会長コラム"展望" | 株式会社鎌倉新書
株式会社鎌倉新書会長・清水祐孝のコラム"展望"をご紹介しています。鎌倉新書は、人と人とのつながりを感じる場面づくりのお手伝いをすることで、豊かな社会づくりに貢献します。
https://www.kamakura-net.co.jp/company/vision/
わたしたちの会社に関心をもっていただきありがとうございます。
今回は、鎌倉新書代表取締役社長兼会長CEO 清水 祐孝からのメッセージをご紹介します。
清水祐孝 プロフィール
1963年生まれ、東京都出身。慶応義塾大学を卒業後、証券会社勤務を経て1990年に父親の経営する株式会社鎌倉新書に入社。
目次
1.【人に対する考え方】働く人が仕事を通して成長できることに価値がある
2.【鎌倉新書の事業について】終活領域で「人と人とのつながりをお手伝いする」ベンチャー企業である
わたしたちは会社を「人が成長し、充実した人生を送るための最良の場所であるべき」と考えています。ここで働く人たちが仕事を通して学び、人として成長できることに価値があると思っているのです。
さらに言えば「会社は、そこで働く人たちが成長するための単なる器に過ぎない」ともいえます。人は考える機会、目標が達成される喜び、社会に認められる喜びを求めています。 そのようなフィールドを働く人たちに提供することによって「器」である会社は、そこにあたかも魂が宿っているかのような輝きを増し、社会にとって有用な存在となりえると考えているのです。
わたしたちの「人材に対する考え方」は下記のブログもご参照ください。
わが国が世界一の超高齢化が進展した社会であることは誰もが認識していることです。そんな中で近年「終活」という言葉が一般的に使われるようになり、それに対するニーズが高まっています。
それは高齢人口が増え、高齢化が進むという理由だけではありません。戦後間もなくの農林水産業中心の社会から、サービス業中心に変遷していく中で、人が住む場所を変えながら人生を送っていくようになり、また都市化が進み、親子が遠く離れて暮らすことが当たり前になりました。同時に封建的な時代でもなくなり親子関係が変わったのです。
子供たちは、親がどのような持病を持っているのか、かかりつけの病院はどこなのかを知りません。どのような資産をどれくらい所有しているのかを知りません。そして、どのような希望や思いを持っているのかを知りません。
そんな時代においては、高齢者の人たちは、自らがやっておくべきこと、やりたいこと、伝えたい思い、等々を自らがやっておかなくてはならない、それが「終活」がこれほどまでにクローズアップされる最大の理由です。
わたしたち鎌倉新書は、この時代のメガトレンドである「終活」に特化したメディアであり、サービス企業であります。
わたしたちは2015年東証マザーズに上場(その後、2017年に東証一部市場に変更)した当時は、葬儀やお墓等の人生の最後を迎えた際に必要となるマーケットに対するITサービスに特化する事業を行なっていました。
高齢社会が進展するわが国において、これらの市場は事業規模約2兆円という巨大マーケットであります。鎌倉新書は供給者主導の流れが現在も続いているこのマーケットで、消費者の潜在的なニーズやウォンツを捉えサービスを提供して参りました。しかしながら、高齢者のニーズは、葬儀やお墓だけにとどまりません。「終活」に対するニーズは、お金のこと(相続、遺言、保険や信託の活用、不動産など)からだのこと(介護、医療など)など多岐に渡ります。わたしたちはそのような幅広い「終活」に対するニーズに、ユーザーの立場から適切なサービスを提供し、より良い社会づくりに貢献しようと考えるベンチャー企業です。
そこで以下では、わたしたちが取り組んでいる事業について下記の3つの観点から説明したいと思います。
情報加工会社としての鎌倉新書
ユニークなポジショニング
中長期的な成長シナリオ
鎌倉新書という社名を聞くと多くの方が出版社を想像されます。その通り祖業は出版業でありました。しかし、今日では全体に占める出版の比率はわずかになり、社名こそ変えていませんがITを活用したメディア・サービス中心の企業となっています。
もしわたしたちが鎌倉新書という社名にこだわり続け、出版業だけにこだわっていたら、会社は倒産していたかも知れません。時代のあらゆる変化を捉え、未来を先読みし、そこにチャレンジしてこそ事業は存続し、発展することができ、働く仲間たちの幸福が確保できると考えるのです。
出版ビジネスはインターネットという媒体の出現によって、必要がなくなったわけではありませんが、ユーザーのニーズの多くが奪われてしまいました。例えば以前なら、おいしい食事をしたい時には「HANAKO」などを読んで情報を得ていた人たちが、最近ではGoogleで検索し、「食べログ」等で調べるようになりました。
このような事実からも、わたしたちが出版だけにこだわっていたら企業の成長は難しかったことが容易に想像できます。「お客さまは紙とインクでできた印刷物(モノ)が欲しいのではなく、そこに書いてある情報が欲しいのだ」と考え、出版業ではなく情報加工業であるという視点を持てたからこそ、新たなビジネスモデルを構築できたのだと思います。
私たちが事業を行っているのは「終活」と呼ばれる領域です。現在の時点での主力となるサービスは葬儀や仏壇仏具、お墓に関わるインターネットサービスです。例えば、葬儀は規模が1兆数千億円という巨大な個人消費市場ですし、仏壇仏具や墓石のそれもそれぞれ数千億円という規模の大きなものです。超のつく高齢社会を迎えた我が国において、近年大きな注目を集めている市場です。一見、多くの人にとって馴染みのないこの市場も、その構造はいたって一般的で、他の個人消費の市場となんら変わりありません。
特徴といえば、繰り返し購入するものではないこと、1件当たりの単価が高額であること、でしょうか。
さて、ここからが大切です。私たちは単に「エンディングあるいはシニア向けのニーズに対する情報ビジネス」を行っているのではなく、「人と人とのつながりをお手伝いするサービス」という視点で事業を行っているのです。「葬儀やお墓というモノやサービスの購入のサポート」では決してないのです。葬儀は故人を偲び、夫婦や親子といった家族間のつながりを再認識する大切な場です。葬儀やお墓が必要になった人びとのほんとうのニーズは「人と人とのつながり」の再確認であり、だから大切なのだ、とわたしたちは考えているのです。
そのように考えると、わたしたちの事業領域は葬儀やお墓にとどまる理由はどこにもありません。人と人とのつながり、家族とのご縁、一度きりの人生の意味を感じる場面は、人生のさまざまな局面で存在しています。これをサポートするのがわたしたちの事業であるわけです。IT×高齢社会という好環境のもとで、時代の変化に対応し高齢者向けサービスの領域を大きく変える。その意味でわたしたちは、他の企業には見られない極めてユニークな視点とポジショニングを持っている、そのように認識しているのです。
企業は発展、成長しなければ、働く人たちに適切なポストや待遇を提供することができません。家庭を築き、子どもが生まれ、幸福を感じていく。その一方でそれを維持するには費用も掛かってきます。このような個人のライフステージに対応していくという観点からも、企業が健全に成長していくことは必須であるとわたしたちは考えています。そのためには、今日の事業だけに安住するのではなく、数年後の事業、さらに先の事業を同時並行で行っていかなくてはなりません。そこで、わたしたちは取り組むべき事業を3つのフェーズに分け、長期的な企業成長を目指しています。
フェーズ1
既存のエンディング関連の市場をITの活用によって革新する段階
フェーズ2
「終活」の中で顕在化していない領域について新たな商品やサービスを提供していく段階
フェーズ3
「つながりのお手伝い」をコンセプトとしたさまざまな事業展開をする段階
わたしたちにとって人材はもっとも大切な経営資源であります。わたしたちは、製品在庫も仕掛品も店舗も工場もない、人がすべての事業です。したがって採用(=仲間づくり)イコール企業の発展と定義づけ、採用活動をもっとも重要な企業活動であると認識しています。そして熱意ある方に仲間に加わっていただき、その方が高いモチベーションのもとで仕事をしていただける環境、風土、待遇を提供していくことに最大限の努力を払っていきます。
ぜひ、私たちの仲間に加わっていただくことをご検討ください。