2019年2月25日に「AIスタートアップ5社のCEO/CTOと会えるMeetup Night」に弊社CEO小田とCTO中山が登壇しました。
イベントはAIスタートアップ5社ということで、それぞれのサービスにAIが使われており、今後楽しみなサービスばかりでした。今回はそのイベントの中から、弊社CEO小田の事業ピッチとCTO中山が参加したパネルディスカッションの内容をご紹介します!
▼今回の参加企業はコチラ(イベントページ:https://connpass.com/event/114393/)
・株式会社アイデミー
・オートメーションラボ株式会社
・株式会社ニューロープ
・pickupon株式会社
・株式会社DIVE INTO CODE
・カラクリ株式会社
各社CEO/CTOによる事業ピッチ
事業内容については小田よりお話させていただきました。
カスタマーサポートに関する数字「50%、95%、100万人」とは?
弊社は、カスタマーサポートに特化したAIチャットボットを開発しています。
この中で『カスタマーサポートの現場で働いたことがある』という人はいらっしゃいますか?
お、3名ぐらいいらっしゃいますね。この「50%」という数字、働いたことのある方はよくご存じかと思いますが、カスタマーサポートの現場で起きている、ある問題の数字なんです。それは何かというと、「入社した月に辞めてしまうオペレータさんの割合」になります。では、なぜ辞めてしまうのでしょうか?
現場に目を向けてみましょう。例えば、「ログインできません」という問い合わせが、どの界隈でもよくありますが、これに対して実際にオペレータさんがやっていることは、「ログイン方法はこちらです」というような形でひたすら返信をすることです。この単純な返信が、多い人では95%、少ない人でも20%~30%の割合を占めます。なので、単純作業でつまらない、自分には合わないと思ってやめてしまう方が多いのです。
では、現在日本で何人ぐらいの人がカスタマーサポートで働いているかわかる方はいらっしゃいますか?…あまり想像がつかないですかね。だいたい100万人ぐらいいます。労働人口が5700万人で、警察や消防が合わせて90万人、小中高の先生が合わせて60万人なので、こちらの数字はそれらの職業よりも多いということになります。
正答率95%の保証は設計力と日々の運営力から
そんなカスタマーサポートの分野に対して、我々はAIチャットボットを提供しているのですが、AIチャットボットの会社は、カスタマーサポート以外の分野も合わせると既に100社ぐらいになります。実際にチャットボットを入れて正しく答えられるのですか?というのが一番のポイントで、質問としてもよくいただきますが、KARAKURIは業界初の95%の正答率を保証し、2018年2月にリリースしました。リリースしてから現在までに、だいたい30社ぐらいの企業に導入いただいています。
この95%を保証できる理由は設計力と日々の運営力にあります。AIチャットボットは導入しただけでは効果を出すことが出来ないため、初期設計時からカスタマーサポートの経験を織り交ぜていくことが重要です。私自身もカスタマーサポートの分野に長年携わっており、その知識と経験がありますので、その知見をお客様に共有することができます。導入いただいたあとは、実際にリリースするまでに正答率を保証して、リリースした後は一緒に、各社様のカスタマーサポートチームの方々が目指す目標に向かって伴走していく形です。
また、カスタマーサポートの現場の方の中には「Excelとかがあまり得意ではない」という方もいるのですが、弊社のサービスはそんな方でもデータのラベリングができるようなシンプルな設計になっていて、そのUIは特許も取得しています。
まとめると、リリース前、リリース後どちらもしっかりとフォローできるというのがカラクリの強みです。実際の経験とテクノロジーが融合しているということですね。
そんなカラクリでは、ビジネスサイドではセールスマーケティングも募集中ですし、エンジニアリングではAIのデータサイエンティストもWebのエンジニアも募集中です。興味ある方はぜひこの後お話しましょう!
エンジニアによるパネルディスカッション
続いて、アイデミー刀根さん、カラクリ 中山、ニューロープ 荒井さんのエンジニアによるパネルディスカッションが行われました。
ー まず、開発チームの人数と言語を教えていただけますか?
刀根さん:アイデミーでエンジニアマネージャーをしています、刀根です。アイデミーはフルタイムが3名、フロントエンドとバックエンドで担当が分かれています。フロントエンドはJavaScriptでバックエンドはTypeScriptですね。
中山:カラクリの中山です、よろしくお願いします。カラクリはAIチームが6人、Webチームが3人で、フルタイムのエンジニアは2人です。AIチームは僕が、WebチームはYahooの元黒帯エンジニアの浜辺というTechnical Advisorがマネジメント指示しています。浜辺はJavaScriptでは日本トップレベルとされる人材です。Web側の開発はアップデートが多く、AI側は研究がメインのためチームを分けています。
荒井さん:ニューロープの荒井です、よろしくお願いします。ニューロープはエンジニアが3名です。3名中1名はAIにも携わっていて、研究しつつ開発も担当しています。1つのリクエストは2人体制で行うレビュー体制を敷いています。
AIとWebの両方ができる人は少数で貴重
ー 組織体制としては割と近しい感じな気がしますね。お互いに気になるところがあれば、聞いてみてください。
中山:アイデミーさんの社内でAIは何に使っていますか?
刀根さん:AIを開発で使うというよりは、AIをどう学ぶか、AIをどう使えば社内で役立てられるかの概念を教えていく感じです。
中山:なるほど。ぜひAIを役立てられる人口を増やしていきたいですよね。ニューロープさんのAIチームは現状1人なんですね。
荒井さん:はい、1人で研究しながら作成しているので、なかなか大変ですね。ところでAIとWebチームの分業って実際どうですか?
中山:AIチームはWebの分野まで詳しい人が少ないんです。。なので分業したという意図もありましたし、僕が偶然両方の知見があることもあって、間に立ってマネジメントができている状態ですね。だからアイデミーさんでこういう人材を育ててもらえたらめちゃくちゃ理想的です。
刀根さん:貴重なご意見!!
中山:両方できる人は少数で貴重というイメージです。AIはどうしても研究で終わりがちなので、それをプロダクト化して価値化できるのは大きいんです。そして、その運用を回すためのUI設計も重要なんですが、機械学習のためのUI設計には、デザイン力・Webの知識がすべて必要になります。だからやっぱり、包括的に考えられる人材は理想的ですね。
刀根さん:アイデミーの講座に追加検討したいと思います!
荒井さん:確かに構想段階で、UIと絡めた特許をとれることまで想定しながら設計できるのって大きいですよね。
開発環境は三者三様
ー ではその他開発環境・チームコミュニケーション・タスク管理についてお伺いできますか?
刀根さん:アイデミーでは、開発にはJavaScriptとTypeScriptを使っています。コミュニケーションに関してはSlackで幅広くコミュニケーションをとっています。受講者ごとの仮想環境をAzureで作成して提供しています。あとはテストツールにCircleCI、タスク管理はTrelloですね。
中山:カラクリでは、Webは全てJavaScript、フロントはReactで、AIはPython、フレームワークはChainerですね。
コミュニケーションはSlack、Githubでのやりとりがメインです。タスク管理はAIチームはTrello、Webチームは管理ツールなしだったんですが、そろそろ追いかけられないので社内エンジニアからの発案で、最近JIRAを入れてみました。今のところはTrelloだけで困ったことはない…という感じですね。
荒井さん:Web開発で特にタスク管理していないとは・・・PMがすごくできる人なんですか?
中山:タスク管理という観点で良かったのは、週に1回~2週に1回の1on1ですね。1on1の導入はすごく大きかったです。もちろん人によるところはあると思いますが、大きな目標を渡してそれに向けた進捗確認ができれば軌道が大幅にずれていくことはないかなと思います。
荒井さん:なるほど、ありがとうございます。
ニューロープではフロントはJavaScript,TypeScript、React、バックエンドはRubyです。AIはPython、APIとして外部提供・開発を実施しています。タスク管理はTrelloを最近導入しました。大きい企画の管理に利用しています。ストーリー単位でタスクを組み立てていき、エンジニアが順にタスクをとっていく形で進めています。コミュニケーションはGithub、Slackです。弊社では、月水金の週3は出社、火木はリモートでやっています。出社日はコミュニケーション、在宅時は作業に集中、という形でバランスが取れていると思います。
ー GPUサーバについてはどうですか?
刀根さん:アイデミーはクラウドで実施していますね。
中山:カラクリでは初めは自分たちで組んでいましたが、管理が煩雑だったので、クラウドに移行しました。今はAWSをメインで利用しています。
荒井さん:ニューロープもクラウドで実施しており、本番環境はトレーニング済のデータをAWSに載せています。クラウド上にあるものは重たいものだけGPUに回しています。
AIスタートアップのエンジニアの魅力とは?
ー なるほど。割とツールは近しいものがありますが、環境はそれぞれ個性がありますね。では最後に、それぞれの「わが社で働く魅力」をお伺いできますか?
刀根さん:まずは、挑戦できる環境であるというところですね。挑戦できるというより、人が少ないので誰かがやらなくてはならない状況ともいえますが笑。私もインフラの知識はアイデミーに入ってから身につけました。やらなきゃいけない環境だったので、身につけることができました。そういう環境に魅力を感じる人にはとても合うと思います!
中山:カラクリは、メンバーひとりひとりのスキルがとても高いです。エンジニアだけでなく営業やCSなどのビジネスサイドも強いですし、バックオフィスも土台がしっかりしているので、日々快適に仕事ができています。エンジニアリングに関する社内の理解も深く、働きやすいところが魅力ですね!
荒井さん:今まで出来なかったことがAIで出来る時代になって、ファッションの領域でのAIの活用にフォーカスしました。いろんなアパレル企業とのつながりがあるので、いろんなアイデアに触れることが出来る楽しさもあります。ニューロープは、今まで出来なかった面白いことに挑戦できるタイミングと状況が揃っている環境が魅力だと思います!