DBS銀行と言えば、シンガポールの大手銀行。三菱UFJと同等の時価総額を誇る巨大銀行。
大手銀行がデジタルトランスフォーメーションに苦しんでいる中、DBSは自らを否定し創造的破壊によりデジタル取引の会社へ、またビジネスモデルさえもGAFAのような顧客データを活用したプラットフォームビジネスにシフトさせてしまった。店舗集客を主とする銀行がプラットフォーマーにトランスフォームした物凄い会社なんです。
弊社のビジネスモデルは銀行のようなモデルを参考にして作っている。一番の共通点はトランザクションモデルであるということ。銀行業は平たく言うとお金を持っている人から必要な人に届けて、その手数料が収益となります。弊社はこれがお金ではなく情報になります。お客さんの要望情報をパートナーに提供することで手数料をいただく。情報のバンクといえば響きがいいですね。
ただ、DBSの凄いところは、取引手数料を商売とする銀行目線のトランザクションジャーニーから顧客目線のカスタマージャーニーに変化できたということ。ここが一番の学ぶべきポイントではないかと思う。
どうやったのか?
多くのコンテンツマーケティング会社やインターネットメディア会社で集客支援や、広告収入を収益にしている会社にとって次の一手を打つ参考になればと思う。
世界が驚いたDBSがデジタルシフトで残した功績
・デジタル取引を行う顧客は店舗訪問の顧客と比べて2倍の売上
・デジタル取引にかかる顧客を獲得するのにかかる費用は従来よりも57%低い
・デジタル取引の顧客は従来の顧客と比べて16倍も多く自発的に取引する
・39%のデジタル取引で69%もの利益をあげる
凄いですね。
この功績はデジタル化しただけで残せるものではありません。本質は普通の銀行屋さんがプラットフォーマーに変化したことによる功績であるということです。ではどうやってプラットフォーム化したのか?
図でいうとこんな感じにビジネスモデルを変えていったとのこと。
参照https://news.infoseek.co.jp/article/president_28502/
顧客データを蓄積、管理、処理するシステムをつくり、顧客を分析しながら、顧客にあったサービスやプロダクトを自前に拘らず外部とも提携して良い感じに金融商品やその他サービスを提供していった。
顧客をデータ化し、行動分析から見えてくるニーズをとらえ、自然とサービスを拡張してエコシステム(生態系)ができあがり、結果プラットフォームになった。
顧客をデータ化+エコシステム(生態系)=プラットフォーム
エコシステム(生態系)=クラウドで顧客データを蓄積、管理、処理する銀行システム
+銀行内部向けAPIまたは銀行外部向けAPIを通して金融サービス(株、債権)を提供
+プロダクトサービス(生体認証での90秒口座開設、お財布携帯、自動車仲介、不動産仲介などカスタマージャーニーにそった生活サービス)を提供
顧客データ+(α+β+γ+・・)
エコシステム(生態系)を拡充していった結果
①「顧客を獲得するコストを下げる」=CPAを下げる
②「顧客と取引するコストを下げる」=取引工数を下げる
③「顧客当たりの売上高を上げる」=ARPUを上げる
好循環を生んだ。
「顧客との継続的で良好な関係性」が築かれていく素晴らしいモデルですよね。
気付くべきところは、
ネット会社の多くは、CPAとARPUをKPIとしており、結果UUやPV乞食化していった。規模を追う事ばかりを考えてしまった。(反省)
マッチングまでにおけるユーザーがかけた時間や工数は
中々見えてこないので、おざなりになっていた。(反省)
取引スピードや、取引工数を下げることもKPIにすることで、顧客により向き合ったプロダクト作りに変わっていけると思います。
この視点こそが、トランザクションジャーニーからカスタマージャーニーにトランスフォームするきっかけになるのではないかと考えています。
これからの世の中の当たり前になること
・便利
・手間がかからない
・時間がかからない
・わかりやすい
・自動でしてくれる
・フレンドリー
・楽しい
・取引していることを意識しない
を考えても、情報バンクモデルのような情報の右から左で手数料チャリンチャリンからいち早く抜け出し、もっと顧客に向き合えば、私達がやらなければいけないことは山ほどあることがわかりますね。
No.1の売却プラットフォームを目指している弊社でもいち早くトランザクションジャーニーから抜け出しカスタマージャーニーに変化させていきたいですね。
DBSからの3つの学び
・プラットフォーム戦略の考え方
・取引工数という新しいKPI
・トランザクションジャーニーからカスタマージャーニーへの変化
でした。