※2022/10/26に配信したnoteの転載です。
NOT A HOTELは2020年4月に設立し、2025年度中までに約30拠点の展開を見据えて事業開発や販売を進めています。今回のnoteではCFO江藤から、NOT A HOTELが持つ可能性や事業開発・営業戦略、そして採用についてお話しします。
このnoteは2022年9月26日に開催された「《採用イベント》0→1期の事業開発・営業戦略の裏側の裏側|NOT A HOTEL TALK #02」でお話しした内容を再編集しています。
写真:NOT A HOTEL AOSHIMAのCHILLからの眺め
NOT A HOTELのビジネス領域について
NOT A HOTELでCFOを務める江藤大宗と申します。前職では外資系証券会社にてインフラストラクチャー企業をメインに、IPOやM&Aの支援に11年間ほど従事してました。長く金融の世界に身を置いていたのですが、代表濱渦との出会いがあり創業期からNOT A HOTELに参画しています。
CFOという役職ではありますが、現在は資金調達に加え、経営企画、事業開発、セールス、オーナーリレーションシップ、カスタマーサクセスなどNOT A HOTELを開発して価値をお届けするまでの幅広い範囲を担当しています。
今回取り上げる事業開発・セールスチームには不動産開発領域のBizDevやセールス、さらにはNFT領域の事業開発などを担当するさまざまなメンバーがいます。(10月現在で10名在籍)
日本経済を成長させる「らしさ」という武器
小さい頃から九州の田舎町(離島)の出身であった祖父母の影響を強く受けて育ちました。自然と「日本人であることを誇れる国であり続けたい」という想いが強く根ざしております。外資系証券会社に勤め日本を外から見続ける中で、「日本らしさ、日本人らしさ」というものを追い求めていた気がします。
NOT A HOTELを立ち上げていくに当たっても、日本生まれのこのスタートアップで「自分たちも気づけていないような日本の良さを再発見、再定義して広めていきたい」という想いがあります。
戦後、日本はものづくり、経済を基軸として発展を遂げて来ました。そして、これからは観光立国を目指すというのが国としての戦略です。観光立国というのは、景勝地や観光地など人の集まる場所にホテルを建てるというものではなく、日本としての「らしさ」を磨いて日本中・世界中に広めていくことだと考えています。
写真:青島神社
「NOT A HOTELらしさ」とは?
僕が考えるNOT A HOTELらしさ、について4つの観点でお話しします。
1. 人に愛されてきた土地を受け継ぐ
NOT A HOTELを建設する土地の選定は、アクセスや景観など、戦略上の検討すべき点に加えて、「その土地が人に愛されてきたかどうか」ということを一番大切にしています。
例えばNOT A HOTEL AOSHIMAが建つ青島の土地は、宮崎県の国定公園の敷地内です。かつて1960〜1970年代に新婚旅行ブームで観光名所となった場所で、実際に僕の祖父母も新婚旅行で訪れた場所です。そんな場所も時を重ねる中で、人が離れ、廃墟となり、既存大型ホテルが取り壊されてからは、長年更地となっていました。そんな時に地域で立ち上がった青島の再開発プロジェクトに、宮崎県出身の濱渦が応募したことがNOT A HOTEL始まりとなっています。ここまで宮崎県や宮崎市そして青島地域のさまざまな方のご協力を得て、竣工・サービス運営開始にたどり着くことができました。
写真:(左)着工前の様子、(右)現在の様子
NOT A HOTEL NASUがある那須の土地は馬が20頭いる広大な牧場です。長らく個人のオーナーが乗馬を楽しむための別荘施設として運営されていました。一度訪れた人を惹きつける強い魅力を持った土地なのですが、コロナの影響もあって維持が難しくなったところを僕らが引き継がせていただきました。牧場の大自然を見渡せる土地に建築を建てています。
まだ何も建っていなかった頃に那須の土地を、家族と友人で訪れた時にこの写真を撮りました。奥さんと愛犬が散歩していて、奥では友人が乗馬を楽しんでいる。この景色を見たときに「大切なひとが幸せそうに過ごしてくれる場所」の力を感じました。何気ない風景ですが、この時に湧いた感情が僕がNOT A HOTELに携わる大きな原動力になっています。
写真:まだ何も建っていなかった頃の那須の土地
NOT A HOTELの各土地については、それぞれかなり思い入れがあるので今回は語りきれないのですが、石垣島、北軽井沢、水上など各土地にストーリーがあります。土地を受け継いだ後も元のオーナーさんの意志を引き継ぎながら、一緒にプロジェクトをつくっています。
用地の取得については土地を購入して自分たちの所有物にしているという感覚ではなく、土地を大切にされてきた元のオーナーさんから引き継ぎ、次のオーナーさまにお渡しするまでの間をお預かりしている認識です。
写真:(左)NOT A HOTEL ISHIGAKI、(右)NOT A HOTEL MINAKAMI
2. NOT A HOTEL≠不動産
NOT A HOTELの特徴は建築・ソフトウェア・サービス運営の3本柱でこれまでにない「あたらしい暮らし」を提供すること。そして拠点が増えるごとに、オーナーさまに提供できる暮らしの選択肢の幅が広がっていくことです。
建築にソフトウェアとサービスが組み合わさることによって、不動産という枠組みを超えた体験を提供しています。購入金額は高額となりますが他では実現できない体験でオーナーさまの期待値を越えていくという覚悟を持っています。
そして、3本柱を束ねる役割がビジネスデベロップメントやコーポレートという機能だと思っています。横断的な視点で「NOT A HOTELらしさ」にこだわり抜き、お届けしていく手段を常に考えています。
3.信頼で成り立つ事業サイクル
NOT A HOTELでは竣工前または着工前に、パース(完成予想CG図)の段階で販売をします。これによって資金繰りの前倒しが可能になり、NOT A HOTELはより自由度を持った開発が可能となります。オーナーさまに対しては先に投資をしていただくことで独自性の高い建築(間取り、デザイン)や、こだわり抜いた設備・体験をご提供することができます。
実際に昨秋にNOT A HOTEL AOSHIMA・NASUをオンラインで販売開始した際も、販売初日に15億円分の注文がありました。僕らはオーナーさまから資金と信頼をお預かりして、それを糧に建物やサービスを組み立てています。この信頼関係を継続させていく唯一の方法が、良いものを創り続けるということです。
オーナーさまと私たちの信頼関係に基づいた事業サイクルが、NOT A HOTELのビジネスモデルの特徴の一つです。
4.販売方法の多様化とNFT
僕たちは不動産の「シェア購入」(一室を毎年30日から最大12名のオーナーで共同所有)を可能にすることで別荘を持つことのハードルを下げたり、暮らす場所の選択肢を広げたりする取り組みをしてきました。
毎年30日でも数千万円する不動産ですので、手に取りやすいとは言いにくいかもしれません。そこでより多くの方にNOT A HOTELを体験していただくために開始したのがNOT A HOTEL NFTです。このメンバーシップはシンプルに言ってしまえば、47枚綴の宿泊利用券と同じです。そこにブロックチェーンを活用し、「利用券」を、不動産の「所有権」に近づけるというチャレンジをしています。
不動産の売買には様々な規制法や手続きがあり、NOT A HOTELを1日単位の不動産(所有権)で販売することは運営負荷の限界があります。NFTで利用権としての販売であれば、重要事項説明や不動産登記などの手続きを解消することができます。それによってプライマリーの一次流通でも買いやすくなる他、二次流通以降も自由に取引されていくことが想像できます。
不動産の所有権ではないため未利用時のキャッシュバックなどは発生しないのですが、その分通常のNOT A HOTELと比較するとかなりお得な価格で販売をしています。このようにメンバーシップホルダーからしても、NFTならではのメリットがあります。
NOT A HOTEL NFTは初回購入してリビールした後に、日付が付与される仕組みになっています。そのためリビール後の二次流通の際には、売主の意思ではなく顧客の意思でその価値が大幅に上下するという特徴があります。(例えばクリスマスや誕生日など)
これまでホテルの宿泊価格は、ホテル運営会社側やOTAが中央集権的に決めていました。そこにNFTを活用することで、マーケットにいる顧客が自由に金額を決めて売買していくような世界が来るんじゃないかと思っています。NFTの面白さはそういった部分にあるのかなと感じています。
NOT A HOTELの収益の仕組み
NOT A HOTELの収益の仕組みを簡単にご説明します。
画像:ビジネスモデル(イベント資料より抜粋)
1. イニシャル売上
NOT A HOTELの初期販売額です。不動産販売・NFTでの利用権販売のいずれでも必ず発生する売上です。
2. ストック売上
アプリやスマートホームに関するソフトウェア利用料と、掃除や施設管理などが含まれた管理収入です。不動産の引き渡しから、オーナーさまには管理費をお支払いいただき、その費用でサービス運営の受託契約をします。これによって売上が毎月立つ仕組みです。
3. トランザクション売上
ホテルにゲストが宿泊された際の宿泊費の売上や、オーナー・ゲストが滞在時に利用した飲食やテスラレンタルなどサービス利用に対する売上です。
事業成長の要は拠点数とオーナー数
画像:事業成長における課題と打ち手(イベント資料より抜粋)
NOT A HOTELのビジネスチームでは「拠点数の拡大」と「オーナー数の拡大」という2軸で事業拡大を行っています。これをリボン型のモデルと表現しています。
図の左の拠点拡大はビジネスデベロップメントが担当していて、拠点の開発や新規パイプラインをつくっていくところを推進しています。
右側のオーナー数拡大のところでは、それらの拠点をどのように多くの方に手に取っていただけるかというところに挑戦しています。NFTにおいても、まさにこのオーナー数をどれだけ増やしていけるかという問いに対するアンサーの一つです。一つの物件をひとりのオーナーに所有いただくこともできますし、360分割して360人の手に取っていただくこともできます。
リボンなので左右のどちらかだけが大きなりすぎるとバランスが悪くなってしまいます。しっかりと左右が結ばれてる状態を作っていくために、この両側をしっかりと回していきたいなと思ってます。
チームがカバーできる領域を広げたい
画像:チームについて(イベント資料より抜粋)
最後に採用・チームづくりの考え方についてお話しします。拙い図ですが真ん中の円を僕自身だとしたときに、僕と円の重なるところが多い人というよりは、違う強みを持った人たちに入ってほしいと思っています。誰かが新しく入るたびに、チームのカバーできる守備範囲がどんどん広がっていくようなイメージです。
僕らは暮らしをつくっていく企業なので、その人が「これまでどういうふうに生きてきたか」という経験や価値観がこのサービス設計にそのまま生きる、という特徴があります。
違う言い方をすると「人生経験で使えない経験はない」と思っています。いろんな人のこれまでの生き方や価値観みたいなものをレバレッジして、事業に一緒に取り組めればというふうに思ってます。
仕事の時間が人生のプラスになるか
僕が採用のときに一番重視してるのは「NOT A HOTELに携わる時間が、その人にとって人生にプラスになりそうかどうか」ということです。その意味でも「これまでの経験値」以上に「これから何をしたいか」の話をすることが多いです。
その人がNOT A HOTELで働いてる時間は幸せだと思ってもらいたいですし、逆に新しいチャレンジをしたいと思ったときには、チームとしても企業としても、僕個人としても応援をしていきやすい環境にしていきたい。新しいチャレンジに社内外で取り組みやすい環境に企業としてもしていきたいなと思っています。
誤解を恐れずに言えば、僕個人としては「好きな時に入れて好きな時に辞められるような会社」(戻ってくるのも歓迎)が理想です。よく言われるNOT A HOTELマフィアみたいなコミュニティが将来的にできたら良いなと思っていて、一時期でもNOT A HOTELに関わってくれた人がいろんなところで活躍をして、その繋がりが巡り巡って再びNOT A HOTELに還元されていくような循環をつくりたいという強い思いがあります。
関わり方に関しても社員、パートナー、お客さまなどさまざまな関わり方の可能性があると思っています。ぜひNOT A HOTELにご興味をお持ちいただいた方は、気軽にご連絡をいただけるとうれしいです。
<江藤 大宗 執行役員CFO>1986年生まれ。福岡県出身。ラ・サール学園(中学校、高等学校)、慶應義塾大学環境情報学部(SFC)卒業後、JPモルガン証券にて投資銀行業務に11年間以上従事。M&A、株式引受業務(公募増資、売出し、IPOなど)の実務経験を積んだ後、エグゼクティブ・ディレクターとしてインフラセクター企業を担当。2020年8月、NOT A HOTELに参画。
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