2021年度が終わりました。
最後は色々と立て込み、非常に慌ただしい日々が続きましたがなんとか一段落。
年度末には各指揮命令者から社員の通年評価も全員分確認し、高い評価をもらったエンジニア、課題が浮き彫りとなったエンジニアと様々でした。
いろいろな観点で振り返ってみようと思います。
ラワンセの社員、給与上がったの?
会社員として働く以上、非常に大切なことだと思います。
最近少しずつ流行りつつある派遣やSESの単価連動制。
基本的に単価に連動して給与が上がっていくわけですが、単価連動制がどうよりも実態として給与が伸びていっているかに触れている会社は、実はそれほど多くありません。
3月末時点で弊社には31名のエンジニアが在籍しています。
4月から昇給したエンジニア比率は以下の通りです。
現場での活躍を評価された社員がほとんどで、9割弱の社員が昇給しています。
昇給しなかった社員の中には入社1年未満の社員も何名かいるため、普通に働いていれば基本的にほぼ全員が昇給したという結果になりました。
昇給しない社員がいることに違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
これは従来の年功序列制や年次昇給制と全く異なるのが単価連動性の給与体系となります。
年功序列制と違い、年齢関係なく自身のスキルに対する給与制度になりますのでこの文化に慣れない方は年功序列制の企業を選択するとミスマッチが無くなると思います。
ラワンセの社員、どのくらい給与上がったの?
昇給した社員のうち、約半分は月給¥20,000〜¥30,000の昇給をしています。年収換算すると24万〜36万の給与アップですね。
平均でいうと大体¥15,000〜¥20,000の昇給になるかと思います。
これは中小企業の昇給額としては決して悪くない数字ではないでしょうか。
例えば弊社ですと20代(経験3年未満)で入社すると大体年収400万〜500万くらいでスタートする方がほとんどです。
経験5年で年収500万〜600万、経験10年で年収600万を超えていくのが無理のない昇給ペースかと思います。
※あくまで一般社員の給与テーブルなので、役職や事業活動に従事した人はこの限りではありません。
※上記は実際に上がった給与の数字になりますので、単価は上記金額よりも更に上がっています
どういう人が昇給したの?
そんなに難しい条件はなく、
- クレームが入るようなトラブルがない
- 前回単価見直しから1年以上経過している
- 案件メンバーと業務上必要なコミュニケーションが取れている
- 1年間で明確に出来ることが増えた
といったようなことが出来ていた方は単価が上がっています。
エンジニアであれば1年で出来ることが増えない人も滅多にいないでしょうし、それ以外についてはごく当たり前の内容かと思いますので、当たり前のことを当たり前にやっている人であれば昇給したという結果になります。
あとは単価の上げ幅についてですが、
- 案件メンバーやリーダーだけでなく指揮命令者(課長)から高い評価を得た
- メンバー→PL、PL→PMといったように1つ上のポジションが出来るようになった
- 現場で若手教育に貢献した
- 新たな知見、トラブルがあった際に周囲に向けて積極的に発信を行っていった
- プロジェクトの成功(利益)に貢献した
といったような成果を出した人ほど上がり幅は大きくなった結果となりました。
これらの評価は今年度に限ったことではなく、例年ほぼ変わらず上記のことが出来ている人は高い評価を得られる傾向にありますので、誰にでもほぼ同等にチャンスがあるという風に考えています。
(やるかやらないかは全て自分次第!)
4月から現場変わる人どのくらいいる?
これは驚きの結果かもしれませんが、なんと1人もいませんでした。
現場の組織改編によって部署名とかが変わる人はいますが、明確に違う現場に異動し、これまでと全く違う現場になったという人はいませんでした。
現場が変わるというイベントが発生するのは色々な要因があると思います。
- エンジニア自身から現場変更の要望があった
- 現場サイドから契約終了の要望があった
- 自社の戦略でエンジニアの配置転換を行った
主な要因としてはこんなところかと思います。
もちろん現場変更には良いことと悪いことがありますが、SIerだと1つの現場に就業するとしても現場では案件をいくつも掛け持ちで対応することがほとんどです。
- 同じ部署にいながら多様な案件を対応する(製品や工程も様々)
- 同じ部署にいても取扱製品が毎年のように変わる
- 新しい製品を触る機会も非常に多い
この辺りはSESと大きく違うところかと思います。
もちろん違う現場に行くことでまるっきり違うことをすることにもメリットがあります。
ただ、同じ部署でも技術の陳腐化は基本的に無く、常に新しいインプットが要求されます。
弊社の社員だと、大体4年〜6年ほどの周期で現場を変えたいと希望する社員が多いように感じます。
今回はたまたま希望者がいなかったという結果になりましたが、もちろん全社員に異動希望が無いかのヒアリングは実施しています。
逆に、「今の上司から離れたくない」、「今の現場で覚えたいことが山程ある」と言った声もちらほらありました。
ちなみに私はすでに同じ現場に6年いますが、年々やることが以下のように変わってきています。(代表的なものを抜粋)
- 1年目:vSphere5.5世代の仮想基盤リプレイス
- 2年目:vSphere6世代仮想基盤リプレイス、バックアップ、ストレージ
- 3〜4年目:プリセールスエンジニアとして自分が主担当となり提案(仮想基盤やストレージ、バックアップ)
- オンプレミス→クラウド以降の提案やPMとして案件推進、vSphere7世代の仮想基盤リプレイス
- 来季はAzureやo365といったMS製品を中心とした提案や導入
やること変わりすぎですね…笑
ただ、やっていることとしてはプリセールスエンジニアであったりPMとしてのポジションがほとんどなので、スキルセットを横に広げているイメージになります。
成長に必要なのはフィードバック
派遣やSESでありがちなのは、1度現場に就業したら2〜3年は同じ現場に行き、その間は単価がほぼ変わらない。
そして2〜3年に1度現場を変更するタイミングで単価を10万単位で上げるといった方針です。(同じ現場での単価交渉は工数がかかるため基本的にしない)
弊社だと毎年3万〜5万程度単価が上がることが一般的ですので、上げ幅という意味ではどちらの方式でも大きくは変わりません。
しかし、年度末の単価交渉には単価を見直す以外に同じくらい大切なことがあります。
それは直属の上長から1年間の振り返り、評価された点、課題となっている点をヒアリングして本人にフィードバックすることです。
エンジニアだけでなく人が成長していく上で客観的な評価や視点というのは非常に大切です。
ラワンセでは本人へのフィードバックを非常に大切にします。
現場を変えることで単価を上げる方式だと上長からのフィードバックをもらう機会を失います。
なぜなら現場を抜けていくエンジニアに対して真剣にフィードバックしてくれる人の絶対数は少なくなり、
派遣やSESの営業も新しい現場でいかに単価を上げるかという点にばかり注力し、今の現場での評価やフィードバックを蔑ろにしている人も少なくないことでしょう。
とくに1人の営業で何十人もエンジニアを担当していると現実問題そんな時間が取れません。
しかし、1年間最も身近で見てきた人の評価というの大切にすべきと我々は考えているので、営業チームは現場上長と密なコミュニケーションを日頃から形成します。
エンジニアとしての成長戦略を個人へ任せきりにせず組織一丸となって支える
現場上長からいただいた評価や課題というのは私や他の営業担当から各メンバーが所属するチームリーダーへ詳細に共有されます。
そして来年度単価を上げるため(つまりエンジニアとして成長してくため)にはどういう取り組みや、課題をどうやって乗り越えていくかという戦略を組織一丸となって考えます。
「給与は単価連動で規定通り支給しているし、単価が上がらず給与も上がらないのは成長しない本人のせい。」という風に切り捨てる派遣・SES企業は実際多くあると思います。
規定通りやってるから何も問題ないんでしょうけど。
とは言えその理屈であるなら組織に所属する意味はあるのか?というが私自身素直に思う疑問なので、組織全体で社員を育てていくものでありたいと考えて今の方針としています。
社員が年齢を重ね、35歳、40歳と過ぎていき、「アサインできる案件が無くなったから解雇します。」という冷酷な会社ではなく、社員を守ることができる組織となるために我々は組織づくりをしていきます。