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「できますか?」という問いの真意

人に任せたい仕事があったとします。
このとき”誰に任せるか”を決めるポイントに
「誰がその仕事を完遂できるか?」
がありそうですよね。
ケースは様々。
・先輩が後輩に仕事を託す
・上司が部下に仕事を託す
・リーダーがメンバーに仕事を託す
・営業がプロジェクトに必要なリソース(要員)を調達する
・人事が社員の部署をアサインする

そして気になるのは相手に「できますか?」と聞くことでポイントをクリアできたつもりになっている人をよく見かけること。
問いにすると
「あなたにこの仕事を託したいと思っています。あなたはこの仕事を完遂できますか?」

こんな乱暴な質問はさすがにあまり聞かないですね(笑)
現実は完遂するのに必要な能力の確認くらいまで掘り下げることが多そうです。

「あなたはJavaでプログラムを書けますか?」
「あなたはSQLを使えますか?」
「あなたはこのチケットをクロージングできますか?」
「あなたは開発チームのマネジメントをできますか?」
くらいかなと。そして相手はこの質問にYES/NOで返すこととなります。

しかし、回答がYESだった際に明らかになることは
×相手はその能力がある
○相手はその能力がある(と自分で思っている)

これは、相手の能力を自分で測ろうとせず、”できるかどうか”の判断を相手に委ねている、ということになります。そして最悪の結末は「できるって言ってたのにできていないじゃないか!」と相手のせいにすること。もっと悪質なのはそこから何も学ばず懲りずに「あなたはできますか?」を繰り返し、また失敗すること。

ここから学ぶべきは”できる/できない”を相手に決めさせるのではなく、自分で責任を持ってきちんと相手を測ることの重要性。
“できる/できない”の基準なんて人それぞれ。失敗したくないなら、その基準は”任せる側”の自分で定義し「相手がその基準を満たしているか」も自分で測る。
測り方として有効なのは、オープンクエスチョンを駆使して相手に語らせることで”測る”ための材料を集めることですね。

一点補足すると、これは「できますか?」という問いが悪いという話ではなく、その問いで明らかになること、なっていないことは何なのかを抑えておくべきという話。
「できますか?」は能力の確認ではなく合意をとることが主の目的なんでしょうね。

相手を信用することと無責任なことには大きな違いがあるようです。

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