飾る場所を変えたり、次はどれにしようかなと悩んだり、、そんなふうに好きなことを考えている時間は楽しく、日々の中でそんな時間が少しでもあるだけでちょっと一息つけて、自分の心にも少し余裕が持てるような気がします。
これから私たちが生み出していくものも、誰かの日常をちょっと豊かにできるといいなと思いながら、また目の前のことをひとつずつ、確実に形にしていくために、進んでいこうと思います。