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Gravityでキャリアアップと育児の両立は可能?ライフステージの変化を経験して。

2022年に誕生した博報堂Gravityは、ファッション・ラグジュアリー・ライフスタイル領域のブランディングを得意とする広告会社です。博報堂グループ内にあった博報堂マグネットとコスモ・コミュニケーションズの2社が統合し、ノウハウ、スキルを融合することで、ブランド起点の統合マーケティングをワンストップかつ、高クオリティで提供しています。

そんな博報堂Gravityを支える社員へインタビューを実施。今回話を聞いたのは、2011年に博報堂マグネットへ入社、13年間にわたりビジネスプロデューサーとして働き、現在では3つのチームをまとめる部の副部長としても活躍する小長谷有紀。一児の母でもある小長谷に、ライフステージの変化と仕事の両立について聞きました。

 ▼プロフィール

小長谷有紀(こはせ・ゆき) / 職種:ビジネスプロデューサー・副部長 / 2011年11月 入社

入社以来、ビジネスプロデューサーとして活躍。5〜7人のチームをマネジメントするマネージャー(チーフ)を経て、現在は3つのチームをまとめる部の副部長として20名を超えるメンバーのマネジメントに従事。

ビジネスプロデューサーは、「クライアントの一番近くにいる存在」

───まずは小長谷さんの経歴を教えてください。


小長谷有紀(以下、小長谷):新卒ではアパレル会社に入社し、PRのアシスタント業務をしていました。その後、スポーツメーカーのマーケティング職を4年ほど経験したのち、縁あって2011年にGravityの前身である博報堂マグネットに入社しました。そこから現在まで13年間、ビジネスプロデューサーをしています。

───小長谷さんの言葉で、ビジネスプロデューサーについて説明していただけますか。

小長谷:「クライアントの一番近くにいる存在」ですかね。クライアントが困ったときや課題があるときにヒアリングし、その課題を解決するために最適な手法を考え、ディレクションする人です。

───クライアントとはどのような関係を築いていますか?

小長谷:友達のような関係に発展している方もいて、いつもチャットで自然に連絡を取り合っています。「わーどうしよう」みたいなスタンプが送られてくることもしばしば(笑)。13年もこの仕事を続けていると、仲のいいクライアントの担当者が昇進され、チームを動かすキーマンのような存在になっていることも多いです。

───小長谷さんの考えるGravityの強みは?

小長谷:それぞれの分野のエキスパートがいて、クライアントの課題解決の戦略からソリューション、エグゼキューションも含めて、ワンストップで提供できることです。例えば、クライアントからのお題が「イベントをやりたい」だったとしても、クライアントの課題を踏まえて「1週間で終わっちゃうのはもったいないから、デジタルでどう拡げていこうか」と考え出す人がいる。「デジタルならこういうウェブサイトを作ったらいいんじゃない?」とデザインできる人がいる。

小長谷:前職の経験からクライアントの目線で見たときに、「この広告会社にお願いしたはずなのに、いつのまにか別の会社とやり取りしてる」みたいなことって、よく起こりがちなんですよね。もちろん外部の協力先はありますが、Gravityではまるごと外注してしまうようなことはしません。ビジネスプロデューサーという窓口ひとつで全てが完結することは、クライアントにとってのメリットになると思います。

───本当に川上から川下まで、ですね。小長谷さんは副部長として3つのチームをとりまとめていますが大変なことと、やりがいを聞かせてもらえますか。

小長谷:強いて言えば、1時間刻みで違うクライアントに会うこともあるので、頭を切り替えるのが大変ですね。やりがいは、それぞれの課題に対していろんな解決方法があり、経験を積むごとにそれが自分の知識になっていくことです。

───Gravityで一緒に働いている人はどんなタイプが多いですか?

小長谷:広告業界で働く人っていろいろなイメージをされがちなんですが、社員は割と真面目でタフな人が多いなと思います。イキイキ働いているのを見ると、みんなこの仕事が好きなんだなって。真面目で面白い人たちが集まっていますね。

ライフステージの変化を、どう受け止めた?

───小長谷さんはお子さんがいらっしゃいますが、会社の産休・育休制度を利用しましたか?

小長谷:はい、今小学1年生の子どもがいます。2018年の2月に出産したのですが、Gravityになる以前だったので、産休・育休をとったのは博報堂マグネット時代のことです。博報堂グループなので福利厚生が手厚くて、出産一時金は他で耳にするものに比べても多かったですし、産休や育休に対してもしっかりフォローアップがありました。当時と比べて今はもっと充実しているんじゃないかな。

───産後、どれくらいで職場復帰を?

小長谷:早生まれだったので、0歳のうちに保育園に入れなきゃいけなくて、産休・育休合わせて半年ちょっと休んで復帰しました。

───早いですね。復帰したとき、大変ではなかったですか?

小長谷:復帰した2018年の8月は、おそらく人生で一番辛い時期でしたね……。これほど長く仕事をしない時期はそれまでなかったので、仕事の勘を取り戻すのが大変でした。その頃は夫も忙しく仕事をしており、いっぱいいっぱいでしたね。

 ───そこからどうやって日常にしていったんですか?


小長谷:子育てされている方って、みなさんそうだと思うんですけど、どんなにきつくても次の日はきちゃうので(笑)、いろんなことに慣れていくし、対処方法があることを知っていく。その毎日の積み重ねだったと思います。

───会社からのフォローはありましたか?

小長谷:はい、仕事面だけでなく、精神面でもすごく支えられました。当時のチーフと部長と私の3人でLINEグループをつくって、毎日、子育ての愚痴を聞いてもらっていたんです。ちなみにその部長は今の社長なんですが、今でも私のメンターのような存在です。

当時は社内に子持ちの人はほとんどいなかったのですが、子育ての悩みを聞いてくれる人はたくさんいました。私は休むことに抵抗があったのですが、「いいよいいよ、休みなよ」って言ってくれた人たちがいて、本当に支えられたなって思います。今もそういうことはカジュアルに話せる社風です。

───産休・育休をとる人も周りに増えてきていると思うのですが、そういうときに、小長谷さんはどうしてあげたいですか?

小長谷:まさに来月から産休に入る子がいるんですが、「とにかく体を第一に、 無理しないで」と伝えました。みんな不安を抱えながら産休に入ると思うので、「あなたの戻る場所はここにある。みんな待っている。私もそうだったよ」っていう話を必ずするようにしています。

仕事に関しては、本人が希望して体調も問題なければ任せるのですが、つらいときはすぐフォローできるように、チームで業務を調整しています。戻ってきたあとは最初の1〜2か月が特に大変なので、ひとりで仕事することのないようサポートしていきます。

 ───小長谷さんの1日のスケジュールはどんな感じでしょうか。


小長谷:子どもがいると、朝6時くらいには必ず起こされるんですよね(笑)。基本的に私は毎日出社しているので、子どもを学校へ送り出して、朝からミーティングがあれば会社に来ます。とはいえ、会社としても「リモート環境も併用して仕事をする場所の自由度を上げ、チームや自身のパフォーマンスを充実させよう」というスタンスなので、対面でのミーティングがなければ家で仕事することもあります。

17時半くらいに会社を出て、18時半くらいに迎えに行き、そこから20時半くらいまでは仕事をしないことにしています。プレゼンの前や、大きい仕事を抱えているときは忙しくなってしまうので、子どもが寝てから仕事をすることもあります。

───子育てして働き方は変わりましたか?

小長谷:もともと夜型だったので、子どもに合わせてだいぶ変わりました。あとは、世の中がコロナ禍を機にリモートワークできるようになったことも、大きな転換期になりましたね。

子どもが熱を出したときにもリモートで仕事できますし、よりフレキシブルに対応できるようになったと思います。

「先輩が自分の代わりに謝ってくれる姿を見てきた」

───Gravityはやりたいことを汲み取ってくれる会社ですか? 

小長谷:会社は社員のキャリアをすごく考えているので、それぞれの「こうなりたい」というキャリアを汲み取ってくれていると思います。その結果、途中で働き方や職種を変える人もいます。

───小長谷さん自身の役職が上がるとき、会社からの打診はあったのでしょうか?

小長谷:私がチーフになったときは「そろそろやってみてもいいんじゃない?」という抜擢人事だったと思うのですが、子育て中であることは話をして、「それでもいいですか?」という確認をとりましたね。

副部長になるときは子どもが小学校に上がる年だったので、その前年に「来年ってどう?」みたいな探りを入れられました(笑)。要は、今後もマネージメントとしてキャリアアップしたいと思っているのか、それともキャリア形成のスピードを落としたいのかと。その日は夫に相談したんですが、「協力するしやってみたら?」という感じだったので、挑戦してみようかなと。もともとは自分が副部長になるだなんて、全然思っていなかったんですけど。

───ご自分の成長のために小長谷さん自身がしていることはありますか?

小長谷:自分のキャリアを重ねることよりも、今は「みんなのために何ができるか」という気持ちが強いかもしれません。今期のはじまるタイミングでメンバーそれぞれが目標を設定したのですが、みんなの目標を聞いて、「どうやったら達成できるかな」と考えていて。私も知識を広げていかないと彼らに目標達成の手段を与えられないと思うので、選り好みせずに、いろんなクライアントにチャレンジしたいです。それから、広告の手法が増えているので、どんどんアップデートしていかないといけないと思います。

───どうやってアップデートしているんでしょうか。

小長谷:いろんな人とコミュニケーションすることですかね。グループ自体がすごく大きいので、その分野のプロフェッショナルがたくさんいるんです。そういう人たちと一緒に仕事をして、どんどん自分をパワーアップさせていく。

───全体のお話を通して、ご自身よりも一緒に働く人のことを優先して考えているんだなと感じました。


小長谷:昔は私も失敗して先輩に怒られたことがたくさんあるんですけど、その人たちが私の代わりに謝ってくれている後ろ姿を見てきたので、「この人たちのために頑張らなきゃ」みたいな思いがあったんです。それを今度は、自分のメンバーたちにしていけたら。失敗してしまったとしても、「今日を乗り切って、明日焼肉に行こう!」と声をかけるなど、自分がされて嬉しかったことはメンバーにもしていますね。

「どんなに大変なことがあっても終わりはあるし、私も謝ったし、そんなへこんでもしょうがないよ」みたいな。ポジティブにマインドチェンジできるような声かけを心がけています。

───となると、この仕事に向いているのは、ポジティブにマインドチェンジできるタイプの人でしょうか?

小長谷:そうですね、環境適応能力が高い人が向いているんじゃないかと。この仕事はいろんなことが突発的に起こるのですが、ひとりで抱えて「どうしよう」ってなるよりも、「チームの誰かに相談しよう」って、ポジティブに環境に対応してくれるような人が合っていると思います。

───最後に、応募を考えている人に向けてメッセージをお願いします。

小長谷:Gravityではその人のキャリア観に合わせて進みたい道を相談できますし、ライフステージの変化にも寄り添ってくれると思います。例えば「結婚も出産もしたいから」などの理由で諦めないでほしいですね。

また、いろんな分野のエキスパートがいるので、いわゆる広告の手法にとどまらず、マーケティングや戦略、クリエイティブもデジタルも、いろんな知識が身につけられると思います。自分を磨きたい人にもぜひ挑戦してほしいです。


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