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【後編】イベントレポート!100%テレワークで本当に業務は成り立つの!?宮古島の企業と大阪の在宅スタッフによる事例紹介!

こんにちは!メリービズ採用担当の大久保です。

前回のイベントレポート【前編】イベントレポート!代表 工藤が語った「“働くが楽しい!”と思える社会をつくる」とは?の後編をお届けします。

昨年の11月に行ったメディア向けイベントでは、前編の代表 工藤が語った「“働くが楽しい!”と思える社会をつくる」とは?に続き、「100%テレワークで本当に業務は成り立つの!?宮古島と大阪でも経理業務のアウトソースがうまくいく理由」と題したトークセッションを開催しました。

ご登壇いただいたのは、メリービズの「バーチャル経理アシスタント」をご利用いただいている企業で、沖縄県宮古島市でバーガーショップを経営する「ダグズ・バーガー」の大石智和社長と、実際に経理業務を担当している大阪府高槻市在住のメリービズの在宅スタッフで、フリーランス経理の皆見佳子さんです。

ファシリテーターにフリーランス協会代表の平田麻莉さんをお招きし、メリービズ取締役の山室佑太郎と、業務を依頼するとどのように仕事が進み改善されていくのか、テレワークで進むリアルな現場の話を聞くことができましたのでご紹介します。

100%テレワークの現場はどうなっている?

平田:本日は沖縄と大阪から遥々お越しいただきありがとうございます。今日、お二人が「初めまして」と仰っていましたが、リアルに顔を会わせるのは初めてなんですよね。100%テレワークって本当にできるの?と思ってしまいますが、どのように業務を進めていらっしゃるのか、今日は山室さんと共にお話を伺って参りたいと思います。

まずはじめに、皆さんの自己紹介をお願いします。

山室:メリービズ取締役の山室です。僕は最初インターンとしてサービス立ち上げに関わった後、新卒で入社したコンサルティングファームを経て再び戻りました。今はサービス設計や事業推進の舵取りを代表の工藤と共に行なっています。ダグズさんとは、当時コンサルタントとしてお付き合いしていましたので、今日は当時のことを振り返りながらお話できればと思います。


大石:ダグズ・バーガー代表の大石です。僕はフレンチの料理人からスタートしてサントリーに入社しました。その後、弊社オーナーのダグと縁があり今に至っています。経理業務は宮古島という離れた土地からメリービズさんにご支援をいただき本当に助かっています。

皆見:大阪でフリーランスとして会計や経理業務を行なっています皆見です。私がフリーランスになった今年の1月頃、どんな仕事があるのか色々と探している時に、工藤さんが私のツイッターをフォローしてくださったのがきっかけでメリービズに応募しました。そこから話が進み、最初にご紹介いただいた企業がダグズさんでお仕事をさせて頂いています。

メリービズに業務を依頼したきっかけ

平田:ダグズさんがメリービズにお仕事を依頼するきっかけは何でしたか?

山室:「経理業務を何とかしたい」というお電話があったのが最初でした。当時は他の会計事務所さんにアウトソースされていたのですが、うまく行かずに苦戦されていたご様子でしたので、メリービズが寄り添える形でゴールまで伴走できると良いなと思ったのを覚えています。

大石:そうですね。弊社はパートを含めて従業員が約60名、グループ全体で12の店舗があるので、経理業務はとても煩雑でした。会計事務所とは電話とメールで業務を進めていましたが、リアルタイムで密なやり取りはできなかったので苦労していた状態です。

平田:当時、徹夜で経理業務を行なっていたという話も伺いましたので、業務量も多かったと思います。こういったアウトソース疲れは他の会社さんにも多いのですか?

山室:多いですね。企業が抱える悩みは奥深く複雑で、現場の中で起きていることがたくさんあります。派遣を採用してもすぐ辞めてしまったり、都市部ではなく地方の採用が難しいケースや、アウトソーシングのやり方がわからないという話は多いです。

業務効率を上げるため、まずは徹底的に業務を理解

平田:なるほど。特に社内がカオス状態だと業務をどのように切り出せば良いか難しいですよね。どのように進められているのですか?


山室:何がカオスなのか、まずは業務を理解するところから始めますね。現場の中で何が起こっているのか、何度も話し合いヒアリングを重ねています。ダグズさんの場合は一度、宮古島まで訪問して現場の方の話を聞いたり、実際の店舗に行って業務の流れがどのように行われているのかを目で見て確認しましたね。

平田:そこまでやっているんですね。

山室:ダグズさんは業務効率を上げたいという要望が強かったので、業務理解を行なった後にビフォーアフターでどのように改善していけば良いのか、3ヶ月〜半年ほどかけて業務整理を行いました。かなり細かいところまで泥臭くタスクを出し、これはダグズさん、これはメリービズでと業務分解を行ないWBSでスケジュールを引いて、一つずつ潰していきました。

これを当時の会計事務所さんと並走しながら移管作業を進めましたし、ダグズさん、皆見さん含め、関係者全員が共有することが大事なので、業務フローを作成して可視化し、このゴールに向かって皆でやりましょうという設計はしっかりやりました。

平田:人が足りないので誰でもいいから派遣してくださいという話ではなく、生産性そのものの改善ですね。実際にはどのように業務を進めていったのですか?

山室:宮古島には何度も行けないので、Slackやappear.inといったITツールを使いながら、同じ目線で動けるようにコミュニケーションを取っていきましたね。最初は週に1回の頻度でWEB会議を行なっていたと思います。


平田:ダグズさんからすると、ジョブの切り出しや会計等のタスクを他社に任せるということはセキュリティ面でも気になると思うのですが、その辺りはどうお考えでしたか?

大石:同じ船に乗るということでかなり密に連携を取りながら進めていきましたので、セキュリティ面の不安は最初からそれほどありませんでした。弊社もそうですが、企業側はなかなか業務タスクの切り出しができないんですよね。そこをコンサルとして入っていただいて、一つ一つの作業が見える化できたのは非常にありがたかったです。

得意なこと、苦手なこと。人柄・スキルに合わせたチーム編成

平田:ジョブの切り出しが見えたところで、メリービズの在宅スタッフからどの人材をアサインするかという話になると思うのですが、その辺りの工夫などありますか?

山室:そうですね。業務整理をした時に、この業務はどういう方が向いているか、業務の難易度を見ながら考えています。月次表を丸っと作りますという仕事と、入力をコツコツやりますという仕事、どちらも同じ事務作業でも性質は全く違いますので。ダグズさんの場合はカオス状態だったこともあるので、不確実性の要素が高い。ストレス耐性があるかどうかも見ていましたね(笑)。

平田:メリービズって、在宅スタッフさん一人一人にかなり細かいところまで心配りをされていますよね。人柄や思考を含めて把握されている、ただのクラウドではないんだなと感じます。皆見さんはメリービズの最初の案件としてダグズさんにアサインされましたが、不安はありませんでしたか?

皆見:不安は全くなかったですね。逆にカオス状態のところを最初から任せてもらえたこと、業務を進めて評価していただいたことがやる気になりました。「私がなんとかしよう!」という気持ちです(笑)

ダグズさんの業務は私ともう1人、千葉在住の女性在宅スタッフでチームを組んでいます。メリービズは得意なことと苦手なことをできる人が分業するという考え方があって、私が苦手なことは彼女が得意で、彼女が苦手なことは私が得意なんですよ。業務内容もありますが性格としてもお互いが補い合えている感覚があって。実は二人とも“相手のスキルをすごいな”と思っていたことが、業務を開始して2ヶ月後にわかったという出来事もありました。山室さんは最初からそこも見抜いていたんだろうなと思います。


遠隔コミュニケーションの不安は?業務管理はどうしてる?

平田:そこまで考えられていたとは素晴らしいですね。アサインが完了し、いざ業務を進めていく段階に入りますが、遠隔で顔が見えないという不安はないですか?

大石:皆見さんは仕事もレスポンスもすごく速いので、仕事ができる方なんだなっていうのがチャットから伝わってきますし、会えていなくても不安は全くないですね。密に連絡が取れていたということとWEB会議で直接お話もできますから。

平田:私自身もフリーランス協会で全国にいる約40人のメンバーで業務を進めています。一度も会ったことのないスタッフもいますが、毎日のチャットで親近感もありますし、イベントでお会いすると「ついに会えましたね!」と感動の初対面になるのでよくわかります。Slackの頻度など、何かルールなどは決めていらっしゃるのですか?

山室:特に決めていないですね。お互い空いた時間でお仕事を進めていただいています。

平田:業務時間はどう管理されているのですか?

皆見:毎週何曜日の何時から動きますなどの勤務時間は特に決めていなくて、業務の締め切り期限から逆算して毎月の業務スケジュールを立てています。

平田:そうなんですね。業務スケジュールが決められると、空いた時間で自分の時間が作りやすいですよね。業務の委託費用はどのように決めているのでしょうか。

山室:基本は業務ボリュームや難易度をヒアリングした上で工数を計算しています。業務が増える月も想定して、企業側には全体に馴らした金額を月額固定で提示しています。

平田:最初に提示した見積もり金額からずれることはないですか?

山室:ほぼないですね。ずれないように精度を高めていくのが企業努力かなと思います。

平田:なるほど。フリーランスでも直の企業間取引の場合、工数オーバー問題はよくありますよね。でも、なかなか言い出せなかったり、一度決めた月額費用を上げて欲しいというのは難しかったりすると思います。

皆見:WBSを引いたことで毎月の業務工数が見えますし、その分費用をいただいている実感があるので不満はありません。振込業務も私が行なっているので、実はダグズさんからメリービズさんへの支払い金額も把握しているんですよ。最初の導入時、会計事務所さんからの移行で工数が掛かる分と毎月の稼働分は別で見積もりを出されていて、見積もりの精度も高くてしっかりしているなという印象です。


フリーランスが働きやすい環境を考える

平田:皆見さんも月額固定ですか?

皆見:いえ、私は稼働時間分という考え方です。メリービズ側に統一された勤怠表があるので、そこに自己申告制で企業名と稼動時間を入力し提出しています。時間が掛かってしまった月は“もっと早くできたんじゃないか”と、申し訳なく思ったこともありましたが、でも、3ヶ月で馴らしてみると変動分はそこまで大差がなかったので、そこまで考えられていてすごいなと思いました。

平田:フリーランスがそこまで設計して工数を見積もろうと思うとなかなか難しいので、そこはメリービズのような企業が間に入ってくれると安心感がありますよね。テレワークだと発注する企業側が業務をちゃんとやってくれているのかと気にする経営者もいるのですが、ダグズさんの場合はしっかり回っているという印象がありますね。

大石:そうですね。宮古島ですと実は未だに支払いが現金払いというところもありますし、なかなかこういった形で業務を進められる経理の方はいらっしゃらないので、テレワークの業務は弊社のやり方とも合っていたと思います。

皆見:私は会社勤めを辞めてフリーランスになったので、好きな時に好きな場所で働けるのはメリットが大きかったのと、Slackのチャットメンバーにはメリービズのスタッフも入っているので、すぐに相談できる環境があったり、業務を常に見てくれているという安心感があります。

平田:ちなみに、フリーランスになろうと思われた経緯は何ですか?

皆見:毎日片道1時間の通勤、満員電車が大変だったのもありますが、毎日同じ場所、同じ時間で過ごすこと、人との距離感が近すぎるとしんどいなと思ってしまうタイプなので、会社員よりもテレワーク100%のフリーランスが私にとってはちょうど良い距離感で、自分に合った働き方だと感じています。

テレワークという働き方が、企業と個人の成長を後押しする

平田:今日はテレワーク100%の働き方についてお話を伺いましたが、経理はなかなか良い人材が採れないという中で、それぞれ強みを持った方の組み合わせで業務ができるのはこれからの時代に必要なことだと思います。これからテレワークの働き方を始める方へのメッセージなど一言お願いします。

大石:テレワークはわからない事も多くて不安に感じる方もいると思いますが、これだけツールがあってコミュニケーションが取れるなら使わない手はないと感じますし、逆に常に寄り添ってくれるのは経営者としては心強いですよね。テレワークを活用していくことが、自分の仕事量が減ってより業務を広げることに繋がると思います。

皆見:女性の方なら妊娠、出産、子育てもありますが、男性の育児参加も増えていますし、介護離職も問題になっていますよね。フリーランスだけでなく会社員にとってもテレワークという選択肢は大事になりますし、この働き方はこれからもどんどん広がっていくと思います。

平田:最後に、山室さんがまとめてくださったテレワークが成功する秘訣を聞かせてください。


山室:ひとつは徹底した業務理解、業務設計ですね。企業がアウトソースしたいタイミングって、場合によっては社内が炎上している状態の会社もあります。現状を把握することは社内にとっても大きな負荷がかかりますので、企業に寄り添いしっかりと見える化してあげることが大切だと思っています。

二つ目は、アウトソーシングに移行する場合、現状の仕組みと並走する、または小さく業務を切り出してスモールスタートから始めると、事故も起こりにくく業務が進むコツだと思います。三つ目がコンサルタントとして意識していることですが、関係する登場人物全員が同じ船に乗って、企業側の負担を減らそうという目的意識を共有することですね。それぞれの業務が遂行しやすくなるので、とても大切なことだと思っています。

ダグズさんの場合は、経営陣と現場の担当者が同じ方向を向いていたのが非常に大きなポイントでした。ここがずれてしまうと、アウトソーシングする側はやりにくかったりするので、業務を外出して本業に集中するために一丸となって向かっている会社だなということが伝わってきましたね。

平田:何のためにアウトソースするのか、その目的が社内で認識されていることが重要なんですね。本日は皆様、貴重なお話をありがとうございました。

文:中村真弓(広報)

登壇者プロフィール


メリービズ株式会社 代表取締役社長 工藤博樹

カナダ、シンガポール、フランス、日本育ち。 ’00-08日本IBM グローバルプロジェクトのプロジェクトマネージャーを担当。’08 INSEAD MBA取得。経営戦略事務所にて大手企業向けに経営戦略をコンサルティング。’10年Locondo.jp立ち上げ。’12年2月にメリービズ株式会社創立。FinTech協会代表理事も務める。

https://merrybiz.jp/


メリービズ株式会社 取締役 山室佑太郎

2009年4月長崎東高等学校卒業後、東京理科大学に入学。2013年4月東京理科大学専門職大学院イノベーション研究科(MIP)に進学。在学中に、2014年3月エムスリー株式会社にてインターン生として製薬メーカーのマーケティング支援を行う。2014年11月インターン生としてメリービズに参画。MIP修了後、2015年4月総合系コンサルティングファームに新卒入社。2015年10月よりメリービズに参画し、16年10月より同取締役に就任。COOとして事業全体を統括。

https://merrybiz.jp/


一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 

代表理事 平田麻莉

慶應義塾大学在学中にPR会社ビルコムの創業期に参画。人材企業や組織開発コンサルティング企業の広報経験を通じて企業と個人の関係性に対する関心を深める。ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院への交換留学を経て、2011年に慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了。現在はフリーランスPRプランナーや、ケースメソッド教材のケースライターとして活動。2017年1月にプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会設立。年会費1万円で保険や福利厚生を利用できるフリーランス向けベネフィットプランを提供し、多様な働き方の環境整備に情熱を注ぐ。

https://www.freelance-jp.org/


株式会社ダグズ・バーガー 代表取締役社長 大石智和

沖縄県宮古島市在住。フレンチの料理人を経てサントリーに入社。2018年にダグズ・バーガーに入社し、現在は代表取締役社長に就任。多良間島で生産される多良間牛や沖縄県産のマグロなど、地産地消の食材にこだわったハンバーガーショップとして話題を集める。ダグズ・グループとしてバーガーショップの他、グリル、コーヒーを展開。社員、パート・アルバイトを合わせ約60名の従業員を抱えている。

http://www.dougsburger.com/


ZECCA office 代表

フリーランス経理 皆見佳子(メリービズ在宅スタッフ)

大阪府高槻市在住。2015年、大阪市内某会計事務所の正社員として経理業務の経験を重ね、2018年1月よりフリーランス経理として独立。簿記、ファイナンシャルプランナーの資格を保持。現在は、メリービズの他、複数の企業の経理業務に従事し、プライベートと仕事を両立した理想の働き方を実現している。

https://zecca-office.com/

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