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可能性を拡げる、『一石』を投じる存在に  ~KARAKURIST 玉置直寛

こんにちは!
カラクリ People & Culture の川島です。

『 CSを Empowerment する』という Purpose への挑戦を始めたカラクリ。
“Empowerment” とは、本来持っている潜在能力を引き出し、湧き出させる、つまり『力を与える』ことを指します。

カラクリには、”Empowerment”に強い想いを持つ、優秀で魅力的な KARAKURIST-カラクリスト-が多く在籍しています。今回は2020年6月にカラクリに入社した、玉置直寛さんの『これまで』と『これから』に迫ります。

KARAKURIST - 玉置直寛

Tamaki’s Profile
■1985年生まれ。大阪府出身。趣味はサッカー、自転車、キャンプ、子供と遊ぶこと。
■2020年6月入社。現在CX Design Team : CS Planning UnitのUnit Leaderを務める。


ーーまずは玉置さんのキャリアを教えてください。

大学卒業後、NTTグループの会社に入社し、事業開発部門を中心に5年半ほど従事しました。当時は「社会起業家」という言葉が流行っていて、自分は環境問題をビジネスで解決したいと思っていました。それで入社3年目に事業開発部門に入って、実際に新規事業の企画やプロトタイピング、実証実験みたいなことを、政府とも協働しながら取り組んでいました。何から何まで、自分でいちから考えて周りを巻き込んで動かせる環境に身を置けたのはとてもいい経験でしたし、周囲の先輩社員もかなり尖っていて、沢山学ばせてもらいました。

ただ時間が経つにつれ、気になり始めていたことがあって…自分が思っていた以上に“困っている人の顔”が見えなかったんですよ。実は学生時代はアルバイトで塾講師をやっていて、それって目の前の人の落ち込みとか喜びとかダイレクトにわかるじゃないですか。貢献できる規模が大きくなればそれも肌感でよくわかる経験だったので、そのギャップとしても感じる部分があったのかもしれません。今、誰が困ってて、誰が喜んでるんかなと。

併せて、能力的にも壁にぶつかっていました。ある意味なんでもできる環境にいるにも関わらず、ゼロイチができなかったんですね。「自由にやっていい」という環境で、本当に自由にできる天才肌の先輩や、社内起業コンテストの流れから個人で起業して退職した先輩を横目に、結構コンプレックスというか、このままではアカンと。何でもいい、小さくてもいいから、ゼロから企画して実現する力が欲しいと思い、組織再編で小さな異動があった際に、この貴重な挫折を経験させてもらった1社目を退職しました。

そこからパナソニックに転職しました。この時からスタートアップへ行くことは視野にあったのですが…家族が増えたタイミングでもあり、正直なところ“攻めた決断”は出来なかった。そんな中で「商人魂」溢れ、且つグローバルに展開していく企業で、もう一度事業開発に挑戦したいと思ったんです。実際に新規事業のマーケティングや、プロダクト戦略の企画などに従事していました。1社目では“困っている人”が見えづらかった一方で、2社目は課題と市場が明確で、とにかくリアリティがありました。部署を横断で動く必要があり、前職以上にコミュニケーションを求められましたし、その流れで自社組織を活性化させるための活動や、特定の課題に対し同じ想いを持つ人を集めて解決を図るなど、「場づくり」にも積極的に取り組んでいました。

ーー大手から、なぜ“スタートアップ”のカラクリに?

2社目で試行錯誤しているうちに、自分としても次のチャレンジができる状況や心持ちになってきていました。とにかく力があり余っていて、行動力とネットワーキング力だけは常に高く、企画から実行までやりきる姿勢については社内でも多少評価いただいていたと思います。それでも「新規事業をつくる」という部分では、まだ中途半端な経験しかないことに強い焦りを感じていました。同時期に、社外のアクセラレーションプログラム的なものに参加して最終落選するという悔しい思いをしていたので、自分に「足りない部分」を徹底的に磨き上げる環境に身を置きたいと思うようになりました。大企業の中で、そのような環境を作れる自信もなくはなかったのですが時間はかかる。すでに30代半ばだった私は環境づくりの時間が惜しく、スタートアップ限定で転職活動を始めることを決断しました。

AIにポテンシャルを感じていたことが、これまでの社会課題解決という方向に加わって、AI×社会課題の軸で転職活動をしていました。また、スタートアップ志望だったこともあり、各企業の社長プレゼン動画をひたすら観ていました。そんな折、カラクリCEO小田のプレゼンを観る機会がありました。本当にびっくりするくらい、お話がすっと入ってきたのを今でも覚えています。カスタマーサポート(コールセンター)という現場のリアルな課題、その深刻さとポテンシャルがまずあって、それをテクノロジーによりレバレッジを利かせて解決していくビジョンが明確に示されていました。自分が事業をする上でもっとも重要なものが「誰の課題を解決し、何を成すのか」。その琴線に、カラクリの実現したい世界観が響いたんです。

家族がいる中、スタートアップに飛び込むのは、決して簡単な決断ではなかったですが、持て余していたエネルギーを心置きなく、共感できるビジョンと事業にぶつけることができる。挑戦したい気持ちそのままに、今判断しないでいつするのかという問いに答えはすぐ出ました。妻の後押しもあり、社会と家族のために一層の覚悟でジョインしました。

『事業で生きていく』ために、磨くモノ

ーー「事業家」への強い想いは、何処からきているんでしょうか?

学生時代から「環境」や「教育」というテーマの課題意識は強い方でした。特に大学時代、塾講師のアルバイトをしていた時、「社会経験もない自分が勉強を教えるというのは、勉強ができるだけの人間を増やす、本質的とは言えない行為じゃないのか」と大きな疑問を感じた瞬間がありました。

この疑問を、答えが出ないながらも大事に持ちつづけたことで、今ひとつの考えに至っています。それは、先に生まれた人間が、次に生まれた人たちにできることは、具体的な成功体験やそのプロセスを押し付ける事ではなく、自分自身ができる事を「自分」や「誰か」の未来のために精一杯やり続けることそのもの。その姿を見せることだったり、正にその相手である「誰か」として接することで連鎖が起こる。それが私の考える「教育」です。いま、私は自分自身ができる事をビジネス領域に置いていますので、精一杯ビジネスを通して実現したい未来に向けて努力することそのものが、実は「教育」に繋がる。その考えがどこかで想いを支えているのかもしれません。

また、直接的に教育の領域への貢献ということもずっと考えています。働きながら参加した社外のアクセラレーションプログラムで「自分が人生をかけてやりたいこと」と向き合い続けたのですが、結局そのときの事業案も「教育(育児)」でした。どうすれば個のポテンシャルを育て、発揮させれるかというテーマに対して、事業の中で生きる、また事業を生み出すことによって関わり続けたいと考えています。

ーーカラクリに入社し、今(CSPのUnit Leader に至る)まではどんなことを?

入社時はCX Design Teamではなく、Sales Team配属・Account Executiveとしての採用でした。新規ではなく既存のお客様に対して、新しい価値をご提案する役割だったので、今のCSP (=CS Planning)の役割と大きな違いはありません。CSPに機能ごと異動することになったのは入社4ヶ月頃です。正直に言うと…最初の時期は本当にキツかったです。顧客やプロダクトを理解し、どのような価値をどのようなプロセスで届けるのか。コンサルの思考とセールスとしてのパフォーマンスが高いレベルで求められる。思うように結果を残せないまま、時間が過ぎていました。そんな状況でCX Design Teamへ機能ごと異動…。あくまで会社の戦略上の話ですが、自分としては「期待値を大幅に下回った」と危機感しかありません。家族に理解してもらい、スタートアップに来て、スキルの確立と1年半でのMG昇格を自分の心に誓ったのに、いきなりの挫折。「自分はなんのためにここに来たのか?」と自分で自分を奮い立たせながらの毎日でした。

所属がCX Design Teamに移り、オンボーディングや直近の課題解決を担当するCSM(=CS Management)と、中長期でのエクスパンション・価値提供を担当するCSPの機能が確立してから、ようやく結果がついてくるようになりました。カラクリのCSMメンバーは、顧客の課題を“声”として顕在化させる技術が高い。その“声”に対して僕たちCSPでがしっかりとコミットする、そんなバトン・パスが巧く嵌ったんです。

僕たちに求められていることは、顕在化した声に“応える”だけではなく、膨らんだ要望や期待を整理して、新たにゴールと課題を設定する、“磨きあげ”だと思っています。お客様の数が増え、要望や期待が大きくなればなるほど、“磨く”難易度は高くなっていきます。CSPは既存顧客からの売上も、ミッション達成の指標にあるので、難易度が高くてもスピードを落とさずにどう実現するか、が問われています。6期目を迎えた2021年10月、CSP UnitのLeaderを任せてもらえることになりましたが、まだまだ挑戦の日々。でも事業を通してお客様に貢献している感覚を、常に感じられるので、とても充実しています。

ーー仕事をするうえで、何か「マイ・ルール」に置かれているものはありますか?

CSPという役割を担う上で、心掛けていることとしては「素材に忠実であること」です。主体的に、当事者意識を持つことはすごく大事なのですが、問題や課題の起点は常にお客様です。お客様からの情報を、恣意的に解釈したり、自分のエゴに繋げたりしないこと。もちろん、ヒアリングをする上で「なぜ?」という深掘りや「こういうことか?」という合意はとっていきます。聞いたことを全て鵜呑みにするわけではありません。お客様の情報を“事実”と“感情”に整理し、理解すること。その上で課題のプライオリティや、タッチポイントを“忠実”に示すこと。素材に対して忠実である、という心掛けが結果的にお客様のためになり、カラクリにも還元されることになるんです。合わせてですが、素材を引き出すとなると、仮説思考やロジカルシンキングなどの思考スキルも問われるので、貪欲に研鑽しています。

あとは…仕事だけではないかもしれませんが、「やりたいこと・やれることにフルコミットする」というのは大事にしています。趣味も家庭も仕事も、常に全力でやりたいんです。今は小さな子どもが3人いて、育児も両立中です。家庭(=育児)と仕事ってよく対比関係のように言われますが、自分としてはコミットの対象が違うだけなので、両方とも0-100の切り替えを都度行うイメージでやっています。…社内のオンラインMTGとかは、たまに子どもが出演してしまい賑やかになりますが…(苦笑)。カラクリは子育て中の社員が非常に多く、そういったコトにも理解と配慮があるので、助けられている部分も非常に大きいですね。なんにせよ、簡単なことではないので、こういった日常も自分の研鑽として捉えています。


お客様の可能性を拡げる、『一石』を投じる。

ーー玉置さんにとって『KARAKURI』とは、どんなプロダクトでしょうか。

まさに『伴走者』という表現だと思います。カラクリはお客様の隣を走るパートナーです。受託でもないし、指示を出すわけでもない。あくまでお客様が主体で使うものです。実際、自走状態にあるお客様ほど、成果と価値を産み出せているプロダクトです。

「自走に至れば、より大きな成果と価値を産み出せる。」これはお客様にとって大きなモチベーションになる事実だと思いますし、このサイクルは半永久的に回るものだと思っています。モチベーションも結果も、全てお客様の中にある。それを引き出してあげられるカラクリは『伴走者』なんです。

ーー玉置さんが今後、挑戦する『Empowerment』はどんな形なんでしょうか

まずはCXDとして、お客様のパートナーとしての位置付けになることが本当に大事だと思っています。カラクリの売上が上がっても、どれだけ汗をかいても、お客様自身が何もしない状態になってしまっていたら意味がありません。お客様自身が企画や要望を出し、お客様自身がエンパワーメントされている状態が理想。戴ける金額が同じだとしても、意味が全く違うんです。

お客様にパートナーとして認めてもらうためには、CSMの存在なくては成し得ません。お客様からの期待値は日に日に大きくなっていますし、カラクリとしてはその期待に応え続ける義務があります。コンスタントに応え続けるには、お客様の声を整理し続けること。CSMは、その声を最前線で拾ってくれる。その声に「今あるアセットでどう解決するか」をお客様と一緒に試行錯誤する。今を一緒に走ってくれるCSM。その存在があるから、お客様は安心して走っていけるんです。

ではCSPとしては何をするのか。僕たちは「磨きあげる」役割と前述しましたが、それはあくまでコミットライン。本当にお客様を『 Empowerment 』していくには、一石を投じる存在でなくてはなりません。お客様の見えていなかった、考えていなかった新しい課題を産み出す役目。非連続的な変化を、新しい可能性を創りにいく。そういった存在にならなければいけない。

僕自身も、いつか挑戦したい“教育”と“Empowerment”は同義だと思うようになりました。目的は『能力を最大限に発揮(解放)する』こと。そういう意味では対象となるのは、子どもでも親でも、ワーカーでもいいのかもしれないし、“教育”は手段。自分自身の力で『 Empowerment 』することができるように、自身が、一石を投じられる存在でありたい。

誰かの可能性を拡げられる、『一石』を投じられる存在に。

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