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『MODECON』をはじめ、ライブ配信を通じたさまざまなオンラインコンテストを多数企画・開催している株式会社KIRINZ。2023年を通じて計107回のコンテストを開催いたしました。コンテストの総応募人数は8万6,222名に上り、協賛企業数は146社に達します。
今記事では、ライブ配信事業を軸に、今後さらに積極的な事業展開を目指すKIRINZの代表取締役CEOの鵜池に「KIRINZのミッション・ビジョン」に込められた思いや、事業展開について話を聞きました。
鵜池 航太 / 代表取締役CEO
1990年生まれ。法政大学に在学中、学生団体の活動からイベント運営事業を立ち上げる。
その後、女子大学生に特化したオーディションイベントに事業を拡張し、2016年に株式会社KIRINZを設立。早期に事業のオンライン化をしていたため、コロナ禍で急成長市場となったライブ配信市場においては複数の配信アプリで配信売上高1位を獲得するまでに事業は成長し、現在ではオンラインイベント事業で形成した大学生やナノインフルエンサーのコミュニティを基盤としたメディアブランド事業、マーケティング事業も展開。ライブ配信に携わる企業としては他社と一線を画す。
飽くなき挑戦が可能性を広げる。日本にチャレンジスピリットを定着させたい
ーーミッションの「人類の可能性を最大限に引き出す」や、ビジョンの「挑戦できる社会をつくる」を掲げた理由を教えてください。
私は、日本ではなかなか挑戦機会に乏しく、自信を持つ人が少ないと考えています。ですが、普段当たり前のように利用する電話や大空を舞う飛行機も、発明家による挑戦の末にチャレンジによって創り出されました。挑戦が世界を変えたんですね。では変革を起こすためには何が必要かと考えたときに、それは「挑戦できる社会」を創ることだという結論に至りました。
KIRINZは、人類の可能性を引き出せるように挑戦できる社会を創りたいと考えます。その実現に向け、いかにして私を含めたメンバー全員が常に挑戦するマインドを持てるかを考え、それを体現したい思いでミッションとビジョンを定めました。
実は、社名であるKIRINZの由来は「麒麟児(=将来有望な若者)」から来ており、KIRINZのZが「無限」を表しています。麒麟児である私たちが挑戦し続けることで、社会に無限の可能性を与えたいという意味が込められています。
ーーとても壮大なミッションやビジョンに思えます。
不景気や人口減少といった課題が山積し、日本は国全体が自信を失い萎縮していると感じます。言わば「負のスパイラル」となっているこの状態から解放されるために、まずKIRINZが積極的に事業を展開したいと考えています。当社が主事業としてライブ配信を選んでいる理由は、挑戦する観点で考えたときに非常に優れた仕組みだと考えるからです。ライブ配信を始めたその日から、さまざまな人から応援される可能性をもつ仕組みです。
KIRINZではライブ配信イベントを定期的に開催しており、ライブ配信を通じ成功体験を得てライバーが自信をもてるようになります。自信を手にすることで、新たな挑戦に踏み出せる。それにより挑戦のサイクルが回り始めます。自らの可能性を信じ、思いきりチャレンジできる土壌が社会に育てば、挑戦を後押しする麒麟児の可能性もどんどん広がります。社会そして当社にも好影響をもたらす挑戦を続けるために、ミッション・ビジョンを制定しました。
ーーライブ配信を通じて、誰もが挑戦できるのでしょうか?
ライブ配信は、チャレンジの阻害要因となる“格差”を解消できると考えます。世帯年収や自身の学歴、そして居住エリアの経済規模や土地柄などを要因とする格差も、ライブ配信では関係ありません。
生まれた場所も居住エリアも、世帯年収も学歴も関係なくチャレンジできます。KIRINZはライブ配信の大きな可能性を感じ、挑戦の土壌をつくる最初の一歩としてライブ配信事業を選びました。
“海の向こう”に思いを馳せて。世界の先に思い描く未来が待つ
ーーどうすれば、挑戦が日常になるのでしょうか?
たとえ小さくても、今日1歩を踏み出せるかどうか。KIRINZが掲げるミッションやビジョンは壮大ですが、今この瞬間を変える挑戦を通じて、望む未来が達成されることを意識してほしい強い思いがあります。自らが「こうしたい」と望んだ思いが実は可能性となり、チャレンジを経て広がっていくというメッセージなんですね。
例えば「誰もが大胆に行動できるか?」と言えば、できないでしょう。同様に「みんなが宇宙に行けるか?」と言えば、今すぐは難しそうです。もっと小さな尺度でも「挑戦するって良いことだよね」「可能性を信じられるかもしれない」と自身が思える機会や、そう感じる周囲の理解者が増えれば、挑戦は日常的になると思います。
ーーKIRINZが今、達成したい目標を教えてください。
日本のスタートアップを代表する1つの存在として、世界で戦う礎を築きたいですね。具体的なアクションとして、まずはライブ配信事業で日本No.1です。そして、次は世界No.1を目指します。ライブ配信事業の世界No.1を手にしたら、次は新規事業を立ち上げるイメージです。具体的には、ライブコマースですね。“投げ銭”などライブ配信の技術を活用してライブコマースを実現できれば、ライバーが活躍できるフィールドが広がります。若い世代に留まらず、70〜80代まで活躍できるようになるでしょう。
ライブコマースを通じて、秀でた技術による“ものづくり”で創られた商品を海外に販売することで、ワールドワイドに活躍する日本人が増えていくと私は考えます。世界基準で物事を考えられる人を増やすために、KIRINZが世界を代表する企業に成長することで、日本のスタートアップが世界進出するモデルとなりたいですね。
ーー鵜池さんが、世界を意識するようになったきっかけを教えてください。
私は元々メジャーリーガーになりたかったんですよ。野茂選手など、海を渡った選手たちの活躍を見て「メジャーリーグでも日本人が戦えるんだ」と勇気をもらいました。野茂選手の渡米から約20年が経ち、今は大谷選手が世界一と言っても過言ではないプレーヤーに成長しています。もちろん、その間にはイチロー選手や松井秀喜選手など、たくさんの選手が海を渡りメジャーの舞台で戦ってきました。サッカーの久保選手や三苫選手なども同様で、世界で活躍するスポーツ選手が増えています。
次はビジネス界の番です。経営者として、その先がけを担うのは僕らの世代です。若手経営者が海を渡り、世界で戦う姿を見せていければと思います。そして、今後20~30年経った時に、もっと若い世代の経営者がユニコーン企業を率いることも起こり得るでしょう。スタートアップを取り巻く環境は日本国内でどんどん良くなっているので、僕たちは後輩の礎となるためにチャレンジした姿や世界で戦った実績を持たなければいけないと思います。
ーーKIRINZにとって、世界進出は通過点ですか?
世間のトレンドや市場の状況により、当社が求められる役割は変化すると考えています。それを踏まえると「世界進出して終わり」ということではありません。
将来、僕がKIRINZを去った後に会社が100年、200年、300年経った後も続いていれば、もしかしたら人々は惑星を越えて暮らしている可能性すらあります。そうなると“ワールドワイド”という文脈では終わらないですね。
世界No.1への歩みを加速。その先を見据え描くロードマップとは
ーー世界進出を実現するために、思い描くロードマップを教えてください。
まずは日本国内のライブ配信市場にてトップシェアを獲得し、続いて海外のライブ配信市場も含めてNo.1となるまでが世界進出のファーストステップです。
続くステップとして、ライブ配信事業と連携する形でライブコマース市場への参入を計画しています。ライブコマース市場は2027年に年間3,000億の市場規模を持つと予測されており、ビジネスとして大きなインパクトを創出できる市場です。
ーーその1ステップ目となる「ライブ配信事業で世界進出」は、どう実現しますか。
2年で達成したいと考えています。ライブ配信事業の市場規模は、中国が世界1位で、日本が2番目に大きく、3番目に韓国が続きます。まずは日本市場に注力するフェーズです。
その後は、アジアの競合に勝てるよう積極的にチャレンジします。バーチャルライバーの強化など、さまざまな施策を検討中です。
ーー2023年に実施した、株式会社StockForceとの経営統合はチャレンジを加速させますね。
『17LIVE』のGOLD Partner認定企業であるStockForceは、高度なライバーマネジメントチームと配信企画のクリエイティビティが強みです。
『ミクチャ』をはじめとしたライブ配信や、自社で企画・運営する『MODECON』などのコンテストを通じた集客に強みをもつKIRINZが手を組むことで、ライブ配信事業での国内トップシェアの獲得と、集客スタイルや教育スタイルが異なる両社の相乗効果から新たな価値創造も期待しています。
ーー続く2ステップ目となるライブコマース事業への参入に向けて、どんな戦略を描いていますか。
1案として考えている施策は、ライバーマネジメントの強化です。ライブコマースの成功には、ライバーの成長が欠かせません。KIRINZはライバーマネージャーを通じて、ライバーの成長を促す適切な目標設定とポジティブなフィードバックを徹底して取り組みます。
数々のイベントを実施している当社では、ライバーの育成ノウハウと成功体験を積むチャンスが多くあります。自信をつけ成長した結果、月間収入が100万円を超えるライバーを多く輩出できました。こうした活躍をみせるライバーを数多く増やすことが大切です。ライバー自身が予算を持つことで、好きな商品をライブコマースで販売したり、新たな商品の企画・開発に取り組めるなど可能性が広がります。
ーーライバーの長期的なキャリア形成にも役立ちます。
ライブ配信においてPDCAサイクルを回し、目標を達成する力はビジネスシーンでも活かせます。ライバー卒業後のセカンドキャリアも今後生まれていくだろうと考え、KIRINZでは人材事業を立ち上げました。ライブコマース事業、そして人材事業を通じてライバーのキャリア形成をサポートできればと考えています。
人口減少を背景にグローバリズムが進む日本。KIRINZで価値ある人材に成長する
ーー今後、KIRINZは経営規模を大きくしていく方針ですか。
将来的な上場は検討しています。ですが、すぐに行動を起こすことはありません。今後、仮にIPOを実施するとしても安易に決断することはなく、あくまで自力で事業展開した上で「経営戦略を考えた際に上場がベスト」と判断できたときに、検討を進めていきます。
ーー拡大フェーズに入れば、採用活動が活発になります。鵜池さんは、どんな人と働きたいですか?
ビジョンを実現するプロセスでは、これからもM&Aなどを通じて経営規模が拡大していくでしょう。会社が成長し業績が伸びれば、新たなポストがどんどん生まれます。経営を担える人材を増やす必要がありますから、将来的に「経営を担いたい」と考える成長意欲の強い人たちと一緒に働きたいと願いますね。
成長段階のKIRINZにはチャレンジできる環境があり、当社のメンバーが望むキャリアを実現できる可能性も高まるでしょう。
ーーグローバルな事業展開を目指す中では、海外拠点を開設する可能性も高まりますね。
そうですね。経営リスクの観点でも、私は海外展開を積極的に進めるべきだと考えます。長期的な視点で考えると、少子高齢化社会の到来による人口減少によって日本経済の冷え込みが想定できます。また、地政学的なリスクも考慮しなければなりません。
海外拠点の展開は、まず中国・シンガポール・マレーシアなどのアジアを考えています。その後、タイミングをみて欧米への拠点開設を視野に入れていく方針です。
ーー最後に、KIRINZで活躍するために必要なマインドは何でしょうか?
ポジティブマインドで行動できる方と、多様性を理解できる方ですね。今後、KIRINZも含め日本企業に外国の方が増えることを想定すると、いち早くさまざまなカルチャーを理解できるようになることで、ビジネスパーソンとしての価値を高められるでしょう。KIRINZもメンバーに価値を提供できる環境を整えていきます。
KIRINZが掲げるミッション・ビジョン・バリューを尊重して、日々元気に挑戦していただければと思います。