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今、新宿駅に小さな工場直売店を構える理由

こんにちは。株式会社HiOLI代表の西尾です。

今日8月10日よりクラフトバタースイーツブランド『Butters』が初の常設店を新宿駅南口構内に3坪強の小さな工場直売店を構えることになりました。

7月上旬にプレスリリースを配信しましたところ、Withコロナの時代が長期化する可能性もあるこのタイミングであえて実店舗を出店することを決めた背景について質問を受ける機会が多くありました。

そこで、どういう考えでこのタイミングでこの判断をしたのか、簡単ではありますがnoteに書いてみることにしました。よろしければ、ご覧ください。

目次

  1. クラフトバタースイーツブランド『Butters』について
  2. なぜこのタイミングで、新宿駅にお店を構えることを決めたのか
  3. 都会のど真ん中の「工場直売店」。新宿駅の3坪に込めた想い
  4. これからの『Butters』と『クラフトスイーツカンパニー HiOLI』の展開
  5. ■Buttersの最新情報は、サイトや各SNSよりご覧ください。

クラフトバタースイーツブランド『Butters』について

クラフトバタースイーツブランド『Butters』は、東京/自由が丘にあるクラフトアイスクリーム工房『HiO ICE CREAM』の姉妹ブランドとして、緊急事態宣言が発令された当日=4月7日に産まれました。

『HiO ICE CREAM』と同じく、「次の世代に繋げるモノづくり」をしていきたいとの想いから、3つの価値観を大切にしています。

①可能な限り原材料をブレンドしないシングルオリジンにこだわり、素材・産地の特性を活かす
②独特な食感・風味を引き出すためにマイクロバッチで少量ずつ生産することで手間のかかる製法でも積極的に採用する
③売り切れる量のみ買い付けして製造する=フードロスを可能な限り減らす

メインプロダクトの『Craft Butter Cake』は、乳脂肪分が高く濃厚なミルクが特徴のジャージー種の原種が住むイギリス/ジャージー島にて150年超もの間、血統管理されたきた約3,000頭の原種のジャージーミルクから作った、まさに『シングルオリジンのバター』をベースにしています。

ガレットブルトヌの固めのクッキー生地に、バターを作る際に発生する副産物でもある脱脂粉乳と生クリームを合わせて煮詰めたミルクジャムとフィナンシェ生地を重ね、焼く際に表面を鉄板で抑えて焼くことで中に空洞を作り、濃厚なバターに風味を活かしつつ空気の層で軽さのバランスをとった新しいカタチのバターケーキです。

Butters/クラフトバターケーキについては、こちらにも記載していますのでもしよければお読みください。

なぜこのタイミングで、新宿駅にお店を構えることを決めたのか

4月7日のローンチ直後は、コロナウィルスにより営業自粛を求められる中でしたのでオンライン店舗にて週ごとに予約を受付させていただき、翌週で準備が整い次第順次発送する予約販売のカタチを採ってきました。

5月25日の緊急事態宣言の解除にともなう営業自粛の縮小からは、少しずつ外に出られる方が増えてきたことに合わせて、生産余力とのバランスを見ながら、首都圏の百貨店やターミナル駅の催事場所に期間限定出店をしています。

withコロナ時代における実店舗の役割

新型コロナウィルス感染症によって実店舗のあり方や価値が大きく変わり始めていることを実感しています。
姉妹ブランドの『HiO ICE CREAM』の自由が丘のお店は4~5月の約2カ月のあいだ実店舗での販売を停止せざる得ませんでしたが、その期間のオンラインの店舗には、自由が丘のお店の常連さん達も購入してくださっていました。そして、再開後はまたお店にも遊びに来てくださっています。

つまり、オンラインの店舗は、物理的距離がある場合には宅配でき、オフラインの店舗が営業できない場合には、お客様とのパイプ的役割を果たしてくれます。

実店舗の再開後は前年以上の来店客数をお迎えできる営業日が増えており、スタッフとの対話を楽しみにしてくださるお客様も多く、オンラインの店舗・実店舗の境目がなくなってきたことを実感しています。

そこで、withコロナが一定程度長期化する可能性を考慮し、オンラインの店舗でも引き続き予約販売を継続しながら、実店舗を設けるのであれば『お客様の外出時のストレスを少しでも軽減できること』を大切に考えていました。

お客様にわざわざ店舗にお越しいただくというよりは、『交通の要所(乗り換えが多いターミナル駅)まで僕たちがお客様の近くまでお届けに行く』イメージで出店場所を探していたところ、日本一のビックターミナルであるJR新宿駅の南口構内にお店を構える機会をいただきました。

都会のど真ん中の「工場直売店」。新宿駅の3坪に込めた想い

新型コロナウィルス感染症の影響を受ける前までの僕は、大きな区画・面積を活かしブランド価値を表現していくことに実店舗の価値を見出していました。

しかし、新型コロナウィルス感染症により実店舗の営業停止を余儀なくされたことにより、『Butters』を(HiO ICE CREAMも)次の世代に繋げていく・残していく・続けていくためには、身の丈に合わせた大きさ、身の丈に合わせた投資サイズ、という見方がとても大切になってくるのではないかと考えています。

実際に、今回の区画をどのように表現しようかとこの数か月考えてきたのですが、工夫次第で3坪でも表現できることがたくさんありました。

その1つは『Butters新宿』のモチーフにした銅色の鉄板です。19世紀にジャージー島でバターを作る際に使用していた木製の樽で作った撹拌機には、生乳を撹拌する際の回転に耐えうるように銅色の鉄枠がついていました。今年の1月にジャージー島へ訪問した際に、この撹拌機の鉄枠を見て150年超もの間血統管理されてきたジャージー島のシングルオリジンバター、そして『Butters』を象徴するマテリアルとして銅色の鉄板を使用しています。

※19世紀にジャージー島で使われていたバターの撹拌機。

そして、新宿駅という都会のど真ん中ではありますが、工場直売店であることを感じていただけるように、工場から送られてきたダンボールをそのままラックに乗せディスプレイしています。

『Butters 新宿』は都会のど真ん中にはありますが、おいしさを最優先に、手間のかかる製法でも採用し、マイクロバッチで製造するクラフトバタースイーツ『Butters』の工場直売店なのです。

これからの『Butters』と『クラフトスイーツカンパニー HiOLI』の展開

Buttersは、日本・世界のバターの独特な風味のバターと出会っていきながら、マイクロバッチだからこそできる手間のかかる製法も積極的に採用し、特徴的な食感・風味を楽しんでいただけるクラフトバタースイーツを作るべく、じっくりと時間をかけながら新商品の開発を予定しています。

そして、オンラインの店舗による予約販売は続けながら、今回の新宿の常設店をはじめ、将来的には交通の要所や日常における非日常の終着場所(目的地)になるような場所に3~5店舗ぐらいお店を出店できたらいいなぁと夢を描いています。

最後になりますが、『クラフトスイーツカンパニー HiOLI』は、マイクロバッチを維持しながら、連続製造化、複数ライン化、にも挑戦していきながら少量製造から中量製造へ昇華させられたらと日々試行錯誤しております。
『HiO ICE CREAM』・『Butters』そして将来的にはまた新しい姉妹ブランドも作れたらと思っていますが、どのブランドも街に根差すスイーツショップの手作り感、手触り感を大切にしながら、大切にしている価値観だけはブラさず届けられる範囲を少しずつ広げ、無理のない穏やかな成長を目指してまいります。

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