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【Charwork代表:山本氏×ビズリーチ取締役:古野氏対談】SaaS 最前線で経営する2人からみた製造業 SaaS のネクスタの可能性と今のネクスタに入る醍醐味

Introduction

“あらゆる製造業に、改善の「教科書」を。” をミッションに掲げ、 手書きやエクセル管理などアナログな業務を IT 化する製造業向けの生産管理 SaaS 「スマートF」を開発するネクスタ。当社はこの度、エンジェル投資家として当社にご出資いただいた Chatwork 株式会社代表取締役 山本 正喜 様、株式会社ビズリーチ取締役 古野 了大 様にインタビューを行いました。山本様には定期的な事業メンタリングや開発組織の相談に乗っていただき、古野様には月1回のマネージャー MTG に参加の上でアドバイスをいただいております。SaaS スタートアップの最前線で経営しながら、ネクスタをよく知るお二人の目に、ネクスタの可能性についてどのように映るのか?いまこのタイミングでネクスタに入社する醍醐味とは?など、さまざまな観点で伺いました。

Interviewee Profile

ーまず最初に、ネクスタとの出会いを教えてください。

山本さん:
ネクスタ代表の永原さんに初めてお会いしたのは、僕が審査員を務めた JSSA(一般社団法人 日本スタートアップ支援協会)のピッチイベントでした。永原さんは登壇者の一人としてプレゼンをされて、見事優勝されたんです。そのときに「面白い!」と感じ、記憶に残っていました。

古野さん:
私の場合は、知人が業務委託としてネクスタに関わっていたことがきっかけです。
「困っている面白いスタートアップがあるから、まずは話を聞いてほしい」と言われ、永原さんとお会いしました。

スタートアップのようでスタートアップではない
それがネクスタの強みであり面白さ

ー どのような点でネクスタに興味をお持ちいただいたのでしょうか?

山本さん:
出会いのきっかけとなったピッチコンテストにはネクスタ以外にもう1社、ネクスタの競合になりそうな製造業 SaaS が出場していたんです。その2社を比較したときにすごく面白いと思ったんですよね。
というのも、ネクスタはバーコードで在庫管理するなど「圧倒的現場感」がありました。製造業 SaaS に限りませんが、Web でテクノロジーで... と取り組むスタートアップは多いんですが、現場を知らずに作られている “現場で使われなさそうな SaaS” が意外と多いんですよね。でもネクスタが取り組む製造業向けの生産管理 SaaS「スマートF」は、そうではない。キーエンス出身で圧倒的に製造業を理解している永原さんが、ある意味 “泥臭いところ”、”現場感があるところ” に挑戦している点がすごくいいなと思ったんです。

古野さん:
永原さんがキーエンス出身であり、誰に何を聞き、どう売ったらいいかを知っているという部分には、私も注目しました。泥臭く成長していかないといけない領域という点で、自分が経験してきたこととの共通点も多く、じっくり育てていけるところがやりがいがあると思いましたし、ネクスタ自体が “スタートアップのようでスタートアップじゃない” という点もおもしろいなぁと思いまして。
これは良い面・悪い面があると思うんですが、元々ネクスタの最初の事業が受託開発であるために、アーキテクチャ的にビハインドの部分があると思うんです。それでも受託開発から始めたおかげで、ビジネスサイドも開発チームもみんながお客様の状況をきちんと理解して、モノづくりしていく体質を持っており、それがかなりのアドバンテージになると思いました。

山本さん:
確かに。僕も最初のころに永原さんとお話したときに「受託っぽいなぁ」と感じる言葉を使っていたことがあったんです。そこもネクスタのポテンシャルかなと思っていましたが、いまではその弱みを強みに変えて採用に取り組んでいっているようでした。
スタートアップで SaaS でかっこいいプロダクト作りだけでは製造業に上手くハマらないところがあると思います。でも一方で、受託開発っぽくやるとスケールアップしないだろうから両者のいいとこ取りをするべきなのですが、ネクスタはその一番難しいところを押さえています。
スタートアップ的なイノベーションの起こし方はすでに型ができているので、ネクスタはそれらをうまく取り込んでいけば成功する可能性がすごく高いと思います。

ー 総じて「泥臭い」 「スタートアップのようでスタートアップではない」点がおもしろいと思ってくださったんですね。

山本さん:
そうですね。テクノロジーだけで登れる領域はすべて GAFA に持っていかれてしまいます。だから日本から GAFA に対抗しようとしても、結局、最終的には負けてしまうんです。とはいえ、世の中の8割はまだ GAFA の手が及ばない巨大なマーケットで、そこを取っていくためにはかなり泥臭いことに取り組む必要があります。それを踏まえて、変にカッコつけずにやれるかどうか?それがこれからの日本の SaaS に必要だと考えています。
もちろん泥臭いことだけに取り組んでいても効率が悪いので、テック要素も必要ではあるんですが、テックだけやっていても結局一定のところまでしか広がらないんです。スタートアップがキラキラした世界に見えてしまいがちなのはテック要素ゆえの問題でもありますが、永原さんはテック要素を取り入れながらも泥臭さが必要なことを理解していると感じました。

古野さん:
私も BtoB のバックオフィス系 SaaS に携わってきたので、いまの山本さんのお話にとても共感します。本当に困っている業界はすごく “地味” で “非効率” なんですよね。エクセルを添付して数値管理するとか、紙で情報を管理するとか、そういう地味なことばかりが会社の中にあるんです。だから本当の意味で課題解決していこうとすると、目立たない業務もきちんと解像度高く理解して、改善していくことが大切なんです。
その点、永原さんは圧倒的に製造業界への解像度が高く「製造業のお客様が何に困っているか?」を理解している。この一番大切なところを抑えている永原さんなら、業界を変えられるんじゃないかなと。

よく現場を知らない第三者が「こうやったらいいじゃん」といって SaaS を作ってしまうこともあるんですが、現場からするとそういうものはなかなか受け入れられません。私達もそのような試行錯誤をしてきた中で、ネクスタにはちょっと違うものを感じました。

一番最初の難関 “課題探索” はクリア。
登れば間違いない、あとはやれば勝てるのがネクスタ。

ー おふたりは SaaS として成長可能性が高いサービスはどんなサービスだと思いますか?

古野さん:
業界の大きさ、どの池に釣り糸を垂らすかは大きいと思ってます。

山本さん:
TAM (獲得可能な最大市場規模、総獲得可能市場) とトレンド、競合優位性が大切ですね。

ー そのような観点では、ネクスタをどう捉えていますか?

山本さん:
ネクスタが取り組む製造業は圧倒的に TAM が大きく、解決されていない課題もすごく大きいということ。さらに日本は製造業大国なので、日本から挑戦するというところにグローバルな競争力や海外から参入しにくいメリットもあり、かなりポテンシャルは大きいと見ています。

古野さん:
私は会計領域、人事領域と来ていた DX のトレンドが製造業にも同じように来るんじゃないかと感じています。
会計領域、人事領域には巨大なシステムがあり、基幹システムを数千万円で入れていたところから、クラウドサービスとして freee さん、 Money Forword さん などが先行し、クラウドサービスとの組み合わせで新しいクラウド型 ERP (基幹システム) として広まっていったこの流れを製造業に置き換えると、各工場に数千万~数億円で入っていた生産管理システムをクラウド化していくのは、これからのトレンドになると思います。
そこに解像度高く、良いものを作ろうとしてるプレーヤーとしてネクスタがいるという印象ですね。

ー いまのネクスタはどんなフェーズの会社に見えていますか?

山本さん:
ネクスタのフェーズは課題探索が終わっている段階。
それが面白いところだと思っています。
スタートアップで怖いことは、せっかく優れたサービス・プロダクトを作ってもそれが市場に刺さらないことなんです。そうなるとピボットをくり返し、何度も社名を変えて…となりかねませんが、ネクスタの場合、受託開発の経験から明確な課題が見えている。そして、そこに対してまだプロダクトは目標には至ってはないわけですが、目標達成に向けて山を登っている最中で、登れば間違いないわけです。あとは “やれば勝てる”。競合他社より早く登り切れたら勝てるんです。

古野さん:
登れば間違いない、あとはやれば勝てる。
すごいワードが飛び出しましたね(笑)

山本さん:
とはいえ、いまの「スマートF」は PMF 前です。
でも確度高く PMF しそうだとも思っています。
こんなスタートアップに入社できるチャンスはなかなかないですし、かなり稀有な体験ができると思いますね。ネクスタは日本の製造業を変えていく、そういう機運を作れそうなポテンシャルあるスタートアップだと思うので、そこに参画しながら業界を変えていくという意味で、いま入社したらすごく面白い体験ができるんじゃないかと僕は思います。

古野さん:
私は、まず前提としてネクスタはプロブレムソリューションフィットがきちんとできていて、プロダクトマーケットフィットに向かっているフェーズで、これもかなり見えてきている状態になってきていると思っています。
一般的に、最初のフェーズでは課題を見つけるのが一番大変な作業なんです。でもネクスタは PSF がきちんとされている。つまり、すでに課題が見つかっているということは、ネクスタにとってはすごくアドバンテージなんです。
見つけた課題をどう解決するかという PMF のフェーズでは、「いま PMF した!」と感じられることはないですが、やっていくうちに「もしかしたらいま PMF しているんじゃないか?」とじわじわと実感できる、すごく面白いタイミングだと思うんですよね。

…と山本さんとまったく同じことを言ってしまったんですけど、PMF を体感できるというのは、本当にいまネクスタに入社するからこそ体験できる醍醐味なんじゃないかなと思います。

面白さと大変さはセット。
このカオスを楽しめるなら
こんなにやりがいあるフェーズはない。

ー 製造業 SaaS という観点ではどんな方が活躍できるか、どんな方がネクスタに興味を持ってくれたら事業の成長が加速しそうだと思われますか?

古野さん:
製造業出身で、製造業に思い入れがある人に限って採用しようとすると、母数が圧倒的に少なくなりますよね。
同業界の経験がなくても活躍できる人はたくさんいると思っています。もちろん製造業のアナログな現状を知っていて、それを何とかしたいという人はもちろんですが、もっと大きな視点で社会・経済に対してインパクトを与えたい・社会貢献したいと思う人が活躍できると思います。

山本さん:
そうでしょうね。製造業への理解がありながらも、どっぷり浸かりすぎているとイノベーションを起こせない可能性も高いので、製造業にポテンシャルを感じ、そこに自分の成功体験を持ち込める人がいいんでしょうね。

古野さん:
全く同意です。たとえば、私は人事系の SaaS をやってきましたが、人事出身者だけではなく様々な業界の経験をもった人が活躍できるのと同じだと思っています。ドメイン知識は一定必要ですが、顧客理解の一環や研修を通して獲得できるものなので、どちらかと言えば事業のビジョンに共感できるかどうかの方が、圧倒的に優先順位が高いと思います。

山本様、古野様と MTG をするネクスタ代表 永原(右)

ー おふたりのご経験から、いまのネクスタのフェーズでどんな人が活躍できると思いますか?

古野さん:
ネクスタは事業モデルが完全に構築されきっているわけではないので、

● 仕組みを作っていくこと自体に楽しさを感じる人
● 整っていないことをチャンスだと捉えて意志持って動ける人

にとっては、とてもいいフェーズだと思いますね。

山本さん:
逆にいまのフェーズはどんな仕事でもやらないといけないですし、しょっちゅう戦略は変わるので、プロフェッショナルにキャリアを深めたい・専門性を深めたいという方が入るとフィットしないことがあります。

そういう意味で

● 次のフェーズを作っていく意気込みがある人
● キャリアを探索していきたい人
● 課題解決を楽しめる人

それに加えて代表の永原さん含めたミッション・カルチャーに共感して、行動量高く取り組める人がフィットすると思います。いまはまだ質を求めてはいけないフェーズなので、とにかく量をこなせることが大切です。

ー なるほど、やはり面白い反面、大変な部分もあるということですね。

古野さん:
そうですね。
すでに耕された畑に種を撒いて、育てて、刈り取るということではなく、ネクスタは市場を耕しながら進んでいると思うんです。
DX の推進はお客様のリテラシーの問題もあり、採用管理のプロダクトをリリースした際にも市場が徐々にその必要性を感じていただけて、市場が広がっていく中で、我々自身も成長してきました。それを本当は必要としているけど、まだ必要性を実感していない人たちを目の前にしてサービスを作っていかなければいけないという課題は、もしかしたらあるのかもしれません。

山本さん:
スタートアップは基本的に失敗を重ねて成長していくところがあるので、面白さと大変さはセットです。けれども、振り返ってみたときに面白かったと感じるか?このカオス感を楽しめるかどうか?一人落ちると会社が死ぬみたいな、そんな緊迫感の中、戦うことはこのフェーズじゃないとできないと思います。そういう覚悟を持って取り組める方が入社すれば、大変だけれども面白いと思います。 特に大変だけれどもここで自分が携わって作ったことが、5〜10年経って、組織や戦略に本当にすごく大きな影響を与えたりします。そういうすごくインパクトをもたらせる可能性ある フェーズがいまのネクスタなので、会社の歴史を作るっていうところを一番濃く経験できると思います。

ー 本日はさまざまな角度から率直にご回答いただき、ありがとうございました。

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