14歳までアメリカで育ち、語学を活かしてキャスティングリーダーとして活躍する堀井。持ち前の英語力・金髪ボブの弾ける笑顔以上に、プロジェクトで関わるさまざまなポジション・国の人に、誠実に応えようとする粘り強い胆力が彼女の最大の特長である。ENGAWAに入るまで挫折に苦しんでいたという彼女が、親会社であるAnyMind Japanの社内アワードにて、2024年上半期のベストスタッフ・ブロンズ賞を獲得し、新しい自分に出会うまでのストーリーをお届け!
▼ 堀井清美 / Kiyomi Horii (Cross Border Marketing 本部) 2022年3月入社。アメリカのオハイオ州で育ち、14歳で日本に帰国。日本でのカルチャーショックを強く経験しながらも、中高大は日本の学校に進学。海外アーティストのライブの企画、運営、制作、プロモーション全般の音楽ライブの会社にて2年就業した後、2019年にカナダにてヴィンテージ商品のバイヤーとして働く。コロナ禍により、仕事が無くなり2021年に帰国した後、1年間フリーターをしてENGAWA入社。
グローバルなビジネスと「俺が面倒見る!」という上司の言葉で入社を決意
-----入社されるまでの堀井さんの人生を教えてください!
父の仕事の関係でアメリカのオハイオ州で育ちました。周囲に日本人がいなかったこともあり、苦労もありましたが自分の個性がこの頃培われたと感じています。14歳で日本に帰国。日本の中学校に入学し、日本に対してカルチャーギャップを感じながらも徐々に慣れていき、大学に進学しました。その後、音楽ライブ企画会社・カナダへのワーキングホリデー(コロナにより途中帰国)・1年間のフリーター生活を経て、ENGAWAに入社しました。
-----激動の人生ですね…。ENGAWA入社に至った経緯を教えていただけますか?
自分の語学力とネイティブ視点を1番活かせる職場だと思ったからです。アメリカでの生活を通じて、外国に住むマイノリティの気持ちがわかるので、情報をいかに「正しく」「早く」「魅力的に」発信することの大切さを常に感じてました!
私が住んでいたオハイオ州は、当時はSNSも発展しておらず、日本の基本的な情報が届くまで体感3ヶ月くらいあったんです。自分のルーツである日本が現地の人にうまく伝わっていなかったり、良い方向にアップデートされていなかったり、リアルな日本が伝わっていないもどかしさがあったんですよね。
また、外国においての母国語の安心感も知っています。ENGAWAが運営する「Tokyo Weekender」は、もともと日本在住の外国人向け英字メディア。英語で政治・時事・アート・観光情報など、日本にまつわるさまざまな情報を発信しています。自分の経験からメディアを通じて、訪日観光客や日本在住の外国人が日本の良さや情報を、彼らが安心できる英語で発信することに非常に意義を感じました。
あとは、マネージャーの村井さんが「必ず面倒見る」と言ってくれたことも理由の1つです(笑)。最終面接の時に、「大学は中退、ワーキングホリデーに行けばコロナで失業して帰国など、挫折が多くて、人生再スタートしたいんです!」と思わず、本音で話をしたんです。そしたら、村井さんが「俺が面倒みる!」と採用してくれて、入社しました。とても嬉しかったです。
0から学んだ幅広い業務経験と培った信頼は、絶対に裏切らない!
-----入社してからの業務を教えてください。
インバウンド施策全般のディレクターとして入社しました。欧米向けは、何すればいいのか決まっていない状態でしたし、0ベースで成長していくつもりで、さまざまなことに挑戦しました。欧米向けインフルエンサーのリストを作成してゼロベースでコンタクトをとること、資料のフォルダ管理、撮影現場の視察、営業資料の作成など与えられた仕事はなんでもがむしゃらにやりました。
メール添削などを通じてクライアントへの立ち振る舞いを教えてくれる営業の先輩やクリエイターとの向き合い方やディレクションのイロハを教えてくれる先輩方のサポートがあり、ディレクターとしての仕事をこなしていくことができました。そして、多くのプロジェクトに携わる中で世界中のインフルエンサーやエージェンシーの知見を得られ、リサーチしなくても口頭で提案と見積もりを作れるまでになりました。
今は、英語圏(欧米豪&東南アジア)向けのインバウンド施策全般のPM(プロジェクトのディレクション、キャスティング、海外MCN連携など)やTokyo WeekenderのPMも担当しています。がむしゃらにやったからこそ、営業も企画もキャスティングも進行管理も取材も納品も精算周りも全部一人でできるように成長し、他部署からの海外インフルエンサーの相談も引き受けられるようになってきました。
-----印象に残ったプロジェクトを教えてください。
KOSEさまのプロジェクトです。KOSEさまがLAにて初の店舗出店するにあたり、現地在住のインフルエンサーを活用してプロモーションした施策です。通常、インフルエンサー案件は最短でも企画から納品まで1ヶ月掛かりますが、受注から納品まで1週間で終えることができ、異例のスピード感で実施することができました。
現地の開催日が迫る中で、LAの土地柄や人種比率を考慮し、より効率的にフォロワーにアプローチできる現地のラテン系・アジア系のインフルエンサーを提案。インフルエンサーは連絡がとれなくなってしまう人も多い中で、営業の木村さん、現地のインフルエンサー、クライアントのKOSEさまとの全方向での連携がうまく行き、奇跡みたいにスムーズに納品することができました。オープンの日は、現地のインフルエンサーと現地の担当の方が連携できるように、電話をつなぎサポートしました。時差がありましたが深夜から朝の8時まで対応した案件だったんですが、達成感で一杯でしたね。
たまたまうまくいったという訳ではなく、営業の木村さんが培ってきた信頼、今まで行ってきたクリエイターとのコミュニケーションなど、過去からの積み重ねがこの案件を可能にしたのであって、やってきたことすべて無駄ではなかったと感じることができました。あと、担当者さまの笑顔も最後に見ることができて嬉しかったです!
国・ポジションを超えてプロジェクトを成功させる鍵は、『柔軟性と軸』
-----堀井さんがENGAWAの仕事を通じて、学んだことはありますか?
1番は、「コミュニケーション」です。
国籍が違う人と関わることがほとんどなので、意見が合わないのは当たり前。社内・社外で、自分の価値観は絶対ではない、と理解するところから始めています。同じ言葉でも英語と日本語では捉え方が違うので、相手に合わせて伝え方を変えてます。それでうまく行かなかったとしても、日本の基準で人のミスを笑わない、馬鹿にしないこと。時差がある国と仕事をするときは、お金が関わる部分だけは絶対握って、あとは相手に合わせた方がミスが減り、信頼される。振り回されるのはしんどいので、とにかく相手に期待しない。あと常に声を大きく出すことと…
-----溢れんばかりの学びですね!
いろんな国籍・立場の人と関わりながら仕事する中で、コミュニケーションに関する部分はかなり鍛えられました。
もう1つあげるのであれば、「柔軟性と軸を同時に保つこと」です。ディレクターとして決まったマニュアルがないからこそ、常に何が一番いいのか自分で考える必要がありました。限られた予算、時間、リソースの中で何をすれば課題を解決できるのか?本当にこの予算でクライアントがしたいことを叶えられるのか?とか、先回りして考えることを習得しましたね。対クライアント、対クリエイター、対代理店、対社内、と常に色んな人の間に全員の意見を取り入れることなんて不可能なので、その状況の中なるべくみんな平等に負けてもらえるように努めてます。
たどり着いた場所を、自分にとってベストな環境にする姿勢を
-----今後、どんなことにチャレンジしたいですか?
海外現地のエージェントとの連携を強化し、いつかはENGAWA USオフィスを出したいです(笑)。アメリカで育っていることもあるので、日本で半々の生活にしたいなと。そのためには、海外クリエイター発注といえば、「ENGAWAの堀井さん」になりたいですね。
あとは、後輩育成です。ENGAWAは、メンバーの国籍やバックグラウンドが異なり、個人にそれぞれの強みがあることが魅力的だと思っています。各メンバーの強みを活かすことで、できないことを補完し、難しいプロジェクトを成功に導く。ENGAWAに入ってから数々のプロジェクトを通じて、成長し、達成感を得ることができました。なので、私もグローバルな環境でキャリアを築きたいと入社してくれた後輩に対して、その人の強みを活かせる育成にも力を入れたいと思っています。
-----転職を考えている人に向けて伝えたいことはありますか?
どんな場所でも1番いい環境にしようとする心構えが、常に1番いい状態に自分も会社も導くことができると思っています。転職活動をしていると、結局どの会社がいいのか、どんな指標で判断すればいいかが分からなくなることがありますが、明確に正解があるわけではないので、どんな会社に行ったとしても、その選択を1番の正解にする努力をするように自ら腹を括ること。あとは、上司や同僚としっかりコミュニケーションをとって、日々、環境を良くしていくことが1番だと思います。
-----堀井さん、ありがとうございます!
■ 出張先でTokyo Weekenderチームと一緒に!
▼Mgrより
入社以来、未経験分野をゼロから学びつつ2年間キャスティングとディレクション業務に取り組みました。インフルエンサーリソースを蓄積し、迅速かつ高品質な納品でクライアントから信頼を得て対応を指名されるようになり、チームに大きく貢献するまでに成長しました。高い言語力と積極的なコミュニケーションで社内外の架け橋となり、ビジネスチャンスの拡大に寄与しました。チームのムードメーカーとしてメンバーから愛されています。
▼営業担当より
プロフェッショナルとして尊敬しています。多様な案件を同時に進行するのは難易度が高いですが、常に新しいチャレンジや困難をチームの成長機会に変えています。周囲の信頼を得るためには、相手を真摯に考え、それを伝える力が重要です。堀井さんは相手のニーズを先回りして伝える力を持ち、これが最大の魅力です。私たち営業にとって、ENGAWAの強みを自信を持ってプレゼンするために欠かせない存在です。