皆さんこんにちは。
「すべての合意をフェアにする」MNTSQ(モンテスキュー)株式会社です。
今回は、当社のバックエンドエンジニア・沼井と、アルゴリズムエンジニア・白井が、ビジネス視点を持つエンジニアにとってMNTSQの何が「おもしろい」のか? なぜMNTSQにジョインすることを決めたのか?ということについてざっくばらんに対談した模様を記事にしてお届けします。
対談が盛り上がったこともあってかなりの長編となっておりますが、是非ご一読ください!
参加者:バックエンドエンジニア・沼井。21年6月入社
参加者:アルゴリズムエンジニア・白井。22年5月入社
ファシリテーター:バックエンドエンジニア・三原。21年7月入社
- 三原
- 早速ですが、転職にあたってMNTSQ以外のSaaS企業を検討したんでしょうか?
- 白井
- SaaSかはともかく、自社プロダクトを開発していて、継続保守・提供している会社をみたりはしましたね。
- 沼井
- 他と比べてMNTSQでよかったところってどこですか?
- 白井
- 自然言語処理の観点だと、堅山さんの記事に共感しました。
- ドキュメントのデータそのものが蓄積され続ける、とか、法務が自然言語処理に相性が良い、とか、法務は全てがドキュメントに依存する業務プロセスだと感じるので、アルゴリズム開発とかデータ分析との親和性が良いと思います。
- それってMNTSQならではだし、ビジネスとしてもタイミングが良いなと感じたんですよね。
- 三原
- 領域としてよいっていうことですか?
- 白井
- そう。法務×自然言語処理×SaaSという領域にタイミングとして入って行くのが適切だと思いました。
- 三原
- そのタイミングをはかる上で、どんなことが基準になりましたか?
- 白井
- まずは、自然言語処理の技術的なレベルが上がってきていること。たとえばBERTとか機械翻訳とか。日=>英の翻訳の精度が上がってると皆さんも感じてると思います。
- それと法務は専門性が必要な領域だと思います。
- 一般的な言語を翻訳するのではなく、ドメイン知識も必要とするから、チームを作ることが重要になるなと。
- リーガルチームのナレッジと、アルゴリズムエンジニア、沼井さんのようなソフトウェアエンジニアが揃っていないと提供できないプロダクトだと思います。
- MNTSQは人数は少なかったけど、完成度が高く、粒が揃っていると感じました。
- 沼井
- そういう温度感って入社前の面談・面接で感じたんですか?
- 白井
- 三原
- さきほど自然言語処理の盛り上がりに触れていらっしゃったんですが、白井さんは機械学習において、自然言語処理以外もやっていたんですか? 何か違いというのはあるんでしょうか?
- 白井
- やっていました。
- 画像とかテキスト・音声などの機械学習の対象となる「メディア」の違いというのは突き詰めればあります。ただ、実装のレベルではいろんなメディアに触れていくということのメリットがあると思いますね。
- 稲村さんみたいに自然言語処理を突き詰めていく良さもありますけども。
- 三原
- なるほど。
- 白井
- それから、機械学習では、機械学習モデルに過度に依存しないことが大事なんだと思うんですよね。
- たとえば画像認識や検査だと、精度が求められるが光の加減とかサンプルが変わったりすると厳しい、ということがあります。「人間の目と同じじゃないと使い物にならないレベル」を求める場面だと社会実装がすごく難しい。
- 一方MNTSQにおいては、自然言語処理がサービスにバランスよく組み込まれている印象があります。
- 検索やUI・UX など、法務業務で機械学習以外でも効率化や最適化できる部分がたくさんある中で、自然言語処理とかアルゴリズムに任せる成分が、「味付けとして残っている」感のバランスがすごくいいと思いますね。
- 沼井:
- わかります。MNTSQでの機械学習や自然言語処理の扱いという意味では、営業のセールストークでも「全てをAIに任せて解決する」とは言わずに大企業の法務に寄り添ってアドインしていくことを志向している点は感じています。
- 白井
- 極論、MNTSQは自然言語処理が全く搭載されていなくても、ある程度は売れると思うんですよ。
- そこに自然言語処理の成分があるから、より売れていくというかチャレンジできるサービスだと思いますね。
- 沼井
- プロダクトの歴史というか経緯が面白いですよね。
- ①役員が集まって機械学習でM&Aの危険条項の抽出行けるやんとなってMNTSQが始まり、
- ②法律事務所向けから大企業の契約業務のカバーをするようになり
- ③契約データベースだけだったのが、契約管理・案件管理のように法務の普段の業務に根付くものにフォーカスして売るようになって、契約の履行が正しく行われるようにするものへと広がりが出てきた。
- ④そしてCLMという業務に根付いたプロダクトとして使われるようになったうえで、自然言語処理を活かして危険条項の抽出をするとかリスク分析をするとか付加価値として顧客に訴求するようになっていると。
- 最初AIとか機械学習の可能性を見せて、地に足をつけて、もう一度夢を見せる流れの中にいると感じていますね。
- 白井
- すごい! 言語化されてますね! 腑に落ちた感じがあります。
- 三原
- 確かにスタートとしては「機械学習めっちゃやれてるやん」でしたもんね。
- 沼井
- MNTSQの最初期は、「案件管理で日常業務をちゃんとやる」じゃなくて、自然言語処理による夢があったわけですが、今も夢を捨てたわけではなく、法務の業務に根差した部分にフォーカスしたのちに、機械学習や自然言語処理で発展的な価値を足してまたひろがりや深みを持たせようとしている気がする今日このごろ(笑)
- 白井
- 一言で言えば地に足がついてるんですよね。
- 契約書のデータがいろんなメディアに散逸してたり検索性が低かったのを一つのまとまりをもって整えた、とか、お客さんのペインポイントを分析してプロダクトが作られているなと思います。
- そのうえで付加価値としてAIが載っている、というのが戦略として適切だなと感じたのが、MNTSQを志望する理由だったのかなぁ。
- 三原
- エンジニアとして開発をしていくうえでは、自分が作っているものがビジネスに価値があるのは嬉しいと思いつつも、単に「なんか面白いものを作ってるな」だけで入社することもあるじゃないですか。ただお二人って結構ビジネス的な視点を持っている気がするんですが、どうしてでしょうか?
- 白井
- 沼井さんどうです?
- 沼井
- 私の経歴をお話しすると、セキュリティパッケージソフトやtoCスマホアプリ、toB SaaSなんかの自社開発系の業務をやってきました。
- いろんな顧客とやり取りしたりいろんなチームで働く中で、自分がどういう企業で働きたいかを考えたときに、価値のあるプロダクトを適切なタイミングで適切な市場に出している会社で働いたら、企業における課題解決に自分の力を一番活かせると思ったんですよね。
- そういう、顧客に価値を提供できる課題解決自体が楽しいと思う瞬間かなと自分では考えています。
- 開発をしていると、通常いろんな苦労ポイントがあります。
- 開発チームの中でスムーズに意思疎通できていて、技術的負債も順調に解消できていて、インフラでも不要なものをうまく削ってコストカットした、なんて経験もあるんですけど、それは実はビジネスがうまく回っていないサービスでの出来事だったりして、開発組織に限定して見てみるとうまくできていても、それに意味があると思えなかったということがありました。
- MNTSQの今のタイミングで入ると、相当カオスでいろんなことが起こるし、いろんな人がいて意見を戦わせる必要があるんです。これはめっちゃ大変なんですけど、逆にその方がやりがいがありますよね。
- 白井
- 僕の中ではすごくアラインしているというか、同じことを話すことになる気がする(笑)
- 僕は研究職からスタートして、博士に進むかどうか悩んで日立の研究職に就職しました。当時は、研究の延長として技術開発をしていて、世の中にない技術、自分がやらなければ存在しないものを作りたいと思っていたんですね。
- それでAIという領域に足を突っ込んだときに、一つ大きな経験をしました。
- 精度の面では世界水準で、同じ類型のタスクの上ではかなり良いモデルを作れたのに、ビジネス的には使い物にならなくて結局ポシャったということがありました。
- 数ヶ月作って、いろいろなアイディアを試して失敗してうまくいって、というのが自分の中では財産として残ったんですが、社会には何も残りませんでした。
- これが自分にとっては大きくて、「時間をかけて作ったなら社会の中に残って誰かの役に立つ、ビジネスとして成立していることを追い求めていくのがゲームとして面白い」と思うようになった転換点ですね。
- それ以外にも、技術をお客さんのもとに届けるというか、技術として尖っているだけではなくて、ちゃんとお客さんの求めるものを作れる軸も併せて持って開発したいなと思っていて、それが前職(コンサルタント)へ転職した理由の一つだったりします。
- MNTSQはSaaSとして技術がいろいろな人に使ってもらえるプロダクトになっていて、それを世の中に広めていける転換期でジョインできるのはいいなと思ったんですよね。
- もしあのまま半年や一年コンサルを続けていたら、MNTSQはきっと全然違う会社になっているだろうから、今のアーリーステージで入って行くことへの期待とか面白さを感じて、入社に至ったということはあります。
- だから、沼井さんと道は違うが多分行きつく先は一緒というか(笑)
- 三原
- 白井さんはその当時、完成するまでは「ビジネスの役に立つものを作っている」という意識だったんですか?
- 白井
- 「精度が良ければ」、「尖っていれば」、まぁ受け入れられるだろうと漠然と思ってましたね。若かったので(笑)
- そのタスクは、KPIがほぼ100%で分類できるかどうかがビジネス上重要でした。高い精度の分類器ができればビジネス上も採用されるだろうと思って作ったんですけど、実際は99%くらいのものが作れても99.8%くらいにならないとダメ、みたいな世界だったと。
- そこから、いかに尖っているもの・新しいものを作っても、実務上役に立つか、採算が取れるかどうかを見極めて技術を作ったり実装する必要があるなと。それが頭を使う上でも楽しい、という考えになったきっかけですね。
- 沼井
- ちょうどいい記事というか、白井さんが入社する直前に出た、社内勉強会のスライドがあるんですよね。
- これを考えることは大事だなと思います。
- 白井
- この記事は僕の言いたいことをうまく言語化できてる感じがしますね。
- MNTSQは、エンジニアが尖っているだけでなくて、ビジネス的に成功するものなのか、お客さんに求められるものなのかをきちんと客観的に分析できる部隊が揃っているところが魅力なのかなと思います。
- 組織が別々の派閥に分離しているのではなく、溶け合っているという感じがします。これってセクショナリズムを排する文化にも現れてますね。
- 沼井
- そういう文脈だと、MNTSQではちゃんと情報が公開されていて、CSやBizが起票したGitHub Issueや顧客とのやり取りのドキュメントに対して開発側もコメントしたりしていることがありますよね。
- 逆に、私がやってる開発のややシステム寄りの設計ドキュメントに対して、CSからコメントをもらってやり取りする、みたいな相互作用がいろんなところで起きています。いいことだと思うし、開発としても、より価値のあるものを作ろうというときにすごく助かっています。
- 三原
- MNTSQの人たちって、会社の育成というか発展やプロダクトの開発に自分ごととして取り組んでいる度合いがかなり高いと感じるんですが、それはどうしてなんでしょうか?
- 沼井
- 人によるとは思いますが、自分の職種の仕事を極めていくというだけだとビジネスがうまくいかないとか課題にぶつかることが多かれ少なかれあると思うんですよね。そういうところに課題意識とか悩みを持っている人がMNTSQのカジュアル面談とか役員面接で自分の進みたい方向性とのマッチ度を感じやすい傾向はあるかもしれません。
- 白井
- 確かに。採用する側もされる側もお互いそうなのかもしれません。
- 採用する側も同じ気持ちを持っているし、候補者はなおのこと共感度が高くなる。
- 沼井
- 私は役員4名との最終面接をして、1番の決め手になったのが当時取締役だった生谷さんとの面接でしたね。組織とかチームでの開発の悩みにぶちあたったことを聞かれました。「チームの中で問題が生じた時にどう解決したのか?」と。
- 「自分も課題にぶつかって来たが、解決できなくて、どうしたらよかったのか悩んでるんですよね」と答えると、生谷さんは「それは、組織とかチームの課題をどういう経路で解決できるのかが明確化されていないのが問題なんじゃないか」と言うんですね。
- 「上長に相談してそれっきりとか、解決できないまま問題意識の行き場がなくなることが問題なのではないか? MNTSQは、そういうことが起きないようにIssueRaiseの責務だったり文化を作ることを頑張っている」と。
- 今MNTSQに入った自分が課題解決をうまくできているかというとまだもっと頑張りたいところではありますが、面接ではMNTSQが組織によくある問題を理解していて、解きほぐそうと継続的に努力していることに共感しましたね。
- 白井
- ボードメンバーとの話で面白かったことでいうと、僕の場合は堅山さんとの面談ですね。
- 1時間くらいの実務的なシミュレーション課題があったんです。
- 「MNTSQのなかでこのようなことが課題になっている」ということだけが与えられて、問題が何かを自分で定義することから始まるんです。
- 企業の法務が抱えている課題はどのようなものか、というのを自分で設定するところから。仮説を立てて、その場で全部答えるわけですね。「M&Aは数字の規模も大きく、法務部でも問題になっているのではないか?」とか。
- そうすると堅山さんが「じゃあ、MNTSQでもそういう課題があったから、これを解きましょうか」と。
- どういうデータを集めて、どんなKPIで、どういうスケジュールで、どういうコミュニケーションの仕方で進めるかということを問答していく、今思えばMNTSQでやる仕事の流れを1時間の中で高速にさらう、シミュレーションするという感じでした。これは他にない問題でしたね。
- 通常、技術者に与えられる問題は、経営者が抱えられている悩みから定義されている問題、上から降ってくる問題が多いわけです。それに対して「この会社って自分で問題を定義していいのか、面白い!」と思いました。
- もうその時点でここで働こうと思いましたね。
- というのも、前に働いていたAIベンチャーでは、既にお客さんが抱えている問題が与えられていて、モデルを作ってくれという依頼がよくきました。ただ、往々にして、問題設定が正しくないと解けないんですね。
- じゃ今度はコンサル会社にいったらどうなるかというと、今度は問題設定はできるけど、緻密に解決していくこと自体は受託に任せたり、社内の別チームだったり。問題作りと解決が別々になってしまうわけです。
- MNTSQは問題を自分で考えて、定義して、解決するまでを任せられる。
- ブログでも雰囲気は感じていましたが、面談でもそういう能力が問われたので、この会社は、日常的にも実際的にもそうなんだろうなという安心感がありました。
- これは入社の決め手の一つになったと思います。
- 三原
- 入社してみてどうでしたか?
- 白井
- 自分がどれだけできるかというとまだまだだなとは感じる部分はあります。
- ただ、問題をみんなが定義して優先順位をつけたりしているのは本当でした。
- 特定のメンバーだけがリードするのではなくて、民主的に優先順位付けしていて、さらに、現実的な解を技術を用いて導き出している。
- さっきも言ったように自分が一気通貫に全部できているかと言うとそうでない部分もあるが、できている人もいるところは魅力ですね。
- 三原
- 「できている人」は社内だとどなたをイメージされてますか?
- 白井
- 難しいですが、例えば、沼井さん、溝口さん。
- 解かなければならない問題に対して、スケジュールを立てて推し進めている。
- 技術のメンバーにしても、ビジネスメンバーにしても、そういう姿勢を持っている人が多い。
- 自分の裁量・責任でスケジュールを切ってデリバリーしていくんだという姿勢の人ばかりな気がします。
- 沼井
- 自分も完璧にできているかというとそうではなく、迷惑をかけてしまう部分もありますが、MNTSQにはリクエストモデルというのがありますね。
- 「自分が仕事を進める上で、あなたにこれをやってほしい」というのをパブリックな場で依頼すると。
- そうすると相手は相手で、仕事を受けるか受けないかや、受ける上での優先順位を決める。これを適宜、お互いに調整しているわけです。
- もちろん、リクエストモデルを100人の組織になっても個人レベルでずっとやると優先順位がまとまらなくなる、という課題意識はみんなもっていて、多少見直しは入るかもしれません。
- ただ、組織の中間の誰かを経由して依頼しないと「お前勝手にやるな」と怒られる、みたいなめんどくさいコミュニケーションが増えることはなさそうかなと思いますね。
- 自分の仕事をやるにあたって、この人の力が欲しいということを自発的に進められる文化的な土壌がある会社だと思います。
- 白井
- MNTSQが組織のダイナミクスとして急激な成長をしていて、そこに面白みを感じる人もいると思いますね。
- リクエストモデルについては長短あって、個人の裁量で動けるけど優先順位付けはどんどん難しくなりますから、自分のリソースの最適化、全体の最適化というビジネスが拡大するにあたってぶつかる課題について、みんなでディスカッションしてルールややり方が変わっていくフェーズですよね。
- 誰かが置いてきぼりになるのではなくて、意見を出しながら最適化していく過程そのものを楽しみたいと思っています。
- こうしたらいいのにと感じることはもちろんあるんですけど、成長痛というかビジネスがスケールしていく面白さを感じています。
- 沼井
- ビジネスの急成長に合わせて人も急成長していて、大変さはあると思いますね。いろんな経験をする中で、大変さと同時にやりがいとか楽しさを見出す人も辛さを見出す人も、両方の人もいるんでしょうけど、その楽しさに価値を見出せる人が入ってきてくれるとMNTSQでは活躍してくれそうだ、ということにして、今回のまとめにしましょうか!
- 三原
- 自分のモチベーションにも、改めて火が付きました!
- お二方ありがとうございました!