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京大病院放射線診断科火曜カンファにてChatGPT、LLM、生成AIに関する勉強会を開催させていただきました

はじめに

2022年11月のChatGPT登場をきっかけにして大きな盛り上がりを見せるLLM(大規模言語モデル)や生成AI。MICINでは2023年4月25日に MICIN、金沢大学と実施していたChatGPTおよびGPT-4を用いて第117回医師国家試験(2023年2月実施)を解かせる研究において初めて合格点に到達し、その成果を論文としてオンライン公開いたしました というプレスリリースを発出させていただきました。

本研究の成果は各種メディアでも取り上げていただき、論文の著者の1人としても世間の大きな関心を身をもって感じています。

臨床現場の先生方にも大きなご関心をもっていただいており、2023年6月6日には京都大学医学部附属病院放射線部助教 子安 翔先生からご連絡いただいたことを契機に「京大病院放射線診断科火曜カンファ(子安先生が主催されている院内の非公式勉強会)」に登壇させていただきました。

そこで本記事では当日の様子の概要をお伝えできればと思います(当日の資料をご覧になりたい方は、note記事をご覧ください)。

勉強会の詳細についてはまた別途ブログで公開させていただく予定です。
公開次第リンクを貼らせていただきます。

自己紹介

硴﨑裕晃(Kakizaki Hiroaki)
株式会社MICIN データソリューション部 プロダクトマネージャー

Megagon Labs(Recruit Holdings Co.,Ltd.がシリコンバレーと東京に保有する AI 研究所)などを経てMICINに参画。自然言語処理、画像認識、信号処理、マルチモーダル、医療AI(SaMD)、データマネジメントプラットフォーム等様々なAI関連プロダクトのプロダクトマネジメントをこれまでに担当した。

勉強会の概要

本勉強会は京都大学医学部附属病院放射線部および関連病院6施設の先生方と、希望者の京大医学部生を対象に開催されました。(勉強会当日には先生方40〜50名、学生10名程度にご参加いただきました。)

そのため勉強会の内容は医療従事者向けとなっています。MLエンジニアやデータサイエンティストの方々にとっては物足りない内容となっているかもしれないですがその点はご容赦ください。

勉強会では我々の研究グループが発表した論文のご紹介に加えて、「ChatGPTやLLM(大規模言語モデル)、生成AIを臨床現場で活用するにはどのような点に気をつけるべきか?」という観点を大事にしてご説明をさせていただきました。

勉強会の詳細①;AIに関する主な用語

ChatGPTやLLM(大規模言語モデル)の話をする際には色々な用語が出てきます。しかしこれらの用語が初学者や非専門家にとって適切な理解の妨げになることから、勉強会では本題に入る前に最初にAIに関する主な用語について説明しました。

AIの話をする際には input とprocess 、 output の図をよく見るかと思います。

ただしChatGPTにおけるPrompt EngneeringやLLMにおけるFine tuningを理解するためにはこれらの箱や矢印だけではわかりにくいため、個人的には以下の図のように3段階に分けて理解をしています。

これらのように理解することで「今はLLMのモデル自体の話をしているのか?」「LLMを用いた製品の話をしているのか?」あるいは「モデル自体は変化がなく、入力データ及びその入力規制(Prompt Engineering)の話をしているのか?」等がわかりやすくなると考えています。

また弊社のようなスタートアップでは主にどこに取り組むことで差別化が可能になるのか?やGAFAMやOpenAIがどの部分に注力しているのか?についてユーザーやステークホルダーにも説明がしやすくなります。

その他の勉強会詳細について

勉強会の詳細②〜⑥については、改めて別の記事で紹介させていただきます。ご興味のある方はもうしばらくお待ちください。

最後に

勉強会当日は上記パート終了後、30分の非公開QAセッションを予定していました。QAセッションの具体的な様子を公開させていただくことはできませんが、当日は当初30分の予定を大幅に超える1時間以上の時間、多数の先生方や医学部生からご質問をいただき、非常に盛り上がったQAセッションとなりました。ご質問いただいた方々はありがとうございました。また勉強会終了から一週間経過した6月14日現在でも、勉強会のアーカイブ動画視聴の要望が学生さんから届いているそうで、臨床に関わる方々からの高い関心を引き続き実感しています。(個人的にもここまで臨床現場の先生方や医学部生に関心を持っていただいているとは思っておらず純粋に驚きました。)

ChatGPTやLLM、生成AIといった技術はまだまだ発展途上の技術です。ChatGPTの大ブレイクにより一躍世間でも認知された有名な技術となりましたが、一方で実際の製品や商用本番サービスに結びついた事例はまだそう多くはありません。

ハルシネーションと呼ばれる課題はもちろんですが、不明瞭なビジネスモデル、高額なランニングコスト、著作権などをはじめとした今後の法整備など課題は非常に多岐に渡ります。

しかしこれらの課題を差し引いたとしても大規模言語モデルや生成AIといった技術が臨床現場や医療に対して大きな貢献をできる可能性は非常に高いと考えています。

我々MICIN データソリューション部 は引き続き、LLMや生成AIの性能限界を踏まえた適切な応用、および最新技術の臨床現場への活用についてさらなる研究や開発を進めて参ります。

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