2020年4月7日、新型コロナウイルス対策として緊急事態宣言が発令。
そしてこれを書いている5月4日、正式に緊急事態宣言の延長が発令された。
緊急事態宣言の延長を受けて、私は休業していたお店の再開を決めた。
目次
- 休業宣言はどこよりも早かった
- 現代を生きるアーティストの役割
- そしてなぜ今、再開するのか
- 僕らは絵を描くだけの会社じゃない
休業宣言はどこよりも早かった
私のお店は2020年3月26日に休業宣言をした。
緊急事態宣言が出る10日も前のことだ。
うちは小売店。クラスター化が指摘されていたクラブディスコでもキャバクラでも居酒屋でもない。しかもアートのセレクトショップという特性上、時間帯によって混雑するタイプの店でもないから限りなく感染リスクは低い。
でも、どこよりも早く休業を宣言した。
その理由は、現代社会に生きるアーティストとして「コロナと戦う姿勢」を見せつける為だ。
現代を生きるアーティストの役割
アーティストの存在意義はこの国ではまだ小さい。
気持ち悪い連中が政治のプロパガンダにアートを利用して、それを美術雑誌も嬉しそうに取り上げる。業界もクソみたいだ。
だから一般の人にアートは相手にされていない。辛辣だが真実だ。
でも僕はアートの可能性を信じている。これも真実だ。
こんな複雑かつ先が読めない現代だからこそ、アーティストの存在意義は増している、と常日頃から叫んでいる。
なぜなら、アートやアーティストは学者でも予測できない未来を誰よりも早く指し示し人々を導く「時代のリーダーシップ」を取る職業だからだ。
作品という形でオピニオンを示すのは事業や政治よりも早く動けて、文章よりも直接的に人の感情に訴えることができる唯一の職業だからだ。
かつての吟遊詩人のように時代を導くのだ。
だから僕らは感染リスクが低い小売店でありながらも、いち早く、補償がどうとかなんて置いておいて「みんなでコロナと戦おう」というメッセージを発したかった。それが現代のアーティストの役割だと考えた。
そしてなぜ今、再開するのか
だが、今回の緊急事態宣言の延長を受けて、店の再開を決めた。
次に必要な動きは出口戦略だ。その中で、誰かが率先して再開を進めなければならない。正しく気を付けて、経済を復活させながらウィズコロナからアフターコロナに移行しなければならない。
現状、交通事故の方が怖い。だけど、交通事故を恐れて外出しないなんて人はいない。赤信号では止まり、横断歩道を歩き、交通事故に遭わないように気をつける。
コロナも同じことだ。それぞれが自分で考え、自分で対策し、自分で気を付けて行動する、そういうフェーズに移行しなくてはならない。だけど、この国ではなかなかそのフェーズに移行できないでいる。
だから現代のアーティストとして私は緊急事態宣言の延長を受けてお店の再開を決めた。もちろん、店内の換気や同時入店者数を絞るなど、正しく対策は行う。でも、人として生きることも取り戻すべきだ。お上の指示を待つのではなく、自らが考え行動すべきだ。
僕らのお店の再開という行為は売上のためでも、従業員のためでもなく、現代のアーティストとしてアフターコロナへの移行のメッセージを発するアート作品なのだ。
僕らは絵を描くだけの会社じゃない
弊社の行動指針「僕らは絵を描くだけの会社じゃない」。
現代のアーティストの役割は絵を描くだけじゃなく、その時代に生きる人々にメッセージを発し続けること。時代のリーダーとして、あるべき姿を見せ続けること。
だから、このようなアートを制作するのと同時に、お店を開けるという行動でコロナと戦う姿勢を、メッセージを発する。
アーティストは賢いんです。
アーティストは凄いんです。
アーティストは強いんです。
それを僕らが証明していくよ。
【OVER ALLs STORE 営業概要】
場所:東京都目黒区下目黒5-2-17
営業時間:平日13時〜20時、土日祝11時〜20時
定休日:月曜、火曜
2階アトリエスペースnullは長時間の密集状態となる可能性が高いため引き続き休業します。