こんにちは、新卒採用チームのアリーナです!
今回は、新卒でHENNGEに入社し、CS(カスタマーサクセス)を経て現在はPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)として活躍する徐さんにお話を伺います。
PMMは、「あまりに多岐に渡るプロダクトマネージャーの役割を分担しよう」という思想から生まれた比較的新しい職種です。一般的には、従来のプロダクトマネージャーの仕事をPdMとPMMの2つの職種で分担し、開発に関わる部分はPdMが、ビジネスに関わる部分はPMMが担当しますが、HENNGEのPMMは一般のPdMとPMMの中間のような役割を担っています。
今回の記事では徐さんのお話を通じて、HENNGEのPMMの仕事内容や、PMMとして活躍するためのカギを紐解いていきます!
徐 聖翔(じょ せいしょう)
Product Planning & Research Division
台湾の工科大学を卒業後、2017年にHENNGE入社。クラウドセキュリティ事業のCS(カスタマーサクセス)導入ガイドとして国内外の重要案件を数多く担当。その後は同事業の教育機関やスタートアップ向けの新プランの立ち上げ、新規IoTサービスのCSを経て、現在は大容量ファイルを転送するサービス「HENNGE Secure Transfer」のプロダクト企画に従事。
CSとして顧客と深く関わった経験が、PMMを志すきっかけに
──はじめに、徐さんが新卒でHENNGEに入社した理由を教えてください。
徐:私は日本人の母と台湾人の父のもとに生まれたバックグラウンドから、日台両方に関わる仕事がしたいと幼い頃から考えていました。大学ではITを専攻していたので、就職活動では日本×台湾×ITを軸にしていましたね。
HENNGEには台湾の就活イベントで出会い、大きすぎず小さすぎず丁度よい規模感だったこと、ちょうど台湾事業が立ち上がるタイミングだったことから入社を決めました。また、大学の専攻はITだった一方、高校では商業を専攻していたため、ビジネスとIT技術の両方に関わる仕事がしたいと思い、入社後の職種としてはCSを志望していました。
──入社後は希望通りCS部門に配属されたんですよね。その後、どんなキャリアパスを経てPMMになったのでしょうか。
徐:入社して約3年半はCSとして働き、入社4年目のタイミングでPMMになりました。
CS時代は、最初の2年間は主力サービスのHENNGE Oneでオンボーディング業務を、その次の1年間は新規事業であるIoTサービスのCS全般を担当しました。最後の半年間は、学校などの教育機関向けにセキュリティサービスの提案を行う「HENNGE One for Education」や、HENNGE Oneのスタートアップ向けの新パッケージの整備など、CS部門内での新たな動きを任せてもらっていましたね。
2021年4月に異動してPMMになり、不正アクセス対策を行う「HENNGE Access Control」、大容量ファイルを安全に送受信する「HENNGE Secure Transfer」の二つのサービスに関わりました。現在は、Secure Transferを専任で担当しています。
──CSからPMMに転身した経緯を教えてください。
徐:PMMポジションが社内で新設されたタイミングで、自ら手を挙げて異動しました。
PMMになりたいと考えたのは、CSとしてお客様と深く関わる中で、「こうすればお客様にとってさらに使いやすいプロダクトになるんじゃないか?」と考える機会が徐々に増え、プロダクトの企画や開発に関わりたいと思うようになったからです。
──異動の希望はすんなり通ったんでしょうか?
徐:そうですね。当時の上司に自分の思いを伝えたところ、反対は一切されず背中を押してもらいました。希望をすっと受け入れてもらえたのは、お客様のフィードバックを集めて整理するなど、CS時代からPMMに近い動きを経験していたことも背景にあったと思います。
もちろん組織の状況や必要とされている経験値、ポジションの空きなどにもよるので手を挙げればいつもすぐに異動の希望が叶うわけではありませんが、HENNGEではどの職種も明確にキャリアパスが決まっているわけではないので、基本的にパッションがある人が挙手をして意思表示をしやすいカルチャーがあると思います。
開発サイドとビジネスサイド、経営レイヤーと現場レイヤーを日々行き来する
──徐さんの現在の仕事内容を教えてください。
徐:HENNGEでのPMMの仕事は、ひと言で表すと「担当するプロダクトの提供価値を言語化し、それをお客様に届けられるよう様々なステークホルダーと連携して物事を前に進めること」です。具体的には、以下のような業務を担当しています。
・担当するプロダクトの機能改善、新機能の企画
・お客様要望の管理、整理、優先順位づけ
・ユーザーインタビューやデータ分析などを通じたニーズの把握、深掘り
・開発部門と協力した進行管理やスコープ定義
・リリースに向けた、マーケティング、セールス、カスタマーサクセスなど各部門との連携
HENNGEのPMMは一般のPdMとPMMの中間のような役割を担うため、開発部門ともビジネス系の部門とも日々密に連携しています。割合で言うと、PdM的な仕事が8割、PMM的な仕事が1〜2割といった感じでしょうか。今後はもう少しPMM的な仕事の割合を増やしていきたい、というのが現状の課題でもあります。
──社内のほぼ全ての部門のメンバーと関わりながら仕事を進めているんですね。
徐:そうですね。また、上記の業務に加え、自社の経営戦略にアンテナを張るのもPMMの大切な役割の一つです。プロダクトの方向性は当然、会社が目指す方向性と一致させる必要があるので、プロダクト戦略は常に経営陣の考えを踏まえて決定するようにしています。プロダクトの機能というミクロの部分と経営戦略というマクロの部分を日々行き来しながら仕事をしているイメージですね。
同僚との仕事風景
──他社と比べた、HENNGEのPMM業務の特徴はどんなところにあると思いますか?
徐:一番の特徴は、日常的に英語を使うことだと思います。HENNGEはメンバー全体の約20%が外国籍ですが、開発部門は特に外国籍のメンバーが多いため、英語でのコミュニケーションが基本となります。個人的には英語力はとても汎用性が高いスキルだと思うので、ビジネスレベルの英語力を鍛えられるのは大きな魅力だと思いますね。
また、HENNGEでは開発部門に別途リーダーがおり、その方が開発部門としての最終意思決定をしてくれるので、私たちPMMは開発側とビジネス側をバランスよく見られるのも特徴の一つだと思います。
PMMとして活躍するには、ドメイン知識が必須
──徐さんが考える、HENNGEでPMMとして活躍するために必要なスキルや知識について教えてください。
徐:最も重要なのはドメイン知識──つまり業界やプロダクト、お客様についての理解の深さだと思います。その理解がないと、「何を、どんな優先度でやるべきか」の解像度がすごく下がってしまうので。
だからこそPMMとして活躍するには、CSやセールスなど、一度フロントの経験を積むことが大切だと思います。実際、HENNGEで現在PMMをしているのはフロント経験のあるメンバーがほとんどです。
──どれだけビジネス経験が豊富でも、ドメイン知識がなければバリューを発揮するのは難しいと。
徐:例えば飲食業界向けのSaaSや営業支援系のSaaSなど、対象となる業界や職種が一般に馴染みのあるtoBプロダクトや、自分がサービス利用者になれるtoCプロダクトの場合は、顧客心理もある程度想像しやすいため、ドメイン知識はそこまで要らないかもしれません。
一方でHENNGE Oneの顧客は企業の情報システム部門の方々なので、ドメイン知識なしでは顧客ニーズに沿ったプロダクトをつくるのは難しいと思います。逆に言えば、HENNGEではドメイン知識が豊富なメンバーがPMMを務め、顧客ニーズを的確に捉えたプロダクト開発ができていることが、競争優位性の一つになっているんじゃないでしょうか。
──ドメイン知識は、フロントで経験を積むなかで自然と身につくのでしょうか。
徐:そうですね。お客様のニーズを知るには、やはり直接お客様に話を聞くのが一番です。また、アンケートなどの一方通行のやり取りではなく、商談やインタビューを通じて双方向のコミュニケーションを取ることによってこそ、本当に深くお客様を理解できると思います。
オンボーディングの仕組みも昔より整ってきていますし、みんな最初は知識のないところからスタートしているので、安心してください!
──他に、PMMとして活躍する上で大切なことはありますか?
徐:業界や顧客など社外のことについてだけでなく、社内の各部門の仕事内容やメンバーに関する理解も同時に深めることでしょうか。
プロダクトをリリースするには、いろんな人の力を借りる必要があります。誰に何を頼めばいいのか、その人たちが何を気にして仕事をしているかを理解していないと、調整もうまくいきません。相手の立場を理解し、信頼を得ていてこそ、プロダクト開発をスムーズに進めることができると思います。
CSでもPMMでも、やりがいは顧客への貢献実感
──現在の仕事のやりがいを教えてください。
徐:自分が考えたものが形になり、お客様の役に立ったと実感できたときには、やはり大きなやりがいを感じます。直近だと、私が担当しているプロダクトの新しい基盤をリリースした後、その利用率が右肩上がりに伸びていくのを見たときには、自分の仕事の価値を強く感じられましたね。
また、私にはもともと様々な国の人たちと関わりながら仕事をしたいという思いがあったので、そうした環境に身を置きながら働けていることも充実感につながっています。
──CS時代と今とでは、仕事に対して感じるやりがいも大きく違うのでしょうか。
徐:お客様の困りごとが解決されたときに達成感を持てるという意味では、CSでもPMMでも、感じられるやりがいは同じだと思っています。プロダクトを作るPMMと、それを届けるCSの両方がいてこそお客様の課題が解決されるので、あくまで「どの工程に関わっているか」だけの違いだと思いますね。
──逆に、PMMとして働くなかでどんなところが大変だと感じますか?
徐:とにかく関わるステークホルダーの数が多く、調整に時間がかかることでしょうか。例えば「A,B,Cの人たちと会話しておけば大丈夫だろう」と思って進めていたものの、実はDとEの人たちも巻き込むべきだった…という失敗は、これまで何度か経験しました。
特にHENNGEは意思決定をボトムアップで行うカルチャーがあるため、ステークホルダーの数が他社よりも多い傾向にあります。例えば事業責任者がすべての権限を握っている場合はその人とだけ話せば済みますが、HENNGEでは意思決定系が分散しているため、その分ステークホルダーが増えやすいんです。
──意思決定がトップダウンではなくボトムアップで行われるのは、HENNGEの大きな特徴でもありますよね。
徐:そうですね。現場メンバーも自分で事業を動かしていく実感が持てるので、やりがいや学びを得やすいと思いますし、現場のリアルな声が意思決定に反映されることが、変化の激しい様々なビジネスシーンへの対応力の高さにつながっていると思います。
PMMとして、海外の顧客に価値を届ける
──最後に、徐さんの今後の展望を教えてください。
徐:私には「海外と関わりながら仕事がしたい」という思いが、ずっと変わらずあります。これまでも、CSとしてHENNGE Oneのグローバル案件で海外のお客様と関わったり、PMMとして社内の様々な国籍のメンバーと連携したりしてきましたが、今後は新たなチャレンジとして、海外のお客様の課題を解決できるプロダクトの開発にPMMとして関わっていきたいです。
HENNGEは世界で戦える「World Class IT Company」を目指しているので、遠くない未来に海外のマーケットにも進出することになるでしょう。その際にPMMとして活躍できるよう、引き続き力をつけていきたいと思います。
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以上、徐さんへのインタビューをお送りしました。
今回の記事のなかでは触れられませんでしたが、徐さんは28歳(2024年2月現在)という若さでリーダークラスの給与ランクに昇格を果たしているメンバーでもあります。
HENNGEでは、能力に応じて給与が決まる仕組みを取り入れています。メンバーは自身の判断で一つ上のランクに昇格申請をすることができ、経営陣などによる審査会を通過すれば、給与ランクを上げることができるんです。
そんなHENGEの給与制度について徐さんにインタビューした記事もあるので、ご興味のある方はぜひ併せてご覧ください^^
▼参考記事▼
30歳前後でリーダークラスの等級も。自己判断で昇格申請できる、HENNGEの給与制度
edit by:高野優海
photo by:Yui Sasaki