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人材育成無くして企業に未来なし

Photo by Akson on Unsplash

平野電業では、経営上の死活問題として社員の人材育成に取り組んでいます。

決して大げさに言っているのではありません。
IT業界ではそもそも圧倒的に技術者の数が不足しており、経験者はなかなか採用ができない上に、SES事業というのはどうしても離職率の高い業態で、放っておくとどんどん社員が減っていきます。

解決策はあります。簡単です。会社の魅力を増やせばよいのです。
ただし、一朝一夕に会社の魅力が増すはずがなく、もちろんいろいろ着手はしていますが時間がかかります。そして無理やり魅力をアピールしようとするとなぜかどんどんブラック感が漂います。
当IT事業部の待遇的な特徴は、高還元率と休み放題(少し語弊あり)なのですが、これだけをアピールポイントとして人を集めるのもいかがなものかという気もして、経営チームでかなり悩みました。
社員はもちろん、外部の方にも意見を伺った結果、「エンジニアとして成長できる環境を提供していくしかない」という、考えてみれば当たり前の結論にたどり着いたのです。

まず手をつけたのは新卒/未経験者向けの教育体制です。
「経験者が採れないなら育てる」と従来の中途採用のみから方向転換を行い、自社で講師を立て8ヶ月の研修コースを設定しました。研修終了後には1人前の初級構築エンジニアとして現場に送り出せるようにすることが目的です。
これは非常に好評で、毎年4名の枠に10倍近い応募者が集まるようになりました。今まででは考えられない事態です。
しかし、問題が発生しました。いくら研修ルームで技術をつけても実業務経験がないことに変わりはなく、研修中と実際の現場での作業にギャップを感じて悩む新人が出てきたのです。
結果的に、現在では新卒/未経験者の場合、入社から2年間(つまり8ヶ月の集合研修+16ヶ月のフォローアップ期間)は育成期間と位置づけています。研修部門だけのフォローではなく、彼らの少し先輩に当たる20代後半の社員と交流を持てる場を、オンライン/オフラインで用意しました。こちらは非常に好評です。

次に着手したのは既存社員の教育/スキルアップ制度拡充です。
設立から8年ほどは自主性に任せていたのですが、積極的に腕を磨く一部の人以外はあまりスキルレベルが上がっていない事が判明しました。
これでは「腕を磨き続けること」を要求する当社のポリシーにも反します。ヒアリングを重ねたところ、特に20代後半の若手技術者からは「スキルは磨きたいが、何をどうしていいかわからない」という意見が多く、本人の背中を押してやる制度が必要だということがわかったのです。
現在では、ベテランエンジニアによるオンラインQA窓口を開設し、ちょっとした相談や悩みなどを参画現場に関係なく気軽に相談できるようにしました。
また、各エンジニアにはカウンセリングを行い、将来どの職種や分野に進みたいかなどの話を聞き、資格取得を中心にスキルアップ目標を立ててもらうようにしました。その上で会社としての支援内容(資格取得料の補助やeラーニング受講費用の負担など)を決め、進捗をトラッキングすることで技術向上の促進を図っています。

まだまだ試行錯誤中ではありますが、これをやっていかなければ会社の未来はないという思いの元に、社員が安心して積極的に技術を磨き続けられる環境作りを目指して、経営チームおよび各部門リーダー一丸となって人材育成制度拡充に取り組んでいます。

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