WORK | BUMP OF CHICKEN | IMG SRC
1996年から活動を続けるバンド「BUMP OF CHICKEN」のオフィシャルサイトをフルリニューアルいたしました。 イメージソースでは、企画、情報設計、UI/UX、フロント/バックエンド開発、など、サイト構築全般に関わらせていただきました。 ...
https://www.imgsrc.co.jp/work/bumpofchicken/
イメージソースのデザインチームを長年支える藤牧と、多様なデザイン経験を経て入社後早々に幅広く活躍する圓島が、プロジェクトを成功へと導くために欠かせないデザインコンサルティングのあり方や、近年重要だと思われるデザイナーとしての姿勢など、事例を交えてリアルな声をお届けします。
<インタビューメンバー>
Art Director/藤牧篤
Art Director/圓島努
ー お二人はデザインチームということですが、デザインコンサルティングを実施するうえで大切にしている取り組みを教えてください
藤牧:イメージソースのデザインチームは、企画提案への参加を積極的に行っています。まず、頂いたご相談に対し、クライアントがどのような状態に置かれているのか、様々な情報収集を通してできる限り把握し、自分たちなりの分析とともに、課題がどこにあるかを探る作業からスタートします。例えば、ご依頼がWebサイト制作だとしても、オンラインだけでなくオフラインにも目を向けてリサーチし、ユーザーとのより良いコミュニケーションプランを考え、必要な場所に必要なクリエイティブをご提案するということが大切だと思っています。
圓島:藤牧が言うコミュニケーションの設計はもちろんのこと、社会・経済的な文脈から見て、そのブランドが、現在どの様なポジショニングなのか、どこに向かおうとしているのか、何を目指すべきなのかを見極めることが重要ですよね。ブランディングの様な総合的にプロデュースする案件ではなく、LP1枚の制作だとしても、現状分析をしたうえでユーザーにとって有効な最適解をクライアントへ提示することが大切だと考えています。
また、私の場合は前職の経験から、コンテンツ企画や編集的視点でのモノづくりとして、制作の際にはストーリー性を重要視しています。ブランドとユーザーの接点となるストーリーテリングはユーザーにとって重要な「体験」となる部分ですので、その骨子となる文脈や指標が本当に最適解なのか、社会的にナラティブに機能するものなのか、フィールドワークとしてリサーチを行ったりしながら広い目線でクリエイティブを検証していきます。
ー デザインをするうえでも検証作業というのがとても大切なんですね
藤牧:そうですね。そのような取り組みによって手応えのある結果が出せた例として、BUMP OF CHICKENのオフィシャルサイトのリニューアルプロジェクトがありますが、ユーザーとなるファンの方々がサイトを利用するにあたって、何を求めているか、困ってることはないかなど、実際のリアルなファンにヒアリングを行い、クライアント側がバンドやファンに対して抱くイメージと実際のファンが抱くイメージとの間に乖離がないかなど、様々な側面から検証を行いました。そのようなデータがこのプロジェクトでとても重要な情報になるだろうと、仮説を立ててファンの声に寄り添った結果、ポジティブな反応がとても多く得られ、ファンにもクライアントにも喜んでいただき、我々にとっても成功体験となったプロジェクトのひとつですね。
圓島:BUMP OF CHICKENのプロジェクトで言うと、今って作り手のデザイナーがその音楽やバンドが好きだったり、熱量がないとユーザーが感動できるものを作ることができない時代ですよね(笑)統計的にターゲットとなるユーザー数百人にインタビューした結果からモノづくりをするよりも、ど真ん中の対象者数十人にインタビューして、その熱量を汲み取れる、または共感できるデザイナーが制作者にならないと、正しいアウトプットができないのではないかと思うほどです。
近年は、ラグジュアリーブランドとストリートブランドがコラボレーションした商品の発表が多く見られますが、クリエイティブディレクターの、双方のブランドの歴史やアーカイブへの知見や造形の深さ、そのブランドへの愛など、熱量が商品のモノづくりにのっかっていて、ユーザーにもきちんと伝わってますよね。ですから、我々もどんな案件に対しても、社内の専門性を持ったチームメンバーと連携し、熱量をもって多角的なアプローチができる様に日々努めています。
ー 物やサービスが多様になってきた今の時代デザインにも熱量が大事になっているんですね。他に印象に残っているデザインコンサルティングの事例はありますか?
藤牧:最近のデザインコンサルティングの事例と言える「docomo sky」をご紹介します。ドローンを活用した新規事業となるプロジェクトなのですが、スタートしたのは3年前です。当初は、サービスの骨子をもとにUI/UXの側面から、プラットフォームのプロトタイプ制作をお手伝いさせていただくというもので、約2年くらいは、内部的な開発を行っていました。これは普段のクライアントワークとは異なり、想定される機能に対し、UI/UXからのアイデアをご提案ご提供し、それをサービスインに向けて継続させていくというものでした。そこから徐々に、展示会が決まったりプレスリリースに向けた準備が必要になってきたため、グラフィックやコンセプトムービーなど必要なツールを最低限のカタチから制作していくようになりました。そんないくつかのステップを経て、本格的なサービスインのタイミングとなる2020年に向けて、ブランドとしてあるべき姿を改めて探りながら、ブランドサイトをはじめ、立ち上げに必要となるであろうツールを企画提案し、そのほとんどをデザインさせて頂きました。これは、クリエイティブを駆使したコンサルティングのように捉えています。
圓島:「docomo sky」は、私が入社してすぐに関わった思い入れの強い案件でもあります。藤牧が作ったコミュニケーションプランをもとに、ビジュアルをともなう制作物を担当しましたが、モデルとドローンの立ち位置を含め、ブランドのステイトメントとしっかり紐づけるように、イラストから写真・映像撮影、Webなど多岐にわたるデザインをしています。
もちろんこのアウトプットの作業のなかでも、ドローンを使ったサービスを展開している海外・国内の企業が、どんな文脈とビジュアルで打ち出されているかなどをリサーチしたうえで、docomo skyの独自性をプランニングしていきましたし、藤牧をはじめとしたプロジェクトメンバーが、長期的にdocomoさんとブランドがどうあるべきかを細かに詰めていた指標を、社会に対してどう具体的に展開していくかということを考えながら制作していきました。
藤牧:クライアントとお付き合いをしていくうえで、この案件のようにパートナー的に『クリエイティブを支える』というのは、この先デザインに関わる業務のあり方の一つなのではと思っています。
圓島:クライアントとある程度の時間を過ごしていると、考え方や求められていることの距離感がぐっと近づくので、制作したモノや世に出たモノの強度は上がりますよね。
藤牧:さらに、クライアントの実利に繋がるように、デザインがしっかり機能すること目指したいですね。
圓島:クライアントワークだけでなく、自社開発となるR&Dに対しても同じことが言えると思います。「LIVE/AUG」に関わっている時も、チームメンバーにヒアリングをしてコンセプト開発や映像のストーリーボード制作を行ったり、3DCGのためのカンプを作ったりしながら、チームメンバーとつねに最適解を検証しながらプロジェクトを進めていました。R&Dというと、テック領域が先行しがちなイメージはありますが、コンセプトR&Dというか、デザインR&Dというか、ある文脈のフレームをアップデートさせる様な理屈をもったデザインをたずさえて社会に提案するR&Dとして、ブランディングの発想を持って、プロジェクトのチームメンバーと一緒に考えていくことができたのが「LIVE/AUG」でした。
ー 最後にお二人の考える今後の展望を教えてください
藤牧:docomo skyのようにクリエイティブパートナーとして一気通貫した取り組みも強みになってきましたので、より多くのクライアントに向けて貢献できると思います。さらに、パートナーシップを強みにしていくためにも、R&Dの質や精度の向上に努めていくことも必要になってくると感じています。イメージソースのR&D文化をベースとして、クライアントへスピーディーにクリエイティブを提供し、社会貢献に繋げていくことを直近の目標にしたいですね。ブランディングに特化した会社は多くありますが、今後はイメージソースとしてのR&Dとクライアントワークを並行し、かつ、総合的に企画から実施までを手がける会社の強みをさらに出していきたいですね。
圓島:テックだけ、ブランディングだけということではなく、もっといろんなジャンルで、既存の文脈・領域のなかから新しい文脈の結合点を探していく様な、横断的視点や垂直統合的な視点で仕事をしていきたいと思っています!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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