■手掛けていたアプリが事業譲渡、運命的だったHEROZとの出会い
ーーHEROZ入社前のキャリアについて教えてください。
大手通信会社でシステム開発職に従事し、特にアニメやゲーム系の自社サービスのプロダクト管理やアプリ開発などを行っていました。新卒入社で勤め始めて6年目、会社の事業整備で親会社から分離し、別会社へ転職をする転機が生まれたんです。「今いる会社に残るか、親会社に残るか」という選択を迫られた時、「このまま残っていても面白いことができないんじゃないか」と思ったことから転職を決意しました。
ーーどのようにHEROZと出会い、入社を決めたのでしょうか。
前職を辞める際に唯一心残りだったのが、自分がプロデューサーとして携わったアプリの業務から離れることでした。でも、そのアプリの一つがHEROZに事業譲渡されることになり、そこでHEROZが転職候補先として挙がってきたんですね。
それから当時、私の転職軸は、これまで自分がいたエンタメ事業の他にAI事業にも携われるということでした。AI事業に関しては、実は大学時代に人工知能学を専攻とし、受験時も「アトムを作りたい」と熱く語って推薦入学をしたくらい、思い入れのある分野でした。転職活動をしていた当時、HEROZは「AI革命を起こし、未来を創っていく」というビジョンを掲げており、そのビジョンに共感できたことが入社の決め手になりました。
■自分の強みが生かせる業界で、新しいものを創り出す楽しさに触れる
ーー2015年にHEROZに入社して、現在のポジションに就くまでにどんな仕事を担ってきましたか。
入社当時、HEROZはちょうど黎明期の終わりを迎えていた頃でした。社員数も現在の半分程で、B2B事業もほとんど行っておらず、自社開発のアプリ「将棋ウォーズ」という1つの柱としたソーシャルゲーム、アプリ系を軸にしたゲーム系のAI企業だったんです。アプリ毎にチームを組んでそれぞれが売上を競い、「1億円のインセンティブも夢じゃない」というモチベーションもかなり高く持てる環境で、私はゲーム制作のプロデューサーとして働いていました。
当時、HEROZは一般的なベンチャーのように売りとなるB2B製品を持っている会社ではなかったので、ビジネスを1から考えなければならない状態でもありました。そのため、プロデューサー職だけでなく、様々な企業に挨拶に回ったりAIのニーズや各所の課題についてヒアリングしたり、AIの可能性を紐解いて信頼関係を築いたりと営業のような仕事も担うようになりました。
その後、そういった地道な活動が実り、建設と金融、エンタメという大きな柱ができ、AIの専門家やコンサルに強いB2B寄りの人材も増える中で、社内体制が整備されていきました。約2年前にチーム制がしかれるようになり、自分の強みが一番生かせるエンタメチームでチームリーダーを任されることになったんです。
ーー現在、チームリーダーとしてどのような業務を行っていますか。
リーダーかつチーム唯一のビジネス職メンバーでもあるので、各クライアント企業への提案からチームメンバーやプロジェクト全体のマネジメントやプロダクト化した製品の運用・管理まで幅広く業務を行っています。具体的な対応案件としては、ゲームのAI設計や運用フェーズでの機能追加の提案などの他、リリース前のゲームをAIがプレイして予測値を出し、チェックするバランス調整などがあります。そうした案件を6名のチームメンバーを中心に、案件によっては時に建設チームや金融チームなど別チームのメンバーにも協力してもらいながら進めています。
ーー業務の中で、難しさを感じるのはどんな点ですか。
「AIでできること」に関して、お客様にかみ砕いてわかりやすく伝えることについては、難しさを感じる部分はあります。この基本的な理解がなされないと、お客様の期待値に対してAIの精度や機能にギャップが生じてしまうんですね。実際に過去に経験をしたことがありますが、AIの活用方法を納得していただくのにとても苦労したことを覚えています。難しい部分ではありますが、ビジネス職の基本的な役割でもあり、とても大事な業務だと思っています。
ーーどんな時にやりがいや楽しさを感じていますか。
お客様と一緒に何か新しいことを考えている時が、一番楽しいですね。この楽しみについては、前職から一貫して変わっていません。前職でもともと開発職からプロデューサーへ転身したのも、いろんなお客様と新しいものを考えて作る企画やサービス設計という仕事に魅力を感じたからです。面白い企画を考えるために、常日頃からアンテナを張り巡らせていますし、ネットやテレビ上だけではなく、しっかり現場に足を運んで物事を体験として自分に落とし込むようにしています。
また、お客様に近い場所で一緒に考えて反応をいただけたり、さらにイベントなどを開催すればユーザーの熱量までを直接肌で感じることができる点も、ダイレクトにやりがいにもつながっています。これまでにいただいたお客様からの反応として一番うれしかったのは、「AIが強すぎる」と言われたこと(笑)。設計ミスといえばミスになってしまうのですが…技術力を褒めていただけたのは非常にうれしかったですね。
■チームリーダーは、難題にチャレンジするプロフェッショナルなメンバーを支える縁の下の力持ち
ーー社内メンバーとのやり取りの中で、仕事を円滑に進めるために気をつけていることや心掛けていることを教えてください。
一緒に働くメンバーは、高い技術力を持つ、HEROZの強みを築くプロフェッショナルなメンバーです。特にゲーム分野は、世の中にないことをAIでできるようになったというようにインパクトと付加価値を求められるので、新しい課題に取り組む機会が多いんですね。ですが、これまで要望を出して、開発メンバーから「できない」と断られたことはほぼありません。コミュニケーション量が少なくても彼らは理解力がとても早く、お願いしたことは必ずやってくれますし、こちらも安心して仕事をお願いすることができます。そんな彼らに、お客様の要望をHEROZというフィルターを通して取捨選択し、いかに簡潔に要件を伝えるかは非常に気をつけるようにしています。
ーーチームリーダーとしては、どのような意識をもって任務にあたっていますか。
チームリーダーだからといって、メンバーが部下だという意識はありません。メンバーは一緒に働いている仲間であり、自分にはできないことをお願いしているという認識です。そんなメンバーが働きやすい環境をどうしたら作れるのか、サポートする立場としてそれを常に考えながら動いていますね。自分の役割はいわば、縁の下の力持ちとしてメンバーを支えていくことだと思っています。
■チームでエンタメ業界の成長にもつながるAI技術を開発し、より多くの産業でAIの活用を促進したい
ーー今後、チームをどのように成長させていきたいですか。
HEROZがもともとエンタメ事業会社であったことから、関係各社様と一番強いつながりがあるのがこのエンタメチームですし、会社全体の売上についても大きな責任も担っていると自負しています。そんなチームが取り組むべき役割としては、お客様とAIを搭載したゲームの制作、そしてその裏側でゲームをさらに効率化させるためのAIの開発という大きく分けて2つがあると考えています。これらを着実に遂行して業績を伸ばしていくとともに、多くの企業様に利用してもらえるようなAI技術を開発し、エンタメ業界全体の成長に貢献できるチームになることを目指していきたいです。
ーーご自身としては、これからどのようなキャリアを目指していますか。
今、さまざまな産業でAIを活用できるように働きかけていく必要性を強く感じています。中でもエンタメは、まだまだ事業拡張の可能性がある業界だと思っています。現在、弊社ではエンタメ企業様向けに事業を展開していますが、まったく異なる業界向けにAIを搭載した新しいエンタメ要素を提案するのもありなのではないかと思います。
エンタメと一口に言っても、ゲームだけではなく、音楽やビデオの配信事業、アミューズメント、スポーツなど多彩なカテゴリーがあります。また、さらにゲーミフィケーションという考え方を取り入れていけば、産業に関係なくどの企業にも通用する事業展開ができ、エンタメチームとしても成長できるのではないかと考えています。エンタメだからこそできる切り口で、より多くの産業にAIを導入していくというのが個人的に掲げているミッションであり、これから取り組んでいきたいことではありますね。
ーー今後の成長がますます期待されるHEROZに、どんなメンバーに来てもらいたいですか。
当たり前のことかもしれませんが、自ら動ける人ですね。社内には自律したメンバーが揃っているので、自分から動かなければ案件も滞り、仕事をふられる機会もなくなってしまう。基本的にそうした文化が培われている会社なので、指示待ちの方には辛い環境になってしまうかもしれません。逆に言えば、自律的に動ける人はどんどん成長して活躍できる環境であるということです。高い開発技術を持つメンバーと出会い、新しい技術にふれて触発される職場でもあるので、AIの知識の習得や提案力をはじめ、HEROZで自身の成長を大きく感じることができると思いますよ。