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事業を進める一助に。法務としての“事業支援”のカタチ。~KARAKURIST 鈴木千晴

こんにちは!カラクリ People & Culture の川島です。

『CSを Empowerment する』という Purpose を掲げるカラクリ。

“Empowerment” とは、本来持っている潜在能力を引き出し、湧き出させる、つまり『力を与える』ことを指します。

カラクリには、”Empowerment”に強い想いを持つ、優秀で魅力的な KARAKURIST-カラクリスト-が多く在籍しています。今回は2019年2月に、1人目法務としてカラクリに入社して以来、大活躍の“チーさん”こと鈴木千晴さんの『これまで』と『これから』に迫ります。


KARAKURIST - 鈴木千晴

Suzuki’s Profile
■1982年生まれ。趣味は美術鑑賞、冷蔵庫でテトリス。
■2019年2月入社。現在 Corporate & PeopleGroup : Legal TeamのTeam Leaderとして、法務全般を担当。あだ名は“チーさん”。


ーーまずはチーさんのキャリアを教えてください。

元々は学芸員を目指して美大に入学しましたが「アカデミックな領域よりも、より社会に近い領域で生きていきたい」という方針転換から、卒業後は美術品販売店に就職しました。入社したのは飛び込み営業のように「ここで働かせてくださいっ!」と周り続けて、ご縁を頂いたギャラリーだったのですが、入社後もオリジナル商品の販路確保の営業を中心に担当していました。並行して、陶芸家への展示会企画・展示会運営など、幅広く担当させて頂きました。伝統工芸品を取り扱うよりも『前衛的で、若く才能のある陶芸家さんを支援する』という方針で、本当に色々なカタチでの“支援”をしていました。その後、結婚・出産を経験するなかで、“美術”という領域や営業という職種に留まらないキャリアを模索し、転職という決断に至りました。

“支援”をキーワードに、2社目は越境ECを展開する会社(HD)に入社し、バックオフィスとしてのキャリアがスタートしました。9年ほど在籍し、最初の2年は総務・労務のアシスタントを経験しました。バックオフィスの人たちの仕事を間近で見ながら働いていて、特に興味を惹かれたのが『法務』という仕事でした。法務という仕事は管理部門のなかでも、事業との距離が最も近く、関わりが深いと感じたんです。事業の中で新しいことをやるために、法務がいる。事業(=想い)の“支援”という点から、私が前職でやってきた『若い才能の支援』と共通する魅力を感じられたんです。それに気づいて、あとは手をあげ続け、総務・労務のアシスタントだけでなく、法務のアシスタントもやらせてもらえるようになりました。もちろん経験もないですし、美大で法学を学ぶ機会はなかったので必死に勉強しながら、与えてもらったチャンスに「頑張ります!!」と自分を鼓舞し続けていました。その結果アシスタントではなく、正式に法務としてチャンスを貰えて7年間、法務室長に至るまで経験を積むことができました。この会社は『若き事業家を、ビジネスや管理部門の経験者が支援する』というスタンスが強く、今振り返ると凄く好きな考え方でしたね。

2社目在籍中に、マザーズから東証一部への市場変更などを経験させてもらいました。一方、会社が成熟するにつれて『事業が成長期にある会社』への興味を強く抱くようになりました。その中で出会った3社目は、いわゆる“アドテク”の会社でした。入社時にちょうど上場を果たしたタイミングで、第一回の株主総会運営やインサイダーの整備など、“コーポレート法務”としての役割がメインでした。上場直後の社内の整備なども貴重な経験でしたし…3社目での1年間は、非常に濃密な時間を過ごすことができましたね。


ーーなぜ、カラクリに?

3社目でメインの役割が“コーポレート法務”になりましたが、アドテクやAIを用いた“事業”には引き続き興味がありました。そう思っていた時に、知人でもあり、カラクリとも繋がりのある 前田ヒロさん とキャリアについて話す機会がありました。そのなかで「SaaS は今あるパイを如何に多く取れるか(利益を出すか)という切り口ではなく、顧客に正しく価値を提供することで成長するビジネス」というような内容の話があって。“テイカー”ではなく“ギバー”の気質をもった人材が多いSaaS という産業の将来性にワクワクして、すっかり魅せられたんですよね。

そこからカラクリへの入社を決めた理由は2つ。1つは『若く優秀なエンジニア達を、ビジネス“経験”の豊富なメンバーが支援し、社会へ貢献していく』という考え方に惹かれました。現在もそうですが、当時からカラクリの開発チーム・AIチームには超・優秀なエンジニアが揃っています。一方でビジネスチームには“CS”という領域に対するプロフェッショナルや経験豊富なコンサルが揃っている。コーポレートのメンバーも機動的で、専門性を持っている。2社目の『若き事業家をビジネスや管理部門の経験者が支援する』という発想に似ている、そんな関係性が魅力に感じたんです。2つ目はカラクリの『起こりうること』への意識の高さを感じたことです。私が入社した際は、社員数としては20人程度の組織でした。そのフェーズで、専任の法務担当を抱えるって、企業としてはかなり早い部類だと思います。私も「え?早くないですか?」と思ったのが正直なところです。でも、話を聞いていくうちに、将来『起こりうるであろうこと』を見越して、先に先に対処していくための意思決定ということが伝わってきました。これほど早くから法務担当として携わることができる機会はあまりないと思いました。このような機会をいただけるのなら、出来る限りカラクリに貢献したいと想えたことが決め手でした。


起こりうることに備える。新しい『学び』と日々の『積み上げ』。

ーー入社してから今日に至るまでは、どんなことを?

まずCOOの鈴木が早い時期に法務担当を求めた理由が、サービスの“利用規約”に重きを置いていたからです。SaaSは1つのプロダクトを主軸に拡販してていくので、この土台となる“利用規約”がしっかりと、そして誠実なものになっていないといけない。そのため最初の3ヶ月は随時発生する契約書関連の対応をしながら、利用規約の作成に注力していました。

その後にやったことが、社内規程の作成です。そのタイミングでの緊急性はなかったんですが、絶対にいつか必要になるものだったので。カラクリが『起こりうること』のために私を採用をしてくれたので、私も『起こりうること』への準備を徹底しようと、そんな想いでドラフトの作成を進めていました。後になってレバレッジを感じるものだったので、この当時の判断は、よかったですね(笑)

最近では 契約書管理ツールの導入や、新プロダクトの利用規約作成、法改正に伴う規約の改定、データ利用をする上での法令遵守の対応など、“事業を推進する”ための法務を行っています。併せて会社運営における“コーポレート法務”の役割も増えつつありますが、特に注力しているのは、手順(フロー)も含めた“ルール”の制定と浸透です。組織が拡大し人が増え、事業が進みプロダクトが増えていくなかで、(20人規模のフェーズと比べ)全ての情報をタイムリーにキャッチアップすることが難しくなってきています。話が進んできたタイミングで、法務リスクでペンディング…みたいなことが起きないためにも、どこかで法務として情報・状況把握と必要な提案をしなければいけないんです。ただそれが難しくなってくると(もしくは時間がかかると)、大事なのはメンバーひとりひとりの“法務視点”になってきます。そのために、『法務は何を気にしているのか、どんな情報が必要になるのか』ということを周知、“型”として啓蒙していくことが、最近の重要なミッションになっています。


ーー仕事をする上で、大事にしている「マイ・ルール」はありますか?

そうですね、まずは『物事をフラットにみる』ということだと思います。好き嫌いと良し悪しを混同させない、客観的に本質を見ること。若い時期はすごく頑固というか…人の結論を聞いて、その結論でしか判断しない時期もありました。考え方・個々の性格まで理解しようとせず、自分とは違う考え方に対して「わからない」で終わらせていて、非常に損していたと思います。それが美大に入って、学問ではなくビジネスの世界を選択して、仕事を通じて、“支援”を通じて変わってきて。今では強烈な個性をもった人間よりも、多様な個性を理解できる人間になりたいと思うようになっていますし、理解した先で「何を優先すべきか、何を判断すべきか」と考えるようになっています。それが“契約”という仕事のなかでも発揮されていると思っています。

あとは『役割に関わらず、主体的な“提案”をする』ための姿勢です。特にカラクリの管理部門では、かなりこの姿勢が求められていると思います。よくある法務と現場のやりとりで、問い合わせに対して「こういう規制があるから、厳しいです」みたいな場面を想像してみてください。このような場面で、法務としてすべき対応は「だけど、これならできる(かもしれない)」のような代替案を提案することです。代替案を考えるためには、法律はもちろん、KARAKURI のシステム、他社サービスのシステムや法的根拠など様々な観点から知識を深めなければならないいけない。自分の知識が追いつくまで待って、というのは世の中の変化、スタートアップの速い変化では通用しません。“姿勢”とは提案のために、日々の積み上げと、新しい学びを止めないことなんです。

これまでの人生は、大きな方向転換を幾度か経験しました。それは飽きっぽい性格でもあるんですが…新しいコト・モノに触れていたいという想いで踏み切った転換でした。いつまでも“初心者”のような感覚で吸収したいんです。一方でちゃんと積み上げた、軸足も大事。新しい学びや可能性を模索し続けながらも、しっかりと積み上げて、準備していくことが重要なんです。


「難しい」をカタチにしていく、面白さ。


ーー『カラクリ』とは、どんな組織なんでしょうか。

『こうあるべき』みたいな主張がない、フラットな組織だと思います。決まりきっているコトも少ないので、メンバーから提案ができるし、あがった声を頭ごなしに否定されることもないので、提案しがいのある組織です。声をあげやすい一方で、その声が採用されれば自動的に実現してもらえる、なんてことはありません。声をあげたなら、自分で推進し実現しなければいけない。そのためのスキルも必要だし、巻き込みも必要だし、役割以上の動きが必要になってくる。声をあげる簡単さと、実現させる難しさ。だからこそ“チカラ”もつくし、何より『会社を造っていく』ということが肌で感じられる面白さのある組織です。

“コーポレート”という括りでみても面白くて、様々な経歴の人がいて、管理部門での“歴”が長い人…管理部門だけでの経歴を持ってる人は、実は多くありません。COOの鈴木も、自身で起業したり、企業での経営管理部門や新規事業部門など幅広い分野での経験があります。事業部門の目線での「管理部門にこうあってほしかった」という過去の経験を生かしながら、『カラクリとしてのコーポレートはこうだ!』と自分達で模索している感じで面白いですね。私は企業の事業部門で働いた経験がないので、非常に学びが多いし、魅力的に感じます。


ーーチーさんが実現したい“ Empowerment ”とは、どういったカタチでしょうか。

まずは、お客様から“信頼”を得ることです。さらに利便性の高いサービスを提供する上で、お客様から預かったデータの取扱いについては、法務と情報セキュリティの面で検討が必要になります。お客様との間で“信頼”が成り立つような“解”を法務として探求し、情報提供していきたいですね。

中長期の視点で見ると、カラクリでは今後も次々に新しい技術を使ったプロダクト開発を行っていくと思います。新しいプロダクトに対しても、より早く最適な“解”を導き出せる法務になりたいですね。また、それを実現するために、早い段階で社内の情報収集ができるよう、体制づくりにも注力していきたいです。

法律の解釈は難しいですが、顧問弁護士の先生などに相談できる環境も整っているので、非常に心強いです。法務担当である私の重要な役割の1つが、専門家の知見をお借りしながら、カラクリのプロダクトが法律に照らして“問題が無い”根拠を整理し、社内への周知と、お客様への情報提供をすること、お客様にカラクリのプロダクトを安心してご利用いただくための、一助になることだと考えています。そのような法務としてのサポート体制を万全にして、お客様とカラクリメンバーが共に不安を感じることがない状態を維持していきたいです。

『事業を推進できる法務』として、優秀な人が創造したモノを安心して使ってもらえるような“支援”をしていく。それが私の目指す “Empowerment” です。

カラクリにきて、今まで以上に“法務”という仕事が難しくなっていますが、事業を“支援”できるよう日々精進すること。そこに、これからも、面白さを感じて取り組んでいきます。


事業を進める一助に。それが私の掲げる“事業支援”のカタチです。

カラクリでは、チーさんと一緒に「CSをEmpowermentしていく」仲間を募集しています。


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事業を進める一助に。法務としての"事業支援"のカタチ。 ~KARAKURIST 鈴木千晴 | KARAKURI Days
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