パラレル社は、ほぼノンプロモーションでリリースから1年半で100万登録者を突破、韓国・米国・東南アジアでも順調に成長を続ける「パラレル」というアプリを運営する会社です。「パラレル」は友達と遊べる通話アプリで、既に日々数十万人のユーザーが友達と繋がり、オンライン上のコンテンツを楽しんでくださっています。
直近、シリーズBで12億円の資金調達を完了したパラレル社のメンバーを紹介するコーナー。今回は、パラレル創業メンバーの一人であるエンジニアを紹介します。
【奈良 拓海(なら たくみ)】高校生でプログラミングの可能性と楽しさに目覚め、独学1年目で単身出場したハッカソンで最優秀賞獲得。専門学校1年時にパラレル社にインターン生として参画。情報系専門学校を中退し、2018年1月19歳という若さでパラレルに創業メンバーとして入社。一人目エンジニアとしてフロント・バック・インフラ全てを担当。
就職に向けた実績づくりのためパラレルへ
ーーーパラレル創業メンバーとのことですが、最初にパラレルを知ったきっかけを教えてください。
高校生でプログラミングの可能性と楽しさに目覚めて、独学1年目で単身出場したハッカソンで最優秀賞獲得したりしました。高校卒業後は、情報系の専門学校に進学し、同世代で学生起業した人のシステム開発を手伝うなどしてました。
専門学校の場合、就職するためには1年生のときにインターンで実績をつくっておく、というのが暗黙の了解になっているのもあり、就職のための実績づくりができるインターン先を探していました。そこで、パラレル社共同代表のジョーさんに声を掛けてもらったのが、パラレル社を知ることになったきっかけです。
ーーーパラレルでインターンしようと決めた理由はなんだったんでしょうか?
都内の会社でインターンするとした場合、実家から往復4時間かかってしまうことが、当時非常にネックだったんです。時間がもったいないなと思ってました。ジョーさんに相談したところ、当時リモートワークが一般的ではなかったのもあり、オフィスはダメだけどうちに泊まっていいよと言ってくれたんです(笑)
当時、学生でいろいろな制約があったので、こちらの意向に対して柔軟に対応してくれたのは、結構大きかったですね。
創業まもないパラレルオフィス
スタートアップに魅せられ、専門学校を中退し創業メンバーへ
ーーーそのインターンを通じて、なんと19歳の若さで4人目の社員として入社したと、、、!どんなところが魅力的だったんでしょうか?
まず、エンジニアとしての実務経験が大してあったわけではなかったのですが、エンジニアとして何でも任せてくれてチャンスを与えてくれる環境があったからです。
インターンをする前は、パラレルで実績をつくって、一般的な会社に就職するものだと自分でも思っていましたが、インターンをする中で”どれだけ若くても、大きなチャレンジがしやすいスタートアップって魅力的だな”と思うようになっていったんです。結果的に専門学校は中退することにしたので、もちろん親には反対されましたが、、、(汗)
あとは、昔からC向けサービスをつくってみたいという思いが強かったのですが、その思いは、パラレルの代表2人の考えと通ずる部分があったんです。
LINEやTwitterってどうやってつくるんだろう?というところから、自分自身が技術について学び始めましたし、そのような皆に使われるサービスをいつかつくりたい、という思いがモチベーションになって、ひたすら独学でプログラミングを学び続けてました。当時、エンジニアが自分しかいなかったのと学校も中退したので、独学以外の選択肢がありませんでした。
ーーー入社当時~今までの役割を教えてください。
当時から今まで、変わらずプロダクト開発業務全般を行っています。
今の「パラレル」が出来る前、何度もプロダクトをピボットしていますが、いずれのプロダクトにおいてもユーザーに届ける前のサーバー、クライアント、インフラなど、分野問わず設計~コードを書くということをしていました。
手を動かして開発するものがないプロダクトの構想検討の段階では、リサーチしたりもしていましたね。
今のパラレル社は、様々な分野のスペシャリストエンジニアが続々と集まってきているので、開発体制自体は少し変わった部分もあります。具体的には、iOSやAndroid、サーバー、音声といったように、それぞれのエンジニアがメインで担当する領域ができつつありますが、以前からのカルチャーである”皆がやれるところを全部やる”という考え方は残っています。
それぞれ技術力が高い方が集まっているので、一緒に仕事をすることで本当に刺激をもらってます。
”誰も注目していない大きなニーズ”を見つけるのが得意な会社だった
ーーーパラレル社で働くことで感じた、この会社の強みはなんだと思いますか?
”スタートアップ”というと「こんな世の中にするんだ!」という、比較的ビジョン先行で事業をつくるイメージがありました。ただ、この会社に入ってその考えが変わりました。
パラレル社はこれまで、様々なプロダクトをつくってきましたが、いずれのプロダクトも、”世の中に実は存在していた深い課題”をしっかり見定め、その課題に対する解決策を粛々と提供していく事業開発スタイルだと感じています。”世界を獲る”という大きなビジョンも大切にしながら、それ以上に足元もしっかりみているイメージです。
特に、設定する課題が毎回、”まだ誰も注目していないけれど、実はユーザーペインが大きい”ものなんです。「パラレル」の前につくっていた、とあるプロダクトのインサイトは、「SNSの普及にともなって、”いいな”と思ったものをスクリーンショット内にためることが多くなり、本当は自分自身の関心があることはスクリーンショットに詰まっているのに、整理されていないがゆえに、取り出したいときに取り出せない」でした。
このインサイトはユーザーインタビューから発見したもので、このインサイトに対してプロダクトをつくったのですが、結構なユーザーの方に支持いただいたんですよね。ユーザーを熱狂させるプロダクトをつくるのが得意な会社だな、ということを昔から感じていましたし、今提供している「パラレル」のユーザー熱狂度は過去のプロダクトと比較しても圧倒的だと思います。
Z世代の1回の利用時間(通話時間)が長いのがパラレルの特徴です
自然に伸びていくユーザー数が、過去のプロダクトと圧倒的に違った「パラレル」
ーーーユーザー熱狂度が特徴的な「パラレル」ですが、世の中には”まだパラレルの可能性が信じられない”という方もいると思います。その点どのように感じますか?
歳原さんのインタビューでも語られていますが、パラレルは、スマホゲームをしながら通話をしたときに発生する音質の悪さに着目し誕生したサービスです。ゲーマーじゃない方からすると、一見、それが解決されて何が良くなるのか理解できないと思います。正直僕も最初は理解できませんでしたが、実は深い課題だったんです。実際、ゲームオタクと呼ばれる人たちからしても、最初は”問題だと感じていない”ものでしたが、実は解決されてほしいと深層心理では思っていたものだったんです。
ユーザーペインが大きいものと分かったとはいえ、僕自身も音質が良くなったことがどれぐらいすごいことなのか?本当にユーザーにとって良いことなのか?というのが実感できなかったのですが、あれよあれよとユーザー数が日々どんどん増えて、明らかに過去のプロダクトのユーザー数の伸び方と違ったんですね。これは、人々の本当の課題を解決するプロダクトができつつあると実感した瞬間でした。
ーーーパラレルを今後どのようなプロダクトにしていきたいと思っていますか。
次のSNSになるポテンシャルがあると信じているので、よりマスに使われるプロダクトにしていきたいと思っています。フォートナイトがSNSになってきているという話が生まれてきている通り、マクロ的な世の中の流れにパラレルはのっていると思いますし、”同時接続”という時代のキーワードに合致していることも強みだと思います。
パートナーシップの話もいただくケースが増えてきて、世の中の人たちがパラレルに振り向いてくれてき始めた感を強く感じています。
ーーー最後に、今後パラレル開発において注力したいと思っていることを教えてください。
一般の人たちが熱狂してくれるプロダクト開発をし続けることが自分の目標なので、そのために、パラレルを、よりストレスなく仲の良い友達とつながれるような開発に注力し続けたいと思っています。
具体的には、今ある機能の改善や安定化を磨きこむことでプロダクト全体の品質を上げること、オンラインでコミュニケーションする良さに気付いてもらうための新規機能の開発に自分としても、開発チームとしても力を入れていきます。