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会社の未来を考えるには会長と社員の1on1デートが効果的だった話

はじめに

株式会社キカガク代表取締役会長の吉崎です。

いきなりですが、みなさんの会社では 1on1 の機会はあるでしょうか。
そして、その 1on1 では未来のことまで考えられるほどの余裕はあるでしょうか。

キカガクは今年で創業から5年を迎え、社員数は35名ほどになりました。
いまは組織を作って伸ばしていく絶賛拡大中のフェーズです。

事業は順調に成長している中、どうしても思考が目の前の仕事に奪われがちな成長フェーズにこそ、新しい風を吹き込まねば!と考えついたのがこちら!

会長と丸1日を一緒に過ごす 1on1 デート!

なんと、ありがた迷惑な企画でしょうか。
創業者であり、会長の私と2人っきりで話すだけでも緊張するはずなのに、それを丸1日も付き合わされるのです。

そんな超迷惑な企画を緊急事態宣言が明けた頃から感染対策に気をつけながら開催しました。
そして、今回は参加した全てのメンバーからの会長への忖度満載なコメントをいただいたので、そのコメントも見ながら、どういった影響があったかを紹介します。

どんな内容?

今回は経営陣とマネージャー陣を対象に、それぞれに私と一緒に遊びたいアクティビティを決めていただき、一緒に体験していっぱい笑おうというだけです。
コロナ渦で大変な中で歯を食いしばって頑張ってくれた方への恩返しのつもりでした。
私が車で迎えに行き、車中で2時間ほど話し、アクティビティを体験、帰りも2時間ほど話し、最後は晩ごはんを一緒に食べるといった流れです。
アクティビティを挟んだのは緊張をほぐすためと、2人で一緒に取り組んだ時間を分かち合いたかったからです。
いつもは仕事終わりのお酒になってしまうところを、もっと濃い時間を過ごせないかと考えて、この流れにたどり着きました。
参加してもらった11人のアクティビティは全員違うのが面白いところです。

さて、論より証拠
どんな結果が待っていたのか紹介していきましょう!
全11名!お楽しみください!!

参加いただいた方からのコメント

エントリー No.1 代表取締役社長 大崎くん

大崎くんからのコメント

二人で大型バイクを乗り回して一緒にツーリングに行きました!!
学生時代ではつけることが考えられなかったインカムをつけ、バイクに乗りながら会話するという個人的には新鮮な体験です。

役職柄、今までも1on1で話すことは比較的多かったのですが、バイクに乗りながら話をすると運転にも集中しないといけないので、思考をあまり介さずにかなり本音に近い会話ができたような気がしています(仕事の話は少なめですが、、、)。

いつもついつい仕事の話ばかりしてしまうので、好きな車やバイクの話等、趣味の話を中心に盛り上がり、純粋な友達の関係に戻れた気がしたのも個人的には良かったです!

これからも本音で話せるバイクミーティング増やしていきたいと思います!!!

今年から社長に就任し、1児のパパになった大崎くんとは、写真の爽やかな雰囲気とは一点、2人で大型二輪の愛車ツーリングに行ってきました!(ふたりとも昔から車とバイク好き)

社長の大崎くんとは元々、美容師が同じで合わせたい人がいるという縁で出会い意気投合。
最初は友人から始まった関係だったからこそ、最近は立場上、仕事の話が多くなり、私も少し寂しく感じていました。
そんな中、昨年大崎くんが大型二輪の免許を取得したと聞き、共通の趣味を持てないかと私も大型二輪の免許を取得して、念願だった2人でのツーリングが実現しました。
日頃、仕事の話ばかりしているからこそ、友人の頃に戻ったような本音で話せる時間はかけがえがなかったですね。

▶ 結果:友人から仕事のパートナーになると難しかった距離感を、この日は2人とも忘れることができた

エントリー No.2 取締役副社長 西沢くん

キカガクの中では私に続く最古参となった西沢くん。
付き合いも3年を超えた彼とは、船で海釣りをしてきました!(船酔いがすごかった...)

西沢くんからのコメント

僕は、魚釣り温泉魚さばく・調理(焼くだけ)→ 飲み、といった流れで 1Day を過ごしました!
移動中も含め 1 Day かけて話せたので、普段以上に幅広くかつ深い話をできたと感じました(プライベート、仕事ともに)。

印象と残っているのは、改めて組織が大きく変化していくフェーズにあるという点です。

今年でキカガクのメンバー数は今年で 35 名となりました。
僕が入社した時から約 6 倍のメンバー数となり、全く異なる状態になっています。
事業や組織の成長は勝手に起こるのではなく、メンバー 1 人 1 人の成長にかかっています。
そして、僕がそのメンバーの成長や活躍に今まで以上に強くコミットしていくことが大事だと改めて様々な会話を通じて感じました。

あとシンプルに食料を自分の手で調達し、調理し、食べるといった体験はとても楽しかったです!
吉崎さん、改めて今回はお誘い頂きありがとうございました!

アジ釣りからその調理まで一緒にしよう!と2人で挑戦しました。
目標は1人1匹でしたが、開始1時間ほどで20匹ほど連れてしまい、そこからは釣りはやめて海を眺めながら2人で語り合いました。

せっかくならと家に帰ってきて2人で魚を捌こう!と意気込むも、2人とも未経験。
鱗ってこうやって取るのか!エラって取るんだ!内臓って手で取るの?3枚に下ろすって何??
今まで当たり前のように食べていた魚を前に、大人2人でネットの情報を頼りに格闘しました。
西沢くんのコメントで焼くだけと強調されているのは、刺し身に挑戦するも全然うまくできず、いかに難しいか理解し、諦めたからです。

▶ 結論:魚を捌くと目の前の料理のありがたみがわかり、美味しさ2倍!

というのは冗談ですが、西沢くんとは出会った頃の役割がお互い全く変わり、プレイヤーだった2人がマネージャーを超えて、経営者としての役割を求められるようになりました。
私も西沢くんも、自分が先頭で手を動かして一緒に突破していくプレイングマネージャーのタイプですが、改めて自分が手を動かさずに任せるという必要性を話し合いました。

▶ 結果:俺の背中について来いではもうだめ。人に任せられることこそ、次の仕事だよねと誓い合った

エントリー No.3 取締役CMO 都築さん

都築さんからのコメント

Let's go rafting!!!!
私にとって 1 Day 1 on 1 は未来を描くための「過去の振り返り」です!

吉崎さんと 2 人きり時間を共にするのは入社前のサシ飲み以来でした。
当時はまだ社員十数名の小さな組織で、毎日をどう乗り切るかに精一杯でした。
苦しい時期もありましたが、「私達が歩いてきた道は間違ってなかったよね。」「あの経験があったから今があるよね。
そんなことを一つ一つ確認しながら、ミッションを再認識する機会でした。

吉崎さんは新たに「起業家育成」という大きなビジョンを掲げ、既に形にしようとしています。
次の 1 Day 1 on 1 では 私も 1 日で収まりきらない壮大な振り返りができるよう、また今日から頑張りたいと思います!!

常に圧倒的スピードで走りつづける背中に感謝!!

お手本のようなコメントありがとうございます!
都築さんはキカガクの中では数少ない私より年上のお兄さんです。
実は私は年上の方が苦手で都築さんは一番誘うことに勇気が要りました。。。
これを都築さんに打ち明けると、都築さんはサッカーで高校時代にプロを目指していたことがあり、実力主義社会で育ったからこそ、立場的に上の私が誘いにくかったそうで、お互い笑いました。
(ここだけの話、この後から都築さんに頼りやすくなり、本当に仕事がしやすくなりました。笑)

今回の旅でご一緒できたことで、ようやく本音もぶつけやすくなったので、また定期的にサシ飲みもいきましょう!

▶︎ 結果:お互いの思いをぶっちゃけトークすることで、ようやく本当のチームメイトになれた

エントリー No.4 執行役員CTO 祖父江くん

祖父江くんからのコメント

私は昨年に東京から高知へ地方移住をし、普段はリモートワークをしています。
もちろんオンラインでお話する機会もあるのですが、アジェンダが決まっているのでオフィス時代には気軽にできた他愛もない話や最近考えていることをぶつける機会はなかなかありません
その中で今回の企画はアジェンダフリーで話せる貴重な企画でした!

吉崎さんと話すときは吉崎さんが考えている未来の話を聞くのが好きで、3 年先程度で、キカガクがどのような道に進むか、その目指す先に対して現在地はどこなのか、そのギャップを埋めるためにはどうすれば良いのか、などをお話しました。
こういった中長期戦略は意図的に時間を取らないと日頃は短期的な話に終始してしまうので、1 日丸ごと使えた大きなメリットだなと肌で感じました。

もちろんお互いエンジニアですので開発手法(TDD, DDD)の話や最近の技術の話ができたのもとっても楽しかったです!
ありがとうございました!

実は今回の企画は東京から離れて住む人のモチベーションアップに企画が始まりました。
つまり、祖父江くんのための企画でもありました。
祖父江くんも書いてくれていますが、オンラインになると、用のある人と必要な議論しか話さなくなるので、オフィス時代にできた他愛のない話をする機会が圧倒的に減りました。

生産性は上がっている気がする一方で、失ったものはなにか。
この答えを探しに行く旅でもありました。

そして、祖父江くんとの旅で見つけた答えは『未来を語る時間』でした。
『今』に対する生産性が向上した中で失ったものは、みんなで『未来』を語る時間です。
今回は祖父江くんと技術者視点も踏まえた『未来』を1日語り合えた貴重な体験でした。

▶︎ 結果:1日デートには未来がいっぱい詰まっていた

エントリー No.5 執行役員 管理本部長 小西くん

小西くんからのコメント

先日は貴重なお話、貴重な体験をさせていただきまして本当にありがとうございました!
最も印象に残っていることとしては、やはりバンジージャンプです。

ヘレンケラーの名言に『自分でこんな人間だと思ってしまえば、それだけの人間にしかなれないのです。』というものがあります。

30歳という節目自分で世の中のために何かを生み出したいと感じていた折に重要なポストでキカガクへジョインさせていただいたことに感謝するとともに、キカガクのミッションのため全力で邁進しようと心で誓っていました。
しかし、高所恐怖症の私がバンジージャンプをするという今までは考えられない行動させていただいたことで、「今なら何でもできる」と更に心が燃え上がるような感覚となりました。

自分の固定概念的限界を振り払い、吉崎さんのこれまでの苦労と努力の積み上げでたどり着かれた思いや未来への思いに負けないくらいのパッションを持って行動して参りたいと思っています。
今後とも宜しくお願い致します!

小西くん、、、高所恐怖症だったのね。。。すいませんでした。
入社直後に食事に行ったときに、バンジージャンプに行った話をすると、行ってみたいとボソッと聞こえたので、一緒にチャレンジしようと向かいました。
(バンジージャンプハラスメントで訴えられなくて良かった、、、)

小西くんはちょうど入社して間もなく、元々監査法人出身ということもあり、私に対してのコミュニケーションが固かったので、同い年だから仲良くやろうね。と少し思い切ったアクティビティを選択しました。
私が今までで一番怖かったバンジージャンプを一緒に経験するからこそ、深まる仲があるのでは。

ふたりでバンジージャンプを飛ぶ前にドキドキを抑えるために変な会話をしたり、飛んだ後に涙を流したり。
やはり、とてつもなく怖かったのですが、小西くんとはかけがえのない絆で結ばれたと感じる1日でした。

▶︎ 結果:バンジージャンプをしただけなのに、ヘレンケラーの名言に繋がって良い感じに解釈してもらえた

エントリー No.6 営業部長 山下くん

山下くんからのコメント

会長との 1day 1 on 1 は、私の好きなゴルフ日帰り箱根温泉へ行ってきました!

コロナ禍でなかなか外出できてない中で、今回のような質が高く密度の濃い時間は改めて重要だと再認識しました。
また、真面目な話や、普段できない貴重な話をしながらも、私の「好き」を共に経験し時間を共有することで、会議室で行う 1 on 1 とはまた違う雰囲気を味わうことができ、終始感動しっぱなしの1日でした!

1 on 1 MTG だと、普段の業務での悩みや相談もでき、また改めて頑張ろうとモチベーションも向上できますが、今回のように丸一日を共にすることで、これまでにない信頼関係の構築やお互いのリスペクトも深まったんじゃないかと思います。

改めて、貴重なお時間を割いていただき、また私の「好き」にお付き合いいただきありがとうございました!

山下くんからは「好き」なゴルフを一緒にしたいと誘っていただき、打ちっぱなしに行きました。
私は初挑戦のため、山下くんからクラブの握り方のレクチャーを受けるところからでしたが、思いのほか体が動き、楽しい体験になりました(その後、山下くんと回るためにクラブも一式買いました)。

山下くんはアメリカから帰ってきてキカガクが社会人1社目でした。
日本のビジネスマナーを叩き込むところから始まったのが懐かしいほど成長し、今回は『マネージメント』の話が中心になるほど、キカガクのコアメンバーになっています。

山下くんが書いてくれているように、モチベーションの向上は確かに会議室の 1on1 でもできます。
その一方で、信頼関係の構築までは長時間かけて一緒に仕事をしないと本来は難しいところを、今回は1日で得られた気がします。
そう考えると、1日 1 on 1 デートは会議室での 1on1 とは違う役割をしっかりと果たしてくれていそうです。

▶︎ 結果:お互いへの信頼度が高まり、背中を預けられる関係に進化した

エントリー No.7 マーケティング責任者 神部さん

【ドライブ1on1の素敵な点】
・密室で安心しつつ、じっくりと会話ができる
・1日だからこそ、普段聞けないこともしっかりと聞ける
・向かいあわせではなく、二人で同じ方向をみつつする会話が話やすい
・景色も変わり、リフレッシュしながら話せる

【学んだこと】
・何かを学ぶにはまず経験が必要
・問題解決は「とくべき問題の設定」が一番大事
・うまい構造をつくるには「利害関係の一致」を作る
・問題解決の際の「比較」のさせ方(うまくいっている教育とうまくいっていない教育で比較する)
・いまの状況を最大限活かすにはどうしらたよいか?という目的の再定義思考(起業家育成プログラムでの飲み会の話より)
・論理的に考えるとは、分解と構造化(広さ×深さ×構造)
・学士/修士/博士アプローチという教育へのアプローチ
・マーケターとして一歩成長するために、自身の何かをつくって売ってみる

【次回の目標】
・吉崎さんと1on1温泉に!

ま、ま、まじめ!!!
神部さんはドライブ中もずっとメモを取りながら話を聞いてくれていました。
質問も山ほど用意していただいて、ドライブ中は終始質問攻めで、私も嬉しかったです。

このとき、印象に残っている話としては、「学士 / 修士 / 博士」の教育的アプローチです。
もともとは京大時代の先輩に教えてもらった話ですが、以下の図に3つの違いを示します。

神部さんから『これからのキカガクのコースはどんな内容を作っていった方が良いでしょうか?』と質問を受けた際に、『内容も大事ですが、これからは過程も大事だと思います。』と伝えました。

AI の数学やプログラミングなど高度な内容はいくらでもありますが、現状のキカガクでは講師がわかりやすく手取り足取り教えています。
例えば、内容は上級であったとしても、上の図では過程(学び方)は学士にあたります。

やっぱり社会人として、活躍できる人材は少なくとも修士のように、ゴールは与えられるけれども、その過程は自分で試行錯誤しながら埋めていける人ですよね。と伝えました。
だからこそ、『(上級の)内容も大事ですが、これからは(修士のような)過程も大事だと思います。』と伝えたわけです。

この話をきっかけに、キカガクではこれまで内容だけに着目していたのが、『内容』と『過程』の2軸でそれぞれレベルを設定して設計していこうと動き始めました。

▶︎ 結果:教育にとても大切なことを気づき、事業の方向性に大きく良い影響を与えることになった(真面目!)

エントリー No.8 教育事業部マネージャー 堀川くん

堀川くんからのコメント

1Day1on1 の最大の魅力は「人としてどうなったか・どう考えが変化したか」を振り返ることができる機会であることだと感じました!

通常の 1on1 は、実務ベースで「何ができるようになったか・何を成し遂げたか」などが話題の中心になりがちです。
対して 1Day1on1 は、
・ドライブ・アクティビティなど、〇〇+1on1 の形式
・「話すべきこと」以外にも「話したいこと」も話せる 1 日という時間設定
が緊張と緩和のバランス・会話の裁量のバランスを保っています。

これらにより「素を出せる 1on1」が実現されているからこそ、ハードスキルだけでなく、人間としてのソフトスキルを振り返ることができたように思います!

また次の機会も、バラエティ豊かな会話をしたいなと仕事へのモチベーションも高まりました!
今回は大変貴重なお時間をありがとうございました!!

普段家にこもって仕事ばかりの堀川くんとは私の愛犬を連れて、ドッグランで思いっきり自然に触れていただきました。
さすがに1日も一緒にいると、話したいことも話せるところまで話題が広がりました。

その中でも興味深かったのが『どうすれば先輩方のように困難を乗り越える耐性が身につけられるか』という質問でした。
堀川くんは十分ハードワーカーではありますが、経営陣の働きを見ていると、さらにハードに働いているので、どこか劣等感があったようです。
Google の研究結果でも、学歴ではなく、これまで乗り越えた困難の大きさと仕事のパフォーマンスに相関があることが報告されており、困難は人生の糧になるようです。

私も含めた経営陣などの先輩がどうやって困難への耐性を身につけたかを振り返ってみると
・親や親友の死を経験し、人はいつ死ぬかわからない覚悟で必死に挑戦してきた
・海外へ留学に行き、全く話せない英語を馬鹿にされながら必死にで学ぶ
・スポーツでプロの世界に向かい、弱肉強食の実力主義の中で日々蹴落とし合う
など、到底今からでは真似できない重めの経験によって、今の人格やメンタルができあがっていることがわかりました。

今から相当な困難を経験できないにしても(ベンチャーで働くのは相当な困難ですが...笑)、どうにかして困難の擬似体験をさせてあげたい。
そうだ。バンジージャンプを飛ぼう。

▶︎ 結果:日本一高いバンジージャンプに挑戦することになった

エントリー No.9 教育事業部 遊撃隊長 中別府くん

中別府くんのコメント

■ 通常の会議との違い、1 日使うことに関して
まず会長との 1 on 1 は誰でも緊張すると思いますし、前日の夜は眠れなかったです(笑)
ドライブという形なので、お互い前を向いた状態であること、景色が変わることにより緊張感は始まってすぐ無くなりました。
(会長が話しやすい方であるという前提もありますが)

通常の会議では時間の制約がありますが、1 日確保していただいたことで時間の制約はほぼ無く、1 つの議題に対して自分の本音も含めじっくり議論できました。
また、スケジュールが、
ドライブ・昼食(自分・会社の過去・現状)
→アクティビティ(仕事は忘れて思いっきり楽しむ)
→ドライブ・夜ご飯(自分・会社の未来)
の流れで、1 日でこれまでと未来を凝縮したような貴重な時間となりました。

■ 学び
個人的な仕事に対する学びは長くなるので、一言でまとめるとすべてにおいて「未来を見据えて今を考えること」です。
会社・自分ともにどうすればお互い前に進めるか、本音を話し、会長の意見もすぐ聞けるためその場で答え合わせができ、現場で萎縮してしまっていた視座が広がりました。
会長とも「半年後にまた答え合わせをしよう」と約束し、自分の成すべきことが明確になりました。
総じて、とても貴重な時間で、アクティビティで思い出もできた一石二鳥、否、三鳥超えて不死鳥

ついに、不死鳥が出てしまいました。
この 1on1 デートが、いかに素晴らしい企画であったことが証明されたわけです。

中別府くんが書いてくれている「半年後にまた答え合わせをしよう」に関して、極論ではありますが、人は経験しないと理解できないと私は思っています。
経験豊富な伝え手が 100 のレベルで伝えても、受け手のレベルが 30 であれば、やはり 30 しか伝わらないと思います。

この日、中別府くんからもたくさんの質問をいただき、現状の私であれば経験的にストレートに回答できるものもありました。
しかし、それでは若き中別府くんが経験する機会を奪ってしまい、結果的に成長の機会を奪ってしまうのです。
だからこそ、この日は答えはあえて伏せて、ヒントと次への宿題を課しました。
この宿題の答え合わせを半年後にしようね。と最後に解散し、また半年後に成長した中別府くんに次の経験のヒントを出すのです。

人は経験したことを教えてあげれば相手が近道できると思いがちですし、実際には遭遇する必要がない困難もあります。
その一方で、苦しくとも、この困難を通ってきたからこそ、今の自分があるという成長のための困難もあるはずです。

▶︎ 結果:魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えた

エントリー No.10 データアナリスト 丸山くん

丸山くんからのコメント

最近は、少ない人数で業務を回している中で直接売上への貢献が見えづらい(しかし、長期的に見たら重要度の高い)業務を中心に携わる後ろめたさを感じていました。
個人の性格として普段はあまり人に相談できないのですが、こういった相談まで気軽に行うことができたのは、丸1日も贅沢に時間を割いていただいたおかげです。

特に印象に残っていることは論理と情理の使い分けのアドバイスです。
人にうったえかけて動いてもらいたいケースや、定量的に評価が難しい状況で評価を得たいケースなどでは(最低限の論理に加えて)情理の面での働きかけが有効だ、という点を普段の取り組みの例を交えて話してくださり大変勉強になりました。

吉崎さんは高い視座でもってお話しをされるので、今回ももれなく背筋が伸びて気持ちの切り替わる有意義な時間でした。
最後に、自分の好きな山の空気を一緒に楽しめたことも嬉しかったです、ありがとうございました!

丸山くんはデータサイエンティストとして、社内外問わず、多くのプロジェクトを成功に導いてきました。
最近では、自社プロダクトである kikagaku.ai の UI/UX デザイナー兼データエンジニア兼データサイエンティストを務めるという多忙っぷりです。

丸山くんの悩みで非常に興味深かったものとして、これまで講師をしていた時は売り上げへの貢献が目に見えてわかった一方で、最近の社内向けの仕事では売り上げへの貢献が直接見えづらく、後ろめたい気持ちになるというものでした。
これは世の中の R&D や新規事業部隊で働いている人はヘドバンするように共感してもらえるのではないでしょうか。

私もかつて新卒で入った会社の社長室に配属いただき、社長の考える未来を作る R&D 的なポジションであったため、少なからず気持ちがわかります。
必死に働いているつもりですが『販管費泥棒』と言われたこともあります。
短期的に売上を上げる部隊も大切ですが、会社の将来を考えると長期的な成長に備える部隊も大切です。

しかし、一個人の観点では、自分が稼いできた売上で、ぬくぬくと研究開発しているように見えるのも事実です。
しかも、頑張っているところを定量的に報告したいのですが、なかなか売上ほどインパクトの強い貢献が言えない歯痒さが残ります。

丸山くんには、私もその経験があり気持ちがすごくわかる、今の仕事は長期的な仕込みであることを理解しているし、丸山くんを信頼しているので直接的でなくても社内の成長を担うポジションを任せているよ。と伝えました。
その一方で、これは一時的な気持ちの問題で、やっぱり長期的には丸山くんが説得力を持って、今のポジションの重要性をしっかりと伝えられるようにならないといけない。

だからこそ、重要なことが『論理と情理』。
仕事は論理的に正しさを証明できる場合はそれで良いが、ポジションによってはそうもいかない。
このときに使えるのが情理
社内で情報を積極的に発信したり、人の成長を支援して信頼を獲得したり、そういった感情的に応援したいという人であれば、多少の不利な論理では立場は揺るがない。
だからこそ、今のポジションは理解されないと卑下するのではなく、自分から行動できることもあるんだよ。と伝えました。

丸山くんのコメントを見ていると、この言葉が響いていたようで嬉しいです。

▶︎ 結果:論理も情理も『人を動かす』ための手段だと再認識できた

エントリー No.11 社員研修責任者 大庭くん

大庭くんのコメント

自分の現在地と、これからの行く先を改めて考える時間になりました。
東京を離れて非日常を楽しみながらも、一日中キカガクやキャリアのことを話していました。
この非日常で過ごすということが、いい機会になったのだと思います。

Google カレンダーに入っている無機質な予定ではなく、フリーな時間と会話で出てきたふとした言葉が広がったり、深く考えるタイミングになったりして、自分を見つめ直すことができました

的確なアドバイスをたくさんもらえて、餃子もおいしかったし、贅沢な一日でした。
次は自分が後輩に同じようなことをできるようになりたいと思います!

大庭くんは新しく入社していただいた人のメンターの責任者であるため、キカガクへの応募をご検討いただいている方にはキーパーソンです(私の新卒の同期でもあります)。

大庭くんは元々コーポレートとして入社して、最初のポジションは Project Management Office (PMO) という日本では聞きなれないかもしれませんが、プロジェクト進行の補佐をするスーパーアシスタントでした。
昨年に文系というバックグランドで躊躇しながらも、講師職へ見事転向に成功。
そして、今月からキカガクが成長する中で、新入社員含めた継続的な社内研修の重要性を訴えてくれ、その責任者を任されることになりました。

社外向けに研修を提供している中で、さらに品質を高める社内研修とは何か。
将来的に社員にはどのような力をつけて欲しいか、どうすれば付けられるか。
など、ふたりでキカガクや教育の将来について語り合いました。

大庭くんの最後に書いてある『自分が後輩に同じようなことをできるようになりたい』というのも、非常に重要なことです。
こういった企画では後輩には基本的にお金を払わず、なるべく私が支払うようにしています。
みんな恐れ多そうに「すいません...」というのですが、そうではありません。
私がみなさんにそうするように、みなさんが後輩にそうしてあげてください。受けた恩は後世に返す。
これが成長する組織の鍵になると私は思っています。

▶︎ 結果:みんな、キカガクの未来を考えてくれていて、私が一番ハッピーでした

おわりに

今回は11人の 1on1 デートを全てまとめる壮大な記事となり、みなさまもここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

興味深かった点としては、いつも仕事の話をしてばかりの経営陣はプライベート感覚で仲良くなれる時間を求めており、少し距離の遠いマネージャー陣は仕事論をディスカッションしたがっていたということです。
前半の執行役員まではアクティビティの楽しい話ばかりだったと思いますが、後半ではそれが仕事の話に大きく流れが変わっていたはずです。

私としてはそれぞれが求めていることに対して時間を共にすることができたのであれば、それで大成功だと思います。
この話を社外向けにすると、これだけの人数と丸1日 1on1 して、本当に素晴らしい経営者ですねと言っていただけるのですが、むしろ私の息抜きになっていました。
社員とそれぞれ向き合えることは大きな喜びですし、一緒に戦っていく仲間の成長を支援できることも喜びです。
私の幸福度はこういった人の成長の支援にあるのだと再認識させてもらえる素晴らしい時間でした。

今回の実験の結論としては、リモートワーク環境下で失われた『未来を語る時間』をいただけた 1on1 デートでした。
改めて、みなさん、素晴らしい時間をありがとうございました!!

株式会社キカガク 代表取締役会長
吉崎 亮介

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