Profile
プロダクト本部 導入コンサルティング責任者
松山 岳史(40)
芸大卒業後、ゲームの受託制作会社でプランナーを経験。プロ野球チームを作ろう!(やきゅつく)シリーズの開発や、全世界380万本を売り上げた家庭用ゲームソフトのメインプランナーも経験。その後、エレコム株式会社の新規事業部門にて、監視カメラの SaaS事業などの企画から開発、マーケティングやプリセールスまでを担い、大小30本以上をリリース。2021年にネクスタへ入社。
キャリアの始まりはゲームプランナー、ゼロから新しいものを生み出す面白さを知る
― 松山さんは、新卒入社でゲーム制作会社のプランナーになるという、珍しいキャリアを積まれています。就職活動当初から、プランナーを目指されていたのでしょうか。
芸大出身ということもあり、初めはビジュアルデザイナー等の職種で就職活動をしていました。しかし、選考に落ち続けてしまい、デザイナー以外の道を考え始めます。そんなときに、たまたま「家庭用ゲームのプランナー」という職種の存在を知りました。
ゲームプランナーの主な仕事は、ゲームの企画書や仕様書を作ることです。新卒採用の選考でも、まずは自分で考えた企画書を提出することが多く、私も何社か提出してみました。すると、応募したすべての会社から面接に呼ばれました。
― 企画書選考の通過率100%ですか!
はい、ありがたいことに。こちらの道の方が、自分には向いているんだと感じました。そして最終的に、大阪の受託ゲーム制作会社の老舗、株式会社ナウプロダクションに入社しました。
― 実際にプランナーとして働き始めてからは、どんなお仕事をしていましたか。
最初に携わったプロジェクトは、「プロ野球チームを作ろう!(やきゅつく)」というニンテンドーDSラインのシリーズの開発です。キャラの動きや必殺技の名前を決めたり、マップを作ったり、ゲームの細かい仕様を決めていく仕事をしていました。
― まさに、ゲームをゼロから作り上げていく仕事という感じですね。
現場は非常に忙しかったですが、良い経験になりました。特に、当時のPMから受けた指導は、大きな財産になりました。ゲームという、スクラッチアンドビルドの成果物を作り上げるために必要なことや制作の進め方を、基本からしっかり学ばせてもらえました。初めてのPMがあの方でよかったなと今でも思いますし、感謝しています。
― 初めての職場で、師に恵まれたのですね。
そうですね。あまり指導しないタイプの上司についた若手が、基本を理解できないまま仕事をしなければならず苦労する場面も度々見ていたので、私は恵まれていたのだと改めて感じました。
― 初めてのプロジェクトでプランニングの基本を学んだあとは、別のゲーム制作も担当されたのですか。
2年目になってからは、当時の人気アニメ「爆丸バトルブローラーズ」のゲーム制作プロジェクトでプランナーを務めました。2シリーズ目までの制作に携わり、全世界で約400万本の売上を生み出す作品となりました。
具体的な仕事としては、ニンテンドーDSやWiiといった各家庭用ゲーム機への対応、7ヶ国語に対応するためのローカライズ、UI設計などを担当しました。1作目は社内チームで完成させることができましたが、2作目はより規模が大きいプロジェクトとなり、外部委託のメンバーも参加しました。2作目はメインプランナーとしてプロジェクトに携わったので、より幅広くマネジメント経験を積めました。
― 2年目で世界規模タイトルのメインプランナー!関わるスタッフが増え、プランナーとしてもさらに忙しくなったのでは。
そうですね。それまでは2~3人の制作スタッフに作業を依頼することが多かったですが、2シリーズ目のプロジェクトでは、10人以上の制作チームへ依頼することもありました。プロジェクト全体のディレクションはディレクターが行いますが、依頼した工程のディレクションは私も行っていました。
― 入社2年目で、10人以上のディレクション経験。若手の裁量がすごいですね。
あまり若手に手をかけない職場という印象でしたが、若手に裁量があるというと良い響きになりますね(笑)。たしかに、やる気がある人にはどんどん仕事が集まる環境だったと思います。お陰さまで、1年目でゲームの基礎を叩き込んでもらったあと、2年目で幅広いディレクションを経験できました。
特に2年目に、外部スタッフと一緒に仕事をした際は、責任者が現場を理解することの重要さを学びました。一度、ゲーム作りの現場をあまり知らない外部責任者が指揮を取って、現場が混乱したことがありまして。途中で別の責任者が入り、納期ギリギリで間に合いましたが……現場を知らない責任者が人員だけ揃えても、プロジェクトはうまくいかないのだと身をもって知りました。
エレコムの新規事業部へ転職して学んだ、多面的な視点でプロダクト価値を高める重要性
― 大きなゲームタイトルのプランナー経験も積み、順調にキャリアを積んでいたように見える松山さんの新卒時代。しかし、その後エレコム株式会社へ転職されています。当時はなぜ転職を考え始めたのでしょうか。
一番大きな理由は、自社でサービスを開発する会社、いわゆる事業会社に行きたい思いがずっとあったからです。新卒でゲーム受託制作会社に入ったものの、本当は自社タイトルを開発する大手ゲーム会社に入りたかったんです。ゲーム会社でなくても、いつかは制作系の事業会社にチャレンジしたいと思っていました。
そのなかで、エレコムが新規事業立ち上げの求人で、ソフトウェア制作の経験者を募っていたのを見つけて応募、ご縁があり入社に至りました。
― エレコムといえばデジタル機器メーカーのイメージが強いですが、当時の新規事業部ではどのようなビジネスを始めるところだったのでしょうか。
求人内容としては、スマホ向けアプリを制作する新規事業がメインでした。2011年頃は、スマートフォンが普及し始めた頃で、Facebookやinstagramなどのスマホ向けアプリも徐々に浸透しつつありました。スマホアプリを開発する会社が増えてきているなかで、エレコムも新規事業としてソフトウェア分野を始めるタイミングでした。
とはいえ、部署自体は、ソフトウェアに限らずあらゆる新規事業を作り出すことが目的の部署です。スマホ向けアプリに留まらず、さまざまな新規事業の立ち上げに携わることになります。
― 念願の事業会社で、松山さんが得意とするゼロからのプロジェクト立ち上げができるとは、この上ない環境のように思います。どのような新規事業を立ち上げたのですか?
スマホ向けアプリ以外だと、ハードウェアとソフトウェアを連携するIoT関連のプロダクトも結構世に出していましたね。BtoC向けでイメージが湧きやすいものだと、ドライブレコーダーのビューワーソフトや、名刺や宛名ラベルをエレコムの印刷用紙で自作するためのソフトウェア「らくちんプリント」などを作りました。
― どちらも見たことがあります!
どちらも自社製品のハードウェアと連動して使うソフトウェアなので、エレコムのメーカーとしての強みを活かせる事業ですね。
BtoB向けでは、監視カメラとソフトウェアを連携させる人流解析サービスも、小売業向けに立ち上げました。この監視カメラ事業は軌道に乗り、会社としても注力していく方向になったので、営業から依頼を受けて商談に同行する機会もたくさんありました。
― 営業の方と一緒に仕事をする機会も多かったのですね。
そうですね。営業同行以外だと、新規事業部で作った新サービスの説明会を営業向けに行ったり、営業から開発相談を受けてソフトウェアを作ったりすることもありました。営業から頼まれた新サービスは、予算提示時に「高い」と言われることが多かったので、バトルすることもありましたね(笑)。
― 社内折衝の機会も多かったのですね(笑)。社内外と関わりながら新製品を生み出す仕事となると、前職のプランナー経験を活かせそうですね。
たしかに、一から新しいプロダクトを作り上げていくという面では、プランナー経験を活かせたかもしれません。さらにエレコムでは、プロダクト単体の価値だけでなく、総合的なプロダクト価値を高める視点も得られたと感じています。また、そのために必要な社外折衝の経験も数多く積めました。
たとえば監視カメラの設置には、設置・設定工事のための業者手配が必要なのですが、一つひとつの案件ごとに工事を依頼すると非常に高額になります。そうなると、お客様にとっては「費用が高いサービス」「競合他社のほうが安い」となり、プロダクトの競争力が下がってしまいます。
監視カメラで競合した大手企業のNTTやUSENなどは、組織的に工事契約をすることで、工事費用を抑えていました。この状況を受け、私も業者に対して組織的な価格交渉を行い、費用も含めたサービス価値を上げられるよう尽力しました。この「良いプロダクトをいかに低価格で提供できるか」という視点は、エレコムの新規事業部で身についたと思います。
― たしかに、どんなに良い商品でも、他社より価格が高いと選びづらくなってしまいます。
そこまで視野を広げられたのは、非常に良い経験になりましたね。新規事業の上流から下流までマネジメントする経験を通し、競合他社や協力業者の状況なども踏まえてビジネスを作る、マーケティング的な視点を学べたと思います。
製造業向けIoTサービス開発で、製造業DXの難しさを目の当たりにする
― 松山さんのエレコムキャリア後半の業務内容についても教えてください。
エレコムでのキャリア後半で、製造業向けソリューションの商品化に取り組んでいました。今思えば、製造業の入り口に立ったような経験でしたね。
― ここで、製造業と出会ったのですね。
はい。具体的には、製造業現場にあるアナログメーターのIoTサービスの開発に取り組んでいました。製造業の現場には今もアナログメーターが多く使われていまして、ガスの使用量や温度、水流など、さまざまな計測を行っています。それらをカメラで監視することで、計器点検をデジタル化するというソリューションです。今まで取り組んできた新規事業の中の、監視カメラ事業で用いていた画像解析技術を応用したものです。
アナログメーターの点検はすべて手作業で行う必要があり、非常に手間が掛かります。たとえば、東京ドームくらいの敷地面積になるような大きな工場では、点検して回るだけでも大変です。この点検をデジタル化し、現場を回る手間をなくすことで人件費を削減する提案をしていました。
このプロジェクトのなかで、製造業のお客様に足を運ぶ機会が増え、日本の製造業のリアルな現場を数多く見ることができました。
― 初めて足を踏み入れた製造業に対して、どんな印象を持ちましたか。
「より良いもの」を追求する中で、柔軟性のある企業が多いと感じましたね。アナログメーターの導入支援をしている際も、より良い運用をするために、途中で要件が変わることが度々ありました。要件変更でスケジュールを引き直す必要が出た際も、お客様側で何とか調整してくれることが多かったように思います。他業界のお客様では、初めに決めた条件を一切変えられないケースも多々あったので、対して製造業はフレキシブルな業界だと感じました。
この印象は、現在ネクスタで働いている中でも同じです。製造業において、改善のための柔軟性が現場にあるからこそ、スマートFのようにチャレンジングなプロダクトも受け入れてもらいやすいのかと思います。
一方で、製造業の現場でシステム化が進みにくい状況も目の当たりにしました。 日本の製造業は現場主義で、それが良さでもある一方、ITツールが馴染まず業務効率化の余地が残る企業もたくさんあると知りました。
ネクスタと出会い、圧倒的な優位性に「この会社は伸びる」と確信
― エレコムでキャリアを積んだ松山さんが、ネクスタを知るまでの経緯はどのような流れでしたか。
エレコムで9年間勤めたあと、2020年にヘッドハンティングで広告制作会社に転職しています。新規事業に携われるはずでしたが、コロナ禍によって新規事業に取り組める環境ではなくなり、再度転職活動をしていた際にネクスタに出会いました。
― ずばり、ネクスタに興味を持った理由は何でしょうか。
新規事業に携われることにくわえ、一言でいうと「この会社は絶対伸びていく」と確信できたことです。
エレコム在籍中、本当にたくさんの企業を見てきた中で、成長性のある企業の目利きがある程度できるようになっていました。ビジネスモデル的にも、代表の永原と話した感覚的にも、この会社はこれから確実に伸びていくと思えましたね。転職活動中に他のスタートアップ企業も受けましたが、ネクスタは別格でした。
― ネクスタが別格だと思えたのは、たとえばどんな点ですか。
特に競合優位性があると感じたのは、ネクスタの「製造と販売がどちらもできる」という点です。まず、経営者である永原に、システム開発と営業双方のキャリアがある。そんな経歴やスキルを持つ人は、そういません。
また、製造業DXいうビジネスがブルーオーシャンで、伸びしろが大きいという点も大きいですね。エレコム時代に、IT化が進んでいない製造現場を数多く見ていた経験からも、そこは確信できました。製造現場への訪問時、ホワイトボードで情報管理する様子を見たり、エクセルで管理している話を聞いたりしていたので。生産管理のソフトウェアの需要が確かにあると思えました。
システムを作ることも売ることもできるという大きな優位性をもって、製造業DXというブルーオーシャンでチャレンジしているネクスタ。当時は小さいスタートアップでしたが、確実にこれから伸びていくと思えました。
― 当時は今と比べて、従業員数や会社規模も少なかったのでしょうか。
事務所にいるのは、6人くらいでしたよ。リモート勤務の開発チームは別にありましたが、いずれにせよ今よりもっと小さな組織でした。
― 今のネクスタからは想像できません!小さなスタートアップ企業への転職について、迷いはありませんでしたか。
家族がいたので、迷いがゼロだったわけではありません。しかし、今後のネクスタへの期待が上回り、入社を決めました。実際に、今は社員数も売上も大幅に増え、企業として急成長しているので、当時の決断は間違っていなかったと思います。
お客様と向き合い続け、プロダクト力の土台を築き上げたスマートFの黎明期
― 松山さんはネクスタ入社当初、どのような業務をされていましたか。
入社当初は、担当企業の営業から導入支援を一貫フォローしていました。入社して半年程経ってから、営業と導入支援を別部署として対応することとなり、導入支援部門が立ち上がりました。当時3~4名だった導入支援部門の責任者となりましたが、自分自身もスマートFを発注してくださったお客様を担当していました。
― プレイングマネージャーとしてお客様の対応もする中、エレコム時代の経験が活きたと感じる場面はありましたか。
ヒアリングを通した顧客分析は、エレコム時代に数多くの企業に訪問した経験が活きている気がします。お客様にヒアリングする際、仕事の進め方を聞くことで、お客様がどんなことを考えて仕事をしているのか、何を最も大事にしているのかを押さえるように意識していました。そうすると、お客様にとって特に必要な説明に重点を置いて説明できます。
また、エレコムで受けてきた研修も活きているかもしれません。折衝やマーケティングの研修で学んだ系統的な理論で、経験則や感覚だけに頼らないコンサルティングを心がけていました。
ちなみに、私がネクスタに入社した頃のお客様は、スマートFで最も初期のユーザーです。スマートFを育ててくださったお客様、とも言えるかもしれません。
― スマートFの初期ユーザーが、スマートFを育てたというのは?
スマートFは今も週次アップデートで、ユーザーの声を反映するアップデートを行い、どんどん機能が充実してきています。一方それは、スマートFリリース当初は今より機能が少なかったということでもあります。開発チームと協力しながらユーザーの要望に応えるプロセスを繰り返すことで、結果的にスマートFを充実したシステムに育てていったように思います。
スマートFはクラウド型システムなので、新しく増えた機能はすべてのユーザーが使えるようになります。そのため、開発を重ねるごとに、他のユーザーに提案できる運用も増えていきました。初期ユーザーへの提案では困難な場面もありましたが、それを乗り越えてスマートFのプロダクト力が底上げされました。
― オンボーディングに苦労された初期ユーザーのお客様は、今もスマートFを使ってくださっているのですか。
ありがたいことに、主要なお客様は今も継続して使用してくださっています。当時は運用がうまくいかず迷惑をかけることもありましたが、感謝ですね。
― 初期からのお客様が、今もスマートFを継続してくれているのは何故だと思いますか。
お客様が最終的に実現したい要望に、目をそらさずに応え続けてきたからでしょうか。難しい要望も多々ありましたが、逃げずに対応し続けてきました。その過程で、お客様との関係性も構築されていったように思います。
結果的に、初期ユーザーの皆さんには、フルカスタマイズに近い運用を、スマートFで実現できていると思います。そしてそれらの開発が、今のスマートFの土台になったと言えます。実際、当時の開発によって機能が増え、提案の幅も広がったことで、新たなユーザー獲得にも繋がっていきました。
― スマートFの機能が毎週増えていることを考えると、今後もユーザーの幅がどんどん広がっていきそうです!
導入コンサルティング部の責任者として、提案の幅が広い運用コンサルティングをいかに仕組み化するか
― 導入コンサルティング部での各メンバーの業務は、具体的にはどのようなものでしょうか。
導入コンサルティング部では、セールスが契約してきた新規顧客がスマートFを運用できるよう支援する、運用提案を行っています。
まずはヒアリングを通し、お客様の現場の運用を理解したうえで、どのようにスマートFを使っていただくか検討・提案します。導入までの道筋を組み立てて、お客様としっかり共有することも重要です。そして、双方で決めた導入フローに沿って、お客様と準備を進めていきます。途中で運用変更などが必要になった場合も柔軟に対応します。
― ヒアリングや提案、フォローまで行うとなると、業務の幅は非常に広いですね。提案に際しては、やはり製造業の経験があると強いのでしょうか。
製造業の知見はもちろん活かせますが、導入支援コンサルティングにおいては「スマートFの理解」も不可欠です。これは入社してから学んでいくことなので、全員同じスタートとなります。
実際に、導入コンサルティング部のメンバーには製造業経験なしで活躍している人も多数います。私自身も、製造業のお客様と数年関わっていたというだけで、製造業そのものの経験はないですしね。
― 製造業経験は問わないとなると、どんな人が導入コンサルティング部で活躍できると思いますか。
しいて言うなら、好奇心が強い人ですかね。製造業の運用方法は1社ごとに異なり、どの現場も深い考えを持ったうえで独自の運用をしています。生産プロセスやルールはもちろん、同じものを各社違う言葉で表現していることもよくあります。コンサルティングを通して、このような会社の独自性に興味を持って話を聞ける人、面白いと思える人は向いていると思います。
また、知的好奇心が強い人は、スマートFの商品理解も深めていきやすいと思います。スマートFは複雑なソフトウェアなので、「なんでこの機能はこうなっているんだろう?」と興味を持ちながら学べるのは強いですね。
― 他にも、導入コンサルティング部のメンバーの皆さんが経験してきていることがあれば教えてください。
運用コンサルあるあるで言うと、パソコン操作が苦手な担当者の対応ですかね。製造業には、パソコンやシステムが苦手な人も多くいるので、いかにわかりやすく、短時間で説明できるかも結構大事です。
導入コンサルティング部のメンバーは複数の案件を担当するので、1社に長く時間を掛けすぎず、バランスよくフォローする必要があります。1社に手をかけすぎると、他のお客様に対応する時間が減ってしまうので。パソコンの操作は慣れの部分も大きいので、丁寧に教えるだけでなく、担当者自身が自発的に慣れようとしてくれるようなコミュニケーションが必要だと思います。
― 丁寧にフォローするだけでなく、バランス感覚も重要になってくるのですね。
お客様全員の導入を成功させるためにも、バランスよくフォローするのは重要ですね。とはいえ、担当案件をバランスよくフォローするのは、年次問わず結構難しいんです。今は、全メンバーがより少ない手間でお客様に説明できるようにするため、フレームワークやツールの導入を検討しています。
このような課題を早い段階で見つけ、仕組みを作っていくことも、導入コンサル部の責任者としての私の重要な役目だと思っています。
― 組織内の課題解決のためには、まず各メンバーの課題を把握する必要があると思います。メンバーの意見は、どのように吸い上げているのでしょうか。
日頃のコミュニケーションと週次ミーティングで、メンバーから課題をこまめに発信してもらっています。課題だけでなく、改善策もメンバーから提案してもらえることも多いですね。
― 組織によっては、メンバーが発言しにくい会議もあるかと思います。松山さんが導入コンサルティング部での組織運営で、メンバーが活発に発信しやすい環境作りのために心がけていることはありますか。
雰囲気作りで気をつけていることとしては、プラスな感情を飾らずに表現することですかね。メンバーを褒める言葉や感謝の言葉は、素直にどんどん言うようにしています。
他にも、メンバー間はあだ名で呼び合うようにしています。あだ名で呼び合うことで「仲間感」がより強くなると感じています。
― 日頃からあだ名で呼び合っていたら、メンバーが緊張せずに意見を言いやすい雰囲気が作りやすそうですね。
― 今後、導入コンサルティング部の責任者として目指したいことはありますか。
今後は、利用開始までのリードタイムをよりコントロールできるようにしていきたいと考えています。現在は、スマートF受注時の想定から利用開始日が遅れることを防ぐため、メンバーのスキルアップやツール導入、それらの仕組み化を進めています。より良い業務の進め方を確立していきたいですね。
― リードタイムが長くなる原因としては、どのようなものがあるのでしょうか。
導入支援側の要因でいうと、ヒアリングや提案などの準備段階での時間を割きすぎ、先方の求める要件が高く開発が追いつかない、などです。手間のかけ方については既にお話した通り、課題の早期発見を心がけながら、メンバーのスキルアップやツール活用などで改善を進めています。
開発に時間がかかりそうな運用を求められたときも、導入コンサルティング部からの提案で工数削減できる可能性があります。たとえば、既存の機能を使って他の方法を提案できるようになれば、お客様を待たせることなく希望の運用を実現できるかもしれません。
― 導入支援では、そんな提案の工夫も可能なんですね!
スマートFの導入支援の提案において、このような工夫の余地はかなり大きいですね。パソコン操作説明の話でもお伝えした通り、コミュニケーションの取り方においても工夫が必要になってきます。しかし、これらはすべてノウハウやツールに落とし込めると思うので、しっかり仕組み化していきたいです。
ネクスタの上場に向け、導入コンサルティング部を事業拡大により貢献できる組織へ
― 導入コンサルティング部の発展を通し、松山さんがネクスタで実現していきたいことはありますか。
まずは、ネクスタの次の大きな目標である上場ですね。事業拡大の過程でセールスの受注案件もどんどん増えていくと思うので、1社1社しっかりオンボーディングすることで支えていきたいです。
将来的には、導入コンサルティング部の業務領域を「セールスの受注前案件の提案支援」まで広げていきたいと考えています。お客様によっては、受注前にスマートFの細かい運用提案が必要なケースがあるのですが、ここでは導入コンサルティング部で蓄積したノウハウを活かせると考えています。具体的には、セールスの商談に同席したり、提案書作成をしたり。
― 実際にオンボーディングを経験してきた目線から提案できるのは、受注前提案において大きな武器になりそうです。
もちろんセールスでも運用提案は行っていますが、より複雑な案件をオンボーディングの目線から支援できる組織体制を作りたいですね。そうすれば、セールスも今以上に販売活動に専念できるようになるはずです。
― このような組織が実現できれば、より事業拡大が進みそうです!最後に、これからも成長し続けるネクスタの導入コンサルティング部で、松山さんはどんな人と働きたいですか?
以下のような人は、導入コンサルティング部で活躍できると思いますし、私も是非一緒に働いてみたいです。
- 課題を常に自分事に変換し、自責思考で改善を志すことができる人
- 好奇心旺盛で、初めて触れる概念や対象に積極的に取り組める人
- お客様の発言や事象だけに反応せず、常に課題を意識してプロジェクトをゴールに導ける人
導入支援での運用コンサルティングは、お客様の要望を聞くだけでも、こちらから提案するだけでもなく、どちらもやっていく必要があります。そのためにも、お客様の要望を自分事として捉え、お客様の現場に興味を持ちながら深く理解していけることが大切です。そのうえでプロジェクトをゴールに導ける提案をしていける人、そのような仕事にチャレンジしてみたい人をお待ちしています!
― 貴重なお話ありがとうございました!