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一つひとつの人生経験を生かす。ニジボックスの仲間と共に、より良い未来へ価値を提供していきたい。

元々は漫画家として、連載も持っていたという異色の経歴を持つ吉川さん。30歳を手前にキャリアチェンジし、ニジボックスに入社しました。入社後はイラストレーターとしての仕事の幅を大きく飛び越え、アニメーションの制作やプランニング、ディレクション、デザインやコーディングなど、幅広い業務に挑戦し、現在はマネジメントや組織戦略を行っています。インタビューでは吉川さんの人生の分岐点となったニジボックス入社の経緯や、仕事への向き合い方、今後の目標などをうかがいました。

30歳を目前に、キャリアチェンジ。多くの挑戦の機会に恵まれ、ここまで成長できた。

--ニジボックスに入社する前は、漫画家だったとお聞きしました。その時のお話とニジボックスに入社した経緯を教えてください。

子どもの頃から漫画家になることが夢で、大人になってからも漫画家のアシスタントをしながら夢を追いかけていました。2009年頃にようやく念願かなって連載が決まり、1年ほど雑誌の連載漫画を描いていました。その連載が終了した時、私の年齢は30歳手前。そろそろ定職に就くべきかもしれないと思い、たまたまイラストレーターを募集していたニジボックスにアルバイトとして入社しました。

--漫画家としての道を貫いていくこともできたと思います。異なる道へチャレンジしたのは、どんな思いからだったのでしょう?

そうですね…。もちろん、漫画家のアシスタントを続けながら次のチャンスを待つという道もあったのかもしれませんが、そうしませんでした。漫画家を続けたい気持ちと諦めなければいけない気持ちとで葛藤はありましたが、連載できたことで逆に壁が見えてきて、この先30歳、40歳になって漫画家として居続けることは自分には難しいかもしれないなと。一度は夢をかなえて連載することができたから、満足していた気持ちもありましたし、キャリアチェンジするなら30歳を目前にした今がラストチャンスかもしれないと考え、転職に踏み切りました。

--ニジボックス入社後は、どのような案件、業務に携わりましたか?

当時のニジボックスはゲームをメインに制作していて、私はゲームのキャラクターを描くイラストレーターとして採用されました。入社直後にアサインされたのは、有名なボクシング漫画のゲームアプリを制作するプロジェクトです。プロジェクトが始まればすぐにでもイラストを描く予定だったのですが、このプロジェクトがなかなか動かず、実は入社当初はけっこう暇でした(笑)。それで、空いた時間を使って他のプロジェクトの手伝いをするようになっていったんです。元々は手描きでイラストを描いていたんですが、この時にデジタルで描く技術を身につけ、アニメーションを制作したり、プランニングやディレクションを担当したり、さらにはデザインやコーディングまでやらせてもらいました。

--意欲的にさまざまな業務にチャレンジしていったんですね!そのような経験をされて、吉川さんはどう感じましたか?

とにかくいろんな業務を経験値0からスタートして、実際に手を動かしながら覚えていった記憶があります。周りから見れば大変そうだと思われていたかもしれませんが、むしろ私にとってはありがたかったです。お給料をもらいながら、いろいろなことを経験させてもらい、たくさんの挑戦をさせてもらい、成長していくことができる。今のニジボックスにも通じるところがありますが、とてもありがたい環境だなと思っていました。

さまざまな人生経験や過去が自分の軸に。無駄なことなんて、一つもない。

--現在の業務内容と、仕事をする上で心がけていることや大切にしていることを教えてください。

現在は、UXデザインや制作ディレクションを行う組織の室長と部長を兼任し、主にメンバーのマネジメント業務と組織の戦略設計を担当しています。プロデュースグループも兼任していて、案件によってはクライアントと直接やりとりを行うこともあります。クライアントと向き合う上で大切にしていることは、自分の中で揺るがない軸を持つことです。クライアントに提案をする時に、なぜこれを提案すべきなのか、なぜこのデザインなのか、という疑問に対し「なんか、かっこいいよね」というような表層だけではぶれていくし、なかなか本当の答えにはたどり着くことができません。例え正解ではないとしても、軸があれば、軌道修正していくことができるはず。何をするのにしても、この思いは大事にしています。

--そのような考えに至ったのには、何かきっかけがあったのでしょうか?

これといったきっかけがあるわけではなく、ニジボックスに入社してさまざまな案件を経験したことで少しずつ考えが固まっていったという感じがしています。強いていえば、漫画が原点にあるような気もしています。デザインやコーディングをしたり、クライアントに提案をしたりと、一見すると漫画からは離れてしまったかのように思われるのですが、表現をするという意味では今の仕事も同じだと思うんです。過去のどんな経験も、私にとっては財産。漫画家として生きる道ではなく、違う道を選びましたが、漫画家としての自分の軸があったからこそ、今があると信じています。どんな経験も、無駄なものは一つもないんだなと改めて実感しています。

--これまで携わってきた案件で、印象的だったものを教えてください。

特に印象的だったプロジェクトは、二つ。一つ目は、入社してすぐにアサインされたボクシング漫画のゲーム制作プロジェクトで、二つ目は、クライアントの新規事業プロジェクトへの参画です。ボクシング漫画のゲーム制作プロジェクトは時間に余裕があったこともあり、空いた時間でいろいろなことにチャレンジできたおかげで、結果的にイラストだけでなく、アニメーション、バトル設計まで携わり、リリース後もプランナーとして運用まで担当したとても思い出深いプロジェクトです。

--新規事業プロジェクトについても、教えてください。

地方で移動手段に困っている高齢者と車を運転できる地域住民とのマッチングを行う、移動支援サービスです。自動車のシェアリングサービスの先駆けとして知られているもので、開発ディレクターとして実証実験が終わった段階から実際に制作を行い、リリースするまで携わりました。制作を進めていくうちに途中でエンジニアがメンバーに加わり、徐々に制作に携わるメンバーは増えていきましたが、最初の段階では制作は私一人でしたので、それまで覚えてきた知識や技術を活用して自分でデモ画面を作り、ああでもない、こうでもないとクライアントと一緒にものづくりしていた記憶があります。サービスがリリースされ、最初のユーザーさんの助手席に乗せてもらった時は、本当に感慨深かったです。今でこそシェアリングサービスが活発になってきていますが、当時は法の規制が厳しく、クライアントが行政に交渉していた場面も間近で見てきていたので、リリースできた時は本当にうれしかったです。

仲間の成長やイキイキとした姿が、喜び。これからも共に成長し続けていきたい。

--普段は、マネジメント業務をメインに行う吉川さん。現在のキャリアを築いた経緯やきっかけについて教えてください。

新規事業のプロジェクトを担当し始めた時は、私はまだプレイヤーだったんですよね。その後プロジェクトメンバーが増えたことで立場的にリーダーになり、そこから自然とマネジメント業務が増えていったという感じです。「マネジメントをやりたいです」と声に出したわけではなく、いつの間にかマネジメントする立場になっていたというか…(笑)。ただ、やはり上長は私がマネジメント業務に挑戦すべきだと思ってくれたんでしょうね。マネジメント業務によって自分自身も成長できたなと感じる部分も多いので、これからも任せてもらっている以上、メンバーの育成にしっかりと力を注いでいきたいです。

--メンバーと接する上で大切にしていることやマネジメントについての考え方を教えてください。

この立ち位置になって、ビジョンを描くことの大切さを感じています。マネジメントとリーダーシップは一見同じように見えるかもしれませんが、全く違うものだと私は考えています。マネジメント業務をする上でマネジメント力を発揮しつつ、しっかりとビジョンを掲げ、そこに向かってメンバーをきちんと先導していくリーダーシップ力も必要なのではないかと思います。そして、私自身はまだまだこのリーダーシップ力を磨いていく必要があると痛感していて、日々勉強をしているところです。私はメンバーをぐいぐい引っ張っていくようなタイプではないのですが、自分がこれまで得てきたものや培ってきたものを生かし、自分なりのリーダー像を作り上げて、メンバーと共に成長していける存在になっていきたいと思っています。

--メンバーの育成においてうれしかったこと、印象的なエピソードを教えてください。

いろいろとありますが、最近ある現場チームの飲み会に参加した時のことが印象的でした。メンバーが数人くらいの頃からリーダーとして見てきたチームが、気づいたら20人を超えるような大所帯のチームになっていて、メンバー一人ひとりがイキイキとしていて、その姿を見ることができた時は、育っていく子どもを見る親の気分というか…(笑)。とても感慨深かったですね。

--ニジボックスをどんな組織にしていきたいかや、吉川さんの今後の目標やチャレンジしたいことを教えてください。

2021年、ニジボックスは新たなビジョンを掲げ、「全ての企業のサービスを成長させる」という、私たちがこれから進むべき方向性を定めました。その上で、UX・ディレクションの組織としては、より顧客のプロダクト価値を高められるような、ものづくりができる組織にしていきたいと考えています。そのゴールに向かってみんなを先導していけるよう、自分が誰よりもニジボックスという組織の当事者であるという意識を持ち、メンバーと一緒に成長し続けたいと思っています。そうしていくことで、ニジボックスが世の中により良い価値を提供していけたらと思っています。

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