※こちらの記事はnoteからの転載です。
こんにちは!
株式会社マツリカ CSM(カスタマーサクセスマネージャー)の岡と申します。
先日、BtoB SaaSのCSMとしてお客様との「キックオフミーティング」でやっていることをご紹介するnoteを公開しました。
今回は、オンボーディング終了後の「定例ミーティング」でやっていることについてご紹介します!
前提:プロダクトについて
弊社はBtoB SaaSのビジネスモデルで、クラウド営業支援ツールSenses(センシーズ)というSFA/CRM領域のプロダクトを開発・提供しています。
従来のSFA/CRMは「管理者」へのメリットのみが重視されがちで、実際に入力する「現場」の人からすると「入力させられている、面倒だ」と感じるケースや「どう自分たちの役に立つのか、メリットを感じづらい」と感じるケースが多く、その結局「運用に乗らない」「入力されない」という問題が起きていました。
そこで、現場の営業パーソンにとっても、自分たちの営業活動をより豊かにするために、より楽しく、やりがいを持って使えるSFA/CRM、というところにフォーカスしているのが、弊社のプロダクト「Senses(センシーズ)」です。
Sensesは非常に使いやすいSFA/CRMではあるものの、そもそもSFA/CRM自体に
・業務フローにうまく組み込まないと機能しない
・国内では導入率がまだまだ低く、運用に知見のある人材が多くない
という特性があるため、弊社ではカスタマーサクセスによる支援に力を入れています。
定例ミーティングについて
オンボーディングプロセスが完了した後は、継続的にご利用いただくための支援(定例ミーティング)を行います。
プロダクトの利用状況、課題の変化などを確認しながら、運用定着に向けて必要なプロセスを辿っていきます。
>>マツリカの「CSM Group」取り組み紹介_2022
カスタマーサクセスにおける「定着・活用フェーズ」の難しさ
定例ミーティングを実施するフェーズは、プロダクトの定着や活用を目指す段階です。
この定着・活用という段階では、「この通りやればよい」という型を用意しづらい難しさがあります。
例えば、
・こちらが何もせずとも上手くいくケース
・最初からつまづいてしまうケース
・途中まで順調だと思っていたら、急に利用しなくなるケース
・データは貯めているけれど、なかなか活用まで進めないケース
など、前提や状況が全く異なるお客様が存在し、それに応じて「サクセスまでの道のり」自体も複数存在するのです。
だからこそ、定例ミーティングの進め方や内容に関して、最終的には担当CSMの判断が求められることになります。
しかし、そこに甘え続けていればスケールするCS組織にはなりませんよね。
そこで本noteでは、試行錯誤の末たどり着いた、型化された「これだけは」という内容についてご紹介していきます!
*「サクセスまでの道のり」は色々あるのですが、「そうではない現状」から「サクセスした未来」へと導いていく行為=組織変革である、という点は共通していると思います。
CSにおける組織変革に関するナレッジはこちら↓の記事をご参考ください。
定例ミーティングでやっていること10選
重要なポイント10個に絞ってご紹介します!
実際に使用している資料も一部公開していますので、ぜひお役立てください。
1. 導入目的の再確認(継続的な期待値調整)
2. プロダクト利用状況の振り返り
3. 質疑応答・運用相談
4. アップデート情報の共有
5. 運用状況レビュー
6. お客様側の推進体制・決裁者の確認
7. アップセル・クロスセル機会の探索
8. VoC(Voice of Customer)の収集
9. 契約更新の意思確認
10. 次回ミーティングまでのタスク確認
1. 導入目的の再確認(継続的な期待値調整)
キックオフミーティングで実施したように、
などを整理し、プロジェクトメンバー全員の認識が揃っているか、変更はないか確認しています。
「目的が不明瞭な状態」では運用に失敗しやすいため、この段階で導入目的を整理・確認することは非常に重要です。
「キックオフでも確認したから大丈夫」ではなく、期待値を適切に調整し続けることで、お客様も向き合うべき課題が明確になり、その課題を果たした時には満足度も高まり、結果的にプロダクトの継続利用にも繋がっていくのです。
ここでの「期待値調整」とは、「期待値を下げる」ということではなく、「目指す姿に到達するためには、まずはここを目指す必要がある」ということを握りながら、そのために相互の役割と基準を明確にしていく行為のことを指します。
単に期待値を下げるだけでは、「営業担当に聞いてた話と違うじゃないか」となりかねませんし、変化に向けた目標(ゴール)の魅力も訴求できないですよね。
2. プロダクト利用状況の振り返り
定例ミーティングでは「プロダクトの利用状況」を用意し、「導入目的・運用目標」や「先方の現場感」と照らしながら、とるべきアクションを検討します。
お客様が自走できる状態の実現に向けて意識すべきことは、「何が問題となっていて、その原因は何で、どうアプローチすると改善しそうか」を「お客様とともに」考えることです。
3. 質疑応答・運用相談
お客様からいただいた質問や相談にご回答します。
こちらから仮説を持った上でヒアリングし、課題を顕在化させていくこともあります。
プロダクトの機能についてだけでなく、プロダクトを活用した会議の進め方やオペレーション構築方法についてのご提案など、利用状況を改善するためのあらゆる打ち手を講じます。
プロダクトを活用した会議の進め方
レポートの活用方法
「プロダクトの利用を顧客の成果に繋げていくための議論」をじっくりできるように、プロダクト利用の壁を早めに越えることができるか?が鍵となります。
4. アップデート情報の共有
SaaSであれば、プロダクトは日々進化していきますよね。
お客様の抱える問題の解決に繋がるアップデート情報は漏れなく伝えることが重要です。
5. 運用状況レビュー
しっかりと運用が定着しており、目的をもって活用できているならば「契約更新していただけるはず」と楽観視してしまいがちですが、法人契約において「必ずしも現場の意向だけで決まるものではない」ということは多々ありますよね。
契約更新をより確実なものとするためには、改めて先方カウンターパート(意思決定者の方も含めて)とこれまでの取り組みを評価し、次の契約に向けて期待値を握り直すことが重要です。
「キックオフ時の期待に対して、現状をどう評価しているか」
「残りの期間をどう運用していくか?」
「更新に向けてのポイントは何か?」
この3点を中心に、再度期待値をすり合わせていきます。
上述の通り、期待値は「調整し続けること」が重要なので、基本的には更新の半年前から(遅くても3ヶ月前から)運用状況のレビューを複数回実施しておくと良いでしょう。
6. お客様側の推進体制・決裁者の確認
異動や退職等の理由により、お客様側の推進体制・決裁者に変更があるケースは要注意です。
というのも、プロジェクトメンバー入れ替えの際に導入目的や運用ルールの引き継ぎが適切になされないと、運用がストップしそのまま解約になってしまう可能性が高まるためです。
(こういったケースを防ぐために、キックオフ後にお客様側で運用マニュアルを作成・展開いただくことも重要です)
責任の所在を明確化するために、弊社では以下の3つの役割を定義しています。
・Project Owner(プロジェクト責任者)
・環境設定推進者
・運用推進者
7. アップセル・クロスセル機会の探索
カスタマーサクセスのミッションであるLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)最大化のために、アップセル・クロスセルの機会を伺うことも重要です。
プロジェクトメンバーの「誰がどの役割なのか」を常に最新の状態に保つことは、運用定着だけでなく、アップセル・クロスセル機会の創出にも繋がります。
さらに、推進体制・決裁者を明確にするだけでなく、まだご契約いただいていない範囲(他部署など)も含めた組織図を描き、どこにアップセル・クロスセルの可能性がありそうか、そのためには誰にお話しすれば良いのかを確認していきます。
8. VoC(Voice of Customer)の収集
プロダクトをご利用いただいているユーザーの声(VoC)を社内にフィードバックすることも重要です。
プロダクトに対する要望だけでなく、実際に利用する中でどのような価値を感じていただけたのかという意見もヒアリングしています。
9. 契約更新の意思確認
恐れずにしっかりと確認しましょう。
大事なことは、結果だけではなくプロセス(これまでの取り組み)も改めて認識してもらうことです。
取り組みの評価という観点では、利用状況や効果測定を示すレポートも併せて提出すると効果的です。
10. 次回ミーティングまでのタスク確認
必ず「次回までに取り組んでいただくこと」を明確にしてからミーティングを終了するようにしています。
次回の定例ミーティングでは、
からスタートするとよいと思います。
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