【iYellお仕事図鑑】「データ」と「感情」を使いこなして、一番いい住宅ローンを提供! 1回で3倍の感謝をもらえるカスタマーサクセスの役割とは
暑い日が続いていますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
わたしはコーポレートサイトのリニューアルが無事に終わって、ほっと一息。もうひとつの社内プロジェクトである社外報に取り組んでいるところです。
*社外報についてはまた別の機会にご紹介できればと思います!
というわけで(?)、今回はお仕事図鑑の第4弾! カスタマーサクセスの大野さんにお話をお聞きしました。
人によって「満足」は違う
伊藤:
カスタマーサクセスって会社によって、やっていることがかなり違うのかなと思っていまして…まずは、カスタマーサクセスのミッションをお聞かせいただけると嬉しいです。
大野さん(以下、大野):
僕が携わっている「いえーる ダンドリ」でお話させていただきますね。サブスクリプションのサービスなので、不動産事業者さんに長く使い続けてもらうこと、そのために満足度を上げることがミッションになります。
満足度を上げる方向は2つありまして。ひとつは家を買うお客さまに、一番いい住宅ローンを提案すること。まずはエンドユーザーに満足してもらうのが大前提です。もうひとつは、不動産事業者さん。家を買うお客さまに喜んでいただく、プラス、期日に間に合わせてほしい、お客さまとトラブルを起こさないように、もっと使いやすいサービスにしてほしい…などなど。こういったニーズに応えていくことが、満足度に繋がります。
伊藤:
「一番いい住宅ローン」という言葉がありましたが、どんなローンが一番いいんですかね?
大野:
これ、むずかしい質問ですね。定量的なところでいうと、金利と団体信用生命保険(住宅ローンを申し込むときに入る保険)の内容がいい銀行の住宅ローンなのですが…みんなが一番いいところで契約できるわけじゃないんですよね。
なので、いろいろな要素やお客さまの状況を考えた上で、最適な住宅ローンを提案できるのが、一番いい住宅ローンを提案したことになるのかなと思っています。組み合わせが無限にあるので、たいへんではあるのですが、ここを考えるのが、僕はけっこう好きなんですよね。
伊藤:
これをお客さまが自分でやるのは、かなり難易度が高そうですね。ちなみに、住宅ローンの申し込みに影響を与えるのは、どんな要素なんですか?
大野:
わかりやすいところでいうと、年齢や資産、お勤めの会社とかですかね。あとは、エリアも重要です。都会と地方ではやはり、物件の価値が変わってきますから。
意外なところだと、20代の方でも審査が通りにくい場合が増えてきているんです。昔に比べると、将来的にライフプランが変わるも多くなっているんですね方。そうなると、住む目的で家を買ったけど人に貸したい、みたいなことも出てきますよね。
実は、これが大問題でして。貸す=投資は、住宅ローンとはまったくの別物なんです。しかも、住宅ローンの金利ってかなり優遇されているので、銀行としては住宅用から投資用に変更されるのは困ってしまうというわけです。
3倍感謝される!? 毎日、モチベーション上がりまくりです
伊藤:
次は、仕事の流れを教えていただけますか?
大野:
不動産事業者さんから、自社で開発している「いえーる ダンドリ」というアプリに住宅ローンを申し込みしたいお客さまの紹介があります。その後、家を買いたいお客さまからの登録があり、ここで案件が発生します。
僕も含めたカスタマーサクセス3名で、月に100〜150件くらいを担当していますが、すべて並行して動くわけではないので、ちょうどよく回っている感じですね。
住宅ローンに申し込むにはお客さまの個人情報なども必要なのですが、これもすべてアプリ上でやりとりをします。年収やお勤め先、家族構成といった情報や、どのエリアで物件を買いたいのかなども入力していただいて、ベストな住宅ローンを提案します。
伊藤:
提案は、大野さんが資料を見たりして一人ひとり提案するという感じなんですか?
大野:
基本的にはテクノロジーで、プラス、人の力も必要という感じですね。
モーゲージコアという銀行のデータベースでマッチングをするのですが、先ほどお話したように複合的な要素が多いので、AIだけだとカバーしきれない部分もあるんです。
そこはやはり、人の力が必要なんですよね。銀行に直接、「こういうお客さまがいるのですが、どういう条件ならいけますか?」など確認をしたほうがいいケースもありますから。さらにiYellの場合、提携金融機関数が多く、相談や交渉をした上でベストな住宅ローンを提案できるのも強みのひとつだと思います。
伊藤:
AIと人間、両方の力を活用するというわけですね。提案をして申し込みしたい住宅ローンが決まったら、そのあとはどんな流れになるのですか?
大野:
事前審査という簡易的な審査をして、それが承認されたら、正式審査に進みます。ここからは、家を買いたいお客さまと銀行、不動産事業者さんの三者と密にコミュニケーションを取ります。正式審査が無事に承認されたら、住宅ローンの契約をして、最後、住宅ローンの決済(住宅ローンの振り込み)という流れになります。
お金を扱う部署になるので、決済周りの業務や、決済の前はかなり細かいところまで気を使います。特に、銀行やエンドユーザーさんに振り込み金額を伝えるときは1円もミスができないですし、振込先を間違えるなんて、あってはならないことですから。
伊藤:
関係者が多い上に、すべてにおいて神経を尖らせていなきゃいけないんですね。
大野:
そうですね。たしかに責任は大きいですが、それ以上に、やりがいも大きいんですよ。
家を買いたいお客さまは、いい住宅ローンが借りられて嬉しいですよね。不動産事業者さんは家が売れて嬉しいですし、銀行は住宅ローンを借りてもらえて嬉しい。ひとつの契約で三者から感謝される。いわば、3倍感謝される。こんなビジネスってほかにはないと思うんです。だから、常にモチベーションは上がりっぱなしですし、上手くいったときの達成感も何にも代えがたいものがあります。
空気って、めちゃくちゃ大事!
伊藤:
それにしてもカスタマーサクセスって、想像以上に仕事の幅が広いですよね。特に、どこを意識して仕事をしてるとかってありますか?
大野:
不動産事業者さんにずっと使ってもらうのが大事なので、最初にお話した満足度を高めるというのはやっぱり意識してますね。じゃあ、そのためにどうするのか? というところで、相談してもらいやすい雰囲気づくりはかなり意識してます。
やりとりはチャットがベースになるのですが、文章だけのやり取りだと、どうしても事務的になりがちになってしまうじゃないですか。なので、あえて電話で話したり、世間話を挟んだりして、関係性をつくるようにしています。
ビジネスとはいえ、やっぱり人間同士なので、信頼している人に任せたいですよね。こうやってちゃんと関係性をつくっておけば、意思疎通がスムーズにできて、クレームとかトラブルも少なくなると思うんです。
伊藤:
雰囲気づくりのスキルが、カスタマーサクセスには重要なんですね。
大野:
ほんとそれです! 僕は「空気を読む力」と言っているのですが、先回りして行動できる力が必要だと思うんですよね。たとえば僕が「こうしてほしいな」と思っていることを、何も言わなくてもやっていてくれたりしたら、仕事できるなってなりますし。その前段階として、相手のしてほしいことや悩みを引き出せるというのも大事ですよね。
伊藤:
空気が読める=仕事ができる、という感じですね! 一方で、チャットとか文章ベースだと、読み取ること自体がむずかしい気も…。
大野:
そうですね。文章だと感情やテンションが伝わりづらいので、ちょっとでも迷ったら、直接会いに言ったり、zoomで話すみたいなこともよくしています。
伊藤:
なるほど。表情を見ればわかる、みたいなことってありますもんね。ちなみにこういうスキルって、大野さんはどのように身につけたんですか?
大野:
僕は、顔色を見るのがもともとけっこう得意なんです。「うまくコミュニケーションを取るには、どうすればいいんだろう」、「今、この人って何を考えているんだろう」、「今、どういうふうにしてほしいんだろう」と考えながら人と接していくうちに自然に身についた、という感じです。
逆にいうと、こういう意識を持つようにすれば、コミュニケーションの取り方が変わってくるんじゃないかなと思います。
伊藤:
コミュニケーションには正解がなくて、だからこそ、コツやノウハウなんてものはないのかもしれないですね。
それでは最後の質問です。唐突なのですが、大野さんが仕事に欠かせないアイテムはありますか?
大野:
最近、ガジェットを集めるのが好きで、去年の12月にApple Watchを買ったんです。これがもう、革命的なんですよ! 支払いができるとか、心拍数が測れるとかいろいろできるのですが、僕的にはチャットやメールの通知機能をめちゃくちゃ重宝しているんです。
というのも、個人的にレスを早く返すことを大事にしていまして。50点でも60点でもいいので、とにかく早く返事をする。100点満点の答えがすぐに出せればベストですが、たぶん時間がかかってしまうので、それならわかるところだけでもすぐに答える。そうしたほうが、相手も安心すると思うんですよね。
以前はスマホで確認していたのですが、ポケットに入れていると気づかなかったりなど、即レスできないこともあって。ここを100%カバーしてくれるApple Watchは、もう、手放せないですね(笑)。
伊藤:
最後まで、さすがプロ!という回答ですね(笑)。
今日は、カスタマーサクセスの仕事について詳しくお話しいただき、ありがとうございました!