こんにちは。映画を語るサロンのKKです。
皆さんGWはどのように過ごされましたか?
私は予定通り家に篭ることができて満足できる休日でした。
今回は『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』を紹介したいと思います!
19世紀気球飛行のショーが行われ、男性と女性の二人が気球に乗り込みます。生真面目な男性は気象学者のジェームズ、華やかな演出でショーを盛り上げる女性は気球操縦士のアメリア。この気球飛行は当時の世界記録だった高度7000mを破り、未知の高度まで到達するという目的がありました。気球が空に上がっていくと、正反対の二人が何故一緒にこの気球飛行に参加したのかが分かっていき、同時に高度が上がるにつれ、今まで人類が知らなかった自然の現象に遭遇します。
皆さんは飛行機がどのくらいの高度を飛ぶかご存知ですか?
高さ7500mから11000mの位置だそうです。
飛行機に乗ったことがある方は分かると思いますが、飛行機の窓を覗くと氷がつきますが、外気はなんとマイナス50度になるそうです。
実際に気象学者のジェームズ・グレーシャーは1862年に酸素ボンベなしに気球でこの高さまで上がっていきました。
そんな過酷な環境に生身で到達した人間がいたということは信じられませんが、彼がこのようなした目的は天気を予想をするために大気の温度と湿度を収集することでした。
これは実際に行われた気球飛行を基に作られた映画で、アメリアは実在した女性をモデルに創作されたキャラクターです。しかしジェームズという気象学者は実在の人物で、本当に気球に乗って高度11277mまで上昇しました。
この映画は気球に乗ってどこまで上昇できるのか実験するという単純な物語です。
話の序盤で気球はもう離陸します。気球が上昇しながら、搭乗者であるジェームズとアメリアが何を思ってこの計画に参加したのが明らかになっていくというのがこの物語の展開です。
気球が上昇していくうちに二人がどのような背景があるのかが描かれていきます。
学者肌のジェームズは天気予測ができるようになれば農業の助けになるということを考えながら、昔から父親の影響で星に憧れを持っている青年でした。イギリスの学会で大気の研究が進めば天気を予測できるという説を説いても信じてもらえず相手にされませんでした。
そんな彼が目につけたのがアメリアという女性でした。彼女は気球操縦士の夫と共に何度も気球に乗っているベテランの操縦士でしたが、ある気球飛行で夫に亡くしてしまい、ジェームズに話を持ちかけられても承諾することはありませんでした。
しかし、ジェームズの情熱に感化されやがて共に気球に乗ることになります。
最初は順調に高度を上げていき、初めて見る現象に感動するジェームズとアメリアでしたが、徐々に体調に変化が起きるようになっていき、正常な判断ができなくなっていきます。それでも研究のために上昇を続けたいジェームズと命の危険を感じて下降を試みようとするアメリアのぶつかりが生じ、緊迫した雰囲気になります。正常な判断が難しくなっていく中、気球も高すぎる高度に耐えられなくなっていくといういくつもの問題を抱えながら
そのような危険な状況とは対照的に、空は雲より上なので常に晴れていてとても美しいです。その対照さが自然の美しさと危険は紙一重なのだと感じました。一歩間違えれば死が待ち構えていたとしてもその美しさに魅せられて彼らは気球飛行するのかもしれないと考えさせられました。
自分は根っからのインドア派なので、アウトドアな活動を行うことは少ないですが、この映画を見たら気球飛行でなくてもどこか自然を感じるところに行きたいと思わせられました。